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自転車の交通事故 重過失傷害罪で略式罰金

2025-07-30

自転車で交通事故を起こして、重過失傷害罪で略式罰金を受けた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

会社員のAさんは、最寄りの駅まで自転車で行って、そこから電車で通勤しています。
2か月ほど前、寝坊してしまったAさんは、駅まで急いで自転車を運転しており、赤信号を見落として交差点に進入し、道路を横断していた小学生をはねてしまいました。
すぐに救護し、警察に事故を届け出たのですが、事故の原因がAさんの信号無視だったことから、Aさんは重過失傷害罪で兵庫県明石警察署で取調べを受けた後、検察庁に書類送検されました。
そしてつい先日、検察庁に呼び出されて略式罰金になることを検察官から聞かされたのです。
~フィクションです~

自転車による交通事故

昨年末に自転車の交通ルールが厳罰化され、飲酒運転などが刑事罰の対象となりましたが、数年前から自転車の交通事故が多発し、警察は自転車の交通取り締まりを強化しています。
自転車で交通事故を起こし、相手に怪我をさせてしまうと、どんな罪に問われるのでしょうか。
刑事事件化された場合、①過失傷害罪若しくは②重過失傷害罪に問われる可能性が大で、これらの罪名で起訴されて有罪が確定すると
①過失傷害罪『30万円以下の罰金又は科料』
②重過失傷害罪『5年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金』

が科せられます。

過失傷害罪・重過失致傷罪

過失傷害罪と重過失傷害罪は共に過失によって他人に傷害を負わせる犯罪です。
「過失」とは、行為によって発生する結果を予見できる可能性があったにもかかわらず、これを怠り、更に回避するための注意義務を怠ることです。
怠った注意義務が重大であれば重過失傷害罪に問われる事となり、過失傷害罪と比べると相当厳しい処分となる可能性があります。
歩道を自転車で走行する行為に対しては、相当な注意義務があると考えられるので、今回Aが起こした交通事故に関しては重過失傷害罪が適用される可能性が高いでしょう。

略式罰金

本来、刑事罰は、刑事裁判で裁判官が刑を言い渡し、それから2週間後に刑が確定しますが、被告人が公訴事実を認め、略式手続きに同意した場合、100万円までの罰金であれば、刑事裁判を開かずに略式の手続きで刑事罰が確定します。

交通事件に強い弁護士

自転車による交通事故が刑事事件に発展し、警察の取調べを受けておられる方、明石市の重過失傷害罪に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。

匿名掲示板で誹謗中傷 名誉毀損罪で逮捕(後編)

2025-07-27

兵庫県宝塚市で、匿名掲示板に虚偽の不倫情報を投稿したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~~前編の続き~~

名誉毀損罪における弁護活動

名誉毀損罪での弁護活動をとしては、以下のようなものが挙げられます。

示談交渉

    名誉毀損罪は親告罪にあたります。
    親告罪とは、公訴の提起に告訴を必要条件とする犯罪です。
    つまり、親告罪では告訴が取り下げれられれば、起訴され有罪になることはありません。
    そのため、弁護士が被害者側と交渉を行い、示談を成立させることが極めて重要です。
    示談交渉では、被害弁償を行ったり、謝罪の意を示したりすることで、被害者の納得を得られれば、示談が成立し、告訴の取り下げにつながる可能性があります。

    名誉毀損罪不成立を主張する(公共の利害に関する場合の特例)

      名誉毀損罪には、刑罰が科されない場合の特例(公共の利害に関する場合の特例)が刑法230条の2に定められています。
      第1項に、「公共の利害に関する事実」であり、「公益を図る」目的であり、摘示した事実が「真実であることの証明」があった場合には処罰されないと規定されています。
      また、第2項により、公訴提起前の犯罪行為に関する事実は「公共の利害に関する事実」とされます。
      例えば、会社内の不正を内部告発する目的で事実を公表し、それが真実であった場合には、名誉毀損罪が成立しない可能性があります。
      第3項には、公務員・公選による公務員の候補者に関する事実は、真実性の証明のみで不可罰となることが定められています。
      公共の利害に関する場合の特例に当たるなど、内容によっては、弁護士は、十分な証拠を集め、犯罪自体が成立しないと争うことができます。

