【事件速報】電車内で痴漢した男が、準強制わいせつ罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件の概要(10月27日配信の『Yahooニュース』の神戸新聞NEXTの記事を引用)
逮捕された男は、9月28日、JR神戸線の新快速の車内にいて、座席で寝ていた女性の下半身を触るなどのわいせつ行為におよびました。
被害に気付いた女性が男の腕を掴んで捕まえ、明石駅で駅員のいる改札口方向に連れて行こうとしたところ、男は女性の腕を振りほどいてホーム上から、高さ約1メートルの柵を乗り越えて高架の線路内に侵入して逃走したようです。
事件発生から1カ月近く経過した10月26日に、男は、準強制わいせつ罪と威力業務妨害の疑いで、兵庫県明石警察署に逮捕されました。
痴漢に準強制わいせつ罪が適用
今回のような電車内の痴漢事件で、準強制わいせつ罪が適用されるのは珍しいケースです。
まず電車内の痴漢行為に対しては、兵庫県の迷惑防止条例が適用されるケースがほとんどですが、下着内に手を入れたり、長時間にわたっての痴漢行為、また被害者が高校生以下の場合などは、迷惑防止条例違反ではなく、刑法に規定されている『強制わいせつ罪』が適用されることもあります。
ただ今回のように「準強制わいせつ罪」が適用されるのは珍しいのではないでしょうか。
準強制わいせつ罪
準強制わいせつ罪とは、刑法第178条1項に規定されている法律で、その内容は「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をすること」によって成立する犯罪です。
心神喪失とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている場合を意味し、催眠や、泥酔、精神耗弱や麻酔などの影響で意識がなかったり、正常な判断ができない状態になっている相手にわいせつ行為をすれば準強制わいせつ罪となります。
また抗拒不能とは、心神喪失以外の理由で、心理的、物理的に反抗ができない状態にあることを意味します。
今回の事件、被害者の女性は寝ていたとのことですので、心神喪失とまではいかないでしょうが、少なくとも抗拒不能に該当すると認定されて、準強制わいせつ罪が適用されたと思われます。
準強制わいせつ罪の罰則
準強制わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪と同じく「6月以上10年以下の懲役」です。
迷惑防止条例の痴漢に関する罰則が「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに比べると非常に厳しい罰則規定であることがわかります。
準強制わいせつ事件の弁護活動に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、こういった刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
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~明日は、もう一つの逮捕罪名である「威力業務妨害罪」について解説します。~