Archive for the ‘交通事故’ Category

人身事故で公判請求されたら

2020-04-26

人身事故を起こし、公判請求された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
最寄り駅まで車で家族を迎えに行こうと自家用車を運転していたAさん。
兵庫県川西市の交差点で右折しようとしていたところ、横断歩道を横断中の歩行者と衝突してしまいました。
歩行者は横転し、怪我を負っています。
Aさんは、すぐに119番通報しました。
現場に駆け付けた兵庫県川西警察署の警察官は、Aさんに事故について話を聞いています。
Aさんは、自分がどのような罪に問われるのか気が気でなりません。
(フィクションです)

人身事故を起こした場合に問われ得る罪とは

あなたが車やバイクを運転しているときに、歩行者や対向車などをぶつかり、相手に怪我を負わせたしまったとしてら、あなたにはどのような罪に問われることになるのでしょうか。
自動車等により事故を起こした場合には、、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転死傷処罰法」といいます。)が適用されるのが一般的です。

(1)過失運転致死傷罪

運転をする上でのあなたの不注意によって事故を起こしてしまった場合には、過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。

過失運転致死傷罪は、第5条に規定されています。
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立する罪です。
自動車の運転上必要な注意を怠る場合というのは、前方不注視や左右確認を怠ること、無灯火などで運転していることを意味し、運転上の様々な過失が該当することになります。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。
しかし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとしています。

(2)危険運転致死傷罪

運転上の不注意による事故ではなく、悪質かつ危険な運転による事故については、危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

次に掲げる行為を行うことによって、人を負傷させた場合には15年以下の懲役、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役が科される可能性があります。

①アルコール・薬物の影響によって、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②進行を制御させることが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③信仰を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人・車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人・車に著しく接近し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤赤信号等を殊更無視し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑥交通禁止道路を進行し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。

また、アルコール、薬物や一定の病気の影響によって、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、そのことを認識しながら自動車を運転した上、客観的に正常な運転が困難な状態に陥って人を負傷させた場合には、12年以下の懲役に、人を死亡させた場合には、15年以下の懲役が科される可能性があります。

公判請求されたら

上でみたように、人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
過失運転致傷事件においては、相手の怪我の程度が軽く、その他の事情を考慮して、不起訴となるケースもあります。
しかし、相手の怪我の程度がさほど軽くない場合や処罰感情が高い場合、その場から逃亡してしまった場合には、検察官が公判請求し、刑事裁判を受けることになるでしょう。
特に、危険運転致死傷罪には罰金刑もなく、社会的に処罰感情も高い犯罪であるため、検察官が犯罪を立証できると判断する限り、公判請求されます。
また、危険運転致死罪については、通常の裁判ではなく、裁判員裁判で審理されることになります。

あなたは公判請求されると、公開の法廷での審理を受けることになります。
刑事裁判には、刑事事件に精通する弁護士を弁護人として選任されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年交通事件で弁護士に相談

2020-04-03

少年交通事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
深夜、赤信号にもかかわらず兵庫県三田市の交差点に侵入したとして、兵庫県三田警察署の警察官に停止を求められたAくん(15歳)。
警察官に運転免許証の提示を求められましたが、Aくんは「持っていません。」と正直に無免許運転であることを告げました。
Aくんは、道路交通法違反の容疑で現行犯逮捕されましたが、Aくんの両親が身元引受人として警察署に迎えに来て釈放されました。
Aくんと両親は、この先どのような流れとなるのか不安です。
(フィクションです)

少年交通事件について

少年交通事件は、少年による危険運転致死傷、過失運転致死傷、重過失致死傷、道路交通法違反事件などの交通関係事件のことです。
このような少年交通事件のうち、道路交通法違反事件については、成人の場合と同じく、交通反則通告制度が存在します。
交通反則通告制度というのは、自動車、原動機付自転車等の運転者の違反行為のうち、無免許運転や飲酒運転等の悪質な違反を除く、比較的軽微な違反について、交通事故を起こしていないなどの一定の条件を満たす場合にとられる制度で、反則金を納付することで、事件を終了させ、家庭裁判所の審判に付されることがなくなります。
交通反則通告制度の対象となる交通事件は、速度超過(一般道においては時速30キロ未満、高速道路においては時速40キロ未満の超過に限る)、信号無視や駐停車違反などです。

