Archive for the ‘交通事故’ Category

交通事件で検察官送致

2020-01-13

交通事件検察官送致となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県多可郡多可町の交差点で、歩行中の高齢女性をひき、その場から逃走したとして、兵庫県西脇警察署は、Aくん(18歳)を過失運転致傷および道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、今後どのように対応すればよいか分からず、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

検察官送致とは

検察官送致」は、家庭裁判所が下す終局決定のうちのひとつです。
家庭裁判所が、少年に保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であると判断した場合に、検察官に送致する旨の決定を行います。
この決定を「検察官送致」決定といい、通常、「逆送」と呼ばれています。

検察官送致には、2種類あります。

(1)刑事処分相当を理由とする検察官送致

家庭裁判所は、「死刑、懲役または禁錮に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」は、検察官送致をすることができます。
これを「刑事処分相当逆送」と呼び、刑事処分相当での検察官送致の対象年齢は、14歳以上です。

刑事処分相当逆送の要件は、
①死刑、懲役又は禁錮に当たる罪であること。
②①の罪を犯した少年であること。
③その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときであること。
です。

③の刑事処分相当性については、保護処分によっては少年の矯正改善の見込みが場合の他に、事案の性質、社会感情、被害者感情などを考慮し、保護処分に付すことが社会的に許容されない場合も刑事処分相当であるとされます。

また、行為時に16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合は、検察官送致の決定をしなければなりません。
これを「原則逆送」事件と呼びます。
ただし、原則逆送事件であっても、「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格・年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は、検察官送致以外の処分をすることができます。

(2)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は審判を行うことができず、保護処分に付することもできません。
ですので、このような場合、家庭裁判所は検察官送致決定をしなければなりません。
これを「年齢超過逆送」といいます。

交通事件と検察官送致

検察官送致決定が付される保護事件には、交通関係事件が多くあります。
無免許運転や信号無視、速度超過なども検察官送致の対象となります。
特に、人身事故を起こした場合には、審判の結果、検察官送致に付されるケースが多くなっています。

検察官送致となった場合には、少年にとってメリット・デメリットがあります。
略式請求での罰金刑や公判請求されても執行猶予が見込まれる場合、裁判が終了すれば事件が終了し、保護観察処分などのように審判後も保護観察官や保護司に定期的に面談する等の必要がありません。
しかし、刑事処分になれば、有罪判決となり前科が付くことになりますので、再度事件を起こした場合には、初犯扱いされません。
一方、保護観察処分は前科扱いされません。

このように、検察官送致となる場合にはメリット・デメリットがありますので、検察官送致に付される可能性がある場合には、刑事事件・少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

交通事件:過失運転致傷事件を起こしたら

2020-01-10

過失運転致傷事件を起こしてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
深夜に自動車を運転していたAさんは、兵庫県加東市の交差点を左折しようとした際、手前から自転車が横断していることに気づかず、自転車と衝突してしまいました。
被害者は衝突の衝撃で自転車ごと倒れてしまいました。
Aさんは、慌てて車から出て、被害者の様子を確認し、すぐに救急車を呼びました。
被害者はそのまま救急車で病院に運ばれ、Aさんは現場に駆け付けた兵庫県加東警察署から事件について詳しい事情を聴かれています。
(フィクションです)

過失運転致傷罪について

交通事故を起こし、被害者に怪我を負わせてしまった場合、過失運転死傷罪に問われるケースが多くあります。

過失運転致傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定されています。

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致傷罪は、刑法の旧規定(第221条の2)に自動車運転過失致傷罪として規定されていたものです。

「自動車」には、自動二輪車、原動機付自転車も含まれます。

「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車の発進から停止までの運転において必要とされる注意義務のことをいいます。
自動車を停止させる行為も運転に含まれますが、停止後に降車するためにドアを開ける行為は運転には含まれません。
前方不注視やわき見運転、巻き込み確認を怠った、歩行者の飛び出しに気づかなかった、方向指示器を点滅させずに方向転換したことなどは、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことに該当します。

