盗撮・のぞき

盗撮やのぞきで問われる罪・成立する犯罪

兵庫県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(迷惑防止条例)

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人に対して、不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。この規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する(兵庫県迷惑防止条例第3条の2、15条)。

 

軽犯罪法

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者は、拘留又は科料に処する(軽犯罪法1条23号)。

 

盗撮やのぞきで捕まってしまった場合、通常は迷惑防止条例違反で立件されることになります。
ただ、盗撮やのぞきをした場所や態様によっては、迷惑防止条例違反とならない場合もあります。
その場合には、軽犯罪法違反に該当する可能性があります。

盗撮やのぞき事件では、初犯であれば、不起訴処分や罰金処分で済むことも多いですが、繰り返し捕まった場合や悪質な態様であった場合には、正式裁判により懲役刑が下されることもあります。

また、迷惑防止条例は、都道府県ごとに定められていますので、それぞれで規定の仕方や法定刑が異なる場合があるので注意が必要です。

 

迷惑防止条例違反の説明

以下では、どのような場合に迷惑防止条例違反となるのか、各都道府県の迷惑防止条例で共通する考え方について説明します。

 

公共の場所・公共の乗物

迷惑防止上条例における公共の場所とは、不特定多数の人が自由に出入りし、利用できる場合を意味します。
従って、会社の人しか利用できないような社内のトイレや個人の家などは含まれません。

ただし、公共の場所という概念は非常に広く捉えられていますので、例えば大企業のオフィス内においては、大量の人が出入りするわけですから、迷惑防止条例における公共の場所に当たると判断されてもおかしくないと考えられます。

また、他府県の迷惑防止条例では、たとえば「公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物」というような規定の仕方をしています。
これは、具体的な例示を表すものであって、兵庫県の迷惑防止条例のように単に「公共の場所又は公共の乗物」とだけ規定されている場合でも除外されるわけではありません。

迷惑防止条例における公共の乗物というのは、電車やバスなどの公共交通機関を指しています。

 

卑わいな言動

迷惑防止上条例における卑わいな言動とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいいます。
迷惑防止上条例における卑わいな言動という概念は非常に広く捉えられており、盗撮やのぞきも当然これに含まれると考えられます。

他府県の迷惑防止条例では、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体」を対象として「写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」とか、「写真機を用いて透視する方法により、着衣で覆われている他人の下着等の映像を見、又は撮影をすること。」などと盗撮やのぞき行為を具体的に規定したうえで、それらの補完的かつ包括的な規定として「卑わいな言動」をも規定していることが多いです。

ただ、兵庫県の迷惑防止条例のように、「卑わいな言動」を規制する規定のみが置かれている場合であっても、他府県の迷惑防止条例で具体的に規定している行為を除外する趣旨ではないと考えられます。

結局、明確な線引きは難しいですが、各都道府県によって、取り締まり対象の行為が大きく変わることはないでしょう。

 

~盗撮・のぞき事件における弁護活動~

示談交渉

盗撮やのぞき事件には、当然被害者が存在します。
ですから、被害者の方に精神誠意謝罪をし、あるいは慰謝料という形で金銭的な賠償をすることで、被害者から許しを得られることができれば、事件の早期解決につながります。

盗撮やのぞきの被害にあわれた方は、盗撮された記録が残ることや見られたことなどで、加害者に強い嫌悪感や恐怖感を持つことが多いです。
ですから、通常、被害者が加害者本人や加害者家族に直接会ってくれることは稀ですし、交渉も余計にこじれることがあります。

示談交渉に当たっては、基本的に弁護士を通じて行うことをお勧めします。

 

無罪の主張

盗撮・のぞき事件での冤罪を防ぐためには、被害者やその他目撃者の供述の信用性を争い、捜査機関が十分な証拠なく立件しようとしていることを強く主張していくことが必要です。
また、決して虚偽の自白をしてしまわないように注意する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕後すぐに容疑をかけられた本人のもとに向かい、取調べにおける適切な対応をアドバイスすると同時に、独自の捜査により新たな目撃者やその他の客観的証拠を探し出し、依頼者の無実を証明します。

 

再発防止や環境の改善

捜査の過程で、立件されている事件以外にも大量の盗撮画像や動画が発見されることがあります。
過去にも繰り返し盗撮行為を行ってしまった場合などは、通常よりも重い処分となりやすいです。

そして、常習的に盗撮を行ってしまう方の中には、ダメなこととはわかっていながら、自らをコントロールできずに繰り返してしまうケースが多いです。
そのような場合には、専門の医療機関への受診や治療が必要な場合もあります。

二度と盗撮に手を染めないように、治療環境を整えることにより、根本からの改善を試みるように促します。
再犯防止のための環境調整を図ることで、穏便な処分がなされるようアピールすることができます。

 

早期の身柄解放

盗撮・のぞき事件で逮捕されてしまった場合、その後勾留されてしまうと、身柄拘束期間が長期にわたってしまうことがあります。
身柄拘束が長く続くほど事件のことが周囲に知られるリスクが上がり、事件前の生活を取り戻すことは難しくなります。

そこで、逮捕されてしまった場合は、勾留されることを阻止し長期にわたる身柄拘束を回避することが重要です。
そのためには、早期に弁護士に相談し適切な取調べ対応についてアドバイスを受けるとともに、早期に柄解放してもらえるように検察官や裁判官に交渉してもらうことが必要です。

 

~どんな場合に犯罪が成立するか~

ケース
Aさんは、兵庫県加西市に住むBさんの家の敷地内に入り、浴室にいたBさんを、スマートホンを使用して動画を撮影しました。

浴室にいたBさんをスマートホンで撮影する行為は盗撮行為です。
しかし、Aさんが盗撮をした場所は、Bさんの家の敷地内ですから、このような個人宅は、不特定多数人が自由に出入りできる公共の場所とはいえません。
従って、兵庫県の迷惑防止条例違反には当たりません。

もっとも、軽犯罪法違反には該当します。
軽犯罪法の条文上は、「のぞき見た」行為を処罰の対象にしていますが、盗撮行為もこれに含まれていると考えられています。

さらに、本件では、盗撮のためにBさん宅の敷地内入った行為は、正当な理由なく他人の住居に立ち入る行為ですので、住居侵入罪が成立します。

なお、本件のような場合のほか、企業のオフィスや事務所内の行為は、通常公共の場所に含まれないと考えられますが、このような場合に軽犯罪法でしか規制できないことは不当であるとして、迷惑防止条例の改正に向けた動きが見られます。
また、迷惑防止上条例における公共の場所は広い概念ですので、一見すると対象外であると思っても公共の場所として迷惑防止条例違反に問われることもあり得ますので注意が必要です。

 

お問い合わせ・無料相談

ページの上部へ戻る