しかし、無免許運転、酒気帯び運転、速度超過、共同危険行為などの事件は、反則通告制度の対象とはならず、家庭裁判所に送致されることになります。

少年交通事件の審判手続の特徴

事件が家庭裁判所に送致されると、通常の事件と同様に、調査官による調査が行われます。
調査の一環として、少年交通事件では、家庭裁判所は、少年に対して集団での交通講習を実施することがあります。
個通安全に関する講義や講話、ビデオの視聴、保護者参加の討論会などが実施されます。
この集団講習への少年の取込む姿勢は、少年に対する処遇を決める上での判断材料となります。
調査の結果、審判を開始するか否かが決定され、審判開始決定がなされると、審判を経て、不処分・保護処分・検察官送致等の処分がなされます。

少年交通事件では、非行内容や要保護性の共通点、予想される処分に鑑みて、複数の少年が集団で審判を受ける集団審判が行われることがあります。
集団審判では、通常の審判とは異なり、個別事件の審理はほとんど行われず、事件類型に合わせた裁判官による訓戒が審判の中心となります。
しかし、個別に主張がある場合、重大な結果を生じさせた事件、否認事件などは、個別に審理されます。

少年交通事件の処分

(1)交通保護観察

交通事件における保護観察は、「交通保護観察」と「交通短期保護観察」とがあります。
「交通保護観察」は、交通事件を専門とする保護観察官と交通法規に通じた保護司を指名しるようにしたり、必要な場合には交通法規・運転技術・車両の構造に関する指導をすること、特別遵守事項に保護観察所長の定める交通に関する学習をすること等を定めること、保護観察官の直接担当や集団処遇の併用も考慮すべきこととされています。
「交通短期保護観察」は、一般非行性がない、一般非行性が深くない、交通関係の非行性が固定化していない、資質に著しい偏りがない、対人関係に問題がない、集団処遇への参加が期待できる、保護環境が特に不良でない、改善更生のために特に必要と認められる事項がなく特別遵守事項を定めない少年に対してとられる処分です。

(2)検察官送致

少年交通事件のうち重大な結果が生じた事件で、少年の年齢が高い場合には、刑事処分相当として検察官送致となるケースが少なくありません。

以上のように、少年交通事件では、通常の少年事件と異なる点もありますが、少年の更生に向けた活動は、他の少年事件と共通することが多くあります。
特に、環境調整においては、保護者と協力して家庭環境を改善することや、非行に走るようになった原因である交遊関係の見直しなど、少年が再び非行を犯さないように少年の周囲の環境を整えることが重要です。

少年事件では、事件内容の軽重だけでなく、少年の更生可能性も重要なポイントとなりますので、少年事件に詳しい弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が交通事件を起こして対応にお悩みであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

あおり運転に対する罰則強化

2020-03-20

あおり運転に対する罰則強化について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県佐用郡佐用町の高速道路を走行していたVさんは、後方車両に車間距離を極端に詰められていたため、左車線に車線変更しました。
しかし、後方車両もすぐさま車線変更しVさんの車の後ろにつけ、再び車間距離を極端に詰めてきました。
あおり運転だと思ったVさんは、危険を感じ、途中のサービスエリアで降り、警察に通報しました。
Vさんから報告を受けた兵庫県高速道路交通警察隊は、あおり運転をしたと思われる車を発見し、運転手のAさんから事情を聞いています。
(フィクションです)

あおり運転が原因で痛ましい事故が発生するケースが増えたことをうけ、あおり運転に対する罰則強化の動きが強まりました。
そして、今月には、あおり運転に懲役刑を科す道路交通法改正案が閣議決定されました。
早ければ今年の夏までに施行される見通しだということです。