過失運転致傷事件を起こしてしまったら

人身事故を起こし、過失運転致傷罪に問われた場合、必ずしも起訴されるとは限りません。
事故の内容にもよりますが、被害者の怪我の程度が軽く、事故後被害者への対応がきちんとなされており、犯行態様も悪質なものでなければ、検察官が起訴しないとする処分(不起訴処分)とし事件を終了させる可能性はあります。
しかし、事件内容によっては、検察官により起訴されることもあります。
起訴には、公判請求による正式起訴と略式起訴の2種類があります。
検察官から公判請求がなされると、一般に公開される刑事裁判が開かれることになります。
そうなると、起訴された人(被告人)は、法廷に出席しなければなりません。
一方、略式起訴は、裁判の正式な手続を踏まずに、検察官からの提出書類に基づいて処罰を決定する略式手続で処分を終わらせるものです。
略式起訴ができるのは、
・簡易裁判所が管轄する比較的軽微な事件であること。
・100万円以下の罰金または科料の対象となりうる事件であること。
・処罰される加害者から略式命令に異議がないこと。
以上の場合です。
手続が簡略化され、法廷に立つ必要はありませんが、略式命令を言い渡されると、有罪判決を受けたことを意味しますので、これにより前科が付くことには変わりありません。

過失運転致傷事件では、身体拘束を受けないまま捜査が進むケースが多く、事件があった日からしばらく時間をおいてから起訴されることが少なくありません。
在宅事件であっても、刑事事件の被疑者となったことに違いはありません。
あなたやご家族が交通事件を起こしてしまったのであれば、今すぐ交通事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件も含む刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで、お気軽にお電話ください。

自転車事故でのひき逃げ

2020-01-03

自転車事故を起こしひき逃げした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
夜、勤務先から自転車で帰宅していたAさんは、前方不注意で前を歩いていた歩行者に気づかずぶつかってしまいました。
歩行者は転倒していましたが、Aさんは声をかけることなくその場を立ち去りました。
翌日、自転車で会社に向かっていると、昨日歩行者とぶつかった場所に、自転車と歩行者の事故についての目撃情報を募る立て看板が設置されていることに気がつきました。
Aさんは、兵庫県兵庫警察署に出頭することを考えていますが、その前に交通事故を含む刑事事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

自転車での交通事故

自転車を運転し人身事故を起こしてしまった場合には、過失傷害罪、過失致死罪もしくは重過失致死傷罪に問われる可能性があります。

(過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

1.過失傷害罪

過失傷害罪は、「過失」により人を傷害した場合に成立する罪です。
暴行や傷害の故意がなく、不注意によって人に傷を負わせてしまうものです。
自転車事故の原因が、ちょっとしたよそ見などの場合は、過失傷害罪となるでしょう。

2.過失致死罪

過失致死罪は、過失によって人を死亡させた場合に成立する罪です。
上の過失傷害のように、不注意によって人を死亡させてしまうものです。

3.重過失致死傷罪

「重大な過失」により人に怪我を負わせたり死なせてしまった場合に成立する罪です。
こちらも、暴行や傷害の故意はなく、「重大な過失」の結果、人に傷を負わせたり死亡させて
しまう犯罪です。
「重大な過失」とは、注意義務違反の程度が著しい場合をいいます。
発生した結果の重大性、結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要ではありません。
自転車事故では、
・携帯電話で通話しながらの運転
・スマートフォンを操作しながらの運転
・イヤフォンをつけて音楽を聴きながらの運転
・ものすごいスピードで歩道を走っていた場合
・夜間に無点灯で走っていた場合
などが、重過失致死傷罪に問われる可能性が高いと言えます。

自転車事故のひき逃げ

さて、自転車で人身事故を起こしたにもかかわらず、その場を立ち去った場合にも、自動車の場合と同様に、犯罪が成立するのでしょうか。

成立します。

道路交通法上の救護義務は、自動車を運転したいる場合だけでなく、自転車を運転し人身事故を起こした場合にも、その運転手等に課されるものです。

第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

条文は、救護義務を当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員に課していますが、「車両等」には自転車などの軽車両も含まれます。

ですので、自転車であっても救護義務に違反した場合には、道路交通法違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となる可能性があります。

ひき逃げ事件は、実際に現場から逃亡していますので、逃亡のおそれがあると判断され、身が拘束される可能性があります。

自転車事故ひき逃げ事件で対応にお困りの方は、交通事件も取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が行う無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

