人身事故で公判請求されたら

2020-04-26

人身事故を起こし、公判請求された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
最寄り駅まで車で家族を迎えに行こうと自家用車を運転していたAさん。
兵庫県川西市の交差点で右折しようとしていたところ、横断歩道を横断中の歩行者と衝突してしまいました。
歩行者は横転し、怪我を負っています。
Aさんは、すぐに119番通報しました。
現場に駆け付けた兵庫県川西警察署の警察官は、Aさんに事故について話を聞いています。
Aさんは、自分がどのような罪に問われるのか気が気でなりません。
(フィクションです)

人身事故を起こした場合に問われ得る罪とは

あなたが車やバイクを運転しているときに、歩行者や対向車などをぶつかり、相手に怪我を負わせたしまったとしてら、あなたにはどのような罪に問われることになるのでしょうか。
自動車等により事故を起こした場合には、、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転死傷処罰法」といいます。)が適用されるのが一般的です。

(1)過失運転致死傷罪

運転をする上でのあなたの不注意によって事故を起こしてしまった場合には、過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。

過失運転致死傷罪は、第5条に規定されています。
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立する罪です。
自動車の運転上必要な注意を怠る場合というのは、前方不注視や左右確認を怠ること、無灯火などで運転していることを意味し、運転上の様々な過失が該当することになります。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。
しかし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとしています。

(2)危険運転致死傷罪

運転上の不注意による事故ではなく、悪質かつ危険な運転による事故については、危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

次に掲げる行為を行うことによって、人を負傷させた場合には15年以下の懲役、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役が科される可能性があります。

①アルコール・薬物の影響によって、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②進行を制御させることが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③信仰を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人・車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人・車に著しく接近し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤赤信号等を殊更無視し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑥交通禁止道路を進行し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。

また、アルコール、薬物や一定の病気の影響によって、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、そのことを認識しながら自動車を運転した上、客観的に正常な運転が困難な状態に陥って人を負傷させた場合には、12年以下の懲役に、人を死亡させた場合には、15年以下の懲役が科される可能性があります。

公判請求されたら

上でみたように、人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
過失運転致傷事件においては、相手の怪我の程度が軽く、その他の事情を考慮して、不起訴となるケースもあります。
しかし、相手の怪我の程度がさほど軽くない場合や処罰感情が高い場合、その場から逃亡してしまった場合には、検察官が公判請求し、刑事裁判を受けることになるでしょう。
特に、危険運転致死傷罪には罰金刑もなく、社会的に処罰感情も高い犯罪であるため、検察官が犯罪を立証できると判断する限り、公判請求されます。
また、危険運転致死罪については、通常の裁判ではなく、裁判員裁判で審理されることになります。

あなたは公判請求されると、公開の法廷での審理を受けることになります。
刑事裁判には、刑事事件に精通する弁護士を弁護人として選任されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
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