親権のない実子を連れ去り 未成年者誘拐事件の勾留を阻止

親権のない実子を連れ去り 未成年者誘拐事件の勾留を阻止

親権のない実子を連れ去ったとして未成年者誘拐事件で逮捕された方の勾留を阻止した事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

洲本市で農業を営んでいるAさんは、2年前に妻と離婚し、現在は実家で両親と暮らしています。
離婚した妻との間には幼稚園に通う娘がいますが、娘の親権は元妻にあり、その元妻はAさんが娘に会うことを認めていません。
そんな生活が長く続いたある日、どうしても娘の成長を見たいAさんは、娘が通っている幼稚園に行き、幼稚園の先生に「元妻に頼まれて迎えに来た。」嘘を吐いて娘を幼稚園から連れ去りました。
Aさんは、娘と買い物等をした後は、元妻のもとに送っていくつもりでしたが、幼稚園から知らせを受けた元妻は、すぐに兵庫県洲本警察署に通報したらしく、Aさんは娘と一緒に車に乗っていたところを、警察官に発見され、その場で未成年者誘拐罪現行犯逮捕されました。
逮捕後、Aさんに選任された刑事弁護人は、同居するAさんの両親が監視監督することを約束してAさんの勾留を阻止するのに成功しました。
(フィクションです。)

未成年者略取及び誘拐罪~刑法第224条~

未成年者を略取及び誘拐すると、未成年者略取罪や誘拐罪となります。
これは、未成年者を本来の生活環境から離脱させて、自己又は第三者の実力支配下に移すことで、自由に対する罪の一種です。
その手段として暴行や脅迫が用いられた場合は「略取」となり、欺罔や誘惑が用いられた場合は「誘拐」となります。
誘拐の手段とされる欺罔行為は、被拐取者に直接加えられる必要はなく、被拐取者が未成年である場合は、その保護者や監督者に対するものであってもよいとされています。
今回の事件でAさんは、幼稚園の先生に対して「元妻に頼まれて迎えに来た。」と嘘を吐いているので、その場合も未成年者誘拐罪が成立するでしょう。
未成年者誘拐罪で起訴された場合は、3月以上7年以下の有期懲役が科せられます。

勾留阻止

勾留とは

警察に逮捕されると、逮捕から48時間は逮捕に付随する行為として留置が認められています。
そして警察は逮捕から48時間以内に検察庁に送致しなければなりません。
送致を受けた検察官は24時間以内に釈放するか、裁判官に勾留を請求しなければならないのです。
裁判官が勾留を決定すれば勾留が決定した日から10日~20日間は身体拘束を受けることになります。

勾留阻止

事前に弁護士を選任することによって勾留を回避することが可能になります。
勾留阻止には以下のようなケースがあります。

①検察官が勾留請求をしない

検察官は、送致までに作成された書類と、被疑者を取調べた結果によって勾留請求するか否かを決定します。
それらの書類は主に「勾留の必要性がある」といった内容になっています。
弁護士が、警察等の捜査機関が知り得ない情報を書類にして「勾留の必要性はない」ことを訴えれば検察官が勾留請求をしないことがあります。

②裁判官が勾留請求を却下する

検察官の勾留請求を阻止できなかった場合でも、次は、勾留を決定する立場にある裁判官に対して勾留の回避を働きかけることができます。
主に勾留は、釈放すれば刑事手続き上の支障が生じる場合(証拠隠滅や逃走のおそれがある場合)に決定されますが、そのような虞がないことを訴えることで、裁判官が、検察官の勾留請求を却下することがあります。

③勾留決定に対する異議申し立て(準抗告)

一度、裁判官が勾留を決定した場合でも、この決定に対して異議を申し立てることができます。
これを準抗告といいます。
勾留は一人の裁判官の判断によって決定しますが、その決定に対して準抗告した場合は、最初に勾留を決定した裁判官以外の3人の裁判官によって審議されます。
先入観のない複数の裁判官が、捜査側(警察官や検察官)の作成した書類と、弁護側の作成した書類を見比べて、勾留の必要があるか否かを新たに判断するのが準抗告です。
準抗告が認容されると、最初に決定した勾留はその効力を失います。

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