飲酒運転で逮捕されたら

2019-12-26

飲酒運転をし逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市灘区にある会社へは車で通勤していたAさん。
いつものように車で会社へ行き、会社の駐車場に駐車しました。
その日の夜は、会社の忘年会が予定されており、Aさんは飲酒後は車をそのまま会社に置いて電車かタクシーで帰宅しようと考えていました。
ところが、忘年会後Aさんはいつもより疲れていたため一旦会社に戻り、駐車場に停めていた車の車内で寝ることにしました。
3時間後、目が覚めたAさんは、そのまま車を運転して帰ろうと思い、車を発進させました。
すると、年末警戒にあたっていた兵庫県灘警察署の警察官に車を停止するよう言われ、Aさんは車を停止しましたが、警察官はAさんの飲酒運転を疑い、呼気検査の結果、基準値を上回る数値が出たため、道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)

飲酒運転自体で成立し得る犯罪とは

年末年始のこの時期は、忘年会や新年会でお酒を口にする機会が増えてしまう方が多いのではないでしょうか。
しかし、気を付けなければならないのは、お酒を飲んだら絶対に車を運転してはならない、ということです。

飲酒運転」とは、みなさんご存知の通り、お酒を飲んだにもかかわらず車などを運転することです。
お酒が入った状態では、通常より認知機能が低下し事故を起こしてしまうおそれもありますので、飲酒運転は法律で禁止されています。
今回は、飲酒運転をしてしまった場合に、何の罪に問われ、どのような刑罰を受ける可能性があるのかについて、改めて説明していきます。

道路交通法違反

飲酒運転」を行った場合、例えば上記ケースのように警察官に呼び止められたことにより飲酒運転が発覚した場合のように、交通事故を起こさずとも、道路交通法違反に問われることとなります。
飲酒運転」といっても、道路交通法上は、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つに分けられます。

1.酒気帯び運転

第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

酒気を帯びた状態で車などを運転した場合、道路交通法違反となります。
しかし、体内にアルコールが保有されている場合であれば必ず処分の対象となるのではありません。
呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg未満(もしくは、血液1ml中0.3mg未満)の場合、酒気帯び運転ではありますが、これに対する罰則はありません。
ですので、この場合、罰則とは別に純粋に禁止規定に抵触する、ということになります。

呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg以上であれば、刑事処分の対象となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、行政処分については、呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg以上0.25mg未満の場合は、違反点数が13点となり前歴がない場合でも90日の免許停止、呼気1リットル中のアルコール量が0.25mg以上であれば、25点で免許取り消しとなります。

2.酒酔い運転

呼気1リットル中のアルコール量にかかわらず、アルコールの影響により正常な運転ができない状態で運転した場合には、道路交通法の「酒酔い運転」となります。
これに対する刑罰は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と酒気帯び運転よりも厳しいものになっています。
お酒をどれだけ飲んでいるかは関係なく、呂律が回っていない、真っすぐ歩けないなど、正常な運転ができない状態であれば「酒酔い運転」に当たります。
酒酔い運転の違反点数は、35点で免許取り消しとなります。

このように、交通事故を起こさずとも、一定程度体内にアルコールを保持したまま車などを運転した場合には、道路交通法違反となり刑罰が科される可能性があります。
ちなみに、自動車だけでなく自転車の場合も同様に道路交通法が適用されますので、ご注意ください。

上記ケースのように、交通事故は起こしていないが、検問などで飲酒運転が発覚すると、その場で現行犯逮捕となることもあります。
飲酒運転により交通事故、特に人身事故を起こした場合には、道路交通法違反のみならず過失運転致傷や危険運転致傷にも問われる可能性もあります。
飲酒運転逮捕されたら、すぐにでも釈放されないかと心配になられるかとは思います。
逮捕後引き続き勾留され長期間の身体拘束となるのは、重大な人身事故を起こした場合や、否認している場合、警察のアルコール検査などを拒否し逃亡した場合などです。
そのような場合には、逮捕後すぐに弁護士に相談・依頼し、身柄解放活動を回避し、長期の身体拘束を回避する必要があるでしょう。
一方、飲酒運転逮捕されたものの48時間以内に釈放となる場合もあります。
しかし、留意していただきたいのは、すぐに釈放されたからといって事件が終了したのではありません。
在宅事件として捜査が進んでいきますので、手続の流れや見込まれる処分、取調べ対応について弁護士に相談し、きちんと対応することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件で対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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ひき逃げ事件で出頭

