準強制性交等罪で逮捕されたら

2020-04-24

準強制性交等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県灘警察署準強制性交等の疑いで逮捕されました。
Aさんは、出会い系サイトで知り合った女性Vさんと食事をした後、ホテルでVさんと性交したのですが、Vさんは当時とても酔っており、性交に同意してはいなかったと言っているそうです。
Aさんとしては、Vさんが酔っていたのは分かっていたが、性交をする際にも、明確に抵抗されなかったので、同意があったものと思っており、今回の逮捕に非常に驚いています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる刑事事件専門弁護士に連絡しました。
(フィクションです)

準強制性交等罪とは

準強制性交等罪は、平成29年の改正刑法により「準強姦罪」から改正された罪です。
準強制性交等罪は、暴行・脅迫の手段を用いずに、被害者の抵抗困難な状態を利用して、性交等を行う場合を処罰することとしています。

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

刑法178条1項は、準強制わいせつ罪について規定しており、同上2項が準強制性交等罪について規定しています。

準強制性交等罪は、
(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、
(2)性交等をする
罪です。

(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて

①心神喪失

「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害により正常な判断能力を欠く場合をいいます。
例えば、睡眠、酩酊、高度の精神病または精神遅滞により被害者が行為の意味を理解できない場合が「心神喪失」に当たります。
ここでいう「心神喪失」は、責任能力における心身喪失とは異なり、重度の精神薄弱者は、責任能力としての心身喪失状態にあったとしても、性交等の意味を理解している場合には、準強制性交等罪における「心神喪失」には当たらないことになります。

②抗拒不能

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態にあることをいいます。
「抗拒不能」に当たる場合としては、行為自体は認識していたが、医療行為だと誤信していた場合や畏怖状態に陥っている場合などが挙げられます。

心神喪失・抗拒不能の程度については、完全に不可能であることまでは求められず、犯行が著しく困難であればよいとされています。

心身喪失・抗拒不能に「乗じ」とは、既に被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることを利用することを指します。
例えば、泥酔している被害者に対して、性交等を行う場合です。

また、心神喪失・抗拒不能に「させ」とは、犯人が暴行・脅迫以外の手段で抗拒不能の状態を作り出す場合や、暴行・脅迫時には性交等の故意がなかった場合をいいます。
典型例としては、被害者に睡眠薬を飲ませて、眠り込んだ被害者と性交等を行う場合があります。

加えて、準強制性交等罪の成立には、被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることの認識が必要となります。
被害者が情婦であると誤信したため抗拒不能状態にあることの認識がなかった場合は、準強制性交等罪は成立しません。
また、被害者の同意があるものと誤信していた場合も、故意がないことから、準強制性交等罪は成立しないこととなります。

準強制性交等罪で逮捕されたら

準強制性交等罪で逮捕された場合、逮捕後勾留される可能性は高いと言えます。
事件の重大性や、被害者との接触可能性、逃亡のおそれなど、様々な要素が考慮され、例え、被疑者が身体拘束されることにより被り得る損害を考慮したとしても、なお、勾留することの必要性が認められる場合が多いからです。
しかし、勾留請求を行う検察官や勾留の判断を行う裁判官は、その判断を行う時点では被害者に有利な事情を知らないということもあります。
そのため、逮捕されたら、できるだけ早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、迅速に被害者に有利な事情を収集し、勾留が決定する前に、被疑者を勾留する必要がないことを客観的な証拠に基づき、検察官や裁判官に説得的に主張することを通じて、早期に釈放となるよう働きかけます。

また、容疑を認める場合には、すぐに被害者との示談交渉に着手するよう努めます。
被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際や、裁判官が言い渡す刑罰を決める際にも考慮されますので、非常に重要です。
示談に応じてもらえるかどうかは、被害者の意思に寄るところですが、交渉窓口となる弁護士の交渉手腕にも問われると言えるでしょう。

ご家族が準強制性交等罪で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。