現行法におけるあおり運転に対する罰則

現行法は、「あおり運転」の定義を定めていませんが、あおり運転は、一般に、道路を走行する自動車等に対して、周囲の運転手が嫌がらせ等の目的で運転中に煽ることにより、道路における交通の危険を生じさせる行為のことをいいます。
現在、道路交通法は、急ブレーキや車間距離を極端に詰める行為、幅寄せなどの行為を禁止しており、違反者に対しては、反則金の他に、罰則も設けています。

以下、あおり運転に該当する主な違反について説明します。

1.車間距離保持義務違反

あおり運転の典型は、他車との車間距離を極端に詰めるものです。
このような行為は、道路交通法上の車間距離保持義務違反となります。

第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

自分の車と前を走行している車との間は、万が一前の車が急に停止した場合であっても、その車に衝突することがないよう、しっかり空けておかなければなりません。
しかし、前を走る車との距離を極端に詰めて煽る運転は、この義務に違反することになります。

車間距離保持義務違反の罰則は、高速自動車道上の違反については3月以下の懲役または5万円以下の罰金、一般道では5万円以下の罰金です。

2.進路変更禁止違反

急に車線変更などして、後ろから進行してくる車が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないようにするあおり運転は、進路変更禁止違反となります。

第二十六条の二 
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない

道路交通法第26条の2第2項の進路変更禁止違反の罰則は、5万円以下の罰金です。

3.急ブレーキ禁止違反

危険防止を理由としない、不必要な急ブレーキをかけるあおり運転は、道路交通法上の急ブレーキ禁止違反に当たります。

第二十四条 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

急ブレーキ禁止違反の罰則は、3月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

道路交通法改正案におけるあおり運転に対する罰則

今月閣議決定された道路交通法改正案は、あおり運転を妨害運転罪として新たに定めます。

同案には、他車の通行を妨害する目的で、交通の危険を生じさせるおそれのある方法で、通行区分違反、急ブレーキ禁止違反、車間距離保持義務違反、進路変更禁止違反、安全運転義務違反等の一定の違反行為をした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金とする内容が盛り込まれています。
また、妨害運転により、高速自動車道等において他車を停止させるなどして道路における著しい交通の危険を生じさせ場合には、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される旨も規定されています。

以上の様に、あおり運転に対する罰則強化された場合、逮捕・勾留で身体拘束が長期化する可能性や、略式手続ではなく公式裁判が請求される可能性も高くなるでしょう。

あおり運転や交通事件で対応にお困りの方は、交通事件も取り扱う刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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無免許運転で人身事故

2020-03-13

無免許運転人身事故をした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、免許の更新を受けずに車の運転を続けていました。
ある日、Aさんは車で外出をしていた際、兵庫県朝来市の交差点で右折しようとしたところ、左側からきたバイクと衝突してしまいました。
幸い、Aさんもバイクの運転手も大きな怪我を負わずに済みましたが、通報を受けて駆け付けた兵庫県朝来警察署の警察官に免許の提示を求められ、免許を提示したところ、Aさんの免許が有効期限切れであることが発覚しました。
(フィクションです)

無免許運転で人身事故を起こしたら

無免許運転について

無免許運転とは、公安委員会の運転免許を受けていないにもかかわらず自動車や原付自転車を運転する行為をいい、運転免許を取得したことがない場合だけでなく、免許停止中の運転や、免許取り消し処分後に免許の再取得なく運転している場合も無免許運転に含まれます。

Aさんの場合、運転免許の更新をし忘れています。
つまり、運転免許の更新を受けず、運転資格が停止した人が運転することになるので、Aさんの場合も無免許運転に該当します。

無免許運転は、道路交通法で次のように禁止されています。

第六十四条 何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

無免許運転に対する罰則は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転について、交通反則通告制度は適用されませんので、反則金を支払って終わることはできません。

無免許運転による人身事故の場合の刑の加重

上の規定は、無免許運転を行ったことに対するものです。
無免許で人身事故を起こした場合には、無免許運転による罪が加重されることになります。

まずは、人身事故を起こした場合に問われる罪についてみていきましょう。
人身事故を起こした場合、自動車運転処罰法に規定される「過失運転致死傷罪」または「危険運転致死傷罪」が成立する可能性があります。

