Archive for the ‘性犯罪’ Category

下着窃盗で逮捕

2021-09-05

下着窃盗逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、自己の性欲を満たすために、女性用の下着を入手しようと考え、兵庫県淡路市のアパートのベランダに女性用の下着が干してあったのを見つけ、ベランダに侵入し、下着を盗みました。
事件後、Aさんが帰宅する途中で、兵庫県淡路警察署の警察官に職務質問を受け、事件が発覚し、Aさんは住居侵入、窃盗の容疑で現行犯逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、今後どのように対応すべきか分からず、ネットで刑事事件に強い弁護士を検索し、相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

下着窃盗は、罪名としては窃盗ですが、性犯罪としての要素も有するものです。
ですので、被害者への対応については、単なる財産犯として金銭的な弁償をするだけではなく、他の性犯罪と同じように被害者の精神的損害を考慮したり、示談書に盛り込む誓約にも注意する必要があります。

下着窃盗事件は、他の窃盗事件と同様に、被害者との間で示談がまとまっている場合には、不起訴となる可能性は高いでしょう。
下着窃盗は、形式的には財産犯ですが、実体としては性犯罪に近いものであり、性犯罪においては、終局処分を決めるにあたって、被害者の意思がより重視される傾向にあります。
もちろん、前科・前歴の有無や被害品の量などにもよりますが、示談を成立させることが、不起訴を獲得するには欠かせないことには間違いありません。
他方、下着窃盗は被害額はさほど高額とはならないケースが多いのですが、前科・前歴があり、示談が成立していない場合には、公判請求される可能性もあります。

示談というのは、加害者が被害者に対して謝罪および金銭的賠償を行い、被害者はそれを受けて被害届を取り下げることなどを約束し、事件については当事者間で解決したとする合意のことを指します。
これはあくまで加害者と被害者との間の合意ですので、親告罪でない場合は、例え示談が成立したとしても、それをもって不起訴としなければならない理由はありません。
ただ、先述したように、起訴・不起訴を判断する際には、被害者の意思、つまり、加害者に対する処罰意思の有無が重視される傾向にあり、示談が成立している場合には、あえて起訴をするという選択をしないことが実務上多くなっています。
もちろん、前科・前歴の有無や犯行態様によっては、示談が成立していたとしても、起訴が選択されることもあります。
示談金については、被害金額をベースとして金額では被害者としても納得できかねることは想像に易いでしょう。
単に物が盗まれたというだけではなく、被害品が下着であることや自宅に侵入されたという点を考慮すると、単なる窃盗よりも精神的苦痛が大きく、自宅に侵入された恐怖心から被害者が引っ越しを希望するケースも少なくありません。
示談金については、被害金額以上の額になることは承知しておくべきですが、いくらでも言われ値に応じなければならないわけではありません。
通常、示談交渉は代理人である弁護士を介して行いますので、相場と言われる金額に、個々の事案の特徴をも考慮しつつ、話し合いを行う中で両当事者が納得する額でまとめていくことになります。
また、下着窃盗事件で示談交渉を行う際には、被害者の不安を払拭するよう努める必要があります。
示談を受けるということは、被害者が不起訴となり社会復帰するという効果をもたらします。
被害者は、被疑者が再び自宅にやってくるのではないか、報復を受けるのではないかと不安な気持ちを抱えていることが多いです。
そのため、弁護士は、示談交渉において、示談を行うことのメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、接触禁止条項を示談書に入れるなどして、事件終了後に被疑者が被害者に接触しないことを誓約し、被害者の不安を解消するよう努めます。

下着窃盗逮捕されると、被害者の自宅に侵入して行ったような場合には被害者宅を把握しているため、罪証隠滅のおそれがあると認められ勾留となる可能性は高いでしょう。
勾留となった場合でも、被害者との示談が成立したのであれば、速やかに釈放することを求めます。
不起訴となれば、即日釈放となりますので、速やかに捜査機関を通して被害者に示談を申入れ、示談交渉を行う必要があります。
示談交渉は、弁護士を介して行うのが一般的です。
下着窃盗事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

【お客様の声】強制わいせつ,強制性交等未遂事件 少年事件で保護観察処分

2021-08-25

■事件概要
 ご依頼者様の息子様(10代,大学生,前歴等なし)は,通行中の女性に対して,突然胸を触るなどのわいせつな行為を行い,その後口腔性交をさせようとしました。