      あいち刑事事件総合法律事務のご案内

      今回のAさんのように、名誉毀損罪に当たる行為した場合、「処罰されることとは思わなかった」では済まされず、有罪となる可能性があります。
      名誉毀損事件を起こしてしまった方や、ご家族が事件を起こして逮捕されてしまったという方は、早急に弁護士に相談するのがよいでしょう。
      弁護士を付ければ、弁護士が弁護人として、早期釈放や不起訴処分の実現を目指すための弁護活動を行うことができます。
      また、仮に起訴された場合も、減刑判決を獲得できるようプロに弁護活動をしてもらうことができます。
      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した刑事専門の法律事務所です。
      今回のような名誉毀損事件はもちろん、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績が数多くございます。
      無料相談・初回接見・ご依頼に関するお問い合わせは、

      0120-631-881

      にて24時間365日受付中です。
      兵庫県で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部までご相談ください。

      匿名掲示板で誹謗中傷 名誉毀損罪で逮捕(前編)

      2025-07-24

      兵庫県宝塚市で、匿名掲示板に虚偽の不倫情報を投稿したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      事例

      兵庫県宝塚市に住むAさんは、夫が勤務する会社の同僚であるVさんに対し、過去に夫と親しげにしていたことを理由に強い嫉妬心を抱いていました。
      Aさんは感情を抑えきれず、インターネットの匿名掲示板に「宝塚市の○○会社で働くVは既婚者と不倫している」などと虚偽の内容を投稿しました。
      投稿にはVさんの実名や勤務先を明記し、さらに複数回にわたり同様の書き込みを続けたため、ネット上で拡散されることとなりました。
      掲示板の書き込み内容が社内関係者の目にも触れ、Vさんは上司から事情確認を求められる事態となりました。
      困惑したVさんは、宝塚警察署に被害を申告しました。
      警察が発信者情報を特定するためにプロバイダに照会をかけ、投稿がAさんによるものであると判明したことから、警察は、名誉毀損罪の疑いでAさんを逮捕しました。
      Aさんは「処罰されることとは思わなかった」と供述しているとのことです。
      (事例はフィクションです。)

      名誉毀損罪とは

      名誉毀損罪は、刑法第230条第1項に規定されています。

      刑法第230条第1項
      「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」

      名誉毀損罪が成立するには、「公然」「事実を摘示」し、人の「名誉を毀損」する必要があります。
      1つずつ見ていきましょう。

      「公然」とは、不特定または多数人が知ることができる状態のことを言います。
      ただし、特定かつ少数の人に対してでも、不特定または多数の人が知る可能性があるのなら、「公然」とされる可能性があります。
      今回の事例では、Aさんはインターネット掲示板に投稿していますから、この「公然」の要件は満たされることになるでしょう。
      次に、「事実を摘示」とは、具体的に人の社会的評価を低下させるに足りる事実を告げることとされています。
      このとき、内容が真実であるか虚偽であるかは問題となりません。
      この「事実の摘示」がないとされた場合は、名誉毀損罪にはなりませんが、侮辱罪(刑法231条)が成立する可能性があります。
      今回の事例でAさんがインターネット掲示板に投稿した、「Vは既婚者と不倫している」という事実は、社会的評価を低下させる事実に足りるでしょう。
      したがって、「事実を摘示」したとされるでしょう。
      そして、「名誉を毀損」とは、人の社会的評価を低下させる危険を生じさせることを言います。
      現実に名誉(社会的評価)が侵害される必要はありません。
      ですから、人の社会的評価を低下させるような事実を公然と摘示した時点で、名誉棄損罪に当たる行為がなされたことになります。

      ~~後編に続く~~

      あいち刑事事件総合法律事務所のご案内

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
      名誉毀損事件をはじめとする刑事事件・少年事件の弁護活動を数多く担当してまいりました。
      当事務所は、24時間対応のフリーダイヤルを設置しており、無料相談のご予約・初回接見のご依頼を受け付けております。

      フリーダイヤル:0120-631-881

      ご家族が名誉毀損罪の疑いで逮捕されてしまって困っている、刑事事件を専門に扱う弁護士に弁護を依頼したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部まで一度ご相談ください。

      令和7年7月21日【本日対応可能】彼氏が兵庫県警に逮捕されてしまったら・・・身内以外からでも依頼できますか?

