弁護人・付添人の選任

弁護人・付添人の選任

少年事件における弁護人付添人選任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県明石市に住むAくん(18歳)は、深夜の公園で仲間数人と集まっていました。
警戒中の兵庫県明石警察署の警察官は、Aくんらに職務質問をしました。
しかし、Aくんらの様子がおかしいことから、所持品検査を行うと、ポケットから大麻とみられる植物片が見つかりました。
そのままAくんらは兵庫県明石署に連行され、その後、逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

少年事件における弁護人・付添人

被疑者段階

事件の発覚から家庭裁判所送致までの被疑者段階では、少年と成人の手続に顕著な差異はありません。
少年であっても、少年または少年と一定の関係にある者は、いつでも、弁護人選任することができます。(刑事訴訟法第30条)

第三十条 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
2 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

弁護人は、違法・不当な捜査活動がなされないよう監視したり、被疑事実を認めている場合には示談交渉を行うなど、被疑者である少年の権利・利益を擁護する役割を担っています。
この弁護人には、「私選弁護人」と「国選弁護人」とがあります。

私選弁護人
少年または少年の家族などから選任された弁護人で、弁護士費用は自己負担となります。
身体拘束の有無にかかわらず、被疑者その他の選任権者は、いつでも弁護人選任することができます。
私選弁護人は最大3人までつけることができます。

国選弁護人
捜査段階においては、少年事件も成人事件と同様に、刑事訴訟法の適用を受けます。
被疑者国選弁護人選任される要件に該当する場合には、国がその費用を負担する国選弁護人選任することができます。
被疑者国選弁護人選任される要件とは、以下のものです。
・対象事件が、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」。
・少年が「貧困その他の事由により弁護人を選任することができない」。
被疑者国選弁護人制度は、逮捕後勾留前の段階では、利用することはできません。
少年事件では、「勾留に代わる観護措置」により少年鑑別所に収容された場合にも、被疑者国選弁護人選任が可能です。
被疑者国選弁護人制度は、身体拘束されていない在宅事件には適用されません。

家庭裁判所送致後

少年が家庭裁判所に送致された後、少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を得て、付添人選任することができます。
ただし、弁護士を付添人とする場合には、家庭裁判所の許可は要りません。
付添人は、少年の権利を擁護し、その代弁者としての役割と、少年の更生に向けて家庭裁判所と協力し援助する役割を担っています。

私選付添人
少年及び保護者は、自ら付添人選任することができます。
捜査段階で私選弁護人選任している場合であっても、弁護人選任の効力は家庭裁判所送致時に失われるので、同じ弁護士を付添人として選任するのであっても、家庭裁判所送致後に改めて家庭裁判所に付添人選任届を提出しなければなりません。

国選付添人
私選弁護人の場合と同様に、捜査段階で被疑者国選弁護人選任効力は失われるので、被疑者国選弁護人が当然に国選付添人になるわけではありません。
平成26年施行の改正少年法によって国選付添対象事件の範囲が拡大し、被疑者国選弁護対象事件と同じ範囲にまで拡大されましたが、国選付添人を選任するか否かは、家庭裁判所の裁量に委ねられています。
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪」に該当する非行に及んだ者について、「観護措置」がとられており、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付けることができます。
ただし、検察官関与決定がなされた事件で、少年に弁護士である付添人がいないときは、家庭裁判所は弁護士である付添人を付けなければなりません。

少年事件も、成人の刑事事件と同様に、少年の権利・利益の擁護や少年の更生に向けた活動を行う弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。
しかし、医者にも内科医や外科医といった専門性があるように、必ずしもすべての弁護士が少年事件・刑事事件に精通しているわけではありません。
少年事件・刑事事件でお困りであれば、専門の弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
フリーダイアル0120-631-881へご連絡ください。
兵庫県明石警察署までの初回接見費用:37,800円)

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