2019-12-13

ひき逃げ事件を起こし出頭した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県豊岡市に住むAさんは、自宅で晩酌をした後に、つまみを買うために近所のコンビニへ車で向かいました。
「すぐそこやし、大丈夫やろう。」と思い運転していたAさんですが、交差点を左折する際に、横断歩道を横断中の女性に気づくのが遅れ、Aさんの車は女性と接触してしまいました。
Aさんは事故を起こし気が動転し、そのまま現場を立ち去りました。
自宅に帰ったAさんは、やはり警察に出頭すべきだと思い、兵庫県豊岡南警察署出頭することを決意しました。
(フィクションです)

ひき逃げ事件を起こしたら

ひき逃げ事件を起こした場合に問われ得る罪は、道路交通法違反、そして過失運転致死傷罪または危険運転致死傷罪です。

(1)道路交通法違反

交通事故を起こした場合、運転手らは、直ちに運転をやめ、負傷者を救護し、道路における危険を防止する必要な措置をとらなければなりません。
これを「救護義務」といい、この義務に反し、そのまま現場から立ち去ってしまうと、道路交通法違反(救護義務違反)となります。
救護義務違反の法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
また、交通事故を起こしてしまった場合、運転手は直ちに最寄りの警察署などの警察官に交通事故が発生した日時・場所などを報告しなければなりません。
これを「報告義務」といい、これに違反した場合、道路交通法違反(報告義務違反)として、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となる可能性があります。

(2)過失運転致傷罪

自動車を運転するにあたって必要な注意を怠って事故を起こし、相手を死傷させた場合、過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金です。

(3)危険運転致傷罪

アルコールや薬物などに影響を受けて正常な運転が難しい状態、進行の制御がきかないような速度が出ている状態、信号無視をし、さらに大きな危険性のある速度が出ている状態など、危険な運転行為により死傷事故を起こした場合や、事故を起こす危険性があると認識していながら運転し、死傷事故を起こした場合、危険運転致傷罪に問われる可能性があります。
こちらの法定刑は、被害者が怪我をした場合には15年以下懲役、死亡してしまった場合には1年以上の有期懲役です。

事件後、捜査機関に出頭したら

一旦は事故現場から逃走したものの、その後捜査機関に出頭した場合には、どのようになるのでしょうか。

(1)自首が成立する場合

犯人が捜査機関に出向くことを「自首」と理解されている方も多いようですが、自首が成立するには、幾つかの要件を満たす必要があります。

①犯罪を起こした本人自らが自発的に犯罪事実を申告していること。
「自ら自発的に」自分の犯した犯罪を申告しなければならず、取調べで単に犯罪事実を自白しただけでは自首したことになりません。
②犯罪を行った本人が自身の罰則や処分を求めていること。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためにされたものであったり、自己の責任を否定するようなものであったりした場合には、自首は成立しません。
③捜査機関に申告していること。
司法警察員または検察官に対して申告している必要があります。
④捜査機関が犯罪事実や犯人を特定していない段階で申告していること。
犯罪事実が捜査機関に発覚していない場合や、犯罪事実は発覚していたとしても、その犯人が誰であるか発覚していない場合を含みます。
犯罪事実や犯人が誰であるか判明しているけれども、単に犯人の所在だけが不明である場合は、これに含まれません。
犯罪事実の申告を受けた警察官等が犯罪事実を知らなくても、捜査機関の誰かが犯罪事実を知っていた場合には、自首は成立しません。

これらの要件を充たしてはじめて「自首」が成立することになります。
自首が成立すると、刑が減軽される可能性があります。

(2)単なる出頭となる場合

もうすでに捜査機関に犯罪事実や犯人が特定されしまっている場合には、自首が成立せず、単なる「出頭」ということになります。
自首が成立した場合の「刑の軽減」という可能性は該当しませんが、自ら捜査機関に出向いているという点で、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないとして、逮捕されず在宅のまま捜査が進む可能性があります。