■事件経過と弁護活動
 ご依頼者様は,息子様が強制わいせつ,強制性交等未遂事件で逮捕・勾留され,勾留中に弊所に初回接見を依頼されました。

 息子様には既に別の私選弁護人が選任されていましたが,その弁護人が接見等に十分行かず,ご依頼者様には不満があるとのことでした。
 弊所の弁護士が初回接見に行き,事件内容を尋ねたところ,強制性交等未遂罪という極めて重い罪であり,一度だけの偶発的な事件といえども,少年院送致の処分が考えられる事案でした。
しかし,息子様は大学に通学しており,大学を退学とならないようにする必要性もありました。

 弊所の弁護士が依頼を受けた時点で,捜査はほとんど終了していましたが,その後家庭裁判所に送致される際の心構えや,考え方等について接見で息子様にお話ししました。
また,被害者との示談交渉は,前の弁護人が既に開始していたため,被害者の方に無用の混乱を生じさせないよう,引き続き前の弁護人に依頼し,最終的には示談を成立させていただきました。

 事件が家庭裁判所に送られた後は,弁護士が息子様と頻繁に面会し,どうしてこのような事件を起こしてしまったのか,今後どのように生活をすれば再非行をせずに済むのかを一緒に考え,最終的な少年審判の結果を左右する家庭裁判所調査官の調査に備えました。
 また,少年事件では,事件を起こした本人だけでなく,ご両親も家庭裁判所調査官による調査を受けます。
ですので,調査の前に,調査で尋ねられる内容や,その際の受け答えなどを打合せし,準備をしたうえで調査に臨むことができました。

 審判では,起訴事実についてはすべて認め,息子様が反省していることや,ご両親が今後も支えることや,専門的なカウンセリングを受講することなどを主張し,保護観察処分の獲得を目指しました。
 最初の審判では,結論を決めるには時期尚早とのことで,試験観察となりました。試験観察中も,弁護士が息子様やご家族と一緒にカウンセリング施設に赴いたり,定期的に息子様と面談するなどして,最終的な審判に備えました。
 
 2度目の少年審判では,上記のような息子様の努力や,ご家族の支えが評価され,無事保護観察処分を得ることができました。

 息子様は,この事件で保護観察処分となり,社会復帰を許されたことから,二度と同じことをしないよう誓い,
新たな生活を歩んでおられます。

【お客様の声】強制わいせつ事件で執行猶予

2021-08-22

■事件概要
 ご依頼者様の息子様(30代、会社員、前科前歴なし)が、夜間に帰宅途中の女性に対してわいせつな行為をしたとして強制わいせつの容疑で逮捕された事件。同種の余罪もあり、別件で再度逮捕されることが予想された。

■事件経過と弁護活動
 ご依頼者様は、逮捕当日、息子様との接見を行った当番弁護士から報告の連絡を受けたものの、事件についてはあまり詳しく分からず心配され、弊所に初回接見をご依頼されました。すぐに弊所の弁護士は、息子様との接見を行い、息子様が夜間に女性を背後から襲いわいせつな行為をする事件を起こしたことや同様の事件を他にも起こしたことが分かりました。接見後、担当弁護士は、ご依頼者様に事件内容や余罪があることから、本件以外にも余罪で逮捕され身体拘束が長期化する可能性があることや、余罪が立件されれば被害者も増えることから、全ての被害者との間で示談が成立しない可能性があることを丁寧に説明しました。ご依頼者様は、早期に被害者への謝罪と被害弁償を行い、示談交渉に着手すること、そして、息子様には幼いお子様がいらっしゃるため、でき限り早期に釈放となることを目指した弁護活動を弊所にご依頼されました。
 余罪については、強制わいせつ事件が2件立件されました。弁護人は、捜査機関を介して被害者3名の方に示談の申入れを行いました。夜間に行われた犯行であり、被害者の方は息子様の行為によって癒しがたい傷を負われており、息子様に対する処罰感情は大きいものでした。被害者の代理人との粘り強い交渉により、最終的には3名全員との間で示談を成立させることができました。強制わいせつ罪という重い罪で3件起訴されていたため、全ての被害者の方との示談成立は、執行猶予獲得には欠かせませんでした。決してスムーズに交渉が進んだとは言えない状況でしたが、担当弁護士は、判決が言い渡される最後の最後まで諦めずに粘り強い交渉を続け、全ての被害者の方との間での示談成立を成し遂げました。
 当初の予想通り、息子様は余罪で逮捕・勾留され、捜査段階での身体拘束は長期に及びました。しかし、余罪についての起訴のタイミングを見計らい、できる限り早期に釈放となるよう保釈請求をし、息子様は無事に釈放されることとなりました。
 公判では、被害者との示談が成立していることも考慮され、執行猶予判決が言い渡され、実刑を回避することに成功しました。

