Archive for the ‘性犯罪’ Category

刑事事件で示談成立

2021-05-09

示談成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県西宮市にある大学の女子トイレで盗撮をしたとして、同大学に通うAくん(21歳)は兵庫県西宮警察署に建造物侵入、迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、被害者へどのように対応すべきかについて弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

被害者への対応

盗撮事件のような被害者が存在する場合、被害者が被った被害を回復したか否かが、事件の最終的な処分に大きく影響することになります。
具体的に言うと、被害が金銭面で回復されたか、被害者が被疑者・被告人に対してどのような感情を抱いているのかが、検察官が処分を決めたり、裁判官が宣告刑を決めるにあたって重要な意味をもつことになるのです。
そのため、被疑事実・公訴事実に争いのない場合、つまり、被疑者・被告人が行っただろうと疑われている事実について認める場合には、弁護人である弁護士は、被害者との間で示談成立させるよう努めます。

示談とは

示談というのは、被害者との合意のことをですが、通常は、慰謝料を含めた被害弁償をし、被害者からの許しを得ることをいいます。

示談交渉は、一般的に、事件の当事者で直接行うよりも、弁護士を介して行います。
それは、弁護士を介して行うほうがスムーズに示談交渉ができる可能性が高いからです。

①被害者との連絡
まず、示談交渉に着手するためには、被害者に対し示談をしたい旨を伝えて話を進める必要があります。
被疑者・被告人が被害者の連絡先を知らない場合、被疑者・被告人が逮捕・勾留されており事実上連絡がとれない場合には、警察や検察官を通じて被害者の連絡先を入手するしか他ありません。
警察や検察官は、通常、被害者への働きかけを防ぐために被疑者・被告人本人やその家族に対して被害者の連絡先を容易に教えることはありません。
しかし、弁護人限りということであれば被害者の同意を得た上で被害者の連絡先を教えてくれることがあります。
被害者の了承を得た上ででなければ、いくら捜査機関と雖も個人情報を弁護士に教えてくれることはありませんが、交渉の窓口は弁護士であり、被疑者・被告人やその家族には連絡先を教えないと約束することで、安心して連絡先を教えてくれる被害者は少なくありません。

②示談交渉
被害者の連絡先を入手した後は、被害者(場合によってはその家族)との示談交渉を開始することになります。
当事者間の示談交渉は、感情的になるおそれがあり、円滑に進まない可能性が高いでしょう。
一方、弁護士を介してであれば、被害者の気持ちに配慮しつつ、被疑者・被告人の謝罪の意を丁寧に伝え、示談をすることのメリット・デメリットについてしっかりと説明することができますので、より冷静に交渉を行えることが期待できるでしょう。
例えば、示談内容に、被疑者・被告人が事件現場付近には今後近寄らないことなどの誓約を盛り込むことで、被害者に安心感を与えるなどのメリットを提示します。
また、弁護士を介して交渉することで、法外な示談金を支払うことがないように被害者と被疑者・被告人両者が納得する金額で取りまとめるよう努めます。

③示談書の作成
示談交渉の結果、合意が成立すれば、示談書を作成します。
示談書の作成は、法律の専門家である弁護士に任せましょう。
示談内容が不十分であれば、せっかく合意に至ったとしても、再度問題が生じたり、民事で訴えられたりする可能性があるからです。
示談書の内容は、通常、被疑者・被告人が謝罪する旨、示談金を支払う又は支払受領した旨、これ以外に債権がないことの確認(清算条項)、被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ち、などとなります。
被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ちには、様々なものがありますが、可能な限り処罰感情がないことを示す文言を明記することが望ましいでしょう。

示談の効果

検察官が起訴・不起訴を判断する前に、被害者との間で示談成立した場合には、検察官は、被害者に関する犯罪後の事情として考慮し、起訴猶予とする可能性を高めることができます。
被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(親告罪)である場合には、示談成立し告訴をしない旨(告訴をしている場合にはそれを取り下げる旨)の合意があれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分として事件を終了させます。
親告罪でない場合でも、被害者感情が重視される昨今では、示談成立しているのであれば、起訴猶予で不起訴処分とする可能性が高いでしょう。
起訴された後であっても、被害者のいる事件において示談成立しているかどうかは、量刑に大きく影響し得る事情のひとつであるため、裁判終了までに示談成立に向けて粘り強い交渉をしていくことが弁護人に求められます。