(1)過失運転致死傷罪

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失によって交通事故を起こし、人を死傷させてしまった場合に成立します。
前方不注意などのちょっとした不注意が原因で人身事故を起こした場合には、過失運転致死傷罪となることが多いのです。

(2)危険運転致死傷罪

第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
第三条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

人身事故でも、飲酒運転、薬物使用運転、技能不足での運転、高速度での運転など、特に悪質な運転が原因である場合には、危険運転致死傷罪が適用される可能性があります。

無免許運転の場合には、過失運転致死傷罪または危険運転致死傷罪よりも刑が加重されることになります。

第六条 第二条(第三号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、六月以上の有期懲役に処する。
2 第三条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は六月以上の有期懲役に処する。
3 第四条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十五年以下の懲役に処する。
4 前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

危険運転致傷罪の法定刑は、15年以下の懲役ですが、無免許運転である場合には、6月以上の有期懲役と刑が加重されます。
また、過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金ですが、無免許運転であれば、10年以下の懲役となります。

このように、無免許運転人身事故を起こした場合、通常の人身事故を起こした場合よりも重い刑が科せられる可能性があります。
刑の減軽や執行猶予の獲得でお困りであれば、交通事件を含む刑事事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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道路交通法違反事件:罰金と反則金の違い

2020-03-04

道路交通法違反事件における罰金反則金の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

前回のブログにおいて、あおり運転が道路交通法違反となる可能性があることを説明しました。
車間距離不保持違反、急ブレーキ禁止違反、安全運転義務違反ともに罰則が設けられています。
しかし、必ずしもこれらの義務違反により刑事罰が科されるとは限りません。

交通反則通告制度について

自動車や原動機付自転車の運転者がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に反則金を納めることにより、その行為につき刑事裁判、少年の場合は家庭裁判所の審判を受けることなく事件が処理される制度を「交通反則通告制度」といいます。

この制度は、交通手段として自動車が普及するようになり、道路交通法違反事件の件数が増大したことで、検察庁や裁判所の仕事を圧迫するようになったため、関係機関の負担を軽減するために設けられました。

交通反則通告制度の対象となる「反則行為」とは、車両等の運転者が行った道路交通法の第8章の罪に当たる行為のうち、道路交通法の別表第2の上欄に掲げるものをいいます。
つまり、別表第2の上欄に掲げるもののうち、犯罪として成立する行為のことです。
別表第2の上欄に掲げるものとは、比較的軽微なものであって、おおむね現認、明白、典型的なものです。
例えば、一時停止違反、駐車違反、時速30キロ未満の速度超過などです。
無免許運転や酒酔いといった危険性の高いものや警察官の指示命令に違反する行為のような特殊のものについては、除外されます。

車間距離不保持違反に関しては、一般道であれば普通自動車等で反則金は6千円、高速道路では普通自動車等の反則金は9千円です。
急ブレーキ禁止違反の反則金は7千円、安全運転義務違反は9千円です。

交通反則通告制度の対象となる違反をした場合、警察官から現場で「交通反則告知書」、いわゆる「青キップ」と「反則金仮納付書」が交付されます。
告知を受けた日の翌日から7日以内に反則金を納付すれば、手続が終了します。
納付期限を過ぎてしまった場合、通告センターに出頭し、通告書と納付書の交付を受けます。
出頭できなかった場合、通知書と納付書が送付されます。
通告を受けた日の翌日から10日以内に反則金を納付すれば、手続は終了しますが、期限内に納付しない場合には、刑事手続がとられ、交通裁判所または検察庁に呼び出しを受けることになります。
未成年者の場合は、家庭裁判所もしくは検察庁から呼び出されます。

刑事手続がとられた場合

交通反則通告制度が適用されない場合、刑事手続がとられます。
この場合、違反者は「被疑者」となります。
捜査機関による捜査が終了すると、検察官は被疑者を起訴するか否かを判断します。
起訴には、①公判請求、②即決裁判手続の申立て、③略式命令の請求があります。
実際には、事件のほとんどが③の略式手続によって処理されます。