ひき逃げ事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。

ながら運転の交通事故で刑事事件に

2019-12-03

ながら運転交通事故を起こし刑事事件へと発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県洲本市の道路を走行していたトラック運転手のAさんは、スマートフォンの画面を確認しながら運転していました。
仕事上運転には慣れていたAさんは、ちょっとぐらいスマートフォンをみながら運転しても事故をしないだろうと思っていました。
しかし、スマートフォンの画面に気を盗られていたAさんは、信号待ちで前方に停車していた車両にぶつかってしまいました。
幸い前方の車の運転手に怪我はなく、車両損害だけで済みました。
兵庫県洲本警察署から駆け付けた警察官に、Aさんは話を聞かれており、Aさんは「スマートフォンの画面に気を盗られていた」と話しています。
(フィクションです)

「ながら運転」自体で問われる罪は?

ながら運転」は、スマートフォンやカーナビなどの画面を注視したり、携帯電話で通話しながら車などを運転することです。
ながら運転の末に交通事故を起こし、人を死亡させてしまう事故が後を絶ちません。

12月1日から施行された改正道路交通法は、「ながら運転」についての罰則や反則金、違反点数を厳罰化しており、ながら運転による事故の防止につながることが期待されています。

道路交通法は、運転者の遵守事項として、運転中の携帯電話等の使用を禁止しています。

第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

運転中に携帯電話で通話したり、スマートフォンやカーナビの画面を注視した場合の罰則は、6月以下の懲役または10万円以下の罰金です。

さらに、ながら運転の結果、道路における交通の危険を生じさせた場合、罰則は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
この場合、交通反則通告制度の対象とはなりませんので、刑事手続に基づき刑事処分が科されることとなります。

「交通反則通告制度」というのは、自動車や原動機付自転車の運転手がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に郵便局か銀行に反則金を納めると、刑事裁判を受けることなく事件が処理される制度です。

「反則金」は行政罰であるのに対して、「罰金」は刑事罰です。

ながら運転を行っただけであれば交通反則通告制度の対象となり、反則金を支払うことで事件が終了するになります。
しかし、ながら運転により交通事故を起こしてしまった場合は、交通反則通告制度の対象外となり、刑事事件として処理されることになります。

刑事事件となれば、刑事手続に沿って事件が処理されることになります。
捜査機関からの取調べにも対応することになりますので、ながら運転刑事事件に発展してしまいお困りの方は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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交通事件:少年事件における手続

2019-12-01

少年交通事件を起こした場合にとられる手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市北区の県道を原付バイクで走行していたAくん(17歳)は、一旦停止を怠ったとして、兵庫県有馬警察署の警察官に停車を求められました。
警察官は、Aくんに運転免許証を見せるよう言いましたが、Aくんは免許証を持っておらず、無免許運転であることが発覚しました。
そのまま警察署で取り調べを受けましたが、Aくんの両親が身元引受人となり当日の夜に家に帰ることができました。
捜査機関から何度か呼び出された後に、神戸家庭裁判所に事件が送られると言われたAくんとAくんの両親は、その後どのような手続きを踏むことになるのか不安です。
(フィクションです)

少年の交通事件

家庭裁判所が受理する少年保護事件は、交通関係事件とそれ以外の一般事件とに分けられます。
交通事件には、無免許運転、速度違反、安全運転義務違反、信号無視、一時不停止等といった道路交通法違反事件、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件、そして、過失運転致死傷、重過失致死傷、危険運転致死傷などの車両運転に起因する致死傷事件があります。

交通事件が家庭裁判所に送致される方法は、一般の事件と同様に、多くの場合、捜査機関から捜査が終了した後に送致されます。
しかし、道路交通法違反事件の場合、全件送致主義の例外として、「交通反則通告制度」というものがあります。
この制度は、交通反則告知書(いわゆる「青キップ」)により告知を受けた場合に、刑事処分ではなく行政処分でなされる処分のことをいいます。
当該反則行為に当たるものとしては、一般道における時速30キロメートル未満の速度超過、高速道における時速40キロメートル未満の速度超過、信号無視、放置・駐停車違反、運行区分違反等があり、これらの行為を行った少年については、所定の手続に従って反則金を納付すれば、家庭裁判所に送致されません。

少年交通事件のなかでも、共同危険行為、自動車運転過失致死傷事件等の車両運転に起因する致死傷事件は、通常の少年事件と同様の手続を踏むことになります。
一方、その他の道路交通法違反事件は、次のような手続となります。