      2025-07-21

      彼氏が兵庫県警に逮捕されてしまった場合に、身内以外からでも弁護士を依頼できるかどうかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部がご案内します。

      参考事例

      A子さんは、神戸市内で会社員をしている彼氏と同棲しています。
      その彼氏が、ある日の早朝、自宅を訪ねて来た兵庫県警の捜査員に逮捕されて連行されてしまいました。
      連行される際に彼氏から「弁護士を探してくれ。」と言われたA子さんは、身内以外からでも弁護活動の依頼を受けている弁護士を探しています。
      (フィクションです。)

      身内以外でも依頼が可能

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が提供する 初回接見サービス は、逮捕されている方の身内以外からでも、ご依頼していただくことができます。
      初回接見サービスとは、警察に逮捕される等して、身体拘束を受けている方のもとに弁護士を派遣する有料のサービスです。
      初回接見には、兵庫県内の警察署であれば、弁護士の日当と、接見場所までの交通費を合わせて一律33,000円の費用がかかります。
      また兵庫県以外の警察署については、接見場所によって初回接見費用が異なりますので

      フリーダイヤル 0120-631-881(24時間対応中)

      までお問い合わせください。

      弁護士を選任する

      刑事事件を起こして警察に逮捕されると、逮捕された方は弁護士を選任することができます。
      勾留(逮捕から数日後)が決定してからであれば、自分でも国選弁護人を選任することができますが、勾留が決定するまでは、自分で当番弁護士を呼ぶか、ご家族等が弁護士を派遣してあげるしかありません。
      よく「どのタイミングで弁護士を付けたらいいのですか?」というご質問がありますが、逮捕された場合は、少しでも早いタイミングで弁護士を選任した方がよいでしょう。
      弁護士を選任するのが早ければ早いほど、弁護活動の幅が広がり、活動の幅が広がれば早期の釈放や、刑事処分の軽減にも影響してくるからです。

      本日対応可能な弁護士

      このコラムをご覧の方で、本日、ご家族、ご友人等が兵庫県警に逮捕されてしまった方は、本日対応可能な「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部」にご連絡ください。
      初回接見サービスのご予約は

      フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)

      にて承っております。

      司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集2025

      2025-07-18

      司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集2025

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、2025年(令和7年)度の司法試験又は予備試験の受験生を対象に、全国12都市にある各法律事務所のアルバイトスタッフ(事務アルバイト)を求人募集します。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方や、弁護士・検察官・裁判官を目指していて刑事事件又は少年事件に興味のある司法試験・予備試験受験生は是非ご応募下さい。

      司法試験・予備試験受験生アルバイトについて

      司法試験又は予備試験受験生が司法試験に最終合格するためには勉強環境及びモチベーションの維持が重要になります。特に司法試験・予備試験の受験後は、合格発表まで、次の行動を起こしづらかったり勉強に身が入りづらい時期でもあります。そんな時には、勉強及びモチベーション維持のために、法律事務所でのアルバイトが一つの有効な手段となります。
      あいち刑事事件総合法律事務所の事務アルバイトに採用されると、専門弁護士による刑事・少年事件及びその関連事件の弁護活動を間近に見ることができます。試験勉強で学んだ法律知識が弁護士の弁護業務の中でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながります。深夜早朝アルバイトであれば、冷暖房完備の快適で静かな環境で、電話対応などの簡単な仕事以外の時間は自由に勉強等をすることができます(深夜早朝手当も出ます)。
      当事務所アルバイト経験者の多くが司法試験に合格しているモチベーションの高い職場で、司法試験・予備試験受験生にはうってつけのアルバイトです。

      司法試験・予備試験受験生アルバイト採用求人情報

      【事務所概要】

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な、刑事事件・少年事件及びその関連事件の弁護をメイン業務とする全国的刑事総合法律事務所です。著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件及びその関連業務をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱っています。全国12都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための育成研修及び事業部制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、更生支援、犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、当事者の支援や外国人問題に興味のある方も歓迎しています。

