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詐欺の実行犯に協力 共同正犯で逮捕~①~

2025-01-23

詐欺の実行犯に協力したとして、詐欺罪の共同正犯として逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事例

神戸市の投資信託の会社に勤めるAさんは、SNSで知り合い仲良くなった知人から、何か手っ取り早く金儲けになる話しはないか?と相談を受けました。
そこでAさんは、資産家に嘘の投資話を持ち掛けて出資金を募る詐欺の方法を、この知人に伝授しました。
ただAさんは、自分が事件に関与するのは嫌だったので、自分の会社で扱っている資産家の個人情報を提供する見返りとして情報料を受け取ることにしたのです。
そして知人は、Aさんが提供した情報をもとに、複数の資産家から出資金名目でお金を騙し取ったようで、実際にAさんは、知人から数百万円の取り分を受け取りました。
それから数か月して、知人が詐欺罪で兵庫県芦屋警察署に逮捕されてしまい、後日Aさんも共犯として警察に逮捕されました。(フィクションです。)

共犯とは

共犯とは、2人以上の者が共同して犯罪を実現することをいいます。
共犯には、共同正犯・教唆犯・幇助犯という3つの類型があります。(広義の共犯)
共同正犯・教唆犯には正犯の刑が、幇助犯には正犯の刑を減軽した刑が科されます。
共同正犯は、刑法60条に規定があり、それは以下の通りです。
「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。」(刑法60条)
この条文の「すべて正犯にする」という文言から、共同正犯においては、犯罪行為の一部を行えば、それによって生じた犯罪の結果の全部について責任を課されるという一部実行全部責任の原則が適用されるとされています。

共同正犯の成立要件

共同正犯の成立には

①共同実行の意思(意思の連絡)
②共同実行の事実

の2つが必要とされています。
今回事例では、知人は、Aさんから伝授された詐欺行為を実行し、実際に資産家からお金を騙し取っています。
また被害者となる資産家の個人情報を知人に提供し、知人は、その情報をもと犯行に及んでいます。
こういった点から、Aさんに共同実行の意思(共謀)はあったと言って間違いないでしょう。
ただAさんは、実際の犯行には関与していません。
ですので、共同実行の事実は認められません。
共同実行の事実が認められない以上、共同正犯は成立しないのではないでしょうか。
次回のコラムでは共謀共同正犯について解説します。
(共同正犯が成立しないとされた場合、より軽い幇助犯として処罰される可能性が高いです。)

~~~次回に続く~~~

刑事に強い弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は刑事事件・少年事件を専門に扱っており、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談・初回接見を行っております。
無料法律相談・初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
兵庫県内の詐欺事件、その他刑事事件でお困りの方、そのご家族等の方はぜひ一度フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

家出少女を家に泊めたら…未成年者誘拐罪で逮捕

2025-01-20

家出少女を自宅に泊めたとして、未成年者誘拐罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、出会い系アプリを通じて家出中の少女と知り合いました。
Aさんは、この少女が未成年であることを知っていましたが、「うちに泊めてあげるからおいでよ。」と言って少女を自宅に招き、しばらく泊めていたのです。
その間に、少女の両親は、警察に捜索願を提出したらしく、少女の行方を捜していた兵庫県生田警察署によってAさんは、未成年者誘拐の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

未成年者誘拐罪とは

未成年者誘拐は、刑法224条に規定されており、未成年者を誘拐する罪です。
未成年者誘拐罪の保護法益(法令がある特定の行為を規制することによって保護、実現しようとしている利益)については争いがありますが、判例は、被拐取者(つまり、誘拐された未成年者)の自由、および被拐取者が要保護状態にある場合は親権者等の保護監督権が未成年者誘拐罪の保護法益であるとの立場をとっています。
このことより、未成年者を誘拐する際、未成年者の承諾があった場合も犯罪が成立するかという問題について、例え未成年者本人の同意があったとしても、保護者の許可を得ずに未成年者を自宅に連れ込む行為は、保護者の監督権を侵害することになるため未成年者誘拐罪が成立することになります。

また、「誘拐」と聞くと、無理やり車に連れ込んで運ぶといったことをイメージしがちですが、ここで言う「誘拐」というのは、欺罔または誘惑を手段として、人をその生活環境から不法に離脱させ、自己または第三者の実力的支配下に移すことをいいます。
家出したがっている未成年者を自宅に泊まるよう提案し、迎えに行ったり交通手段を支持したり交通費を支払ったりするなど、自宅までの移動を容易にするなどした場合には、誘拐と判断される可能性があるでしょう。

