不正作出支払用カード電磁的記録供用事件で接見禁止

2019-11-17

不正作出支払用カード電磁的記録供用事件で接見禁止

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市中央区にあるブランド店で、偽造クレジットカードを使用してバックなどの商品を購入したとして、県内に住むAさんを不正作出支払用カード電磁的記録供用と詐欺の疑いで逮捕されました。
カード会社からの情報提供を受け、本件が発覚しました。
Aさんは、「電話で指示されてやった」と容疑を認めています。
逮捕後、勾留となったAさんは、同時に接見禁止が付されており、Aさんの家族は面会することができず困っています。
(フィクションです)

支払用カード電磁的記録に関する罪

支払用カード電磁的記録に関する罪は、平成13年の刑法改正により新設されました。

支払用カード電磁的記録に関する罪には、支払用カード電磁的記録不正作出等罪(刑法第163条の2)、不正電磁的記録カード所持罪(第163条の3)、支払用カード電磁的記録不正作出準備罪(第163条の4)、そして未遂罪(第163条の5)があります。
今回は、支払用カード電磁的記録不正作出等罪の「不正作出支払用カード電磁的記録供用罪」に問われていますので、これについて解説していきたいと思います。

支払用カード電磁的記録不正作出等罪は、刑法第163条の2に規定されています。

第百六十三条の二 人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。
2 不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする。
3 不正に作られた第一項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、同項と同様とする。

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪」は、上の第2項に規定されています。
本罪の客体である「不正に作られた前項の電磁的記録」というのは、「不正に作出された人の財産上の事務処理の用に供する電磁的記録で、①クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するもの、②預貯金の引出用のカードを構成するもの」です。
対象となるカードのうち①は、商品の購入・役務の提供等の取引の対価を現金払いに変えて決済するために用いるカードのことをいい、クレジットカード以外にもプリペイドカードやETCカード、カード型電子マネーなどがこれに含まれます。
②については、キャッシュカードが該当し、ローンカードや生命保険カード、証券カード、ポイントカード、マイレージカードなどは支払用カードには当たりません。
本罪が成立するためには、「人の財産上の事務処理を誤らせる目的」が必要となります。
ですので、単に身分証明書としてクレジットカードを呈示する目的など、非財産的な事務処理を誤らせる目的の場合は該当しません。
本罪の構成要件的行為については、「人の財産上の事務処理の用に供する」ことです。
「供用」とは、不正に作出された支払用カードを構成する電磁的記録を、他人の財産上の事務処理のため、それに使用されている電子計算機において用い得る状態に置くことをいいます。
電磁的記録の内容が電子計算機により読み取り可能となった時点で本罪は既遂となります。

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪」の法定刑は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪で逮捕されると、その後勾留となる可能性が高いでしょう。
また、組織的な犯行が疑われた場合には、関係者と接触し証拠隠滅を図ることを阻止するために、弁護士以外との接見を禁止する接見禁止が付されることも多くなっています。
接見禁止となれば、被疑者の家族であっても面会することは出来ません。
そのような場合であっても、弁護士であればいつでも接見することができますので、家族が逮捕され接見禁止となり面会が出来ずお困りであれば、弁護士に接見を依頼されるのがよいでしょう。
また、家族は事件と一切関係がなく、証拠隠滅のおそれもないことを裁判官に主張し、家族との接見禁止を解除してもらうよう働きかけることも重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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