このように被害者との間で示談成立しているかどうかといった点は、最終的な処分や量刑に大きく影響しますので、早期に弁護士に相談し、示談交渉に着手することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきており、これまでも多くの被害者と示談交渉を行ってきました。
刑事事件を起こし、被害者への対応にお悩みの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

盗撮事件で準抗告認容で釈放

2021-05-05

盗撮事件で準抗告認容で釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市中央区にある駅構内のエスカレーターで、スマートフォンを差し向けて女性のスカート内を盗撮したとして大学生のAくん(21歳)は、兵庫県葺合警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、その後に釈放されるものと思いこんでいましたが、逮捕の翌日に勾留となり大変驚きました。
慌てた両親は、すぐに刑事事件専門弁護士に相談し、釈放に向けてすぐに動いてくれるよう依頼しました。
(フィクションです。)

逮捕後の流れ

Aくんは、盗撮事件の被疑者として警察に逮捕されました。
逮捕されたAくんは、兵庫県葺合警察署で取調べを受けます。
取調べでは、Aくんがやったと疑われる事実に間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
また、盗撮事件においては、盗撮に使用したスマートフォンも押収されます。
取調べに加えて、指紋とDNAが採取され、写真が撮影されます。
その後、Aくんは葺合警察署の留置場に収容されます。

逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか、証拠物や関係書類と一緒に警察官に送致するかを決めます。
兵庫県では、おおむね逮捕の翌日に送致されることが多いようです。
検察官に送致されると、Aくんの身柄は神戸地方検察庁に移され、担当検察官からの取調べを受けます。
ここでの取調べでも、Aくんがやったと疑われる事実について間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
担当検察官は、Aくんの身柄を受けてから24時間以内に、この取調べの内容と警察から送られてきた証拠物や関係書類を検討し、勾留請求するか、それとも被疑者を釈放するかを決めます。

検察官が勾留請求をすると、Aくんの身柄は今度は神戸地方裁判所に移され、裁判官と面談します。
そして、裁判官はAくんを勾留するかどうかを判断します。
裁判官が検察官がした勾留請求を却下すれば、Aくんは釈放されますが、勾留の決定をした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日間の身体拘束となります。

勾留となれば、Aくんは、逮捕から少なくとも約13日間葺合警察署の留置場にいることになります。
Aくんは大学生ですが、逮捕・勾留されている間は学校に行くことはもちろん、家に帰ることもできません。
被疑者が成人の場合、警察が学校に事件のことを伝えることはあまりありませんが、重要な試験が控えていたり、部活やサークルの大会が予定されている場合には、それらに出席することができないため、必要な単位を落としたり、友人に迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのような不利益を回避するためにも、一日でも早い釈放が望ましいでしょう。

準抗告とは

Aくんのように一度勾留が決まった場合でも、その決定を取消し釈放となる可能性はあります。
それは、裁判官がした勾留の裁判について、その取消を裁判所に求め、それが認められた場合です。
このように、第一回裁判期日前に行われた裁判官の判断に対する不服申立の手続を「準抗告」と呼びます。
勾留に対する準抗告では、勾留の要件を満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張する必要があります。
例えば、Aくんは被害者と面識がないため被害者に接触し被害届を取り下げるよう迫る可能性はないこと、その上でAくんが事件現場となった駅構内には今後近寄らないと約束していること、保護者による監督が期待できること、長期の身体拘束によりAくんが被り得る不利益が大きいこと、今後は弁護人を通じての被害者への被害弁償をする予定であること、などといった事情を説明し、勾留の理由も必要性もないことを主張することが考えられます。

不服申立についての判断は、最初に勾留を決定した裁判官とは別の裁判官3人によって行われます。
不服申立が認められ、最初の裁判が取消され、検察官の勾留請求を却下するとの決定がなされれば、Aくんは釈放されることとなります。

準抗告は、その申立てが遅くなればなるほど、被疑者の身柄拘束期間は長引きます。
より早く釈放を求める場合には、早期に刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
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再犯の痴漢事件で不起訴

2021-05-02

再犯痴漢事件で不起訴となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
電車内で女性客に対して痴漢をしたとして、兵庫県姫路警察署は会社員のAさんを迷惑防止条例違反で逮捕しました。
翌日、Aさんは釈放されましたが、痴漢の前歴があるためどのような処分となるのか不安で仕方ありません。
Aさんはすぐに刑事事件専門弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです。)