      【募集職種】

      ・事務アルバイト
      ・深夜早朝アルバイト

      【給与(東京の例)】

      ・事務アルバイト:時給1300円+交通費
      ・深夜早朝アルバイト:時給1300円+深夜早朝割増(25%UP)+交通費
      ※時給は勤務地によって異なり、1000〜1300円となります。

      【勤務時間】

      勤務時間:週1日~、1日3時間~
      ※個人の事情と業務内容に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。

      【執務環境】

      ・交通費支給
      ・各事務所とも主要駅近く利便性抜群
      ・PC、事務処理環境、インターネット等完備
      ・刑事事件、少年事件の専門性が高い職場

      【勤務地】

      神戸支部 三ノ宮、神戸三宮駅から徒歩7分

      神戸支部は、神戸の中心部である三宮に事務所を構えています。三宮は交通の便もよく、事務所も駅からも近いので、交通機関での移動も便利です。また、兵庫県は、北は豊岡から南は淡路まで全域を、そして、中国・四国地方と広範囲に渡って対応しており、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱っています。神戸支部の弁護士は、兵庫県弁護士会に所属し、刑事事件・少年事件の専門弁護士として、兵庫県をはじめとした対応エリアで活躍しています。神戸支部は、弁護士・パラリーガルが協力して仕事を進めるチームワークのよい法律事務所です。事件についてはもちろんのこと、それ以外のことについても気軽に質問・相談することが出来るアットホームな雰囲気です。刑事事件・少年事件に興味のある方は、実務を間近で見ることができ、学ぶ事も多いと思います。

      司法試験・予備試験受験生アルバイト求人応募方法

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問ください。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。
      なお、ご応募から1週間以上経過しても当事務所採用担当者から連絡がない場合、お申込が確認できていない可能性がございますので、お手数ですが当事務所まで直接電話にてお問い合わせ下さい。

      【神戸の少年事件】観護措置って何ですか?

      2025-07-16

      【神戸の少年事件】観護措置って何ですか?少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      観護措置って何ですか?

      神戸市内に住む会社員のAさんには高校1年生の息子がいます。
      昨日、この息子が盗撮事件を起こして葺合警察署に逮捕され、現在も警察署の留置場に収容されています。
      そんな中Aさんは、息子の捜査を担当している警察官から「明日、息子さんを検察庁に送致しますが、そのまま観護措置がとられて少年鑑別所に収容されると思います。」と言われました。
      観護措置って何ですか?
      (フィクションです。)

      観護措置について

      捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致します。

      事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
      「観護措置」というのは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
      この観護措置には、2種類あります。
      家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護です。
      しかし、実務上、在宅観護はほとんど活用されていないため、観護措置という場合は収容観護を指します。

      観護措置の要件

      少年法17条1項は、家庭裁判所は、「審判を行うため必要があるとき」は、観護措置をとることができるとしています。
      「審判を行うため必要があるとき」として規定されていませんが、一般的には、次の各要件を満たす必要があるとされています。

      ①審判条件があること。
      ②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること。
      ③審判を行う蓋然性があること。
      ④観護措置の必要性が認められること。

      ④の観護措置の必要性については、具体的には以下の事由のいずれかがある場合に認められます。

      (a)調査、審判、決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
      (b)緊急的に少年の保護が必要であること。
      (c)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

      観護措置の期間

      法律上は、2週間を超えないとされていますが、とくに継続の必要があるときは1回に限り更新をすることができるとされています。
      しかし、実務上は、ほとんどの事件で更新がなされ、観護措置の期間は、通常4週間となっています。

      観護措置をとる時期

      家庭裁判所は、事件が家庭裁判所に継続している間、いつでも観護措置をとることができます。
      しかし、逮捕・勾留されている少年については、少年が家庭裁判所に到着したときから24時間以内に観護措置をとらなければなりません。
      捜査段階で身体拘束を受けていない在宅事件についても、家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が観護措置をとる必要があると判断した場合には、観護措置がとられることがあります。

