少年鑑別所収容を回避

2020-05-06

少年鑑別所収容を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住む高校生のAくん(15歳)は、盗撮の容疑で兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕された日の夜に、Aくんは釈放されましたが、余罪もあるようで、警察からその後も取調べで出頭してほしいと言われています。
釈放となり一安心したAくんとAくんの両親でしたが、ネットで調べたところ少年鑑別所に収容される可能性があることを知り、Aくんも収容されるのか心配になり、すぐに少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年鑑別所とは

少年鑑別所」は、文字通り、「少年」を「鑑別」するところです。
具体的にいうと、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な監護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。

少年鑑別所での鑑別は、「医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識・技術に基づき、鑑別対象者について、その非行・犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」とされています。
つまり、非行行為や罪を犯した少年が審判を受けるにあたって、様々な専門的見地から、少年が非行行為や罪を犯すに至った原因を明らかにし、再び過ちを繰り返さないよう少年の更生に適した処分を決めるための指針を示す目的で、少年の鑑別が行われるのです。

鑑別のために調査すべき事項は、少年の性格、経歴、心身の状態、発達の程度、非行の状況、家庭環境や交友関係、所在中の生活や行動の状況などです。

少年鑑別所に収容される場合とは

少年鑑別所に収容される場合は、主に、①捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合、そして、②家庭裁判所送致後に観護措置がとられた場合、です。

①勾留に代わる観護措置

警察に逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放する、あるいは、勾留請求を行います。
この際、被疑者が少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
「勾留に代わる観護措置」がとられた場合、勾留先は警察署の留置場ではなく、通常、少年鑑別所となります。
勾留の場合、勾留期間は原則10日で、勾留延長が認められれば、最大で20日となるのに対し、勾留に代わる観護措置については、その期間の延長は認められないため、勾留期間は10日です。

勾留に代わる観護措置で少年鑑別所に収容されている間、あくまで「勾留」の代わりで少年鑑別所に収容されているため、当該少年は鑑別されるのではなく、引き続き捜査機関からの取調べを受けることになります。

②観護措置

捜査機関の捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」とは、家庭裁判所が、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図るながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者がとられることはほとんどありません。

観護措置の期間は、法律上は、2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされています。
しかし、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は、通常4週間となります。

先述のように、家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられることがほとんどです。
また、捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、観護措置が必要と判断されて観護措置がとられることもあります。

少年鑑別所収容を回避する活動

上で述べたように、少年鑑別所に収容される場合には、勾留に代わる観護措置がとられる場合と家庭裁判所送致後に観護措置がとられる場合とがあることを説明しました。
収容措置がとられると、長期間通常の生活をすることができませんので、その後の少年の生活に支障をきたしていまい、少年の更生の障害となってしまう可能性もあります。

そのような事態を回避するためには、それぞれの措置がとられる前に、当該措置をとる必要がないことを主張し、関係機関に働きかけることが重要です。
捜査段階では、勾留に代わる観護措置はもとより、勾留されることがないよう、勾留する理由および必要性がない旨を、客観的な証拠に基づいて、検察官および裁判官に主張することが求められます。
また、家庭裁判所に事件が送致された段階で、観護措置の必要性がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置の要件・必要性がないことや観護措置を避けるべき事情があることについて、意見書の提出や裁判官との面談を通じて説得的に主張する必要があります。

このように、適時に対応する必要がありますので、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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