【お客様の声】盗撮事件で不起訴処分獲得

2021-08-11

■事件概要
 ご依頼者様(30代、会社員、前科前歴なし)が、商業施設内で女性を盗撮したとして検挙された事件。

■事件経過と弁護活動
 警察に検挙された盗撮事件では、被害者の方が盗撮画像を削除することを条件に被害届を提出しないと言われたそうですが、ご依頼者様には盗撮の余罪が多数あったため、警察に余罪が発覚した場合の対応について不安に思われ、弊所の法律相談を依頼されました。
 初回の法律相談後に、再び警察での取調べを受け、結局余罪が発覚し、検察官の取調べでは厳しいことを言われたため、何とか不起訴処分にならないかと弊所に再び相談に来られました。相談後、ご依頼者様は弊所の弁護士を信頼し、不起訴処分獲得を目指して刑事弁護を依頼されました。
 担当弁護士は、すぐに担当検察官に連絡をとり、送致された事件では被害届が提出されていないこと、ご依頼者様は初犯であり真摯に反省していることから再犯の可能性は低いことを説明し、不起訴処分として事件を処理するよう働きかけました。その結果、余罪については立件することなく、送致された1件分のみで処理され、当初の目標通りに不起訴処分で事件を終了させることに成功しました。
 ご依頼者様は、この結果に大変満足され、二度と同じ過ちを繰り返すまいと心に誓われました。

【お客様の声】盗撮事件 情状弁護で執行猶予付き判決

2021-08-01

■事件概要
 ご依頼者様の息子様(30代、公務員、前科前歴等なし)が、勤務先で常習的に盗撮を行っていた事件。

■事件経過と弁護活動
 ご依頼者様は、息子様が盗撮事件で逮捕・勾留された後に、弊所に初回接見を依頼されました。
 盗撮の余罪も多数あり、児童ポルノに該当するものもあったことから、余罪での再度逮捕・勾留となる可能性や、被害者が多数あがり示談金が嵩むこと、そして全ての被害者との示談が成立したとしても公判請求される可能性が高いことが予想されました。

 長期の身体拘束が予想されたため、弁護士は、息子様との接見を重ね、自己に不利な調書を取られないよう取調べ対応に関するアドバイスを繰り返し行いました。 
 余罪の件での逮捕・勾留の可能性が高い案件でしたが、余罪については不起訴という形で処理され、再度逮捕・勾留されることはありませんでした。
弁護士は、起訴された直後に保釈を請求し、息子様は最小限の身体拘束で釈放することに見事成功しました。

 被害者との示談交渉は、残念ながら成立することはできませんでしたが、被害者への謝罪の気持ちと反省の意を客観的に表明する方法として、被害者支援団体に被害者へ支払うべき弁償金を寄附しました。

 裁判では、起訴事実についてはすべて認め、酌量すべき情状があることを主張し、執行猶予付き判決の獲得を目指しました。一般情状としては、精神科や専門的なカウンセリングを受けるなど再発防止のための具体的な措置を講じていること、家族による監督が期待できること、既に社会的制裁を受けていること、被害者支援団体への贖罪寄附を行ったことなどを示し、無事に執行猶予付き判決が言い渡され、事件を終えることができました。