      観護措置を回避する活動

      観護措置は4週間もの身体拘束を伴う措置であるため、観護措置の必要がないと考える場合や、観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置回避に向けて活動を行うことが重要です。

      付添人である弁護士は、事件が家庭裁判所に送致されるタイミングを見計らい、家庭裁判所に、観護措置の要件や必要性がないこと、そして、観護措置を避けるべき事情について述べた意見書を提出します。
      そして、裁判官や調査官と面談を行い、観護措置をとらないよう説得的に主張します。
      観護措置がとられなければ、逮捕・勾留されていた少年は釈放となりますし、在宅捜査を受けていた少年はそのまま家庭に居ながら家庭裁判所の調査、審判を受けることになります。

      弁護士 前田 真一

      少年事件に強い弁護士

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、これまで数多くの少年に対する弁護活動、付添人活動をしてきた豊富な実績がございます。
      兵庫県内の少年事件でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、少年事件でお悩みの親御様からのご相談のご予約を
      フリーダイヤル 0120-631-881
      で24時間、年中無休で承っております。

      非現住建造物等放火で逮捕 弁護士を派遣(初回接見サービス)

      2025-07-13

      非現住建造物等放火罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      ~事例~

      姫路市に住むAは、建設関係の会社に勤めていました。
      しかし、勤務態度が悪いといきなり解雇されてしまい、その腹いせにAは、勤めていた会社が管理している倉庫に火をつけました。
      放火の疑いから兵庫県姫路警察署が捜査に乗り出すことになり、防犯カメラの映像などからAの犯行であることが発覚、Aは非現住建造物等放火の疑いで逮捕されることになってしまいました。

      警察官からAの妻に連絡が入りましたが、「Aを放火で逮捕しました」とだけ告げられ詳しいことは教えてもらえませんでした。
      ただ、何とかしなければと考えたAの妻は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部初回接見を依頼しました。
      弁護士はすぐに接見に向かい、初回接見の報告を受けたAの妻は、今後の対応や見通しを知ることができました。
      (この事例はフィクションです。)

      放火

      放火とは文字通り火を放つ犯罪であり、刑法の中でも重要な犯罪として、その客体ごとに規定されています。
      刑法第108条 現住建造物放火
      刑法第109条 非現住建造物等放火 
      刑法第110条 建造物等以外放火 
      この他にも、失火罪や業務上失火罪などがあります。
      今回のAは会社の倉庫に放火していますので、非現住建造物等放火の疑いで逮捕されることになりました。

      非現住建造物等放火罪

      刑法第109条
      第1項「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期拘禁刑に処する」
      第2項「前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の拘禁刑に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは罰しない」

      放火罪は、生命や財産に対する危険が大きいため、法定刑も重く設定されています。
      そのため、非現住建造物等放火であっても罰金刑の規定はなく、起訴されると、無罪を獲得できない限り、良くても執行猶予判決ということになります。
      なお、これが現住建造物放火になると「死刑又は無期若しくは5年以上の有期拘禁刑」と非常に重いものとなり、裁判員裁判の対象事件となります。

      初回接見の案内

      警察から、「家族が放火で逮捕された」とだけ聞いても、どのように対処すればよいかわからないことかと思います。
      放火罪は先述のように火をつけた客体やその状況によって適用される法令が変わってきますので、現状や今後の対応を考えるためにも、まずは逮捕されているご家族のもとへ弁護士を派遣させるようにしましょう。
      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕されている方のもとへ「刑事事件に強い」弁護士を派遣する初回接見サービスを行っています。
      お電話で受け付けており、最短で即日に弁護士を派遣します。
      派遣された弁護士は、逮捕されている方から事件時の状況や動機などを詳しくお聞きし、今後の見通しや取り調べのアドバイスをお伝えし、ご家族にその状況などをご報告します。
      そして、弁護活動をご依頼いただくことになれば、その日のうちから活動に入っていき、身体開放や最終的な処分に向けた活動を行っていきます。
      状況がわからなければ、対処することもできないので、逮捕の連絡を受けたら状況把握のためにも、すぐに初回接見を利用するようにしましょう。
      刑事事件では、迅速な対応が後悔のない事件解決へとつながっていきます。

