少年事件①:犯罪少年

2020-02-21

犯罪少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市灘区内の路上で、高齢女性をナイフで脅して現金1万円を奪ったとして、県内に住む14歳のAくんが強盗容疑で兵庫県灘警察署に逮捕されました。
13歳のBくんは、Aくんと共謀して事件を起こしたとして、同警察署に補導されました。
警察から連絡を受けたBくんの両親は、Bくんにどのような処分が下るのか不安になり、少年事件に詳しい弁護士に相談しています。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、事件を起こした場合、犯行時の年齢や犯行内容によって、その後の流れは異なります。
以下、家庭裁判所の審判対象となる「犯罪少年」、「触法少年」、「虞犯少年」それぞれについて説明していきます。

(1)犯罪少年

罪を犯した少年を「犯罪少年」といいます。
刑法は、14歳未満の者の行為については罰しないと定めています。
ですので、「罪を犯した」少年とは、14歳以上20歳未満で、犯罪行為を行った者を意味します。

捜査段階では、少年と成人で手続に顕著な差異はなく、少年であっても逮捕・勾留により身体拘束を強いられる可能性はあります。
特に、重大犯罪や共犯事件などは、逮捕・勾留となる可能性が高いと言えます。
少年を勾留するときは、成人と同様の勾留要件(「勾留の理由」と「勾留の必要性」)を充たしていることに加えて、「やむを得ない場合」であることが必要とされます。
少年を警察留置施設で勾留する場合でも、少年を成人とは分離して留置することになっています。
また、検察官は、刑事訴訟上の勾留要件を満たすと判断した場合でも、裁判官に対して「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されるのですが、以下の点で勾留とは異なります。

①勾留に代わる観護措置は、少年鑑別所収容のほか、家庭裁判所調査官による観護の方法もとることができます。
②勾留に代わる観護措置の期間は、検察官が請求した日から10日で、延長は出来ません。
③勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容された少年の事件が、家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされます。

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、すべての事件を家庭裁判所に送致します。

勾留されている少年の事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、裁判所に到着したときから24時間以内に、「観護措置」をとるか否かを決定します。
観護措置は、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置です。
被疑者段階で逮捕・勾留されている少年については、引き続き観護措置がとられることが多いですが、観護措置が必要ではないと判断され、観護措置がとられないケースもあります。
また、捜査段階では在宅で捜査が進められていたとしても、家庭裁判所送致後に、観護措置がとられ、少年鑑別所に収容されることもあります。

家庭裁判所は、事件を受理し、審判に付すべきか否かを判断するために、家庭調査官に対する調査命令を出します。
観護措置がとられている事件については、実務上、調査命令と審判開始決定が同時になされる運用となっています。
調査の結果、審判を開始するのが相当でないと認めるときは、審判不開始決定がなされます。
審判不開始となれば、そこで事件は終了です。

一方、審判開始決定がなされると、審判の期日が決まります。
審判までに、調査官は、少年や保護者に対して面会を行い、少年に関する社会調査を行います。
調査が終了すると、調査官は社会調査の結果を書面で裁判官に報告します。
裁判官は、調査官の報告書と捜査機関から送られてきた法律記録を参考にし、少年の更生に適した処分を決定します。
審判では、最終的に、少年に対する不処分、保護処分、または検察官送致が決定されます。

少年審判では、非行事実および要保護性が審理の対象となります。
非行事実は、刑事事件でいう公訴事実です。
要保護性とは、次の要素で構成されるものとされます。
①再非行の危険性:少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性:保護処分による矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を除去できる可能性。
③保護相当性:保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

このように、審判では、非行事実および要保護性について審理されるので、非行事実が重大な罪名に該当する場合であっても、要保護性が解消されたと判断された場合には、少年院送致といった矯正施設収容の処分ではなく、保護観察処分となることもあるのです。
上のケースのように、強盗事件であっても、事件後、少年の環境調整がしっかりと行われ、要保護性が解消されたと認められれば、保護観察処分が言い渡される可能性も十分あります。

そのためにも、早い段階から少年事件に詳しい弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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