少年事件②:虞犯少年と触法少年

2020-02-22

虞犯少年触法少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市灘区内の路上で、高齢女性をナイフで脅して現金1万円を奪ったとして、県内に住む14歳のAくんが強盗容疑で兵庫県灘警察署に逮捕されました。
13歳のBくんは、Aくんと共謀して事件を起こしたとして、同警察署に補導されました。
警察から連絡を受けたBくんの両親は、Bくんにどのような処分が下るのか不安になり、少年事件に詳しい弁護士に相談しています。
(フィクションです)

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、事件を起こした場合、犯行時の年齢や犯行内容によって、その後の流れは異なります。
前回のブログでは、家庭裁判所の審判対象となる非行少年のうち、「犯罪少年」について説明しました。
今回は、「触法少年」、「虞犯少年」それぞれについて説明していきます。

(2)触法少年

触法少年」とは、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年のことをいいます。
14歳未満の者は、刑事未成年とされており、刑罰が科されることはありません。
ですので、14歳未満の者が何か刑罰法令に触れる行為を行ったとしても、犯罪は成立しません。
しかし、少年法における審判や保護処分の対象となります。

触法少年の多くが、警察官によって発見されます。
警察官は、触法少年を発見した場合、要保護児童として児童相談所へ通告するか、事件を児童相談所に送致します。
警察は、送致前に、事件の調査を行うことができ、場合によっては少年を一時保護所等に入所させた上で調査を継続することもできます。
被疑者ではないので、逮捕や捜査を行うことはできません。

触法少年については、第一次的に児童相談所による調査や福祉的措置がなされます。
家庭裁判所での審理が必要な事件については、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後の手続については、犯罪少年の場合と同じです。
異なる点は、次の通りです。
・家庭裁判所による観護措置の更新は1回に限られる。
・少年審判に検察官を出席させることができない。
・12歳未満は少年審判の傍聴の対象とならない。
・家庭裁判所は刑事処分を相当として検察官送致決定をすることができない。
おおむね12歳以上であれば、最終処分として少年院送致となる可能性もあります。

(3)虞犯少年

虞犯少年」は、次に挙げる虞犯事由のいずれかに該当し、かつ、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年です。
【虞犯事由】
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること、
②正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
③犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。
④自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

虞犯少年については、犯罪少年とは異なる手続が用意されています。

(a)警察官が該当補導等によって虞犯少年を発見する場合
警察官が、街頭補導や少年相談等を通じて、虞犯少年と認められる者を発見した場合、警察官は、当該少年の調査を行います。
少年が14歳以上であり、家庭裁判所の審判に付することが適当と認められるときは、少年を家庭裁判所に送致します。
少年が14歳以上18歳未満であって、保護者がいないとき、又は保護者に監護させることが不適当であると認められ、家庭裁判所に直接送致するよりも、一度児童福祉法による措置にゆだねるのが適当であると認められる場合には、少年を児童相談所に通告します。
少年が14歳未満であり、保護者がいない又は保護者に監護をさせることが不適当であると認められる場合、少年を児童相談所に通告します。
14歳未満の虞犯少年は、都道府県知事又は児童相談所長からの送致がない限り、家庭裁判所で審判に付することができないため、まずは児童相談所に通告されます。

(b)司法警察員等が犯罪捜査の過程で虞犯少年を通告・送致する場合
司法警察員等は、14歳以上の少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑はないけれども、虞犯事件として家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
捜査の結果、嫌疑不十分と判断された場合であっても、虞犯として家庭裁判所に送致される可能性もあります。

虞犯少年が家庭裁判所に送致された後の手続は、犯罪少年等と同様です。
必要があれば観護措置がとられ、少年鑑別所に収容されることもありますし、審判の結果、少年院送致となる可能性もあります。

Bくんの場合、触法少年として、児童相談所から家庭裁判所に送致される可能性が高いでしょう。

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