ストーカー規制法違反で逮捕②

2020-03-12

ストーカー規制法違反逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県内に住むAさんは、数年交際してきたVさんと最近別れたばかりです。
復縁を希望するAさんは、何度もVさんにLINEで連絡したり、Vさん宅に押し掛けたりしていました。
すると、兵庫県加東警察署から、「Vさんにこれ以上連絡はとらないように。」との警告を受けました。
しかし、Vさん宅にある荷物を処分するため、Aさんは何度かVさんと連絡を取ろうとしたところ、Vさんから回答がなかったため仕方なくVさん宅を訪問しました。
Vさんに、荷物を受け取るためにVさん宅にいることを連絡したところ、兵庫県加東警察署の警察官がVさん宅にやってきて、ストーカー規制法違反でAさんを逮捕しました。
(フィクションです)

前回は、ストーカー規制法で規制対象となる行為について解説しました。
今回は、ストーカー規制法違反逮捕された場合、どのような流れとなり、事件を穏便に解決するための弁護活動について説明します。

(1)ストーカー規制法違反で逮捕されたら

ストーカー規制法違反事件の一般的な流れとしては、被害者からの相談を受けた警察が、行為者に対してまずは警告がなされ、警告を無視してつきまとい等を繰り返しストーカー行為を行った場合に逮捕・勾留されることになります。
しかし、問題の行為がストーカー行為に該当し、その内容が悪質である場合には、警告がないままいきなり逮捕されることもあります。

ストーカー規制法違反逮捕された場合の流れは、他の刑事事件と同様です。

逮捕から48時間以内に、被疑者は釈放されるか、または、証拠書類と共に検察庁に送致されます。
警察から検察庁に送致されると、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被害者を釈放する若しくは被疑者を勾留すべきだと判断すれば裁判所に対して勾留請求を行います。

「勾留」というのは、被疑者または被告人を拘禁する裁判および執行をいいます。
起訴前の勾留を「被疑者勾留」、起訴後の勾留を「被告人勾留」と呼びます。
勾留は、逮捕に引き続き長期間被疑者・被告人の身柄を拘束するものですので、勾留とするには満たさなければならない要件が設けられています。

①勾留の理由

勾留するには、勾留の理由が必要です。
勾留の理由というのは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる理由」がある場合で、かつ、(a)住居不定、(b)罪証隠滅のおそれ、(c)逃亡のおそれの少なくとも1つに該当することです。

②勾留の必要性

勾留の必要性は、事案の軽重、捜査の進展の程度、被疑者の年齢や身体の状況等から判断した勾留の相当性のことです。

このような要件を満たすと検察官が判断すれば、検察官は勾留請求を行います。
勾留請求を受けた裁判官は、勾留の理由および必要性があり、当該被疑者を勾留するか否かを判断します。
裁判官が勾留請求を却下すれば、被疑者は釈放されますが、勾留となれば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、勾留延長が認められれば最大で20日間の身体拘束を強いられます。

検察官は、この勾留期間中に被疑者を起訴するか否かを決めます。

(2)ストーカー規制法違反事件における弁護活動

ストーカー規制法違反事件における重要な弁護活動のひとつが、被害者との示談交渉です。
ストーカー規制法違反事件では、ストーカーの被害に遭った被害者がいますので、まずは被害者との間で示談を成立させることが重要です。
示談というのは、加害者が被害者に一定の被害弁償金を支払うことで、被害者は被害届の提出や告訴を行わない旨を約束したり、既に提出している場合には被害届等を取り下げてもらい、当事者間で今回の事件は解決したと約束することです。
被害者との示談が成立することで、検察官も不起訴処分で事件を終了させる可能性を高めることができます。
また、身柄が拘束されている場合には、不起訴処分となれば、即日釈放となります。
ですので、ストーカー規制法違反事件において、被害者と示談を成立させることは、事件を穏便に解決する上では必要不可欠なのです。

しかし、加害者やその家族が直接被害者と連絡をとり示談交渉に取り掛かることはお勧めできません。
ストーカー規制法違反事件に場合、加害者が既に被害者の連絡先を知っていることが多いのですが、逮捕・勾留されている場合は加害者本人が被害者に連絡をとることはできませんし、警察が加害者の家族に被害者の連絡先を教えることはありません。
捜査機関は、罪証隠滅のおそれから加害者側に被害者の連絡先を教えることを避けますし、万が一連絡先を入手したとしても、ストーカー行為に対して恐怖や怒りを感じている被害者が加害者側と積極的に連絡をとることはあまりありません。
ですので、被害者との示談交渉を行う際には、弁護士を介して行うのが一般的です。
弁護士限りであれば、連絡先を教えてもいいとする被害者の方も多く、被害者との連絡がつく可能性も高くなります。
また、法律の専門家である弁護士は、示談をするメリット・デメリットを被害者に丁寧に説明した上で、粘り強い交渉を行い、両者が納得いく内容で示談を成立させることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ストーカー規制法違反事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの示談交渉を行い、示談を成立させてきました。
ストーカー規制法違反事件や示談交渉でお悩みであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。