時代の経過とともに教師の生徒に対する体罰が度々問題視され、現在ではどういった理由があっても、生徒に対する体罰は絶対にしてはいけないとされていますが、教育界から体罰が根絶されたとはまだまだ言い難く、報道される学校体罰事件は後を絶ちません。
そこで本日のコラムでは、運動部の顧問が、生徒を丸坊主にする体罰が刑事事件に発展するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
教師が生徒の髪の毛を丸刈りにすると・・・
教師がバリカンなどを使って生徒の髪の毛を切った場合、生徒側が警察に被害届を提出すると「暴行罪」若しくは「傷害罪」となります。
暴行罪(刑法第208条)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処す。
暴行とは、殴る、蹴る等、相手が痛みを感じるような暴力行為をイメージする方が多いかもしれませんが、それ以外でも、相手が着ている服を掴んだり、相手の方向に物を投げたりする行為も暴行罪でいうところの「暴行」となる場合があります。
バリカン等を使って人の髪の毛をかる(切る)行為は暴行罪でいうところの「暴行」に当たることは間違いありません。
そして、この暴行行為によって、相手に怪我をさせると傷害罪となります。
傷害罪(刑法第204条)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
簡単に人に怪我を負わせることによって成立するのが傷害罪です。
髪の毛をかったり、切ったりすることが、傷害罪でいうところの「傷害」に当たるかどうかは諸説ありますが、過去には傷害罪と認められた事件もあるので注意が必要です。
生徒に自ら丸坊主するように指示すると・・・
教師が生徒に対して丸刈りにするように指示し、生徒自らが、自分の手で丸刈りにした場合は強要罪に抵触する可能性があります。
強要罪(刑法第223条)
1.生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役刑に処する。
(以下省略)
強要罪の特徴は罰則に「罰金刑」が規定されていないことです。
つまり強要罪で起訴されるという事は、公判請求されることを意味します。
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