詐欺事件で逮捕

2021-03-24

詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
婚活サイトで知り合った女性から現金を騙し取ったとして、兵庫県たつの警察署は、Aさんを詐欺の容疑で逮捕しました。
Aさんは、調べに対して、「相手を騙してはいない。返すつもりだった。」と容疑を否認しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、どう対応してよいか分からず、ネットで調べた刑事事件専門の弁護士に相談の電話をかけました。
(フィクションです。)

詐欺罪について

詐欺罪は、
①人を欺いて財物を交付させた
あるいは、
②人を欺いて財産上不法な利益を得、または他人にこれを得させた
場合に成立する罪です。

◇犯行の対象◇

詐欺罪における犯行の対象は、
①他人の占有する財物、
または、
②財産上の利益
です。

①他人の占有する財物
「他人の占有する財物」は、窃盗罪と同じく、他人が事実上支配し管理する状態にある財物のことです。

②財産上の利益
「財産上の利益」とは、強盗罪と同様に、財産以外の全ての財産上の利益のことを意味し、債務の免除、履行期の延期、債務負担の約束、財産的価値のあるサービスの提供などがこれに当たります。
条文上「財産上不法な利益」と規定してありますが、「不法な」利益を得るという意味ではなく、「不法に」財産上の利益を得るという意味です。

◇行為◇

詐欺罪の行為は、
①人を欺いて財物を交付させること、
または、
②人を欺いて財産上不法の利益を得ること、
です。

①人を欺いて財物を交付させる
「人を欺いて財物を交付させ」たと言えるためには、(a)欺く行為をして(欺罔)、(b)それに基づき相手方が錯誤に陥り(錯誤)、(c)その錯誤によって相手方が処分行為をし(財産的処分行為)、(d)それによって財物の占有が移転し(財物の交付)、(e)財産的損害が発生する、という客観的な相当因果関係がなければなりません。
「欺く」とは、一般人をして財物を処分させるような錯誤に陥らせることであり、相手方を騙すことをいいます。
「錯誤」とは、騙されて嘘を本当の話と信じることを意味します。
「財産的処分行為」は、財物などを渡す行為であり、相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により財物の占有を取得することです。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要となります。
財産を処分する事実としての行為は、法律行為のみならず、事実上財産的損失を生じさせる行為であれば構いません。
処分する意思については、財産を処分する意思をまったく有しない幼児や高度の精神障がい者は、財産的処分行為は認められず、このような者を欺いてその財物を奪う行為は詐欺罪ではなく窃盗罪を構成することになります。
「財物の交付」は、相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財物の占有が移転することを指します。

②人を欺いて財産上不法の利益を得る
①と同じく、欺罔→錯誤→財産的処分行為→財産上不法の利益を得る、という一連の流れが求められます。

◇主観的要素◇

詐欺罪は故意犯であるため、罪を犯す意思(=故意)がなければなりません。
詐欺罪の故意は、行為者が、相手方を欺いて、錯誤に陥らせ、その錯誤に基づく財産的処分行為によって財物を交付させ、自己または第三者が占有を取得する、あるいは財産上の利益を得ること、及びその因果関係を認識・認容することです。
また、故意とは別に、不法領得の意思も詐欺罪の成立に必要となります。
「不法領得の意思」というのは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思のことです。
この点、他人宛の書類を廃棄するだけの意図で他人を装って受領する行為について、不法領得の意思が認められず詐欺罪は成立しないとした判例があります。(最決平16・11・30)

上記事例では、Aさんは「騙してはいない。返すつもりだった。」と詐欺の故意を否認しています。
故意がなければ詐欺罪は成立しませんので、Aさんの主張が認められればAさんに対する詐欺罪は成立しないことになります。
しかしながら、単に「騙すつもりはなかった。」と主張するだけでは、故意がないことが認められることは難しく、行為があった時点で故意がないことを示す客観的な証拠を提出する必要があります。
また、取調べにおいて、Aさんが詐欺の故意があったことを窺わせるような内容の供述調書をとられてしまうと、後にその供述を否定することが難しくなりますので、早期に弁護士に相談し、自己に不利な供述がとられないように対応するのがよいでしょう。

詐欺事件で逮捕されたら

詐欺事件で逮捕された場合、刑法上の犯罪の中でも比較的重い罪であるため、その後に勾留に付される可能性は大いにあります。
また、詐欺罪は、法定刑に罰金がないため、公判請求される可能性もあります。
ただ、個人間での詐欺事件であれば、初犯であり、被害者への被害弁償や示談が成立していれば、不起訴となる場合もあります。
詐欺事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

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