【事件速報】反則切符に知人の名前を署名したとして、有印私文書偽造・同行使で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件内容(5月10日配信の神戸新聞NEXT引用)
2019年9月2日、兵庫県葺合警察署管内で歩行者妨害の交通違反をしたとして警察官の取締りを受けた際に、「家に置いてきた」と偽って免許証の提示を免れ、元同僚の名前と生年月日を告げて警察官に反則切符を作成させ、署名や指印をしたとして、神戸市須磨区の男が、有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されました。
警察の発表によりますと、逮捕された男は、違反をした際は既に無免許だったようですので、無免許の発覚をおそれての犯行だと思われます。
なおこの事件は、名前を使われた元同僚が、免許更新のはがきに思い当たらない違反者講習の表記があったため、同署に問い合わせて発覚したようです。
有印私文書偽造・同行使罪
私文書を偽造し、その偽造私文書を行使することで成立するのが、有印私文書偽造・同行使罪です。
私文書とは、権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画のことをで、こういった私文書の作成権限がない者が、他人名義の文書を作成した場合に成立します。
反則切符は私文書なの?
交通反則切符自体は公文書ですが、その中の供述書欄に「上記違反をしたことに相違ありません」という不動文字で示された供述を内容とする「事実証明に関する文書」ですので、取締り対象の私人が自署することが予定されている私文書です。
有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されると…
有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されると、48時間は裁判官の許可なく身体拘束を受けることになり、裁判官が勾留を決定した場合はその後も身体拘束が続くでしょう。
法律的に、勾留の期間は10日~20日です。
今回の事件では、偽造された反則切符は警察が押収しているでしょうし、共犯者がいるような事件でもありませんので、証拠隠滅の可能性は低いと考えられるでしょうし、犯行に至る動機面もハッキリしていると思われます。
そういった意味で、逃走のおそれがなければ勾留を阻止できる可能性もあるでしょう。
刑事事件に強い弁護士
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