SNS上の乗っ取り・なりすましで逮捕

2020-10-11

SNS上の乗っ取りなりすまし行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、知人のVさんのことが気になり、入手したID・パスワードの情報をもとにSNSのアカウントにログインしました。
最初は、SNS上の情報を閲覧することで満足していましたが、次第にVさんになりすましてメッセージを投稿するなどといった行為をするようになりました。
被害に気付いたVさんは、兵庫県加古川警察署に相談し、被害届を提出しました。
その話を知人伝いに聞いたAさんは、逮捕されるのではないかと不安でならず、自首したほうがよいのか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

他人のSNSのアカウントを乗っ取ったり、その人になりすましSNS上に投稿したりする被害は少なくありません。
興味本位やいたずら・嫌がらせのつもりで、このようなSNS上の乗っ取りなりすまし行為を行った場合、刑事責任に問われることになる可能性があり、お遊びでは済ますことができません。

1.不正アクセス禁止法違反

他人のSNSアカウントにログインする行為は、不正アクセス禁止法違反に当たります。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、「不正アクセス禁止法」といいます。)は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、コンピュータ・ネットワークを通じて行われるコンピュータに係る犯罪の防止と、アクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として、平成11年に制定されました。

不正アクセス禁止法は、「何人も、不正アクセス行為をしてはならない。」(3条)と不正アクセス行為を禁止しています。
これに違反した者は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処するものとされています。(11条)

禁止行為である「不正アクセス」については、2条4項において次のように定義されています。

この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為

(一)は、他人の識別符号(IDとパスワード)を無断で入力する「不正ログイン」、(二)及び(三)は、識別符号の入力によらず、アクセス制御機能による特定利用の制限を免れる情報・指令を入力する「セキュリティ・ホール攻撃」が該当します。

他人のID・パスワードを何らかの形で入手し、当人の承諾を得ず勝手にID・パスワードを入力してSNSのアカウントにログインする行為は、不正アクセスに当たります。

不正アクセス禁止法は、他にも、他人の識別符号を不正に取得する行為、不正アクセス行為を助長する行為、他人の識別符号を不正に保管する行為識別符号の入力を不正に要求する行為を禁止しており、これらに違反した者についても刑事罰を科すとしています。

2.名誉毀損・侮辱罪

他人のSNSアカウントに不正にログインし、その人のやり取りや写真・動画などを閲覧するだけにとどまらず、その人のアカウントからその人と偽り何らかのメッセージを投稿するような行為をした場合、その投稿内容如何により名誉毀損罪、侮辱罪、業務妨害罪などに問われる可能性があります。

SNS上の乗っ取りなりすまし行為による刑事事件では、被害者が存在するため、被害者対応をしっかり行うことが、最終的な処分にも大きく影響することになります。
具体的に言うと、被害者への謝罪・被害弁償の上、示談を締結することを目指します。

被害者との示談交渉は、刑事事件に精通する弁護士にお任せください。

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