少年の勾留と勾留に対する準抗告

2019-07-31

少年の勾留と勾留に対する準抗告

~ケース~
高校生のAくん(16歳)は、友人2人とともに、兵庫県多可郡多可町内に止めてあった原動機付自転車2台を盗みました。
後日、兵庫県西脇警察署の警察官がAくん宅を訪れ、窃盗の容疑でAくんを逮捕しました。
Aくんは、翌日神戸地方検察庁姫路支部に送致され、姫路簡易裁判所は検察官からの勾留請求を受け、Aくんに対する勾留決定を出しました。
Aくんの両親は、高校の定期試験があり、これを受けないと留年の可能性が高くなることや、長期間欠席が続けば退学のおそれもあるため、Aくんをすぐに釈放してくれないかと悩んでいます。
(フィクションです)

少年が逮捕されたら

20歳未満の少年が事件を起こし、逮捕されてしまった場合、基本的には成人の刑事事件を同様に刑事訴訟法が適用されます。
つまり、逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致されると、検察官による取調べが行われ、それを受けて検察官はAくんを勾留する必要があるかどうか判断します。
検察官が勾留する必要があると判断すると、裁判官に対して勾留請求を行います。
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、Aくんと面談した上で、勾留の要件に該当するかを検討し、勾留決定をするか、勾留請求を却下しAくんを釈放するかを決定します。
裁判官がAくんの勾留を決めると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められると最大で20日間の身体拘束となります。
長期間学校や職場に行くことができなくなれば、事件のことが学校や職場に発覚し、最悪の場合には退学や懲戒解雇となる可能性もあります。
そうなれば、少年の社会復帰にも影響し、更生の障害と成り得るでしょう。

ですので、お子様が事件を起こし、逮捕・勾留されたら弁護士に相談し、勾留に対する準抗告を行うなど早期身柄解放に向けて動くことが重要です。

勾留に対する準抗告について

先述のように裁判官が勾留の裁判(決定)を行うと、長期間の身体拘束を余儀なくされます。
このような長期身体拘束を回避する方法として「勾留に対する準抗告」が挙げられます。
準抗告」というのは、裁判官や捜査機関が行った一定の処分について、裁判所に対して取消や変更を求める不服申し立ての手続のことをいいます。
裁判官が行った勾留裁判に対して、準抗告の申立てを行い、申立て先の裁判所が勾留裁判を取消し、検察官が行った勾留請求を却下するよう働きかけます。
勾留」には満たさなければならない要件があります。
申立てには、それらの要件には該当せず被疑者を勾留した原裁判は違法であるためそれを取消し、検察官の勾留請求を却下すべきである旨を主張します。
ここで重要になるので、勾留の要件です。
勾留の要件とは、「犯罪の嫌疑」、「勾留の理由」および「勾留の必要性」です。

(1)犯罪の嫌疑
被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がなければなりません。
身体拘束をする上で、犯罪を行ったことを裏付ける事実が必要となります。
しかし、勾留段階では、すべての証拠がそろっていることはなく、ここで要求されている嫌疑の程度は、それほど高いものではありません。
(2)勾留の理由
以下のうち、どれか一つに該当している必要があります。
①定まった住所を有しないとき。
②罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
③逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
(3)勾留の必要性
嫌疑及び勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより生ずる不利益とを比較し、権衡を失するときは、被疑者を勾留することは許されません。

上記ケースでは、手元にある証拠から、被疑者である少年が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由が認められ、釈放した場合には、証拠品を処分したり、共犯者と口裏合わせをするなどして証拠隠滅を図るおそれがあると判断され、勾留となったと考えられます。
しかし、弁護人は、犯行後の少年の態度や証拠品が既に捜査機関によって押収されているため今更証拠隠滅を図ることは困難であること、また、少年に前歴がないことや保護者と生活をともにしていること、少年の保護者による監督が期待できることから逃亡すると疑うに足りる相当の理由が認められないこと、更には、少年が定期試験を控えており、長期の欠席により留年や退学のおそれがあることを考慮すると、勾留の必要性までは認められないということを客観的かつ具体的に主張することで、裁判所が勾留の裁判を取消し、勾留請求を却下する裁判をするよう働きかけます。

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