①公判請求は、裁判所に対し、特定の犯罪事実について特定の被告人に対する実体的審理および有罪の判決を求める意思表示です。
公判請求されると、公の裁判で審理され、有罪か無罪か、有罪の場合にはどのような刑罰を受けるべきなのかが決められることになります。

検察官の請求があるとき、簡易裁判所は、公判を開かずに書面審理によって、簡易裁判所が管轄する事件について、100万円以下の罰金または科料を科すことができます。
この手続を「略式手続」といい、簡易裁判所が言い渡す裁判を「略式命令」と呼びます。
公判を開かずに非公開の簡易な手続きで迅速に行われる点がその特徴です。
交通事件のほとんどが略式手続で処理されます。
この略式手続に基づき、略式命令が出されると、刑の言渡しを受けた者は、「罰金」を納めなければなりません。
罰金」は、刑事罰の一種ですので、有罪判決を受けたことが前提となります。
ですので、交通反則通告制度が適用された場合とは異なり、前科が付くことになります。

交通事件で刑事手続がとられ、対応にお困りであれば、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。
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あおり運転で刑事事件~道路交通法違反~

2020-03-03

あおり運転行為により刑事事件道路交通法違反)に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

あおり運転の厳罰化への動き

2017年に神奈川県の東名高速道路で、無理やり停止させられた車の夫婦に、後方を走っていたトラックが追突し死亡した痛ましい事故を機に、あおり運転が社会問題となり、その危険性についてメディアでも大きく取り上げられました。
残念ながら、その後も、あおり運転をする者は絶えず、あおり運転に起因する事故や事件が起きています。
警察庁は、厳罰化に向けて道路交通法あおり運転を新たに定義し、違反1回で即免許取り消しとするほか、懲役刑を設ける改正案を国会に提出する予定だとしています。

現行法では、あおり運転は如何なる罪に当たる可能性があるのでしょうか。

あおり運転は何罪に?

道路交通法上、「あおり運転」の定義はありませんが、一般的に「あおり運転」とは、その言葉の通り、周囲を走行する車などに対して煽るように、つまり、他車の運転手等を刺激して、道を譲らせたり、車を停止させたりといった行動に駆り立てるように運転し、道路における交通の危険を生じさせる行為を意味します。
他車を煽る方法は様々ですが、代表的なものを挙げると、車間距離を極端に詰めたり幅寄せを行ったりする行為、必要のないパッシングやクラクションでの威嚇行為、いきなり急ブレーキをかけて後続車を脅かす行為があります。

1.道路交通法違反

あおり運転の運転態様につき、道路交通法違反が成立する可能性があります。

(1)車間距離不保持違反

第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

前を走っている車が急ブレーキをかけたとしても、その車に追突しない距離を空けて自車を運転しなければなりません。
過去の裁判例によれば、保たなければならない車間距離は、車両等の種類、構造、速度、性能、道路の状況、昼夜の区別、見透しの状況、積載量、制動操作の運転技術等の諸条件によって異なるので、一律に決定することは難しいとしていますが、具体的な状況において社会通念によって判断するほかはないけれども、運転者としては事故の運転技能、道路の状況その他の諸条件を十分に考慮し、先行者の行動に注意を払いながら適切な判断をする必要があるとしています。(名古屋高裁、昭30・3・10)

罰則は、一般道においては、5万円以下の罰金、高速自動車国道等においては、3月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

あおり運転の車間距離を極端に詰める行為は、車間距離不保持違反に当たります。

(2)急ブレーキ禁止違反

第二十四条 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

ここでいう「危険を防止するためやむを得ない場合」とは、走行している車両の直前に歩行者が飛び出してきた場合、左側端を走行していた自転車が走行している車両の直前に急に右折をはじめ入ってきた場合、または道路の損壊や道路上の障害物をその直前で発見した場合などをいい、目前の危険を防止するためやむを得ない場合を指します。

罰則は、3月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

(3)安全運転義務違反

第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

「車両等の運転手」は、車両等を運転し又は操縦することができる免許を受けている者だけでなく、免許を受けていない者が運転している場合も「車両等の運転手」に含まれます。
①装置の確実な操作、②他人に危険を及ぼさないような速度、③他人に危害を及ぼさないような方法の3つの義務のうち一つでも欠いていれば、安全運転義務に違反することになります。

