特殊詐欺で少年院送致を回避

2020-12-06

特殊詐欺少年院送致を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
大学生のAさんは、特殊詐欺の受け子として、兵庫県小野市の民家で住人からキャッシュカードが入った封筒を受け取りに行きました。
封筒を受け取り家を出た瞬間に、Aさんは外で待機していた兵庫県小野警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも1件同様の特殊詐欺の受け子をしていましたが、暗証番号が間違っていたためATMで現金を引き下ろすことができませんでした。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、Aさんは少年院に入ることになるのではないかと心配でなりません。
(フィクションです)

少年が特殊詐欺に加担するケースは少なくありません。
「簡単に金が稼げる。」、「いいバイトがある。」などといった誘い文句に乗り、アルバイト感覚で犯行に加担してしまうのです。
特殊詐欺に誘い込む組織の人間は、現金やキャッシュカードなどを受け取りに行く役(いわゆる「受け子」)は逮捕されやすいため、外部の人間に担わせることが多いのです。
そこで、インターネットの掲示板やSNSを通じて受け子を募集し、応募してきた者に犯行を指示し実行させます。

特殊詐欺による被害額も大きく、社会的にも大きな問題となっています。
そのため、特殊詐欺事件を起こした場合には、厳しい処罰が科される傾向にあります。
これは、被疑者が少年であっても同様の傾向が見られ、初犯であってもいきなり少年院送致という厳しい処分が言い渡される可能性があります。

特殊詐欺事件で少年院送致を回避するために

特殊詐欺については重い処分が科される可能性があります。
成人の刑事事件では、事件内容にもよりますが、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。
少年の場合でも、いきなり少年院送致となる可能性はあります。

少年院送致は、再非行のおそれが強く、社会内での更生が困難な場合に、少年を少年院に収容して矯正教育を受けさせる処分です。
少年院は、保護処分の執行を受ける者及び少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者を収容し、これらの者に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。
家庭裁判所は、少年院送致を決定する場合、少年の年齢や心身の発達の程度に応じて、送致すべき少年院の種類を指定します。

少年院送致を回避するためには、裁判官に少年の社会内での更生が期待できると認めてもらう必要があります。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性についても審理されます。
要保護性というのは、一般的に、少年が将来再非行に至る危険性があり、保護処分により再非行が防止できることです。
具体的には、次の3つの要素から構成されます。
①犯罪的危険性:少年が、その性格、環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性:保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性:少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。

この要保護性は、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
そのため、付添人である弁護士は、要保護性の解消に向けた活動を行います。
この要保護性を解消するための活動を「環境調整」と呼びます。

特殊詐欺事件における環境調整

1.被害者対応

特殊詐欺事件では、財産的損害を被った被害者がいます。
そのため、被害者への被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響しますが、少年の場合には、示談が成立したことをもって最終的な処分が軽くなるというわけではありません。
しかしながら、被害者への対応を行う中で、少年が自身が行った行為の重さを理解し、事件と向き合い、少年の内省を促すことに繋がります。
その意味で、被害者対応を行うことが要保護性の解消に影響するため、重要な活動のひとつを言えます。

2.家庭環境・交友関係の改善

少年の更生には、少年の家族の協力が必要不可欠です。
少年が非行を犯した原因が家庭環境にあることも少なくありません。
弁護士は、少年や家族としっかりと話し合い、少年の更生に適した環境を整えるべく尽力します。
また、交友関係が非行の原因である場合には、少年の交友関係の改善を目指します。
少年に対して一方的に交友関係を断つよう求めるのではなく、非行の原因が何であったかを考え理解させ、交友関係を改める必要性について納得させることが重要です。

少年が社会に戻ったとしても、更生できる環境が整っていると判断されれば、少年院送致ではなく保護観察による社会内処遇が言い渡される可能性が高まります。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
お子様が特殊詐欺に加担し逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談だくさい。
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