 息子様は、自身の犯した罪としっかりと向き合い真摯に反省し、二度と過ちを繰り返さないと心に決めて前を向いて新たな人生を歩んでおられます。

児童福祉法違反(淫行をさせる行為)で逮捕

2021-07-25

児童福祉法違反淫行をさせる行為)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県明石警察署は、自身の経営する塾に通う女子高生にみだらな行為をさせたとして、Aさんを児童福祉法違反淫行をさせる行為)の疑いで逮捕しました。
女子高生と両親が同署に相談したことで事件が発覚しました。
被害を受けた女子高生は、「言うことを聞かないと志望校に受からないと思った。」と話していますが、Aさんは「恋愛感情があった。」と述べており、容疑を否認しています。
(フィクションです。)

児童福祉法違反(淫行をさせる行為)について

児童福祉法第34第1項第6号条は、「児童に淫行をさせる行為」を禁止する旨を規定しています。
児童福祉法違反(児童に淫行をさせる行為)は、社会における児童の福祉を保護法益とするものです。

児童福祉法で定義される「児童」の対象年齢は、「満18歳に満たない者」であり、18歳未満の者が「児童」に当たります。

「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為」を意味し、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として取り扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」が「淫行」に該当するものと理解されています。(最判平28年6月21日)
性交に準ずる性交類似行為には、手淫、口淫、素股、肛淫等を伴う男色行為、バイブレーダーを調達して児童に手渡し、自己の面前において、児童をしてこれを性器に挿入させる行為などが該当します。

また、「させる行為」については、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが、そのような行為に当たるか否かは、行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断する」とされます。(最判平28年6月21日)
雇用関係や身分関係などにより、行為者が児童を支配している場合には、淫行を助長促進する行為は、必ずしも積極的でなくてもよいと解されており、飲食店の経営者が、住み込み女中である児童が客と淫行することを承認した場合(最判昭30年12月26日)においても、児童に淫行をさせる行為を認めています。
「させる行為」とあるのは、児童福祉法第34条第1項第6号が、本来は売春防止法と同様の趣旨で、特に児童に売春をさせることを処罰する目的で立法されたためです。
しかし、判例は、自己を相手とする淫行をさせる場合も、「させる行為」に当たるとの解釈を採用しており、自己を相手とする淫行であっても、それが「児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」と言えるものであれば、淫行を「させる行為」に当たると考えられます。
そのため、18歳未満の者との性交・性交類似行為すべてが児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)となるのではなく、行為者と児童との関係、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などを総合的に考慮して、児童に淫行をさせる行為と言えるのかどうかが判断されます。

上の事例においても、Aさんと女子高生との間の関係性(塾講師と生徒)から、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などといった要素が検討されることになります。

児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)の法定刑は、10年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその併科と非常に厳しいものとなっています。

相手方児童が被害者であるため、被害者への被害弁償や示談を成立させることを目指すことになります。
被害者自身は18歳未満であるため、示談交渉の相手は被害児童の保護者となります。
保護者の処罰感情は往々にして厳しく、示談交渉も難航することが予想されます。
そのため、刑事事件に詳しく、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有する弁護士を介して示談交渉をすることをお勧めします。
また、児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(これを「親告罪」といいます。)ではありませんので、事案によっては、示談が成立したとしても、公判請求される可能性もあります。
しかしながら、示談が成立している場合には、検察官が起訴猶予として不起訴で事件を終了させる可能性を高めることができますので、やはり、非親告罪であっても、被害者との示談の有無は最終的な処分に大きく影響を与える要素となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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監護者わいせつ事件で逮捕

2021-07-04

監護者わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県丹波篠山市に住む会社員のAさんは、兵庫県篠山警察署から監護者わいせつ事件の被疑者として呼び出しを受けています。
Aさんは、妻の連れ子のV(13歳)に対して、胸を触るなどのわいせつな行為をしたと疑われています。
Vが、学校の先生に相談したことで事件が発覚し、Vは児童相談所に一時保護されています。
Aさんは、警察署に出頭する前に、逮捕される可能性や逮捕された後の流れについて、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

監護者わいせつ罪とは

監護者わいせつ罪は、平成29年の刑法改正により新設された罪です。

第179条 
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。

■犯行の主体■

監護者わいせつ罪の主体は、「18歳未満の者を現に監護する者」です。
「18歳未満の者を現に監護する者」とは、18歳未満の者を現実に監督し保護している者のことです。
これには、親権者が典型的な例となりますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」には該当しません。
他方、親権者でない者でも、事実上、現実に18歳未満の者を監督し保護する者であれば、監護者に当たります。
監護者に当たるかどうかは、監護者わいせつ罪が、依存・被依存あるいは保護・被保護によって生じる監護者であることによる影響力があること利用してわいせつ行為をすることに処罰の根拠があることから、依存・被依存あるいは保護・被保護の関係があるかどうか、そして、その関係は、具体的な影響力を及ぼせる程度であるかどうかといった点から判断されます。
衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から被疑者と被害者との関係性を分析し、その関係が継続的に続いているかどうかが検討されます。

