詐欺罪

詐欺罪(刑法246条)

1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、前項と同様とする。

 

組織的詐欺(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)

詐欺行為が、団体の活動として、詐欺行為を実行するための組織により行われたときは、1年以上20年以下の有期懲役刑となります(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、いわゆる組織犯罪処罰法3条1項13号)。

 

詐欺罪の近年の傾向

詐欺罪の捜査では、詐欺罪での逮捕に先立って、文書偽造罪、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)違反や不正競争防止法違反、特定商取引に関する法律(特商法)違反や不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)違反等の別件別罪での捜査・逮捕が行われることが多くみられます。

近年増加しているオレオレ詐欺などの振り込め詐欺や投資詐欺のような組織的詐欺の量刑(刑罰の重さ)は、重罰化・厳罰化の傾向にあります。

オレオレ詐欺などの振り込め詐欺や投資詐欺のような組織的詐欺においては、首謀者はもちろん、詐欺被害者に連絡して騙す役割の者(通称「かけ子」)の多くは懲役刑の実刑判決を受けることになります。

振り込め詐欺や投資詐欺で口座からお金を引き出す役割の者(通称「出し子」)やオレオレ詐欺における現金の受け取り役(通称「受け子」)も、詐欺行為の重要な役割を担当しているということで、懲役の実刑判決を受ける可能性が高くなっています。

ただ、詐欺罪における被害金額が少ない場合や、同種の前科前歴がなく振り込め詐欺の共犯者と関わりが薄い場合には、執行猶予付判決の可能性が出てきます。

詐欺行為が団体の活動として詐欺行為を実行するための組織により行われる組織的詐欺については、組織的犯罪処罰法(組織的詐欺)の規定によって、通常の詐欺罪より法定刑が重くなっています。
詐欺事件、特にオレオレ詐欺などの振り込め詐欺や投資詐欺のような組織的詐欺事件で逮捕・勾留された場合には、身柄拘束が長期になる傾向にあります。

 

詐欺罪とは

詐欺罪は、人を騙して財物を交付させる犯罪です。詐欺罪が成立するには、欺罔行為(詐欺行為)によって、人を錯誤に陥らせ、財物や財産上の利益を交付させること、及びこれらの一連の流れに因果関係が認められることが必要です。

 

欺罔行為(詐欺行為)

欺罔行為とは、人を錯誤に陥れて財物を交付させるような性質の行為のことを意味します。

相手方を騙しうるような行為であればよく、現実に相手方が騙されなかった場合でもそのような行為をすれば詐欺の未遂罪が成立します。

相手方を錯誤に陥らせた状態で財産を交付させるような行為であれば、その方法や手段は問いません。
言語によるものでも動作によるものでも、間接的な方法によるものでも構いません。

相手方が錯誤に陥っていることを知りながら、あえて真実を告げないといった場合でも詐欺罪は成立する場合があります。

 

錯誤

錯誤というのは、簡単に言うと勘違いや思い違いを意味します。

欺罔行為によって勘違いや思い違いに陥ったことを要しますが、ここで要求される勘違いは、その勘違いがなければ財産を交付しなかったといえるほど重要な事実についてのものでなければなりません。
そうでなければ、錯誤によって財産を交付したとはいえないからです。

また、その程度の錯誤しか引き起こさないような行為しかなされていない場合には、そもそも欺罔行為とは認められません。

 

交付行為

詐欺罪の成立には、錯誤により生じた瑕疵ある意思に基づき、物や利益が交付される必要があります。

意思に基づく交付が要求されている点で、窃盗罪と区別するメルクマールとされています。

錯誤に陥らせて、注意を逸らしている間に財物を奪った場合には、意思に基づいた交付がないため、詐欺罪ではなく窃盗罪が成立します。

 

財産上不法の利益

刑法246条2項の規定する詐欺罪は、債権など有体物以外の財産的権利・利益を騙し取った場合に成立する犯罪であり、2項詐欺罪と呼ばれています。

ここで規定される財産上不法の利益とは、財産上の利益を不法に取得したことやさせたことを意味するのであって、不法な利益の取得を意味するのではありません。

 

