公然わいせつ罪・わいせつ物頒布罪

わいせつとは

わいせつ罪における「わいせつ」の意味は、判例上、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものとされています。

しかし、これでは何が「わいせつ」に当たるのか判断するのは、非常に困難です。

実際に過去の裁判でも、わいせつ性が争われることがしばしばありました。そこでは、部分的にわいせつ性が認められれば、たとえ作品が高度な芸術性を備えていてもわいせつに当たると判断された例もあります。
ただ、その後、作品全体として見たときに主として芸術目的なのか、好色的興味に訴えるものなのかを検討して判断するとされるなど、時代の移り変わりとともにわいせつ性の判断は、緩和されてきています。

ですから、わいせつ性の判断は、常に固定化されたものではなく、その時代の一般社会の良識・社会通念を基準として決められるものであると考えられています。

現代では、わいせつの意味は相当に緩和されており、アダルトビデオやアダルト雑誌、官能小説などあらゆるものが販売されています。
これらは基本的に本罪のわいせつには該当しないと考えられます。
ですが、たとえば、無修正のアダルト画像や動画などが、わいせつ物として規制の対象になるというイメージを持つことは一般にも理解可能でしょう。

しかし、インターネット上のファイル共有ソフトなどにより、違法な動画などをアップロードしたような場合や、未成年が閲覧できるような場所で、殊更に詳細な性的描写や文書を記載した場合には注意しなければなりません。

わいせつ性の判断が、社会一般の常識によって決められるとしても、規制の対象となるかの線引きは、一般の方にとって不明確であると言わざるを得ないからです。

 

公然わいせつ罪(刑法174条)

公然わいせつな行為をした場合、6か月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)若しくは科料(1000円以上1万円未満の金銭の支払い)になります。

公然わいせつ罪は、人がわいせつな行為を公然と行う場合を規制する犯罪です。
わいせつ性が物に固定されないため、比較的伝播性は小さいといえます。

ここでいう「公然と」というのは、わいせつな行為を不特定又は多数の人が認識できる状態を意味します。
実際に認識される必要はありません。
ですから、特定・少数の者にわいせつな行為を見せた場合でも、それが不特定多数を勧誘した結果であれば、公然性を有するといえます。

 

わいせつ物頒布等罪(刑法175条)

わいせつな文書、図画、電磁的記録などを頒布し、又は公然と陳列した場合、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料(1000円以上1万円未満の金銭の支払い)に処し、又は懲役及び罰金を併科となります。

また、インターネット上などで電磁的記録その他の記録を頒布した場合も、同様です。
さらに、有償で頒布する目的で、わいせつ物を所持し、保管した場合も、同様です。

 

規制される行為 

① 頒布
対象物・記録を不特定又は多数人に交付すること
特定の人に対する1回限りの交付は対象外です。不特定多数に交付することで、広範囲にわいせつ物等が伝播する危険性があるからです。
ただし、特定された少数人であっても、反復継続する意思がある場合には頒布とされることもあります。

② 公然陳列
わいせつ物のわいせつ内容を不特定又は多数の者が認識できる状態に置くこと
特定少数の者が認識しうる状態に置かれただけでは足りませんが、不特定の者を勧誘した結果として少数にしか認識されなかったような場合でも公然陳列に当たる可能性があります。

また、ネット上でのダウンロードを要する等、何らかの手順を踏まないと閲覧できないような場合でも、それが閲覧する側にとって簡単な操作であれば、公然陳列に該当します。

③ 所持・保管
わいせつな物・電磁的記録等を自己の支配下に置くこと
所持・保管の行為によって、罰せられるのは、有償で頒布する目的が認められる必要があります。

 

~わいせつ事件における弁護活動~

無罪の主張

わいせつ行為について、何ら身に覚えがないのに逮捕されてしまった場合、早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。

捜査機関による取り調べで、虚偽の自白が作成されてしまわないようにも、弁護士から取調べ対応についてのアドバイスを受けることが大切です。

また、犯行とされる行為にわいせつ性が認められない場合や規制対象の行為には当たらないというような場合には、それを証明する証拠を収集したり、捜査機関の見解が十分な証拠に裏付けられていないことを主張したりするのに、弁護士の専門的な知識・能力は不可欠です。

 

再犯防止・環境整備

たとえば、路上で性器を露出してしまったという公然わいせつ事件のような場合には、繰り返し同様の犯行を行ってしまうことがあります。
また、過去にも同じような事実で処罰を受けている場合もあります。
そのような場合、事件を起こしてしまった後には、本当に反省しているにもかかわらず、自分自身をコントロールできずに再度繰り返してしまうというケースが非常に多いです。

繰り返し犯行を行ってしまうと、それだけ処罰は重くなります。
二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、メンタルケアなどの専門の医療機関への受診や治療を受けることが大切です。

治療環境を整えることで、再犯防止につながるとともに、そのような事情を有利な情状事実としてアピールすることも可能です。
再犯防止策を提示することは、反省している姿勢や再び罪を犯す危険性がないことを示すことができるという点で、減刑や執行猶予付き判決につながるのです。

 

早期の身柄解放活動

わいせつ事件で逮捕された場合、身柄拘束の期間が長くなればなるほど、事件のことが周りの人に知れ、職場復帰や社会復帰が困難になってしまいます。
ですから、逮捕されてしまった場合、まず目標となるのは勾留手続という次の段階に進ませないことです。

できるだけ早く弁護士に依頼し、勾留手続を回避すべく適切な弁護活動をしてもらうようにしましょう。

また、適切な取調べ対応をすれば、身柄拘束の必要性がないと判断され早期の釈放を受けやすくなります。
弁護士に相談すれば、取調べにおいてどう対応すればよいのかということについても、専門的な視点からアドバイスを受けることができます。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に特化した弁護士が、ご依頼後すぐに対応いたします。
夫や息子が兵庫県内のわいせつ事件で逮捕されてしまった、現在捜査を受けていて捕まりそうだ、そんな時はぜひ一度ご相談ください。

 

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