覚せい剤取締法違反事件で保釈

2020-12-27

覚せい剤取締法違反事件で保釈となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宝塚市に住むAさんの自宅に、早朝、兵庫県宝塚警察署の警察官が訪れ、覚せい剤取締法違反で家宅捜索が行われました。
Aさんの部屋から覚せい剤が発見され、Aさんは覚せい剤所持で逮捕され、そのまま兵庫県宝塚警察署に連れて行かれました。
その場に居たAさんの妻は、突然の逮捕に驚き、Aさんがいつ釈放されるのか不安でなりません。
Aさんの妻は、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反での身体拘束

覚せい剤取締法違反で逮捕された場合、その後に勾留に付される可能性は極めて高いと言えます。

「逮捕」とは、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短期間その拘束を続ける処分をいいます。
警察は、逮捕から48時間以内に、被疑者の取調べを行った上で、被疑者を釈放するか、若しくは被疑者の身柄を検察に送致します。
警察が被疑者の身柄を送致すると、検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者の取調べを行い、被疑者を釈放する、若しくは裁判官に対して勾留を請求します。
「勾留」とは、逮捕後なお引き続き比較的長期間の身体拘束の必要性があるときに、被疑者の身柄を拘束する裁判及びその執行のことをいいます。
検察官が勾留を請求すると、被害者の身柄は裁判所に移送され、裁判官との面談を行います。
裁判官は、被疑者を勾留すべきか否かを判断し、勾留とした場合には、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から10日間その身柄が拘束されることになります。

「勾留」の要件には、①勾留の理由、及び②勾留の必要性とがあります。
勾留の理由は、(a)被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」がある場合で、かつ、(b)住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、の少なくとも1つに該当することです。
勾留の必要性については、勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留することが必要であるをいいます。

覚せい剤などの薬物事件では、薬物の入手先や譲渡先など、逮捕された被疑者だけでなく他の者も関与しているため、釈放した場合に、共犯者と連絡をとり、罪証隠滅を行う危険性があると判断されることが多く、勾留に付される可能性が高いのです。
そのため、覚せい剤取締法違反事件において、捜査段階での身柄解放は困難と言えるでしょう。
しかしながら、初犯であり、かつ被疑事実を認めている場合には、起訴後保釈制度を利用して釈放される可能性はあります。

保釈について

保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判とその執行のことをいいます。
保釈制度は、起訴され、被告人となった時から利用することができます。

保釈には、次の3つの種類があります。

(1)権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときには、原則として保釈を許さなければなりません。
しかし、例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、以下の6つです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。

(2)裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときには、職権で保釈を許すことができます。

(3)義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により又は職権で、保釈を許さなければなりません。

このように、権利保釈の除外事由がある場合でも、職権で保釈を認めてもらえることがありますので、起訴後は保釈制度を利用して釈放されるよう動きます。

Aさんの場合、覚せい剤取締法違反覚せい剤所持)で起訴されているとすれば、法定刑は「10年以下の懲役」と定められていますので、下限は1月で権利保釈の除外事由①に該当しません。
しかし、薬物事件の場合、除外事由③や④に該当するとして権利保釈が認められないことがあります。
そのような場合でも、家族などの身元引受人がおり、専門的な治療を受けるなど再犯防止策が用意されていることや、被告人の身体拘束が長期化することで被る不利益の大きさなどを考慮してもらい、職権での保釈が認められる可能性はあります。

 

覚せい剤取締法違反事件における身柄解放活動は、薬物事件にも対応する刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

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