調査

事件が家庭裁判所に送致されると、通常の少年事件と同様に、家庭裁判所の調査官による調査が行われます。
単なる無免許運転などの道路交通法違反事件では在宅のまま捜査が進められることが多く、その場合、家庭裁判所に送致された後も継続して在宅のまま進められることが多いでしょう。
在宅事件の場合には、少年は保護者とともに調査のために家庭裁判所を訪れ、調査官との面談が行われます。
調査の一環として家庭裁判所において少年に対する交通講習が実施されることもあるようです。
調査に基づき調査官は処遇意見を裁判官に提出し、審判を開始する必要がない場合には審判不開始の決定がされます。

審判

審判は、一般の事件と同様に行われ、審判の経て、不処分・保護観察・検察官送致等の処分がなされます。
交通事件の特徴として、非行内容が同種である、交通要保護性に共通点がある場合もあり、そのような複数の少年を一緒に審判する集団審判が行われる場合もあります。

保護処分

一般の事件と同様の処遇がなされますが、交通事件を対象とした保護観察があります。
交通事件の保護観察には、交通保護観察と交通短期保護観察とがあります。
また、交通事件においては、検察官送致も相当数あります。

このように、少年交通事件の場合には、一般の事件とは少し異なる手続となる可能性もあります。
お子様が交通事件を起こして対応にお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年に対する処分③~検察官送致~

2019-11-03

少年に対する処分③~検察官送致~

少年に対する処分のうちの検察官送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aくん(17歳)は、無免許でしたが、友人B(18歳)の車を借りて、兵庫県宝塚市の県道を車で走っていました。
山道の大きなカーブに差し掛かったところ、スピードを出しすぎて曲がり切れず、対向車線にはみ出し、対向車に衝突してしまいました。
幸い、対向車の運転手に命の別状はありませんでしたが、全治3か月の大けがを負わすことになりました。
Aくんは、兵庫県宝塚警察署に過失運転致傷および道路交通法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
Aくんは、接見に訪れた弁護士から「検察官送致」という言葉を初めて耳にしました。
(フィクションです)

検察官送致について

捜査機関は、少年の被疑事件について、捜査の結果、犯罪の嫌疑がある場合、及び犯罪の嫌疑が認められないが家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
事件を受理した家庭裁判所は、少年に対して適切な処分を決定します。
家庭裁判所が決定する処分のひとつに「検察官送致」というものがあります。

検察官送致は通称「逆送」と呼ばれ、少年に保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であると判断した場合、家庭裁判所が検察官に事件を送致することをいいます。

捜査機関により犯罪の嫌疑と審判の必要性が認められ、いったんは家庭裁判所に事件を送ったものの、家庭裁判所が調査・審判を行った結果、やはり当該少年には保護処分よりも刑事処分のほうが適切だと判断され、もう一度捜査機関に事件が送られるというものです。

検察官送致は、次の2つに分けられます。

(1)刑事処分相当を理由とする検察官送致

犯行時14歳以上の少年の事件で、死刑・懲役・禁錮に当たる罪を犯した少年について、その罪質・情状に照らして刑事処分が相当と認める場合、家庭裁判所は逆送の決定をすることができます。
また、家庭裁判所は、犯行時に16歳以上の少年で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に該当する事件は、原則、検察官送致としなければなりません。
しかし、この場合でも、調査の結果、犯行の動機・態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認める場合は、検察官送致以外の処分を決定することができます。

(2)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳に達している場合、家庭裁判所は検察官送致の決定をしなければなりません。
家庭裁判所に送致された時点では20歳未満であっても、終局処分が決定する前に20歳に達してしまった場合には、審判時に20歳未満ではなくなってしまい審判条件を欠くため、家庭裁判所で審判を受けることができません。

家庭裁判所から検察官送致された事件について、一定の場合を除いて、検察官は起訴しなければなりません。
しかし、検察官が起訴した場合でも、裁判所は、事実審理の結果、少年を保護処分に付するのが相当であると認めるときには、事件は再び家庭裁判所に送致され、保護処分がなされる可能性もあります。

