【少年事件】観護措置の回避に向けた弁護活動

2021-11-07

観護措置の回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県淡路市に住む高校1年生のAくんは、少年Bくんとひったくりをしたとして逮捕されました。
Aくんは、補導歴もなく、学校にも真面目に通っていたため、Aくんの母親は警察から逮捕の連絡を受けてショックを受けています。
警察からは、「この後まだ身体拘束が続くだろう。家庭裁判所に送致された後も、1か月ぐらいは少年鑑別所に収容されるかもしれない。」と言われ、母親はとても心配になっています。
(フィクションです。)

少年事件の身体拘束

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、その身柄が拘束されることもあります。
ここでは、14歳以上の少年で罪を犯した場合について説明します。

捜査段階では、被疑者が少年の場合でも、基本的には刑事訴訟法が適用されます。
捜査機関は、犯罪があると思料するときに捜査を開始し、少年であっても身体拘束の必要があると考えられるときには逮捕されます。
逮捕された場合、成人の刑事事件と同様に、警察は、逮捕から48時間以内に少年の身柄を検察官に送致する、若しくは釈放します。
検察官に送致した場合には、送致から24時間以内に、検察官は少年を釈放するか、裁判官に対して勾留又は勾留に代わる観護措置の請求を行います。
この請求を受けて、裁判官は勾留又は勾留に代わる観護措置を行うか否かを判断します。
勾留となれば、勾留請求から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間刑事施設に身柄が拘束されることになります。
勾留に代わる観護措置の場合、少年は少年鑑別所に収容されますが、その期間は10日間と延長は認められません。

捜査機関による捜査が終了し、犯罪の嫌疑があると判断された場合、事件は家庭裁判所に送られます。
その後、家庭裁判所調査官による調査を経て、審判で審理されることになります。
家庭裁判所に事件が送られた後、勾留がとられることはありませんが、「観護措置」により少年の身柄が拘束されることがあります。

観護措置とは

事件が家庭裁判所に係属している間いつでも、家庭裁判所は「観護措置」をとることができます。
観護措置というのは、家庭裁判所が調査や審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
この措置は、単に少年の身体を拘束しておくだけの手続ではなく、少年の心身の鑑別を行う手続です。
観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回限りで更新することができるとされていますが、実務上ほとんどの事件で更新がされており、観護措置の期間は通常4週間となっています。
観護措置は、事件が家庭裁判所に係属している間、いつでもとることができますが、捜査段階で逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に事件が送られたときに観護措置をとることがほとんどです。
捜査段階で逮捕・勾留されていない少年であっても、家庭裁判所が観護措置の必要性を認めた場合には、観護措置がとられることがあります。

観護措置の回避に向けて

観護措置の期間は決して短いとは言えず、その期間中は少年は学校や職場に行くことができません。
そのため、観護措置が少年のその後の生活に大きく影響してしまう可能性も少なくありません。
少年の生活、ひいては更生に大きな影響を及ぼし兼ねない場合には、観護措置を回避する必要があるでしょう。
そのような場合には、家庭裁判所に観護措置をとらないよう働きかけることが重要です。

観護措置をとるには、満たすべき要件があります。
その要件は、一般的に以下のものがあります。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること。
③審判を行う蓋然性があること。
観護措置の必要性が認められること。

これらの要件を満たしておらず、観護措置をとる必要がないこと、そして観護措置を避けるべき事情があることを述べた意見書を家庭裁判所に提出し、必要があれば裁判官との面談を行うなどして、観護措置の回避に向けて動く必要があるでしょう。

観護措置決定がなされた場合でも、その決定を争い身体拘束を解くという手段もあります。

少年の身体拘束が長期化する場合には、少年の生活、ひいては更生をかえって阻害してしまうこともあるため、観護措置の必要がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置を避けるための活動を行うことが重要です。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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