昨年の7月13日に、盗撮行為を規制する「性的姿態撮影等処罰法」が施行されました。
1年以上が経過し、刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部でも新設された性的姿態撮影等処罰法違反の弁護活動を行っていますが、本日改めて、盗撮罪で逮捕された事件を例に、これまで盗撮行為が規制されていた各都道府県の迷惑防止条例と、新設された性的姿態撮影等処罰法の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
盗撮罪で逮捕された事例
会社員のAさんは、神戸三宮の商業施設のエスカレーターで女性のスカート内を盗撮したところを、目撃者に捕まり、そのまま兵庫県葺合警察署に通報されました。
そしてAさんは、駆け付けた警察官によって、盗撮罪で逮捕されてしまいました。
盗撮に使用したスマートホンには、女性の下着が撮影されており、このスマートホンは警察に押収されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
このようなAさんの盗撮行為は、性的姿態撮影等処罰法が施行されるまでは、兵庫県の迷惑防止条例違反が適用されていましたが、現在は「性的姿態撮影等処罰法」が適用されます。
性的姿態撮影等処罰法とは
性的姿態撮影等処罰法では、正当な理由がなく、ひそかに
①人の性的な部位(略)又は人が身に着けている下着(略)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
②上記①に掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態
を撮影することを規制しており、こういった盗撮行為の他にも、盗撮画像を保管したり、提供することも禁止しています。
迷惑防止条例と何が違うの?
これまで盗撮行為を規制していた、都道府県の迷惑防止条例と、性的姿態撮影等処罰法は何が違うのでしょうか。
ここでは大きな違いをいくつか紹介します。
(1)全国共通になった
各都道府県の迷惑防止条例で規制している盗撮行為の内容は、都道府県によって多少の違いがありました。
同じ盗撮行為であっても、兵庫県の迷惑防止条例では盗撮行為として罰則の対象となるが、別の都道府県では「卑わいな言動」にしか該当しなかったり、場合によっては刑事責任を問えないこともあったのですが、性的姿態撮影等処罰法の新設によって規制内容が統一され、全国共通となりました。
(2)罰則が強化された
各都道府県の迷惑防止条例では、盗撮行為の罰則を、半年か1年の懲役、または50万円か100万円の罰金(罰則の内容は各都道府県の迷惑防止条例によって異なる。)と定めていましたが、「3年以下の拘禁刑(懲役)又は300万円以下の罰金」と厳罰化されました。
(3)盗撮画像の「提供」「保管」「記録」が規制される
盗撮画像を第三者に提供したり、提供することを目的に盗撮画像を保管する行為、また、配信されているのが盗撮映像だと知りながら、その映像、画像を記録する「記録罪」が新たに創設され、罰則の対象となりました。
盗撮罪で逮捕された場合は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見というサービスがございます。
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初回接見サービスに関するお問い合わせについては
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