検察官送致となれば、ほとんどの場合、起訴されることになります。
起訴されると、有罪となる可能性は高く、有罪となれば前科が付くことになります。
ですので、検察官送致となるのを回避し、保護処分となるよう家庭裁判所に働きかけることが必要となります。
一方、家庭裁判所の終局処分が少年院送致となり、長期の身体拘束を強いられるよりも、検察官送致により略式手続で罰金刑となるほうが、前科は付くものの、身体拘束の期間が短く、より早く社会復帰できるという点もあります。
どのような処分少年の更生に適しているのかは、事件の内容や少年の性格や周りの環境によっても異なりますので、少年事件でお困りであれば、一度少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

交通事件で在宅起訴

2019-10-25

交通事件で在宅起訴

交通事件での在宅起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県豊岡市の交差点で左折しようとしたAさんは、左方向から横断していた自転車に気づかず、自車とぶつかり、自転車を運転していたVさんを転倒させてしまいました。
Aさんは慌てて降車し、Vさんの傍に駆け寄ると、Vさんは怪我をしているようだったので、すぐに救急車を呼び、Vさんはそのまま病院に搬送されました。
Vさんに命の別状はなく、転倒時に左肩を骨折し全治2か月の傷害を負っているとのことです。
Aさんは、駆け付けた警察官から事故についての調べを受けたところ、運転前に飲酒していたことが発覚しました。
Aさんは、過失運転致傷および道路交通法違反の容疑で現行犯逮捕されましたが、その後釈放となりました。
在宅事件として捜査は進み、神戸地方裁判所豊岡支部より起訴状が自宅に郵送され、弁護人をどうするかについても聞かれています。
(フィクションです)

在宅起訴

逮捕なしに、若しくは、逮捕されたけれども勾留されなかった、又は、逮捕・勾留されたがその後準抗告が認められるなどして釈放されるなどして、身体を拘束されることなく捜査が進められる事件を「在宅事件」といいます。
在宅事件では、被疑者は通常通りの生活を送りながら、警察や検察の呼び出しに応じて出頭し、取調べを受けることになります。
身体拘束を受けている場合と異なり、会社や学校にも行くことが出来るので、被疑者の生活に大きな支障をきたすことはそうありません。

捜査が終了すると、検察官は当該事件について裁判所に公訴を提起するか否かを決めます。
被疑者が身体拘束されていない状態で、検察官が起訴することを「在宅起訴」と呼びます。
上記ケースのように逮捕後に釈放され、在宅事件として捜査が進む場合、身体拘束を受けている場合と比べると、緊急性が感じられず捜査段階で弁護士に相談されないケースも多いようです。
そして、検察官に公判請求され、起訴状と共に弁護人の選任について問われる旨の連絡が届いて初めて弁護士に相談するといったことも少なくありません。
刑事事件の被疑者として捜査されていることが分かったら、できる限り早い段階で弁護士に相談されるのがよいでしょう。
捜査段階での対応により、最終的な処分結果が大きく異なることもありますので、早めに法律の専門家に相談・依頼されるのことをお勧めします。

起訴状

さて、上記ケースでは、Aさん宅に起訴状が郵送されました。
みなさん、起訴状には一体何が記載されているのかご存知でしょうか。
検察官が、裁判所に対して審理を求める意思表示(「公訴の提起」)を行う場合、検察官は裁判所に対して書面にて行わなければなりません。
その書面を「起訴状」といいます。
起訴状には、次のことを記載しなければなりません。

(1)被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
起訴状には、被告人を特定するに足りる事項として、「被告人の氏名その他」を記載しなければなりません。
「その他」には、被告人の年齢、職業、住居および本籍、被告人が逮捕または勾留されているときは、その旨を記載することになっています。(刑事訴訟規則164条1項1号・2号)

(2)公訴事実
検察官が設定した被告人がしたとされる事実を起訴状に記載しなければなりません。
被告人が、いつ、どこで、どういった犯罪行為を行ったとする検察官の主張です。

(3)罪名
構成要件の名称と罰条の双方が記載されています。
どんな罪名で起訴されており、どの法律のどの部分にその罪が定められているのかが明確に記載されています。

その他に、作成・提出の年月日の記載、検察官の署名押印、所属検察庁の表示が必要とされます。
被告人が逮捕・勾留されている場合には、その旨を記載して身柄拘束の有無が明らかにされます。