■犯行の客体■

監護者わいせつ罪の客体は、現に監護されている18歳未満の者です。

■行為■

監護者わいせつ罪の行為は、①現に監護する者であることによる影響力に乗じて、②わいせつな行為をすることです。

①現に監護する者であることによる影響力に乗じて
「現に監護する者であることによる影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や、生活上の指導監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力のことをいいます。
その影響力に「乗じて」とは、現に監護するものであることによる影響力が一般的に存在し、かつ、行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為を行うことをいいます。
つまり、わいせつ行為を行う場面で、影響力を利用するために具体的な行為を行うことまで必要ではないけれども、監護者の影響力と無関係に行った場合には、影響力に乗じたとは言えません。

②わいせつな行為
ここでいう「わいせつな行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」と同じで、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為」をいいます。

■故意■

監護者わいせつ罪は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
監護者わいせつ罪の故意は、自己が18歳未満の者を現に監護する者であること、現に監護するものであることによる影響力があることに乗じること、わいせつな行為を行うことの認識・認容です。
18歳未満の者を現に監護する者であることの認識・認容については、現に監護する者に該当することの認識まで必要ではなく、これを基礎づける事実の認識・認容で足ります。

監護者わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪のそれと同じであり、6月以上10年以下の懲役です。

監護者わいせつ事件で逮捕されたら

監護者わいせつ事件では、被疑者と被害者との関係性から、被疑者の身柄を拘束をせずに捜査を進めると、被疑者が被害者、あるいは、被害者の母親と接触し、供述を変えるように迫るなど罪証隠滅のおそれがあると判断される傾向にあることから、被疑者の身柄を確保した上で、捜査が進められる可能性は高いでしょう。
つまり、逮捕される可能性も高く、その後に勾留が付くことが予想されます。
ただ、捜査段階での釈放が困難であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放される可能性はあるでしょう。
保釈が認められるかどうかの判断において、重要な要素のひとつに、罪証隠滅のおそれの有無があります。
逮捕・勾留の場面でも重要な要素となった罪証隠滅のおそれですが、やはり、起訴後、つまり、検察官が被疑者を有罪にするだけの十分な証拠を揃えた後であっても、被害者との接触を図り、被害者の供述を変えるよう迫るおそれは残ります。
そのため、被害者との接触の可能性がないことを立証し、裁判官に罪証隠滅のおそれがないと認めらもらうよう、起訴される前から準備しておく必要があります。

監護者わいせつ事件では、犯罪を立証するだけの十分な証拠があると検察官がと考える場合には、起訴される可能性が高いでしょう。
監護者わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、起訴=公判請求となり、公開の法廷で審理されることとなります。
ただ、有罪にするだけの証拠が揃っている場合であっても、被害者が、その精神的な影響を恐れ、裁判で証言することを拒否するケースも少なくなく、起訴しないとすることもあります。

監護者わいせつ事件で逮捕された場合、身体拘束が長引く可能性、公判請求される可能性が高いでしょう。
そのため、取調べ対応や保釈に向けた準備、公判に向けた準備を捜査段階から進めておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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盗撮の在宅事件

2021-06-27

盗撮在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県丹波市の商業施設内の女子トイレに侵入し、個室の扉の上部からスマートフォンを差し入れ、個室内にいた女性を盗撮したとして、兵庫県丹波警察署は、会社員のAさんを逮捕しました。
Aさんは、当初は犯行を否認していましたが、警察署での取調べにおいて容疑を認める供述をしました。
Aさんの父親が身元引受人として警察署に訪れ、Aさんは釈放されましたが、警察からは「後日取調べにまた来てもらう。」と言われており、今後どのような流れになるのか不安でたまらないAさんは、すぐに刑事事件に強い弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