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
      姫路市の放火事件、その他刑事事件でお困りの方やそのご家族がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。
      無料法律相談、初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。

      同級生をホテルに連れ込んだ大学生 不同意性交等罪で逮捕

      2025-07-10

      同級生をホテルに連れ込んで性行為をした大学生が、不同意性交等罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      参考事件

      大学生のAさんは、所属するサークルの飲み会に参加し、そこで意気投合した同級生の女子大生と一緒にホテルに行きました。
      そして、そこで女子大生と性行為したのですが、行為から1ヶ月近くして、兵庫県加古川警察署に不同意性交等罪で逮捕されてしまったのです。
      相手の女子大生は、お酒に酔っていたのに無理矢理ホテルに連れ込まれて性行為をされたと警察に訴えたようですが、Aさんは、女子大生の同意があるものだと思い込んでいました。
      (フィクションです。)

      不同意性交等罪

      不同意性交等罪は、それまでの強制性交等罪から改正されて今年の7月に施行されたばかりの法律です。
      不同意性交等罪は、性的行為に同意しない意思を形成したり、表明したり、全うすることが困難な状態にさせ(あるいはその状態に乗じて)、性交等をした場合に成立します。
      簡単に言うと、性交の相手方が、性交することを拒否したり、拒否できない状態にしたり、拒否できない状態であるのをいいことに性交等に及ぶことを規制しているのが、不同意性交等罪です。
      ここでいう性交等とは
      ① 性交(いわゆる本番行為)
      ② 肛門性交(いわゆるアナルセックス)
      ③ 口腔性交(いわゆるオーラルセックス)
      ④ 膣・肛門に陰茎を除く体の一部又は物を挿入する行為でわいせつなもの

      です。

      不同意の原因となる事由

      不同意性交等罪には、相手方がどうして同意できなかったのか、つまり拒否したり、拒否できなかった原因について列挙しています。
      その内容は以下のとおりです。

      ①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと
      ②心身の障害を生じさせること又はそれがあること
      ③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること
      ④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること
      ⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと
      ⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること
      ⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること
      ⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること

      今回の参考事件だと、③に該当する可能性が高いでしょう。
      性交の相手が飲酒している場合は、相手が、アルコールの影響で性交する事に対して正常な判断ができていないかもしれないという、危険が潜んでいることを認識しておく必要があります。
      今回の参考事件のように、性交当時は特に拒否されることもなかったので同意があると思い込んで性交に及んでしまう場合は、逮捕されるリスクがあるので注意が必要です。

      不同意性交等罪などの性犯罪で逮捕された場合は

      不同意性交等罪のような性犯罪で警察に逮捕された方の、早期釈放や、刑事処分の軽減を実現するには、一刻も早い段階で刑事事件に強い弁護士による弁護活動を受けることが必要不可欠となります。
      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕された方のもとに弁護士を即日派遣する初回接見サービスを年中無休で実施しております。
      初回接見サービスのご予約は フリーダイヤル0120-631-881 にて24時間受付ておりますのでお気軽にお問い合わせください。

      口座売却・譲渡で刑事事件に

      2025-07-07

      口座売却譲渡刑事事件に発展する事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      参考事件
      Aさんは、金遣いが荒く、金融機関から借り入れを行うなどしていました。
      簡単に稼ぐ方法はないかと、インターネットで探していたところ、預金通帳・キャッシュカードの高額買取を謳う広告を見つけ、さっそく相手方に連絡をとりました。
      すると、△△銀行の口座を開設するように指示され、Aさんは指定された銀行の口座を開設しました。
      そして、手に入れた銀行のキャッシュカードを指定された住所に送ると、Aさんが指定した銀行口座に5万円が振り込まれました。
      しばらくしたある日、△△銀行から、Aさんが開設した口座が犯罪に使用されているため凍結した旨の連絡を受けました。
      Aさんは、犯罪に使われたことは身に覚えがないと回答しましたが、△△銀行から、口座売却譲渡は犯罪に当たるため、後日警察から連絡があると言われ、心配になったAさんは、警察に行く前に弁護士に相談することにしました。
      (フィクションです)