交通事件を起こし、起訴されてお困りの方は、交通事件も取り扱う刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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逮捕から勾留決定まで~勾留の要件~

2019-10-13

逮捕から勾留決定まで~勾留の要件~

勾留要件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
ある夜、兵庫県三木市の自宅で晩酌をしていたAさんは、つまみが切れていたことに気が付き、近くのコンビニまで買いに行くことにしました。
Aさんはビール缶1本を飲み干したところでしたが、近所のコンビニまでなら大丈夫だと思い、そのまま自分で運転していくことにしました。
コンビニで買い物を終えて帰宅する途中、交差点を左折した際、手前から横断歩道を渡っていた自転車に気が付かず、自転車と接触し、自転車を横転させてしまいました。
Aさんは、飲酒運転していたことがバレることを恐れ、被害者を救助することなく、その場を後にしました。
後日、兵庫県三木警察署がAさん宅を訪れ、Aさんを逮捕しました。
Aさんは、その後勾留請求のため神戸地方検察庁に送致されましたが、このまま勾留となるのか不安でなりません。
(フィクションです)

逮捕から48時間以内に、警察は被疑者の身柄を解放するか、身柄と証拠書類などを検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官は被疑者を取り調べた上で、引き続き身柄を拘束し捜査する必要があると判断すれば、裁判官に勾留請求を行い、その必要がないと判断した場合には勾留請求せずに被疑者を釈放します。

勾留の要件とは

勾留」とは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判とその執行をいいます。
この勾留には、「被疑者勾留」(起訴前勾留)と「被告人勾留」(起訴後勾留)とがあります。
ここでは、前者について説明していきます。

勾留要件は、次のとおりです。
①勾留の理由
②勾留の必要性

1.勾留の理由

勾留の理由というのは、(ア)被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」、および、(イ)住所不定、罪証隠滅、逃亡のおそれのいずれかがあることをです。

2.勾留の必要性

勾留の必要性は、事案の軽重、捜査の進展の程度、被疑者の年令や身体の状況等から判断した「勾留の相当性」です。

被疑者勾留は、検察官の請求を受けて、裁判官が勾留状を発することにより行われます。
勾留請求を受けた裁判官は、被疑者に対し被疑「事件を告げこれに関する陳述を聴」かなければなりません。
これを「勾留質問」といいます。
検察官が裁判官に勾留請求した後、被疑者の身柄は検察庁から裁判所に移されます。
裁判所では、被疑者は公正中立な立場にある裁判官と面談し、事件についての弁解を聴いてもらうことになります。
裁判官は、勾留質問を行った上で、勾留の要件を満たさないと判断した場合には、検察官の勾留請求を却下し、被疑者を釈放します。
一方、勾留要件を満たすと判断されれば、勾留状を発します。

勾留期間は、原則として、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
また、検察官は、裁判官に対して、勾留期間延長の請求をすることができ、裁判官は、「やむを得ない事由がある」と認めるときは、勾留期間を延長することができます。
勾留延長は、10日を超えない範囲で認められますので、最大で勾留期間は20日となります。

兵庫県では、検察へ送致された日に勾留決定までが行われます。
たった一日で、その後の身体拘束の如何が決まってしまうのです。
逮捕された日からであれば、長くて3日、多くの場合は2日で勾留まで決まってしまいます。
逮捕された!」と驚いていると、あっという間に勾留となり、長期間の身体拘束を余儀なくされてしまう可能性があるのです。

ですので、逮捕されたら、できる限り早い段階で弁護士に相談され、身柄解放に動くことが重要です。

弁護士は、勾留が決定する前に、勾留されないよう関係各所に働きかけます。
具体的に言いますと、まずは、検察に送致された段階で、担当検察官と連絡をとり、勾留要件を満たさない旨を客観的証拠と併せて書面にて担当検察官に対して説得的に主張します。
勾留請求後には、裁判官に対して、当該被疑事件において勾留の要件を満たしていないことを書面にて主張し、裁判官が勾留決定しないよう働きかけます。
これらの働きかけは、検察官の勾留請求をする前、裁判官が勾留を決定する前に行わなければ意味がありません。
そのため、刑事事件、特に身柄事件においては、刑事事件に熟知した弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件を起こし逮捕されてお困りの方、早期身柄解放とならないかご不安であれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881まで今すぐご連絡を!

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