もちろん、相手が20歳未満だと知らなかった場合には犯罪は成立しませんが、相手の話し方や服装などから「もしかしたら未成年者かもしれない。」と思ったのであれば、未必の故意が認められることになります。

このように、未成年者の同意を経て行った行為であっても、未成年者誘拐罪が成立することがあります。
そのような場合、事件を穏便に解決するためには、当該未成年者の保護者との間で示談を成立させることが重要となります。
未成年者誘拐罪は、親告罪です。
親告罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない罪です。
告訴というのは、被害者などの告訴権者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことです。
そのため、被害者との間で、告訴をしない、告訴をしている場合には告訴を取下げる旨の約束ができれば、未成年者誘拐罪で起訴されることはない、ということになります。
被害者が未成年者の場合には、その保護者が代理人となるため、交渉も容易ではありません。
未成年者本人よりも処罰感情が大きいことが予想されます。
円滑な示談交渉は、当事者本人よりも、弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、これまでに数多くの刑事事件を取り扱っており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
刑事事件を起こし被害者との示談交渉でお困りであれば、一度弊所にご相談ください。
無料法律相談や、初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

自転車の交通事故 重過失傷害罪で略式罰金

2025-01-07

自転車で交通事故を起こして、重過失傷害罪で略式罰金を受けた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

会社員のAさんは、最寄りの駅まで自転車で行って、そこから電車で通勤しています。
2か月ほど前、寝坊してしまったAさんは、駅まで急いで自転車を運転しており、赤信号を見落として交差点に進入し、道路を横断していた小学生をはねてしまいました。
すぐに救護し、警察に事故を届け出たのですが、事故の原因がAさんの信号無視だったことから、Aさんは重過失傷害罪で兵庫県明石警察署で取調べを受けた後、検察庁に書類送検されました。
そしてつい先日、検察庁に呼び出されて略式罰金になることを検察官から聞かされたのです。
~フィクションです~

自転車による交通事故

昨年末に自転車の交通ルールが厳罰化され、飲酒運転などが刑事罰の対象となりましたが、数年前から自転車の交通事故が多発し、警察は自転車の交通取り締まりを強化しています。
自転車で交通事故を起こし、相手に怪我をさせてしまうと、どんな罪に問われるのでしょうか。
刑事事件化された場合、①過失傷害罪若しくは②重過失傷害罪に問われる可能性が大で、これらの罪名で起訴されて有罪が確定すると
①過失傷害罪『30万円以下の罰金又は科料』
②重過失傷害罪『5年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金』

が科せられます。

過失傷害罪・重過失致傷罪

過失傷害罪と重過失傷害罪は共に過失によって他人に傷害を負わせる犯罪です。
「過失」とは、行為によって発生する結果を予見できる可能性があったにもかかわらず、これを怠り、更に回避するための注意義務を怠ることです。
怠った注意義務が重大であれば重過失傷害罪に問われる事となり、過失傷害罪と比べると相当厳しい処分となる可能性があります。
歩道を自転車で走行する行為に対しては、相当な注意義務があると考えられるので、今回Aが起こした交通事故に関しては重過失傷害罪が適用される可能性が高いでしょう。

略式罰金

本来、刑事罰は、刑事裁判で裁判官が刑を言い渡し、それから2週間後に刑が確定しますが、被告人が公訴事実を認め、略式手続きに同意した場合、100万円までの罰金であれば、刑事裁判を開かずに略式の手続きで刑事罰が確定します。

交通事件に強い弁護士

自転車による交通事故が刑事事件に発展し、警察の取調べを受けておられる方、明石市の重過失傷害罪に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。

姫路市の性犯罪 被害者と示談するメリット

2025-01-04

姫路市の性犯罪で、被害者と示談することのメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

会社員のAさんは、姫路市の居酒屋で知り合った女性と仲良くなり、そのままカラオケに行きました。
そこで、女性が自分に気があると思い込んでいたAさんは女性に抱き着き、胸を触ったりキスをしたりしました。
そしてその後、Aさんは女性をホテルに誘ったのですが断られてしまい、仕方なく別れて帰宅しました。
それから2か月ほどしてAさんは、飾磨警察署に、不同意わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
~フィクションです~

この参考事件は、よくあるケースの不同意わいせつ事件ですが、このような事件を起こして警察に逮捕された際に、被害者と示談するメリットは何でしょうか?
