少年事件で保護観察処分

少年事件で保護観察処分

保護観察処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西脇市に住む中学生のAさん(15歳)は、ドラッグストアで化粧品など計5点(1万円相当)を万引きしたところ、警備員に見つかり、兵庫県西脇警察署に連れていかれました。
その日の夜に釈放となったAさんですが、余罪が他にもあり、その後、警察で何度か取調べを受けました。
その後、神戸家庭裁判所姫路支部より呼び出しがあり、調査官による調査を受けることになりました。
Aさんの両親は、今後どのような処分になるのか不安になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

保護観察処分とは

少年事件は、原則、すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります。
家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所の調査官による調査、そして少年審判を経て、当該少年の更生に適した処分が裁判官によって言い渡されます。
この最終処分には、以下のものがあります。
①保護処分決定
②検察官送致
③不処分
④都道府県知事又は児童相談所長送致
⑤審判不開始

①の保護処分決定には、さらに以下のものがあります。
1.保護観察
2.少年院送致
3.自立児童支援施設等送致

1の保護観察は、少年を家庭や職場などに置いたまま、保護観察官による指導監督という社会内処遇によって、少年の更生を目指す処分です。
期間は、原則、少年が20歳に達するまでですが、その期間が2年に満たない場合は、2年間まで延長されることになります。
保護観察は、少年の居住地の保護観察所が中心となって行われます。
実際に、少年を指導監督・補導援護を行うのは、保護観察官や保護司です。
保護観察官は、保護観察所勤務の国家公務員で、保護司は、地域の有識者が務めることが多く、身分は非常勤の国家公務員ですが、無給で行われています。
家庭裁判所で保護観察の決定が出ると、少年や保護者は、そのまま保護観察所へ行き、保護観察について説明を受け、担当の保護観察官と面接を行います。
その際に、担当の保護司が決定されます。
保護観察中、少年は、月に1~2回、担当の保護観察官または保護司と面会し、近況報告を行います。
保護司らは、少年に対して、必要な指導・助言を行います。
また、保護観察中に遵守すべき事項が定められており、保護司らは、この遵守事項を守るよう少年に対して指導監督を行います。
この遵守事項には、保護観察に付された少年全員が遵守しなければならない「一般遵守事項」と少年ごとに定められた「特別遵守事項」とがあります。

保護観察には、①一般保護観察、②一般短期保護観察、③交通保護観察、④交通短期保護観察の4つの類型があります。
①一般保護観察
交通事件以外の一般事件により保護観察に付された少年が対象となります。
保護観察に付されてから、1年を経過し3月以上継続して成績良好であれば、解除が検討されます。
②一般短期保護観察
交通事件以外の一般事件により保護観察が付され、短期処遇勧告がなされた少年が対象です。
6月以上7月以内の期間に解除が検討されます。

勿論、このような保護観察は、どの少年事件にも付されるわけではありません。
少年審判において、非行事実および要保護性が審理され、保護観察により少年の改善更正が期待できると判断された場合に付されますので、そのように家庭裁判所が納得するよう活動する必要があります。
そのような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件の刑事弁護を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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