不起訴処分とは

原則、すべての事件が検察官に送られ、検察官が事件の処理をします。
検察官による事件の処理には、中間処分と終局処分とがあります。
中間処分というのは、終局処理にむけて処理を留保したり、別の検察官に処理を委ねる処分のことです。
終局処分は、検察官による終結的な処分のことで、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致とがあります。

不起訴処分は、公訴を提起しないとする処分で、その理由により以下のように分類されます。

①訴訟条件を欠く場合
被疑者が死亡した場合、被疑事件が日本の裁判管轄に属さない場合、親告罪の告訴・告発・請求が欠如・無効・取消された場合、同一事実について既に既判力がある判決がある場合、時効が完成している場合などです。

②被疑事件が罪とならない場合
被疑者が犯罪時14歳に満たない場合、被疑者が犯罪時心神喪失であった場合、被疑事実が犯罪構成要件に該当しない場合や犯罪の成立を阻止する事由のあることが証拠上明確な場合、犯罪の嫌疑がない場合、被疑事実について犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合などです。

③犯罪の嫌疑がある場合
被疑事実が明白な場合において、法律上、刑が必要的に免除されるべき場合や、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としない場合です。
後者の場合を「起訴猶予」といいます。
不起訴処分の多くが起訴猶予であると言われています。
起訴猶予とする一応の基準として次のような要素があります。
(a)犯人に関する事項
・犯人の性格…性質、素行、遺伝、習慣、学歴、知能程度、経歴、前科前歴の有無、常習性の有無など。
・犯人の年齢…特に、若年又は老年、学生など。
・犯人の境遇…家庭状況、居住地、職業、勤務先、生活環境、交友関係など。
(b)犯罪自体に関する事項
・犯罪の軽重…法定刑の軽重、法律上刑の加重減軽の事由の有無、被害の程度など。
・犯罪の情状…犯罪の動機・原因・方法・手口、犯人の利得の有無、被害者との関係、犯罪に対する社会の関心、社会に与えた影響、模倣性など。
(c)犯罪後の情況に関する事項
・行為に関して…犯人の反省の有無、謝罪や被害回復の努力、逃亡や証拠隠滅等の行動、環境の変化、身柄引受人その他将来の監督者・保護者の有無といった環境調整の可能性の有無など。
・被害者に関して…被害弁償の有無、示談の成否、被害感情など。

再犯痴漢事件について考えた場合、前歴があることは不利な事情になりますが、特定の被害者を狙ったり、強制わいせつ罪に当たるような痴漢行為であるなど悪質な痴漢ではないケースであれば、被害者との示談が成立していることや、専門的な治療を受けるなどといった再発防止措置がとられていることなどの犯罪後の情況に関する事項を考慮した上で、検察官が不起訴処分とする可能性はあります。
起訴猶予の基準のひとつである犯罪後の事情については、示談の成否と再発防止措置の有無が重要となります。
そのため、弁護士は、早期に被害者との示談交渉に着手し、また、再発防止に向けた措置をいかにして講ずるかについて被疑者本人やその家族と一緒になって考えます。

再び痴漢事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
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まずはお気軽にご連絡ください。

盗撮事件で逮捕

2021-04-14

盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県赤穂郡上郡町にあるホテルの大浴場の脱衣所で女性を盗撮したなどとして県外に住むAさんが逮捕されました。
調べに対してAさんは、「撮ったことは認めるが、交際相手から指示を受けてやった。私は盗撮した画像をどうにかするつもりはなかった。」と話しています。
(フィクションです。)

盗撮をした場合

盗撮は、多くの場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例で禁止する行為に該当します。
兵庫県は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等に関する条例」の第3条の2において、以下のように規定しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

◇1項◇
第2条の2第1項は、「公共の場所」又は「公共の乗物」において、①人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動、或いは、②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

「公共の場所」とは、不特定かつ多数が自由に利用し、又は出入りすることができる場所のことをいいます。
道路、公園、広場など国や地方公共団体の所有地や施設のみならず、駅、桟橋、埠頭、デパート、飲食店、興行場も公共の場所に当たります。
「公共の乗物」とは、電車、バス、船舶、航空機その他不特定多数の者が利用するための乗物を指します。