本日のコラムでは、性犯罪における、被害者と示談するメリットについて解説します。

示談とは

刑事事件における示談とは、被害者に謝罪し、賠償(被害弁償)したうえで、示談書を取り交わすことです。
当然、相手(被害者)の同意がなければ示談は成立しませんし、そもそも示談交渉の席にすら着いてもらえないこともあるので、示談交渉には細心の注意が必要ですし、法律の専門家(弁護士)のサポートが必要不可欠です。

また示談にもレベルがあり、謝罪を受け入れてもらうことができただけ、賠償(被害弁償)を受け取ってもらえただけの場合もあれば、示談書を取り交わすことができた場合もあります。
その示談書の内容も様々です。
相手を許す(宥恕)条項がある場合は、その後の刑事処分に大きく影響するでしょうが、そのこまでの条項を得れない場合もありますし、様々な条件がかせられる場合もあります。

示談のメリット

早期釈放

まず勾留によって身体拘束を受けている場合、この勾留期間中に宥恕条項のある示談を締結することができれば、勾留期間が短くなる可能性があります。

刑事罰の軽減・回避

示談の内容にもよりますが、被害者と示談することで刑事罰を軽減できたり、刑事罰を回避できることがあります。
また起訴後に示談が成立する場合でも、判決で言い渡される刑事罰に大きく影響するでしょう。

民事訴訟の回避

示談書で民事訴訟を起こさない条項を加えることで、刑事手続き後に損害賠償請求など民事訴訟を提起されることを回避できます。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881でご予約を承っておりますので、お気軽にお電話ください。
なおAさんのように警察に逮捕されてしまっている方は、初回接見サービスをご利用ください。

【謹賀新年】お正月の刑事事件に即日対応している弁護士

2025-01-01


明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、お正月に急遽弁護士が必要になった方からの、無料法律相談や初回接見サービスに即日対応している法律事務所です。

元旦から1月5日までのお正月休み中でも
フリーダイヤル 0120-631-881
は、24時間受付ておりますので、お気軽にお問い合わせください。

無料法律相談

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に関する法律相談を初回無料で承っております。
お正月休みの間に弁護士に相談しておきたい事件がございましたらお気軽にフリーダイヤルまでお電話ください。

初回接見サービス

兵庫県内の警察署また、近隣府県の警察にご家族等が逮捕されてしまった方は、警察署まで弁護士を派遣する初回接見サービスをご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、お正月も刑事事件専門の弁護士が即日対応しておりますので、フリーダイヤルにて初回接見サービスを申込みください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、2025年が、皆様にとって良いお年であることを願っております。

年末に弁護士が必要 どうすればいいですか?

2024-12-29

年末年始の連休中に急遽弁護士が必要になってしまった時はどうすればいいのでしょうか?
