覚醒剤使用容疑で逮捕 任意採尿の違法性を主張して不起訴を獲得

覚醒剤使用容疑で逮捕された方の、任意採尿の違法性を主張して不起訴を獲得した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

Aさん(覚醒剤使用の前科1犯)は、SNSで知り合った売人から覚醒剤を購入し、その覚醒剤を使用しました。
それからしばらくして、その売人が警察に逮捕されたらしく、Aさんの自宅にも、兵庫県川西警察署の捜査員が捜索に来ました。
捜索においては何も発見されませんでしたが、覚醒剤の使用を疑った警察はAさんに任意採尿を求めました。
数日前に覚醒剤を使用していたAさんが、警察官の任意採尿を断ったところ、警察官と押し問答になってしまい、Aさんは公務執行妨害罪現行犯逮捕されてしまったのです。
そして警察署に引致された後に採尿されて、その尿から覚醒剤成分が検出されたとして、覚醒剤使用容疑で再逮捕されてしまいました。
接見で、Aさんが採尿された時の経過に疑問を感じた弁護士は、事件を担当する検察官に任意性を指摘しました。
その結果Aは不起訴処分となり、釈放されました。
(フィクションです。)

採尿

ほとんどの覚醒剤使用事件で、覚醒剤の使用を裏付ける証拠は尿の鑑定です。
その尿は、任意採尿又は強制採尿によって警察に押収されます。
しかし任意採尿の経過に不備がある場合は、尿そのものが違法収集証拠となる場合があり、そのときは鑑定書の証拠能力が否定され、無罪となる可能性があります。
採尿に至るまでの経過が指摘され、無罪判決が言い渡された刑事裁判は何件もあるので、起訴までに、任意性を指摘することができれば、無罪を避けるために検察官は不起訴処分を決定するでしょう。
今回の場合、採尿することを目的に、公務執行妨害罪で逮捕した可能性があり、この逮捕が違法だと認定された場合、その後の採尿で押収された尿についても証拠能力が失われるでしょう。

不起訴処分

主な不起訴処分の種類は

  • 罪とならず(そもそも犯罪行為がなかった場合)
  • 嫌疑なし(犯罪を認定できなかったり、または犯人ではなかった場合)
  • 嫌疑不十分(犯人のようではあるが、決定的な証拠がない場合)
  • 起訴猶予(犯罪が存在し、犯人である事には間違いないが、様々な理由であえて起訴しない場合)

の4種類です。
今回のような覚醒剤使用事件の場合は、Aさんの尿から覚醒剤反応が出ているので、犯罪の事実は存在するが、尿についての証拠能力が認められなかった場合は、嫌疑不十分による不起訴決定となる可能性が大です。

まずは弁護士に相談を

川西市の薬物事件でお困りの方や、警察の証拠収集方法に疑問のある方は、一度、刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。
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