①卑わいな言動については、一般人の性的道義観念に反し、他人に性的羞恥心、嫌悪を覚えさせ、又は不安を覚えさせるようないやらしくみだらな言語、動作をいうと解されています。(最決平20・11・10)
「不安を覚えさせるような卑わいな言動」と規定してあり、「盗撮」という文言は明記されていませんが、「盗撮」という行為が「不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるため、公共の場所・公共の乗物において盗撮をした場合には、迷惑防止条例第3条の2第1項に該当し、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為は、実際に盗撮に成功していない場合であっても、盗撮目的でカメラを「設置」する行為が禁止対象となっているため、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

◇2項◇
第2条の2第2項は、1項で規定されている「公共の場所・公共の乗物」を除いた「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所」において、①人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為、及び、②盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

◇3項◇
第2条の2第3項は、「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を」盗撮する行為、盗撮目的で写真機等を向ける行為、又は盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

事例のようなホテルの大浴場の脱衣所での盗撮は、この3項違反となります。

しかしながら、被写体が18歳未満の者であった場合には、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の罪が成立する可能性があります。
児童買春・児童ポルノ処罰法は、盗撮による児童ポルノ製造も処罰対象としており、ひそかに児童ポルノに係る児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処するとしています。

いづれの罪の成立にも、「故意」がなければなりません。
「故意」とは、罪を犯す意思のことです。
盗撮を例にとれば、盗撮をしようと思って行為に及んだ場合に罪が成立するのであって、偶然様々な要素が相まって盗撮に当たるような行為をしてしまった(なかなかそんなことはないのですが…)場合には故意が認められず罪は成立しないことになります。
また、「盗撮をしてやる」と確信的な故意はなくとも、「盗撮してしまうかもしれないけど、ま、いいや。」といった犯罪の実現を可能なものと認識して認容している場合(これを未必の故意といいます。)にも故意は認められます。
この点、事例のように、「人に頼まれて盗撮した。自分のためではない。」といった主張をしたからといって、罪の成立が妨げられるわけではありません。
自分のためであろうが、人のためであろうが、大浴場の脱衣所で着替えている人の姿を撮影することの認識があれば、故意は認められます。

盗撮事件のように被害者がいる事件では、被害者への謝罪・被害弁償、そして示談締結の有無が最終的な処分に影響する可能性が高いです。
そのため、事件を穏便に解決するためには、早期に被害者と示談交渉を行うことが重要です。
盗撮事件を起こしてしまい、被害者への対応にお困りであれば、弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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まずはお気軽にご連絡ください。

公然わいせつで現行犯逮捕

2021-04-11

公然わいせつ現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、兵庫県揖保郡太子町の路上に駐車していた車内で、わいせつな行為をしてたとして、目撃者からの通報を受けて駆け付けた兵庫県たつの警察署の警察官に事情を聴かれました。
その後、「また連絡します。」と警察官から言われたAさんは、今後どのような流れになるのか、いかに対応すべきか分からず、ネットで刑事事件専門弁護士を探し法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

公然わいせつ罪

刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪は、性秩序ないし善良な性風俗を保護法益とするものです。

公然わいせつ罪は、「公然とわいせつな行為」をする犯罪ですが、ここでいう「公然」とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態を意味します。
認識することが「できる」状態であることが求められるのであって、必ずしも公衆の面前である必要はなく、現実に不特定又は多数の人が認識したことまでも必要ではなく、不特定又は多数の人が認識する可能性があれば足ります。

「わいせつな行為」については、その行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものと理解されています。(東京高判昭27・12・18)
正常な羞恥心を害するか否か、善良な性的道義観念に反するか否かについては、その時代における社会の一般人を基準にして判断され、行為者自身や目撃者が現実に性的羞恥心を害されたか否かといった点で判断されるものではありません。

刑法の公然わいせつ罪に当たらない場合であっても、軽犯罪法に規定される身体露出の罪となる可能性があります。

軽犯罪法の身体露出の罪は、公衆の目に触れるような場所で公衆に嫌悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出する犯罪です。
「公衆の目に触れるような場所」とは、公然わいせつ罪における「公然」とほぼ同じ意味であり、不特定又は多数の者が認識し得る状態をいいます。
「公衆に嫌悪の情を催させるような仕方」とは、一般通常人の風俗感情からして不快の念を与えるようなものをいいます。
そして、「しり、ももその他身体の一部をみだりに露出」するとは、例示されている尻、ももに代表されるような通常人が衣服などで隠している部分を正当な理由なく人目に触れる状態に置くことを指します。

公衆の面前で身体の一部を露出した場合、その行為が「嫌悪の情を催させるようなもの」であれば軽犯罪法違反となりますが、当該行為が「わいせつ」にあたれば公然わいせつ罪が成立することになります。

