酒に酔った女性にわいせつ行為をしたとして準強制わいせつ罪で起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
兵庫県三田市に住む会社員のAさんは、仕事帰り一人で、馴染みのバーのカウンターでお酒を飲んでいたところ、カウンターの隣で飲んでいた女性と仲良くなり、一緒にお酒を飲みました。
そしてAさんは、この女性を自宅に招待して、自宅でも一緒にお酒を飲んだのですが、しばらくして女性が酔い潰れてしまい寝てしまいました。
寝ている女性を見たAさんは、性的欲望を抑えきれなくなり、女性の服を脱がせ、身体を触るなどした上で、スマートホンで女性の裸の写真を撮影したのです。
翌朝、目が覚めた女性は何事にも気付いていない様子で帰っていったのですが、それからしばらくしてAさんは兵庫県三田警察署に呼び出されたのです。
そこでスマートホンに保存していた女性の裸の写真が見つかってしまい、Aさんは準強制わいせつ罪で逮捕され、その後起訴されてしまいました。
(フィクションです。)
準強制わいせつ罪とは
暴行や脅迫を用いて、相手の意に反して無理矢理にわいせつな行為をすると 強制わいせつ罪 が成立します。(相手が13歳未満の場合は、暴行や脅迫がない場合でも強制わいせつ罪となる。)
そして、今回の事件のように泥酔して寝込んでいる相手に対してわいせつな行為をした場合も、準強制わいせつ罪となり、強制わいせつ罪と同じように刑事罰の対象となります。
準強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
ここでいう「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断力を失っている状態を意味します。
今回の事件のように、泥酔して寝込んでしまっている場合も、心神喪失の状態だといえるでしょう。
続いて「抗拒不能」についてですが、抗拒不能の状態とは簡単にいうと「拒否することができない状態」を意味します。
恐怖等による心理的動揺、驚愕や錯誤による場合など抗拒不能に陥ったその理由は問われません。
また、医師や鍼灸師などが治療・施術中に患者に対してわいせつな行為をする場合など、相手の信頼を利用して、わいせつ行為に及ぶ場合も準強制わいせつ罪となる場合があります。
準強制わいせつ罪は故意犯
準強制わいせつ罪は故意犯ですので、法律的には、相手が心神喪失や抗拒不能であることの認識がなければ準強制わいせつ罪は成立しません。
準強制わいせつ罪は親告罪ではない
かつては準強制わいせつ罪は親告罪でしたので、被害者等の刑事告訴がなければ刑事責任を負うことがありませんでしたが、現在は非親告罪ですので、被害者等の刑事告訴がなくても起訴されることがあり、有罪が確定すれば刑事罰が科せられます。
準強制わいせつ罪の刑事責任は
準強制わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪と同じく「6月以上10年以下の懲役」です。
起訴されて有罪が確定した場合、執行猶予を得なければ刑務所に服役しなければなりませんので、準強制わいせつ罪の弁護活動は、起訴されるまでは不起訴を目指すことが優先されます。
準強制わいせつ罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、準強制わいせつ罪などの性犯罪を犯してしまった方の弁護活動を積極的に行っています。
準強制わいせつ罪でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の 無料相談 をご利用ください。
またすでに警察に逮捕されてしまった方へは 初回接見サービス を提供していますので、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。