①安全操作履行義務
ハンドル、ブレーキその他の送致を確実に操作し、その機能を正しく発揮することができるようにしなければなりません。
②安全状態確認義務
道路、交通及び当該車両等の状況に応じて、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転する義務です。

ブレーキペダルの踏み間違えやハンドル操作の過ち、漫然運転、脇見運転、安全不確認など交通事故の主要な原因は、安全運転義務違反によるものと言われています。
あおり運転においては、幅寄せ行為等が安全運転義務違反に当たります。

罰則は、3月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

現行法において、あおり運転により道路交通法違反が成立する場合、必ずしも刑事事件として刑事手続が進められ、刑事罰を科されるとは限りません。
交通反則通告制度に従い、反則金の納付により公訴を提起されない場合があります。
もちろん、あおり運転が原因で人身事故を起こした場合には、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪といった反則通告制度が適用されない重い罪に問われることになりますので、刑罰が科される可能性があります。
次回は、罰金と反則金の違いについて解説します。

あおり運転による交通事件を起こしお困りの方は、交通事件にも対応する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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交通事件(人身事故)での身体拘束

2020-02-17

交通事件人身事故)での身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
自家用車を運転していたAさんは、兵庫県丹波篠山市の交差点で左折しようとしたところ、自転車で横断歩道を横断していたVさんと衝突してしまいました。
Aさんは、車を停めて、窓を開けてVさんの様子を確認しましたが、すぐに起き上がり自転車を押して横断したため、「大丈夫だったんだな。」と思い、そのまま現場を離れました。
後日、兵庫県篠山警察署の警察官がAさん宅を訪れ、過失運転致傷と道路交通法違反の容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんの家族は、すぐに交通事件にも対応する弁護士に連絡を入れました。
(フィクションです)

交通事件(人身事故)で逮捕される場合

人身事故を起こしてしまった場合、多くのケースでは、過失運転致死傷罪に問われることになります。

過失運転致死傷罪とは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の第5条に規定される罪です。

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは、自動車の運転者が、自動車の各種装置を操作して、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要とされる注意義務を怠ることをいいます。
前方不注意やスピードの出しすぎ、周囲の歩行者や走行車両などの確認を怠ったなどは、自動車を運転する上で遵守すべき義務に違反する行為と言えるでしょう。

運転行為の中でも特に危険性の高いもので危険運転に該当する場合には、より刑罰が重い危険運転致死傷罪が適用される可能性もあります。

人身事故を起こした場合、駆け付けた警察官に現行犯逮捕される可能性が高いでしょう。
しかし、容疑を認めており、罪証隠滅や逃亡のおそれがないと判断されれば、逮捕後に勾留されずに釈放となるケースも少なくありません。
一方、人身事故を起こしたにもかかわらず、警察に通報せずに現場を離れた場合には、ひき逃げ事件とみなされ、後日犯人を特定して通常逮捕される可能性が高いでしょう。

逮捕されたら

逮捕された後の流れは、概ね次のとおりです。

●逮捕後、警察署にて取調べを受ける。
      ↓
●逮捕から48時間以内に、釈放or証拠や書類と一緒に検察庁に送致される。
      ↓
●検察庁に送致された場合、被疑者は検察庁で取調べを受ける。被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放するor勾留請求をする。
      ↓
●検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、被害者と面談の上、被疑者を勾留するor釈放するかを決める。
      ↓
●勾留請求が却下されれば釈放される。勾留となれば、勾留請求の日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束となる。

長期間の身体拘束は、被疑者のその後の生活に大きな影響を及ぼします。

そこで、逮捕された場合には、早期に弁護士に相談し、身柄解放活動に着手してもらうことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