盗撮で問われる罪とは

盗撮行為は、各都道府県で制定されている迷惑防止条例で禁止されている「卑わいな言動」に当たります。
兵庫県の迷惑防止条例(正式名称は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」です。)は、その3条の2において、盗撮行為を禁止しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

■1項■
まず、迷惑防止条例第3条の2第1項は、「公共の場所又は公共の乗物」での、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」、及び、「人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を設置する行為」を禁止しています。
「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、埠頭、興行場、飲食店その他の公衆が出入りすることができる場所で、「公共の乗物」とは、汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機、その他の公衆が利用できる乗物のことをいいます。
そのような場所・乗物内で、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」や、盗撮目的でのカメラ等の設置する行為が禁止の対象です。
「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」には、痴漢や盗撮も含まれます。

■2項■
続いて、同条2項では、不特定多数の者が利用する場所や乗物での盗撮盗撮目的でのカメラの差し向けや設置行為を禁止しています。

■3項■
最後に、3項は、人が通常衣服の全部・一部を着けない状態でいるような場所にいる人を盗撮したり、盗撮目的でカメラを向けたり、カメラを設置したりする行為を禁止しています。
ここでは、公共の場所・乗物や不特定多数が利用する場所・乗物には当てはまらない場所での盗撮等の行為が禁止されており、職場や学校、個人宅の浴場、更衣室、便所などでの盗撮がこれに当たります。

これらの規定に違反した場合には、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
常習性が認められた場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と加重されます。

盗撮の在宅事件の流れ

盗撮事件では、初犯であり、定職に就いており、身元がはっきりしている場合であれば、被疑者は逮捕されたとしても警察あるいは検察で釈放されるケースは少なくありません。
ただ、釈放されたことで事件が終了したと勘違いされる方もいらっしゃいますが、身柄を確保しないまま捜査は進められます。
釈放後に、何度か警察での取調べを受けた後に、事件は検察に送られ、今度は検察官による取り調べを受けることになります。
そして、捜査が終了すると、検察官は起訴するかどうかの判断を行います。
検察官が起訴・不起訴の判断をする際に考慮する要素のひとつとして、被害者との示談が成立しているか否かという点があります。
迷惑防止条例違反は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪と呼ばれる罪ではありませんが、被害者がいる事件では、被害者の処罰意思の有無も最終的な処分決定の判断に影響します。
初犯である場合には、被害者との示談が成立していれば、不起訴で事件が処理される可能性は高いでしょう。
そのため、不起訴で事件を終了させるためには、在宅事件であっても、早期に被害者との示談交渉を行い、示談を成立させることが重要となります。
通常、被害者との示談交渉は弁護士を通じて行います。
被害者との接触を避けるため、捜査機関が被疑者やその家族に被害者の連絡先を教えることはあまりなく、また、被害者も被疑者らと直接連絡を取ることを拒否する傾向にあるため、弁護士を介して行う方が交渉を円滑に進めることにつながりやすいからです。

盗撮事件を起こし、被害者への対応、示談交渉にお困りであれば、今すぐ刑事事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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まずはお気軽にお問い合わせください。

刑事事件における弁護人

2021-05-26

刑事事件における弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宝塚市のアパートに住む女性の部屋に、わいせつ行為目的でベランダの窓から侵入したとして、兵庫県宝塚警察署はAさんを強制わいせつ未遂、住居侵入の容疑で逮捕しました。
Aさんは、取調官から弁護人を選任することができる旨の説明を受けましたが、刑事事件に詳しい弁護士に頼みたいと考えています。
(フィクションです。)

弁護人とは

日本国憲法は、被疑者・被告人に弁護人依頼権を保障しています。
これを受けて刑事訴訟法は、被疑者・被告人の弁護人依頼権を規定しており、被告人の国選弁護人選任請求権、及び被疑者の国選弁護人選任請求権についても規定しています。
被疑者・被告人に弁護人依頼権が保障されているのは、刑罰権を行使する国家権力に対して、刑罰を受ける被疑者・被告人は弱い立場にあるため、被疑者・被告人の権利・利益を保護する法律を熟知した専門家が必要だからです。
罪を犯したとされる者は、被疑者・被告人として刑事手続に付され、身体拘束などの個人の事由が制限されることがあります。
有罪となった者には刑罰が科され、罰金を収めたり、刑務所に収容されることがあります。
このような処分は、個人の自由や権利を大きく害するものであるため、適正な手続に基づいて事件を処理していかなければなりません。
罪を犯したとされる者は、適正な手続の下で処罰されるべきであり、有罪であった場合にも、適正な量刑がなされなければなりません。
弁護人は、被疑者・被告人の権利・利益を守る上で、欠かすことのできない重要な役割を担っています。

