業務妨害で刑事事件

2021-02-24

業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市中央区の衣料品店で商品を購入したAさんは、後日店を訪れ購入した商品が偽物だとして店員に返品を迫りました。
対応した店員に罵声を浴びせたり、土下座をするよう迫ったりするなど、あまりの態度に困った店は、兵庫県生田警察署に相談しました。
兵庫県生田警察署は、Aさんに連絡し、「業務妨害の件で、話が聞きたい。」と伝え、出頭するよう求めました。
Aさんは、こんな大事になるとは思ってもおらず今後のことが心配になってきました。
(フィクションです。)

業務妨害罪とは

業務妨害罪は、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、あるいは威力を用いて、人の業務を妨害する罪です。
業務妨害罪のうち、人の業務を妨害する手段が、虚偽の風説の流布・偽計の場合が「偽計業務妨害」に当たり、威力を用いる場合が「威力業務妨害」となります。

業務妨害罪における「業務」とは、自然人または法人その他の団体が、社会生活上の地位において、あるいはこれと関連しておこなう職業その他の継続して従事することを必要とする事務(仕事)をいいます。
業務は、経済的に収入を得る目的のものでなくても構いませんが、社会活動上の活動でなければならず、個人的な活動や家庭生活上の活動は含まれません。

「虚偽の風説の流布」とは、客観的真実に反する事実を不特定または多数の者に伝播させることをいいます。
直接には少数の者に伝達した場合であっても、その者を介して多数の者に伝播するおそれがあるときも該当します。

「偽計」とは、人を欺罔・誘惑し、あるいは人の錯誤・不知を利用することをいいます。

「威力」とは、犯人の威勢、人数および四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するにたりる勢力をいい、現実に被害者が自由意思を制圧されたことまで必要とされません。

犯罪の成立には、これらの手段によって、業務が妨害され、業務の遂行に支障が生じたことまで必要とされるのではなく、業務を妨害するに足りる行為が行われればよいとされています。

商品を購入したが、サイズが合わない、同じようなものを持っていた、など様々な理由から返品を店に申し出ることはあることですし、それ自体は何も店の業務を妨害するようなことではありません。
しかし、返品を迫る態様が、店の自由意思を制圧するに足りるような勢力を用いたものであり、他の来店客にも迷惑をかけるようなものであれば、威力業務妨害に該当する可能性があります。

業務妨害事件では、加害者の行為により業務を妨害された被害者が存在します。
加害者の行為により、経済的損失だけでなく、精神的損害をも被っている場合もありますので、被害者に対してきちんと謝罪と損害賠償を行う必要があります。
このような被害者対応は、刑事事件の最終的な処分にも影響することになります。
事件を起訴するかどうかは、検察官が決めます。
検察官は、被疑者が犯罪を行っていないことが明白である場合や、被疑者が犯罪を行った疑いはあるけれども、それを立証するだけの充分な証拠がない場合には、起訴しない決定をします。
この他に、被疑者が犯罪を行ったことは確かで、それを立証するだけの十分な証拠もあるのだけれどもさまざまな事情を考慮して、今回は起訴しないとする場合もあります。
これを「起訴猶予」といいます。
起訴猶予となる理由には、犯罪が軽微である、被疑者が深く反省している、被疑者の年齢や境遇の他、被害者と示談が成立していることがあります。
「示談」というのは、加害者が被害者に対して金銭的な賠償を行うことで、被害者は被害届を提出しないなど、今回の事件については当事者間で解決したとする約束のことです。
検察官が最終的な決定をする時点で、被害者との示談が成立している場合には、起訴猶予となる可能性が高くなるでしょう。

事件を起してしまい、被害者との示談でお困りの方は、一度刑事事件に精通する弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の被疑者・被告人となり、対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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