交通事件:当て逃げ

2020-01-20

交通事件当て逃げ)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県揖保郡太子町のスイミングスクールに通う孫を送り届けるため、車で敷地内に駐車場に駐車していたAさんは、買い物をしようと一旦車で外に出ることにしました。
Aさんが駐車場から車を出したところ、うまく切り返しが出来ず、前方に停めてあった車の前部分にぶつけてしまいました。
気が動転したAさんは、そのまま駐車場を後にし、1時間後に戻ってきたAさんは違う駐車場に停め、現場を見に行くと、兵庫県たつの警察署の警察官が現場検証している様子を目撃しました。
Aさんは、逮捕されるのではないかと心配になり、すぐに弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

当て逃げをすると…

当て逃げ」というのは、車を運転し、物損事故を起こしたにもかかわらず、被害者等に申告せず、そのまま現場を立ち去る行為のことです。
当て逃げ」に対して、人身事故を起こして現場を立ち去る行為を「ひき逃げ」といいます。

当て逃げ事故は、走行中だけでなく、駐車場でも多発しています。
駐車場では、車にドライバーが不在の場合が多く、「逃げてしまえばバレないだろう」と申告せずに事を終えようとするケースが多いようです。
人身事故を起こした場合には、刑事罰や行政処分の対象となるのに対して、物損事故それだけをもって、刑事罰や行政処分とはなりません。
しかし、事故について警察に報告せずに現場をはなれてしまうと、犯罪が成立することになるのです。

当て逃げは、道路交通法違反となります。

道路交通法第72条 
 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

運転手は、交通事故を起こした場合、人身か物損かを問わず、適切な処置を講じて警察に報告しなければなりません。
事故により道路上に危険が生じた場合、例えば、道路上に車の破損した部分が散らばったといったような場合にはそれらを片づけたりするなど、危険を防止する措置を講じなければならず、この措置をとらなかった場合には、危険防止等措置義務違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられる可能性があります。(道路交通法第117条の2)
また、報告義務に違反した場合には、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。(道路交通法第119条第1項10号)

当て逃げで逮捕される可能性は?

「気が動転したから現場を一度立ち去ったが、後に正気に戻り現場に帰ってきたから、当て逃げではない。」と考えられる方がいらっしゃいますが、事故現場から立ち去ってしまったら、当て逃げとなってしまうのです。
当て逃げは、ひき逃げと比べると、逮捕される可能性は低いですが、被害者の車やその周辺の車に搭載されたドライブレコーダーや防犯カメラの記録から、加害者の車が割り出される可能性は大いにあります。
当て逃げであっても、実際に逮捕されたケースもあり、絶対に逮捕されないという可能性はありません。

物損事故であっても、すぐに警察に通報し適切な対応をとることが求められます。

先に述べたように、当て逃げは道路交通法違反という犯罪に該当する可能性がありますので、軽く考えてはいけません。

当て逃げを含めた交通事件で対応にお困りの方は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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交通事件で検察官送致

2020-01-13

交通事件検察官送致となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県多可郡多可町の交差点で、歩行中の高齢女性をひき、その場から逃走したとして、兵庫県西脇警察署は、Aくん(18歳)を過失運転致傷および道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、今後どのように対応すればよいか分からず、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

検察官送致とは

検察官送致」は、家庭裁判所が下す終局決定のうちのひとつです。
家庭裁判所が、少年に保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であると判断した場合に、検察官に送致する旨の決定を行います。
この決定を「検察官送致」決定といい、通常、「逆送」と呼ばれています。

検察官送致には、2種類あります。

(1)刑事処分相当を理由とする検察官送致

家庭裁判所は、「死刑、懲役または禁錮に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」は、検察官送致をすることができます。
これを「刑事処分相当逆送」と呼び、刑事処分相当での検察官送致の対象年齢は、14歳以上です。

刑事処分相当逆送の要件は、
①死刑、懲役又は禁錮に当たる罪であること。
②①の罪を犯した少年であること。
③その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときであること。
です。

③の刑事処分相当性については、保護処分によっては少年の矯正改善の見込みが場合の他に、事案の性質、社会感情、被害者感情などを考慮し、保護処分に付すことが社会的に許容されない場合も刑事処分相当であるとされます。

また、行為時に16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合は、検察官送致の決定をしなければなりません。
これを「原則逆送」事件と呼びます。
ただし、原則逆送事件であっても、「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格・年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は、検察官送致以外の処分をすることができます。