弁護人には、選任の点から、国選弁護人と私選弁護人の2種類に分類されます。

国選弁護人

貧困その他の事情により、弁護人を選任できない場合に、国の費用で裁判所が弁護人を選任する「国選弁護制度」というものがあります。
この制度により選任された弁護人を「国選弁護人」といいます。

国選弁護人は、国の費用で裁判所により選任されるため、被疑者・被告人がその弁護費用を負担することはありません。
匡が費用を負担するため、被疑者・被告人が国選弁護人制度を利用するためには、一定限度の資力の有無が要件となります。
その要件とは、被疑者・被告人の資力が50万円未満であること、です。
被疑者・被告人の資力が50万円以上の場合には、弁護士会に私選弁護人選任の申出を行っていることが必要となります。
申出を受けた弁護士会は、弁護人候補者を被疑者・被告人に紹介するのですが、弁護人なろうとする者がいないとき、または、照会した弁護人が選任の申し込みを拒んだときには、国選弁護人選任の手続に入ることになります。
その他にも、職権により、被疑者・被告人に国選弁護人が付される場合、起訴後に弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときには、裁判長は職権で国選弁護人を選任します。

被疑者段階では、勾留に付されてから国選弁護人が選任されます。
被疑者国選弁護制度には、職権による場合と請求による場合とがあります。
職権による場合とは、死刑、無期、または長期3年を超える懲役・禁錮にあたる事件で勾留状が発せられ、かつ弁護人がいない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要があるとみとめるときに、裁判官が職権で国選弁護人を付するものです。
請求による場合は、被疑者段階で弁護費用を支払う資力のない被疑者に対して、国の負担で弁護人を付す制度です。
被疑者国選弁護制度は、勾留状が発せられていることが要件となっておりますので、逮捕段階では適用されません。

起訴後は、被告人国選弁護制度が適用され、それには請求によるものと職権によるものとがあります。
職権による場合とは、被告人が未成年者、70歳以上、耳が聞こえない、口がきけない、心神喪失・心身耗弱の疑いがある、その他必要と認めるときに裁判所が職権で国選弁護人を選任するものや、弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときに、裁判所が職権で国選弁護人を選任するものとがあります。
請求による場合は、資力50万円を基準とした要件を充たした被告人による請求を受け、裁判所が国選弁護人を選任するものです。

私選弁護人

私選弁護人は、被疑者・被告人、またはその家族等が依頼して選任する弁護人です。
国選弁護人とは異なり、弁護費用は自己負担となります。
しかし、被疑者・被告人やその家族が自ら弁護人を選ぶことができるので、刑事事件専門の弁護士や、信頼できる弁護士、実績がある弁護士など、好きな基準で選任することができる点が、国選弁護制度と異なります。
また、国選弁護人は勾留が決定してから選任することができるのに対して、私選弁護人は、身体拘束を受けていない在宅事件や、逮捕された直後から選任することができるため、勾留を回避するための活動や被害者の示談交渉などを早い段階から行うことができます。

適切な手続に基づいて事件を処理するよう、冤罪を防止するためにも、罪を犯したと疑われて対応にお困りであれば、できる限り早い段階から弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年の在宅事件で弁護士に相談

2021-05-19

少年在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市須磨区に住む中学生のAくん(15歳)は、見知らぬ女性に痴漢をはたらいたとして、兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
Aくんは、その日の夜に釈放されましたが、AくんもAくんの両親も今後どのように対応すればよいのか分からず不安で仕方ありません。
翌日、Aくんの父親は、ネットで探し出した少年事件専門弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