公然わいせつで現行犯逮捕された場合

公然わいせつで逮捕されるケースは、
①犯行時、又は犯行直後に警察官に逮捕される場合、
②犯行後、しばらくしてから逮捕される場合
となるでしょう。

①の場合を「現行犯逮捕」といい、目撃者からの通報を受けた駆け付けた警察官や付近を警ら中の警察官に犯行を目撃され、その場で逮捕される場合も少なくありません。
②は、目撃情報などから事件が発覚し、捜査の結果、犯人と思われる人物が特定され、裁判所に逮捕状発行を請求し、逮捕状を得た上で逮捕する「通常逮捕」と呼ばれる場合です。

①も②も、逮捕されてから48時間以内に、被疑者を釈放するか、検察官に証拠物等と一緒に送致するかを警察が決めます。
公然わいせつの場合、身元もはっきりしており、家族等の身元引受人がいる場合には、48時間以内に釈放されるケースが多いでしょう。

当然ながら、釈放されたからといって、それで事件が終わるわけではありません。
事件は引き続き捜査され、検察官に送致された後、検察官が最終的に起訴・不起訴の判断をします。

公然わいせつ事件を起こして捜査を受けておられるのであれば、今後の対応などを含めて弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こして対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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リベンジポルノ防止法違反で逮捕

2021-03-28

リベンジポルノ防止法違反について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県川西警察署は、会社員のAさんをリベンジポルノ防止法違反容疑で逮捕しました。
逮捕容疑は、Aさんが当時交際していたVさんとの性的画像をSNSに投稿し、不特定多数の人が見れるようにしたというものです。
Aさんは、Vさんの他にも元交際相手の女性との性的画像をSNSに投稿しており、その件でも捜査されているようです。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、相手方への対応についてどのようにすべきか悩んでおり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

リベンジポルノ防止法

「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下、「リベンジポルノ防止法」といいます。)は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰する法律です。

ここでいう「私事性的画像記録」というのは、
①性交または性交類似行為に係る人の姿態
②他人が人の性器等を触る行為または人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって、性欲を興奮させ、または刺激するもの
③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され、または強調されるものであって、かつ性欲を興奮させ、または刺激するもの
のいづれかで、その人の姿態が撮影された画像に係る電磁的記録その他の記録のことをいいます。
撮影の対象とされた者が、撮影をした者、撮影の対象とされた者や撮影の対象とされた者から提供を受けた者以外の者(第三者)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾したり撮影をしたものは「私事性的画像記録」には当たりません。
これは、いわゆる「私事性」の要件であり、撮影の対象とされた者が撮影自体を承諾していても、それを他人に見せない約束で撮影した性的画像や、撮影の対象とされた者の承諾を得ないで交際相手に隠し撮りをされた性的画像は「私事性的画像記録」に当たります。
他方、アダルトビデオやグラビア写真は、公開されることが前提として撮影されているため、「私事性的画像記録」には当たりません。

第三者が撮影の対象とされた者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定または多数の者に提供した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処さられる可能性があります。
「第三者」とは、撮影をした者、撮影の対象となった者、撮影の対象となった者から提供を受けた者以外の者を指します。
「特定することができる方法」とは、撮影の対象となった者の顔や身体的特徴、背景として写っている物など、公表された画像から撮影の対象となった者を特定することができる場合や、画像と共に添えられた文言や掲載場所といった画像以外の部分から特定することができる場合も含まれます。
公衆一般が撮影の対象となった者を特定することができることまで必要ではなく、一定の範囲の第三者だけが撮影の対象となった者を特定することができる状態もこれに該当します。
そして、「提供」は、相手方において利用しうべき状態に置く法律的・事実上の一切の行為を意味します。

また、第三者が撮影の対象となった者を特定することができる方法で、私事性的画像記録物を不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した者も、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
「公然と陳列した」というのは、不特定または多数の者が閲覧することができる状態に置くことです。

公表の目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、または私事性的画像記録物を提供した者は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。

リベンジポルノ防止法違反で逮捕されたら

リベンジポルノ防止法違反は、親告罪です。
親告罪というのは、被害者等からの告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
そのため、リベンジポルノ防止法違反逮捕された場合には、早期に被害者との示談を成立させることが重要です。
起訴前に示談が成立すれば、不起訴で事件を終了することができ、身体が拘束されている場合には釈放となります。