(2)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は審判を行うことができず、保護処分に付することもできません。
ですので、このような場合、家庭裁判所は検察官送致決定をしなければなりません。
これを「年齢超過逆送」といいます。

交通事件と検察官送致

検察官送致決定が付される保護事件には、交通関係事件が多くあります。
無免許運転や信号無視、速度超過なども検察官送致の対象となります。
特に、人身事故を起こした場合には、審判の結果、検察官送致に付されるケースが多くなっています。

検察官送致となった場合には、少年にとってメリット・デメリットがあります。
略式請求での罰金刑や公判請求されても執行猶予が見込まれる場合、裁判が終了すれば事件が終了し、保護観察処分などのように審判後も保護観察官や保護司に定期的に面談する等の必要がありません。
しかし、刑事処分になれば、有罪判決となり前科が付くことになりますので、再度事件を起こした場合には、初犯扱いされません。
一方、保護観察処分は前科扱いされません。

このように、検察官送致となる場合にはメリット・デメリットがありますので、検察官送致に付される可能性がある場合には、刑事事件・少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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交通事件:過失運転致傷事件を起こしたら

2020-01-10

過失運転致傷事件を起こしてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
深夜に自動車を運転していたAさんは、兵庫県加東市の交差点を左折しようとした際、手前から自転車が横断していることに気づかず、自転車と衝突してしまいました。
被害者は衝突の衝撃で自転車ごと倒れてしまいました。
Aさんは、慌てて車から出て、被害者の様子を確認し、すぐに救急車を呼びました。
被害者はそのまま救急車で病院に運ばれ、Aさんは現場に駆け付けた兵庫県加東警察署から事件について詳しい事情を聴かれています。
(フィクションです)

過失運転致傷罪について

交通事故を起こし、被害者に怪我を負わせてしまった場合、過失運転死傷罪に問われるケースが多くあります。

過失運転致傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定されています。

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致傷罪は、刑法の旧規定(第221条の2)に自動車運転過失致傷罪として規定されていたものです。

「自動車」には、自動二輪車、原動機付自転車も含まれます。

「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車の発進から停止までの運転において必要とされる注意義務のことをいいます。
自動車を停止させる行為も運転に含まれますが、停止後に降車するためにドアを開ける行為は運転には含まれません。
前方不注視やわき見運転、巻き込み確認を怠った、歩行者の飛び出しに気づかなかった、方向指示器を点滅させずに方向転換したことなどは、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことに該当します。

過失運転致傷事件を起こしてしまったら

人身事故を起こし、過失運転致傷罪に問われた場合、必ずしも起訴されるとは限りません。
事故の内容にもよりますが、被害者の怪我の程度が軽く、事故後被害者への対応がきちんとなされており、犯行態様も悪質なものでなければ、検察官が起訴しないとする処分(不起訴処分)とし事件を終了させる可能性はあります。
しかし、事件内容によっては、検察官により起訴されることもあります。
起訴には、公判請求による正式起訴と略式起訴の2種類があります。
検察官から公判請求がなされると、一般に公開される刑事裁判が開かれることになります。
そうなると、起訴された人(被告人)は、法廷に出席しなければなりません。
一方、略式起訴は、裁判の正式な手続を踏まずに、検察官からの提出書類に基づいて処罰を決定する略式手続で処分を終わらせるものです。
略式起訴ができるのは、
・簡易裁判所が管轄する比較的軽微な事件であること。
・100万円以下の罰金または科料の対象となりうる事件であること。
・処罰される加害者から略式命令に異議がないこと。
以上の場合です。
手続が簡略化され、法廷に立つ必要はありませんが、略式命令を言い渡されると、有罪判決を受けたことを意味しますので、これにより前科が付くことには変わりありません。

過失運転致傷事件では、身体拘束を受けないまま捜査が進むケースが多く、事件があった日からしばらく時間をおいてから起訴されることが少なくありません。
在宅事件であっても、刑事事件の被疑者となったことに違いはありません。
あなたやご家族が交通事件を起こしてしまったのであれば、今すぐ交通事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件も含む刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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