少年の在宅事件

捜査機関は、事件を認知し、犯罪の嫌疑があると考えるときに、捜査を開始します。
捜査を進めるなかで犯人を特定すると、犯人の身柄を確保して捜査を進める必要があると判断すれば、犯人を逮捕することがあります。
犯人の身柄を確保して捜査を進める事件を、一般に「身柄事件」と呼びます。
一方、犯人の身柄を確保することなく捜査を進める事件を「在宅事件」といいます。
犯人が未成年の少年であっても、身柄確保が必要である場合には逮捕・勾留がなされることがあります。
一般的には、比較的軽微な犯罪に当たる行為を行った場合は、逮捕されずに、あるいは、逮捕されたとしても逮捕から48時間以内に釈放され、在宅のまま捜査が進められることが多くなっています。

■捜査段階■

少年在宅事件の捜査段階の流れは、成人の在宅事件とほぼ同様となります。
先述しましたが、一度逮捕されても、その後勾留されずに釈放されて在宅のまま捜査が行われることもありますし、逮捕されずに捜査機関への出頭に応じる形で捜査が進むこともあります。
いずれにせよ、事件は勝手に終了するわけではなく、捜査機関による捜査は手続に沿って進められることになります。
まずは、警察署での取調べを受け、犯行現場で犯行態様の確認をしたりします。
大人であっても取調べを受けるときは緊張するものですので、事前に弁護士に相談し、取調べではどのようなことが聞かれ、どのように回答したらよいかについてアドバイスを受けておくのがよいでしょう。
警察での取調べが終わると、事件は証拠物や関係書類とともに検察官に送られます。
一定の場合には、警察から直接家庭裁判所に事件を送ることもあります。
事件を受理した検察官は、少年を呼び出して事件について取調べを行うこともありますし、呼び出さずに警察から送られてきた書類と一緒に事件を家庭裁判所に送ることもあります。

■家庭裁判所送致後■

家庭裁判所が事件を受理すると、調査官は少年に関する社会調査を行います。
調査官による調査は、少年の要保護性について行われます。
要保護性という用語は多義的に用いられますが、一般的には次の3つの要素から構成させるものと理解されています。
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
・保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があること。
・保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
調査官の調査の結果、家庭裁判所が審判を開始するのが相当であると認めれば、審判開始決定がなされます。
そうでないときは、審判開始不開始決定が行われ、事件は終了となります。

家庭裁判所は、事件を管轄する間、いつでも観護措置をとることができます。
観護措置というのは、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、調査官の観護に付する措置と少年鑑別所の送致する措置の2種類がありますが、実務上は前者はほとんど活用されておらず、観護措置というときには後者の措置を指します。
捜査段階で逮捕・勾留されている事件では、家庭裁判所に送致された後に、そのまま観護措置がとられることが多いのですが、在宅事件であっても、家庭裁判所が観護措置の必要があると認めれば観護措置がとられることがあります。
そのため、在宅事件であっても、家庭裁判所に事件が送致されたときには、観護措置をとらないように家庭裁判所に働きかける必要があるでしょう。

審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
つまり、少年がどのような行為をしたのか、そして、再びそのような行為をしないためにはどのような処分とすべきか、ということを明らかにします。
非行事実について特段争いがない場合には、要保護性の解消が審判のポイントとなります。
要保護性が解消されていると認められれば、社会内処遇での更生が期待できると判断され、保護観察となる可能性が高くなります。
しかしながら、要保護性の解消は、審判の日にその旨を述べるだけでは裁判官を納得させることはできません。
要保護性の解消に向けた環境調整活動は、できる限り早い段階から取り組む必要があります。
環境調整というのは、少年自身や少年の周囲の環境、具体的には家庭環境、学校、職場、交友関係などを少年の更生に適したものにする活動です。
そのためには、事件を起こした原因や少年が抱える問題を明らかにし、それらを解決する方法を探求し、実施していかなければなりません。
当然ながら、このような活動は少年ひとりで行うことはできません。
保護者や学校の先生方、職場の上司と協力して行う必要があります。
そして、少年と関係者と連携して環境調整を行うにあたってのファシリテイターとしての役割を担うのが弁護士です。
少年の内省を促進する、被害者がいる事件では被害者への被害弁償や示談を通じて少年に事件と向き合わせる、保護者と連携し家庭環境を改善する、学校関係者と話し合い少年の復学を支援するなど、弁護士が行う環境調整活動は多岐に渡ります。

お子様が事件を起こしてお悩みであれば、一度少年事件に精通する弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の対応にお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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