ネット上で中学校教師を誹謗中傷 名誉棄損罪について

ネット上で中学校教師を誹謗中傷した事件を例に、名誉棄損罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事例

加古川市に住むAさんは、息子が通う中学校の担任教師の教育方針に納得できず、日頃からこの教師のことを良く思っていませんでした。そのためAさんは、これまで何度も、息子の担任を別の教師に替えてもらえないか中学校に要求していました。
しかしAさんの要求が受け入れられることはありませんでした。
そんな中、Aさんは担任教師を困らせる目的で、ツイッターや、中学校のホームページの掲示板「●年●組の担任教師●●は生徒の母親と絶賛不倫中。毎週金曜簿の夜は、●●のホテルで夜のPTA会議を開催中。絶倫●●に担任はできない!」と事実無根の内容を投稿して担任教師を誹謗中傷したのです。
(フィクションです。)

名誉毀損罪について

名誉棄損罪は、公然事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立します。 
名誉棄損罪は刑法第230条に定められており、法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

名誉毀損罪の成立要件について

名誉棄損罪は、①「公然と」②「事実を摘示し」③「人の名誉を毀損」した場合に成立します。

①「公然と」とは

「公然と」とは、摘示された事実を不特定または多数人が認識し得る状態をいうとされています。
判例は摘示の直接の相手方が特定かつ少数の人であっても、その者らを通じて不特定または多数人へと伝播し得る場合には公然性が認められるとしています。
参考事件のように、ツイッターや、中学校のホームページの掲示板の投稿内容が、誰でも閲覧できる状態であれば公然性は認められるでしょう。

②「事実を摘示し」とは

事実を摘示とは、人の社会的評価を直接又は間接的に低下させる具体的事実を示すことをいいます。
また摘示する事実は、真実である必要はありませんし、すでに大多数の人が知っている真実であったとしても、名誉棄損罪は成立します。

③「人の名誉を毀損」とは

人とは、自然人のほか法人などの団体も含むものとされています。
また、名誉は本当に傷ついたか判定しがたいことから、名誉毀損罪は抽象的危険犯であると考えられています。
そのため、現実に名誉が毀損されることまでは必要とされていません。
したがって、名誉を毀損したとは、人の社会的評価の害される危険を生じさせることで足りることになります。

名誉毀損罪の弁護活動

このコラムをご覧の方で、ご家族、ご友人が、名誉毀損罪で警察から取調べを受けたり、逮捕勾留されている方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
また、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を提供しております。

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