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、年末・年始も休まず営業している刑事事件専門の法律事務所です。
すぐにでも弁護士に相談したい方、警察に逮捕されたご家族のもとにすぐにでも弁護士を派遣して欲し方は、今すぐフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、年末年始も休まず営業しております。    年末年始休暇中に、弁護士がご入用になった際は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間対応中)
まで、お気軽にお電話ください。

家族が逮捕された

お正月休み中に、兵庫県警から「ご家族を逮捕しました。」という電話がかかってきた。
簡単な事件内容を聞くことはできたが、今後の手続きや処分の見通しがつかず不安だ。

このような方は「初回接見サービス」をご利用ください。
初回接見サービスをご利用いただくことで、今後の手続きの流れや、処分の見通しを知ることができます。
また早期に弁護活動をスタートさせることもできますので、早期釈放や刑事処分の軽減させることも可能となります。

すぐに弁護士に相談したい

昨年末、家族が盗撮事件を起こし在宅捜査を受けています。
年始早々に警察署に呼び出されているのですが、それまでに弁護士に相談したいです。

このような方は「無料法律相談」をご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、お正月休み中も、刑事事件に関する相談を初回無料で承っております。
お急ぎの相談については、即日対応することも可能ですので是非ご利用ください。

たった今、事件を起こしてしまった

たった今、ひき逃げ事件を起こしてしまった。
飲酒運転が発覚するのが怖くて逃げてしまった・・・
すぐに警察署に出頭しようと思うが一人では不安なので弁護士に付き添ってもらいたい。

このような方も、まずは「無料法律相談/同行サービス」をご利用ください。
ひき逃げ事件のような交通事件に限らず、何か犯罪を犯してしまった方からのご相談を受け付けております。
弁護士が付き添って警察署に出頭することによって、逮捕の可能性が軽減される事もありますし、何よりも、出頭する方の不安が軽減されるでしょう。
警察署への出頭をお考えの方は、まず弁護士に相談しましょう。

この他にも、今すぐ弁護士が必要だ…今すぐ弁護士に相談したい…といった方は、年末年始休暇中に休まず営業している弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部をご利用ください。

酒に酔った同僚に性的暴行 不同意性交等罪で逮捕

2024-12-26

酒に酔った同僚に性的暴行をしたとして、不同意性交等罪で逮捕された方の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

製薬会社に勤めるAさんは、会社の飲み会からの帰宅途中、一緒に帰っていた同僚の女性をレンタルルームに誘い、そこで性交に及びました。
同僚の女性は相当酒に酔っており、Aさんとの性交に明確な同意があったわけではありませんが、性交中は、自ら口淫する場面があったので、Aさんは同僚が性交に同意していると思い込んでいました。
しかしその翌日から、その同僚は出社せず、会社の上司から同僚女性が警察に被害を訴えたことを聞かされました。
そして事件から1週間ほどして、Aさんは、不同意性交等罪で兵庫県葺合警察署に逮捕されてしまったのです。
(フィクションです。)

不同意性交等罪

不同意性交等罪が施行されて4ヶ月が経過しましたが、参考事件のようなお酒に酔った相手に対する不同意性交等罪で逮捕されたり、逮捕されないまでも取調べを受けるような事件が発生しているようです。
不同意性交等罪は、それまでの強制性交等罪と違い、暴行や脅迫を用いてなくても、相手の同意を得ずに性交に及べば成立してしまう法律です。
Aさんのように、不同意性交等罪で警察に逮捕されてしまうと、警察庁に送致後は10日~20日の勾留を受ける可能性が高いでしょう。
また起訴されてしまった場合は、保釈によって釈放されない限り、裁判が終わるまで起訴後勾留による身体拘束が続きます。
不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」です。(拘禁刑が施行された場合は「5年以上の有期拘禁刑」)
起訴されて有罪が確定した場合、何らかの減軽事由がなければ執行猶予がつかないので、実際に事件を起こしてしまっている場合は、まずは不起訴を狙った弁護活動を推進し、それでも起訴された場合は、何らかの減軽事由による執行猶予獲得が目標となります。

不同意性交等罪で逮捕された場合は

不同意性交等罪で警察に逮捕された場合は、いち早く、逮捕された方のもとに弁護士を派遣することが大切です。
そして一刻も早く弁護活動を開始する必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件専門の弁護士を逮捕された方のもとに派遣する 初回接見サービス 
フリーダイヤル 0120-631-881
にて、24時間、年中無休で受け付けておりますので、是非、ご利用ください。

