タクシー代の支払いを拒否し運転手を殴打 強盗致傷罪で逮捕

タクシー代の支払いを拒否し運転手を殴打したとして、強盗致傷罪で逮捕された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

人を殴って無理矢理金品を奪い取れば「強盗罪」となります。
この強盗罪は刑法第236条に規定されている犯罪行為ですが、実は刑法第236条にはもう一つ、強盗罪についての規定がされています。
それが「2項強盗」と呼ばれるもので、無理矢理金品を奪い取るのではなく、財産上不法の利益を得た場合も、強盗罪と同じように扱われるのです。
そして、2項強盗の場合も、強盗の際に人に怪我をさせると、強盗致傷罪となります。

刑法第236条(強盗)

1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法第240条(強盗致死傷)

強盗が、人を負傷させたとき無期又は6年以上の懲役に処し、(以下省略)

それでは今回の事件概要を紹介します。
事件内容(1月21日配信のサンテレビの記事を引用)

兵庫県三田市において、タクシー代約2,000円を支払わずに、支払を拒否し、タクシー運転手の顔を複数回殴打して逃走しようとした男が、タクシー運転手に取り押さえられました。
タクシー運転手は右手に軽傷を負ったようです。
強盗致傷罪で逮捕された男は、大阪から友人とこのタクシーに乗車しており、先に友人がそこまでの代金を支払ってタクシーを降車していたようで、男は、友人が降車してから自分の自宅までのタクシー代の支払いを拒否したようです。

強盗致傷罪

報道されている事件の内容を見る限りでは、今回の事件で強盗致傷罪が成立すると考えて間違いないでしょう。
暴行を加えてタクシー代を踏み倒すだけならば、2項強盗罪となり、この際にタクシーの運転手が傷害を負っているので「強盗致傷罪」となるのです。

強盗致傷罪は重い

強盗致傷罪起訴されて有罪が確定すれば無期又は6年以上の懲役です。
下限の6年の懲役刑が求刑されたとしても、何らかの減軽事由がなければ法的に執行猶予を付けることはできません。
しかも刑事裁判は、裁判員裁判によって審理されるので、通常の刑事裁判に比べると長期に渡ることが予想されます。
ですから重要なのは、まず起訴されないようにすることです。(不起訴を目指す。)
今回の事件の場合、被害者にその場で取り押さえられている上に、タクシー内で犯行が行われていたとすれば、車内を撮影するドラブレコーダーがあるでしょうから、犯人性や事件性を否定する事が困難だと思われますので、不起訴を目指すうえで最も有効なのは被害者との示談でしょう。
さいわい、被害者は軽傷のようなので、起訴されるまでに被害者との示談成立すれば、不起訴となる可能性が高いかと思われます。

強盗致傷事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、強盗致傷事件のような刑事事件を起こしてしまった方の弁護活動を専門にしている法律事務所です。
刑事事件に関する ご相談 や、逮捕等で身体拘束を受けている方へに弁護士を派遣する 初回接見サービス については、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。

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