知人の依頼を受け、ひき逃げ車両を解体したとして、証拠隠滅罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
宝塚市で自動車解体業を営んでいるAさんは、1週間ほど前に、知人から飲酒運転でひき逃げ事件を起こしたと相談を受けました。
知人から「このまま車が見つかってしまうと警察に逮捕されてしまう…。スクラップにしてくれないか。」と頼まれ、断ることができなかったAさんは、自分の工場で知人が持ち込んだ車両を解体したのです。
そして今朝、知人の家族から「ひき逃げ容疑で警察に逮捕された。」という知らせを受けたAさんは、自分も警察に逮捕されるのではないかと不安でなりません。
(フィクションです)
証拠隠滅罪~刑法第104条~
刑法第104条には「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」と証拠隠滅罪を定めています。
証拠隠滅罪は、正確な刑罰の認定を誤らせない事を目的とした法律で、公訴事実の判断の妨げとなる一切の行為を処罰の対象としています。
つまり、Aさんのように、第三者の起こしたひき逃げ事件の犯行車両をスクラップ処理する行為は、証拠隠滅罪に当たります。
殺人事件に使用された拳銃を海に捨てたり、詐欺事件の証拠品である出金伝票を廃棄処分することや、質入れされた盗品を質屋が隠匿する行為も、証拠隠滅罪に抵触する可能性があります。
ただ証拠隠滅罪は、他人の起こした刑事事件に関する証拠に限定されています。
つまり自分の起こした刑事事件に関する証拠を隠滅、偽造、変造等しても成立しません。
また、証拠隠滅罪には、刑法第105条で「親族による犯罪に関する特例」が定められています。
犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために証拠隠滅罪を犯した場合は、刑が免除される可能性があるのです。
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