部下の女性にキスやハグ 不同意わいせつ罪で逮捕

2024-12-20

仕事中や、お酒の席で、部下の女性にキスやハグを繰り返したとして、男性上司が不同意わいせつ罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

Aさんは神戸市内にある広告代理店で部長の立場にあります。
Aさんは、今年の春に新入社員として自分の部署に配属された女性社員に対して、仕事中に体を触ったり、飲み会の席や、帰宅途中のタクシー内などでキスしたり、ハグする行為を日常的に繰り返していました。
そうしたところ、この女性部下が会社にセクハラの事実を報告し、2週間ほど前からAさんは自宅待機となっています。
そして今朝、兵庫県生田警察署に不同意わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

セクハラでは済まされない

昨年、不同意わいせつ罪と不同意性交等罪が施行されて、この手の性犯罪を取り巻く情勢が大きく変わり、これまで刑事事件に発展する可能性の低かった行為が、刑事事件に発展したり、Aさんのような逮捕者が出ています。
今回の、参考事件のAさんの行為も、一昔前ならセクハラで済まされていたかもしれませんが、今はそういうわけにはいきません。
会社内で処分を受けるだけでなく、刑事事件に発展し、場合によっては逮捕されるケースもあるのです。
その理由の一つが昨年施行された、一部性犯罪の法改正です。
これまで、暴行や脅迫を用いてのわいせつ行為に対して適用されていた「強制わいせつ罪」が、相手の同意がないわいせつ行為が処罰対象となる「不同意わいせつ罪」になったのです。

不同意わいせつ罪

不同意わいせつ罪は、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をすれば成立する犯罪です。
相手が同意できない状態にさせる手段としては

①暴行または脅迫
②心身の障害
③アルコールまたは薬物の影響
④睡眠その他の意識不明瞭
⑤同意しない意思の形成・表明・全うのいとまがない
⑥予想と異なる事態との直面に起因する恐怖または驚愕
⑦虐待に起因する心理的反応
⑧経済的または社会的関係上の地位にもとづく影響力による不利益の憂慮

が列挙されています。

参考事件のようなセクハラ行為ですと、上記の⑤、若しくは⑧に該当する可能性が高く、お酒が入っている場合は③に該当することもあるでしょう。
いずれにしても、相手の同意を得ずに、こういったわいせつ行為に及ぶことは非常に危険で、「嫌がっている様子がなかった・・・」「拒否されなかった・・・」といった言い訳は通用しないと考えていた方がいいでしょう。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件にお困りの方は、ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。

闇バイトに関与 少ない報酬で厳しい刑罰の現実

2024-12-14

闇バイトに応募して、詐欺や強盗等の犯罪に関与し警察に逮捕される少年が増加し世間を騒がせ、全国の警察は取り締まりを強化しているようです。
報道等でも闇バイトに関与しないように大きく報じられていますが、警察に逮捕されてしまうと想像もしていないほど厳しい刑罰を受けることもあるので注意が必要です。
本日のコラムでは、闇バイトで犯罪に関与した場合にどのような刑事罰を受ける可能性があるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

ケース1~特殊詐欺事件に関与した例~

大学を卒業してから無職のAさんは、日雇いのアルバイトで知り合った人から、「物を取りに行くだけで3万円の報酬がもらえる簡単な仕事」と紹介されて特殊詐欺事件の受け子をしてしまいました。
怪しい仕事だと分かっていましたが、3万円という報酬に魅力を感じたAさんは、指示された民家に行って、家人から封筒を受け取ると、その封筒を駅のコインロッカーに入れる行為をこれまで10回以上繰り返しています。
そんなある日、指示された民家に行き、家人から封筒を受け取ったところを、待ち構えていた警察官に逮捕されてしまいました。~フィクションです~

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役

Aさんのような特殊詐欺事件の受け子をした場合に適用されるのが詐欺罪です。(窃盗罪が適用される場合もある。)
詐欺罪の法定刑は10年以下です。
つまり起訴されて有罪が確定すれば、執行猶予を獲得できなければ10年以内で刑務所に服役しなければならないということです。
また2件以上の詐欺罪で有罪となった場合は、最長15年まで刑務所に服役しないといけない可能性もあります。

ケース2~強盗事件に関与した例~

無職のAさんは、SNSで募集していた闇バイトに応募しました。
内容は、指示された民家に強盗に入るので、その民家まで仲間を車で送っていき、犯行後の仲間を車に乗せて逃走するというものでした。
報酬金が10万円で、運転手役だけなので大した罪にも問われないだろうと思ったAさんは犯行に加担したのです。
しかし事件から2週間後に逮捕されたAさんの逮捕罪名は強盗致死罪と重いものでした。~フィクションです~