      口座売却・譲渡は犯罪です

      ネット上で、銀行口座売却譲渡を募る書き込みやメッセージを見たことがある方は、少なくないのではないでしょうか。
      銀行の預金通帳やキャッシュカードを渡すだけで、融資を受けたり、高額な報酬を得られるなんて、おいしい話だと飛びついてしまう方もいらっしゃいますが、銀行口座売却譲渡は法律で禁止されており、違反した場合には刑罰が科せられることになる犯罪行為なのです。
      以下、(1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合と、(2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合とに分けて、どのような罪が成立する可能性があるのかについて説明します。

      (1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

      自分の名義で銀行の預金口座を開設することは、何ら違法なことではありません。
      しかし、銀行は、その規定等によって、預金口座の契約者に対して、預金契約に関する一切の権利、通帳、キャッシュカードを名義人以外の第三者に譲渡、質入れさせまたは利用させるなどすることを禁止しています。
      そのため、銀行側において、契約者が、他人に預金口座売却する、または他人に使用させる目的で口座を開設しているとわかっていれば、口座を開設させることはありません。
      しかし、契約者が、その目的を秘して、自分で利用するために口座開設を申し込んだ(積極的に自分のための口座開設であることを申し込み時に主張していることまで必要とされず、預金口座の開設等を申し込むこと自体、申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思があることを示しているものと理解されます。)のであれば、それを信じて銀行が口座の開設や、預金通帳・キャッシュカードの交付に応じた場合、契約者による口座開設の申し込み行為は、銀行を騙す行為(欺罔行為)であり、騙された銀行が、当該契約者の真意を知っていれば応じなかった行為、つまり口座の開設や預金通帳・キャッシュカードの交付が行われ、契約者は、預金通帳・キャッシュカードを取得するに至っており、詐欺罪が成立するものと考えられます。

      (2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

      他方、もともと自分自身が利用する目的で適法に開設した銀行の預金口座の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却したり、譲渡した場合には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、「犯罪収益移転防止法」といいます。)に違反する可能性があります。

      ①自分の預金口座を、他人がなりすまして利用することを知った上で売却・譲渡した場合
      自分名義の預金口座を、他人が自分になりすまして利用することを認識していながら、当該口座の預金通帳やキャッシュカードを売却したり譲渡した場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項前段に当たり、それに対する罰則は、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその両方となります。

      ②自分の預金口座を他人がどのように利用するかを知らずに、売ったり有償で貸したりした場合
      相手方が自分名義の預金口座を自分になりすまして利用することを認識していなかった場合であっても、通常の商取引または金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で通帳やキャッシュカードを売ったり、貸したりした場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項後段で規定されている行為に当たり、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

      以上のように、口座売却譲渡は、犯罪に当たる可能性があります。
      売却譲渡した口座が特殊詐欺などの犯罪に利用されている場合には、遅かれ早かれ捜査機関に発覚することとなります。
      そうなれば、口座の名義人は、捜査機関の取り調べを受けることになります。
      問題の行為が上の犯罪に当たるか否かは、行為の目的をどのように認識していたかに依拠するため、銀行や警察から連絡を受けた場合には、速やかに刑事事件に強い弁護士に相談し、刑事手続を理解し、取り調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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      覚醒剤所持の再犯 執行猶予の可能性は?

      2025-07-04

      覚醒剤所持の再犯で起訴された事件を参考に、一部執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

      参考事件
      Aさんは、3年前、神戸地方裁判所で覚醒剤の使用および所持で懲役1年6月執行猶予3年が言い渡されました。
      その後、Aさんは覚醒剤とは縁を切り、真面目に仕事をしていました。
      しかし、職場の人間関係のトラブルから強いストレスを感じるようになったAさんは、再び覚醒剤に手を出すようになりました。
      そして、Aさんは、兵庫県葺合警察署に、覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕されました。
      Aさんは、再び覚醒剤に手を出してしまったことを大変後悔していますが、今度こそは実刑になるのではと不安でなりません。
      (フィクションです。)