~詐欺事件における弁護活動~

示談交渉

詐欺事件においては、財物などを騙し取られてしまった被害者の方が存在します。
ですから、詐欺事件を起こしてしまった場合には、被害者と示談を成立させることが大切です。

特に詐欺事件の場合には、現実に財産上の被害が出ているのですから、何よりもまず、被害の回復を行うことが大切です。
被害者への弁償や示談を成立させることができれば、不起訴処分や執行猶予判決を得るための説得材料となります。

また、事件が顕在化する前に、示談を行うことができれば、捜査機関による事件化を防ぐことのできる場合があります。
もっとも、被害者の方は、詐欺の被害にあったことで強い怒りを持っている場合もありますから、示談交渉については専門家である弁護士を通じて行うことをお勧めします。

 

無罪の主張

身に覚えのない詐欺の容疑で捜査を受けたり、裁判になったりした場合には、詐欺罪を構成する事実が存在しないことを証拠に基づいて主張し、不起訴処分や無罪判決の獲得を目指します。

詐欺罪の成立を立証するのは、実は検察官にとっても難しい犯罪類型なのです。

そもそも詐欺行為を行ったといえるのか、錯誤に陥らせるような行為であったのか、真に騙す意図があったのかなど、このような視点から、犯罪が成立しないことを基礎づける事実はないか、客観的な証拠に基づき主張する必要があります。
こうした活動は、法的な専門知識やノウハウが必要となりますので、刑事事件に強い弁護士に依頼するのが望ましいといえます。

 

早期の身柄開放活動

詐欺罪で逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。

そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。

 

兵庫県内の詐欺容疑で家族が逮捕されてしまった

示談交渉がこじれてまとまらない

現在ついている弁護士の動きが悪い

 

➡ そんなときは、刑事事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の弁護士にご相談ください。

 

~詐欺罪の具体例~

ケース(いわゆる釣銭詐欺のケース)

  1. Aさんは、神戸市垂水区にあるコンビニで、店員から受け取った釣銭が多いことに気付いたが、運が良かったと思って、店員に告げずにそのまま受け取りました。
  2. Aさんは、神戸市長田区の自宅に戻って初めて釣銭が多かったことに気付いたが、そのまま返しませんでした。
  3. Aさんは、コンビ二の店員から、多すぎたお釣りを返すよう言われたが、気のせいだと嘘をついて返しませんでした。

1のケースでは、店員から受け取ったお釣りが多い場合、Aさんには社会通念上店員に対して、釣銭が多かったことを告げるべき義務が認められます。
Aさんが、釣銭が多いことを知って、あえてこれを黙っていた行為は、不作為の欺罔行為により店員を思い違いさせたまま釣銭を交付させたものといえますので、詐欺罪が成立します。

2のケースでは、コンビニで受け取った時点で、Aさんは釣銭が多いことに気付いていなかったのですから、騙す行為がありません。
従って、詐欺罪は成立しません。もっとも、占有離脱物横領罪が成立することに注意が必要です。

3のケースでは、店員に対し、気のせいだと嘘をついた行為が、欺罔行為に当たります。
それによって、超過分のお釣りの返却を免れているため、2項詐欺罪が成立します。

 

ケース

兵庫県篠山市に住むAさんは、路上で拾った財布の中に、カード類を発見したことをいいことに、他人のクレジットカードを使用して、デパートで買い物をしました。

また、その後、他人のキャッシュカードを使って、ATMからお金を引き出しました。

Aさんが他人のクレジットカードを使用した行為について、カード加盟店であるデパートの店舗は、出されたクレジットカードの名義人であると誤信して、カード処理を行い、商品を交付しているのですから、詐欺罪が成立することになります。

これに対して、ATMでお金を引き出す行為も、他人のカードを使用して、不正に金銭を取得するという意味では、クレジットカードの場合と同様です。
しかしながら、詐欺罪は、人を錯誤に陥れ、その錯誤に基づき財産を交付させる必要があります。

機械操作でお金を引き出すような行為は、人を錯誤に陥らせるような行為ではないので、詐欺罪は成立しません。
もっとも、このような場合には、銀行からお金の占有を奪ったと捉えて、窃盗罪が成立することになります。

 

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