強盗傷人罪の法定刑は死刑の可能性も

強盗致死罪の法定刑は死刑又は無期懲役と非常に厳しいものです。
これは有罪が確定すると、何らかの減軽自由が認められれば有期懲役の可能性もありますが、そうでなければ軽くても無期懲役になるということです。
Aさんのように運転手役であれば実行犯よりも軽い刑罰になるでしょうが、共謀の程度によっては実行犯と同じ罪に問われます。

本日のコラムであげた事例は極端な内容ですが、実際に少ない報酬に目がくらみとんでもなく重い犯罪に関与し、想像もできないほど厳しい刑罰に処せられている方が存在することを忘れてはいけません。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部支部では闇バイトから犯罪に関与してしまった方の弁護活動を行っている法律事務所です。お困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

12月12日より大麻使用の規制開始 麻薬取締法で規制

2024-12-11

これまで規制対象となっていなかった大麻の使用が、12月12日より麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で規制されるようになります。
本日のコラムでは、この法改正について解説します。

これまでの大麻の規制内容

大麻の所持

こでまで大麻の所持は大麻取締法で規制されていました。
自己使用の目的などの単純所持罪の場合、罰則規定は5年以下の懲役で、営利目的で所持していた場合は7年以下の懲役かつ、情状により200万円以下の罰金が併科されます。

大麻の譲渡・譲受

大麻の譲渡や譲受も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の所持と同じで、単純な譲受等の場合が、5年以下の懲役で、営利目的の場合が、7年以下の懲役かつ、情状により200万円以下の罰金が併科となります。

大麻の輸出入

大麻の輸出入も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の所持等よりも厳しく、単純な場合は、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されます。

大麻の栽培

大麻の栽培も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の輸出入と同じ厳しいもので、単純な場合が、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されます。

このように、これまで大麻に関しては、大麻取締法によって規制されていたのですが、大麻の使用は規制対象外でした。
※尿検査を受けて、そこから大麻成分が検出されても刑事手続きの対象外であった。

麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)での新規制

12月12日からは、これまで大麻取締法で規制されていた、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入が、麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で規制されるようになり、更に、大麻の使用(施用)も規制対象となります。

大麻の使用(施用)

大麻の使用(施用)の罰則規定は、麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で使用(施用)が規制されている麻薬等と同じく、7年以下の懲役です。

大麻の所持、譲渡、譲受

大麻の所持、譲渡や譲受の罰則規定は、単純な場合が、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、1年以上10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されます。
大麻取締法で規制されていた時よりも罰則内容が厳しくなっているのが特徴です。

大麻の栽培について

大麻の栽培については、麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)では規制されず、新たに大麻草の栽培の規制に関する法律が12月12日から施行され、そこで規制されています。
大麻を栽培した場合の罰則は、単純なもので1年以上10年以下の懲役ですが、栽培の目的が営利であった場合は、1年以上の有期懲役かつ、情状により500万円以下の罰金も科せられます。

薬物事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、大麻等の薬物事件を多く扱っている法律事務所です。
ご家族が大麻に関する罪で警察の取調べを受けている、ご家族が大麻に関する罪で警察に逮捕されてしまったという方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部無料相談初回接見サービスをご利用ください。

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