      覚醒剤の使用および所持については、10年以下の拘禁刑が法定刑となっています。

      拘禁刑というのは、刑務所に収容され、刑務作業を行ったり、更生に向けた教育を受けたりする刑罰のことです。
      拘禁刑が執行されると、基本的には刑務所に収監されることになります。
      ただ、刑の執行が猶予されると、直ちに刑務所に収監されることはなく、社会で通常の生活を起こることができます。
      言い渡された刑の執行が猶予されることを「執行猶予」といいます。

      執行猶予について

      執行猶予は、判決で刑を言い渡すにあたり、一定の期間その刑の執行を猶予し、その猶予期間中罪を犯さず経過すれば、刑の言い渡しの効力を失わせる制度です。

      執行猶予の要件

      執行猶予には、刑の全部の執行猶予と刑の一部の執行猶予とがありますが、まずは前者の要件について説明します。

      刑の全部の執行を猶予することができるのは、
      ①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、または、
      ②前に禁固以上の刑に処せられた者であっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑の処せられたことがない者
      が、3年以下の拘禁刑もしくは禁固または50万円以下の罰金の言い渡しがなされる場合です。

      この場合、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間で刑の全部の執行を猶予することができます。

      覚醒剤の使用・所持の法定刑は10年以下の拘禁刑ですので、3年以下の拘禁刑を言い渡すことは可能です。
      初犯であれば、執行猶予が付くことが多いようです。

      覚せい剤事件で再度の執行猶予の可能性は?

      覚醒剤のような薬物事犯は、残念ながら再犯率が高いです。
      上のケースのように、執行猶予期間中に再び薬物に手を出してしまう事案は少なくありません。
      実は、執行猶予期間中に再び罪を犯してしまった場合でも、再度執行猶予となる可能性はあります。
      それを「再度の執行猶予」といいます。

      再度の執行猶予となるには、以下の要件を全て満たす必要があります。

      ①前に刑の全部の執行猶予が付された懲役(拘禁刑)または禁固の判決を受けていること。
      ②執行猶予期間中に、2年以下の懲役(拘禁刑)または禁錮の判決を受けること。
      ③情状に特に酌量すべきものがあること。

      覚醒剤事件では、初犯で1年6月の拘禁刑、執行猶予3年となるのが相場となっています。
      再犯の場合、1年以上の拘禁刑の判決が言い渡される可能性が極めて高く、覚醒剤事件で、再度の執行猶予となる可能性はかなり低いと言えるでしょう。

      一部執行猶予について

      執行猶予期間中に覚醒剤の再犯で有罪判決を受けた場合、実刑となる可能性は極めて高いです。
      しかしながら、実刑の場合にも、刑の一部の執行を猶予することを目指すという選択肢もあります。

      服役期間の一部の執行を猶予する「一部執行猶予制度」は、2016年6月から施行されています。
      一部執行猶予を定めているのは、刑法と、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律です。

      ◇刑法上の一部執行猶予◇
      (1)前科要件
      ・初めて刑に服する者。
      ・禁固以上の前科の執行終了または免除後、5年以内に禁固以上の刑に処せられていない者。
      (2)宣告刑
      3年以下の懲役(拘禁刑)または禁固。
      (3)再犯防止の必要性・相当性
      犯情の軽重及び犯人の境遇その他の事情を考慮して、再犯防止に必要かつ相当であること。

      ◇薬物法上の一部執行猶予◇
      (1)前科要件
      刑法、大麻取締法、毒物及び劇物取締法、覚醒剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法及びあへん法に定める薬物使用等の罪を犯した者。
      (2)宣告刑
      3年以下の懲役(拘禁刑)または禁錮。
      (3)再犯防止の必要性・相当性
      刑法上の要件に加えて、刑事施設内処遇に引き続き、薬物依存の改善に資する社会内処遇を実施する必要性があること。
      こちらは、保護観察が必要的に付されます。

      一部執行猶予は、全部実刑と比べると、刑務所に服する期間が短くなる等のメリットがあります。
      他方、ほぼすべての一部執行猶予に保護観察が付されるため、全部実刑に比べ、服役期間と出所後の猶予期間の全体をみれば、公的機関の干渉を受ける期間は長い等といったデメリットもあります。

      一部執行猶予を目指すべきか否かは、刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

      弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、覚醒剤事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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