リベンジポルノ防止法違反でご家族が逮捕されたのであれば、早期に弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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未成年者誘拐で逮捕

2021-02-17

未成年者誘拐について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、出会い系アプリを通じて兵庫県に住む中学生のVさんと知り合いました。
Vさんは家出をしたがっていたため、Aさんは「それならうちに泊めてあげる。」と言ってVさんを自宅に招きました。
Vさんが家出をしたことで心配したVさんの両親は、兵庫県丹波警察署に相談しました。
Vさんの家出から2週間後、Aさん宅に警察が訪れ、Vさんを発見しました。
警察は、未成年者誘拐の疑いでAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)

未成年者誘拐罪とは

未成年者誘拐は、刑法224条に規定されており、未成年者誘拐する罪です。
未成年者誘拐罪の保護法益(法令がある特定の行為を規制することによって保護、実現しようとしている利益)については争いがありますが、判例は、被拐取者(つまり、誘拐された未成年者)の自由、および被拐取者が要保護状態にある場合は親権者等の保護監督権が未成年者誘拐罪の保護法益であるとの立場をとっています。
このことより、未成年者誘拐する際、未成年者の承諾があった場合も犯罪が成立するかという問題について、例え未成年者本人の同意があったとしても、保護者の許可を得ずに未成年者を自宅に連れ込む行為は、保護者の監督権を侵害することになるため未成年者誘拐罪が成立することになります。

また、「誘拐」と聞くと、無理やり車に連れ込んで運ぶといったことをイメージしがちですが、ここで言う「誘拐」というのは、欺罔または誘惑を手段として、人をその生活環境から不法に離脱させ、自己または第三者の実力的支配下に移すことをいいます。
家出したがっている未成年者を自宅に泊まるよう提案し、迎えに行ったり交通手段を支持したり交通費を支払ったりするなど、自宅までの移動を容易にするなどした場合には、誘拐と判断される可能性があるでしょう。

もちろん、相手が20歳未満だと知らなかった場合には犯罪は成立しませんが、相手の話し方や服装などから「もしかしたら未成年者かもしれない。」と思ったのであれば、未必の故意が認められることになります。

このように、未成年者の同意を経て行った行為であっても、未成年者誘拐罪が成立することがあります。
そのような場合、事件を穏便に解決するためには、当該未成年者の保護者との間で示談を成立させることが重要となります。
未成年者誘拐罪は、親告罪です。
親告罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない罪です。
告訴というのは、被害者などの告訴権者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことです。
そのため、被害者との間で、告訴をしない、告訴をしている場合には告訴を取下げる旨の約束ができれば、未成年者誘拐罪で起訴されることはない、ということになります。
被害者が未成年者の場合には、その保護者が代理人となるため、交渉も容易ではありません。
未成年者本人よりも処罰感情が大きいことが予想されます。
円滑な示談交渉は、当事者本人よりも、弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、これまでに数多くの刑事事件を取り扱っており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
刑事事件を起こし被害者との示談交渉でお困りであれば、一度弊所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

強制わいせつ事件で逮捕されたら

2021-01-27

強制わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県飾磨警察署は、強制わいせつの疑いで、兵庫県姫路市に住むAさんを逮捕しました。
逮捕容疑は、X年X月X日午後X時X分ごろ、姫路市内の路上で、歩いていた女子高生に後ろから近づき、胸や尻などを触ったということです。
Aさんは容疑を認めています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、今後どうなるのか不安で仕方ありません。
すぐに刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

強制わいせつ事件で逮捕されたら

強制わいせつ罪は、①13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をし、或いは、②13市未満の者に対し、わいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。
本罪の法定刑は、6月以上10年以下の懲役となっており、起訴され有罪となればこの範囲内で刑が言い渡されることになります。

ここでは、強制わいせつの容疑で逮捕された場合の流れについて説明していきます。

1)勾留

逮捕から48時間以内に、警察は被疑者の身柄を証拠や関係書類と共に検察庁に送ります。
これを「送致」と言い、検察庁に送致しない場合には、警察は被疑者を釈放します。
強制わいせつ事件では、警察の段階で釈放されることはあまりありません。
検察庁に送致された後、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放する、或いは裁判官に対して被疑者の勾留を請求します。
「勾留」というのは、逮捕に引き続き比較的長期間身柄を拘束するもので、検察官は、被疑者の取調べを行い、送られてきた証拠や関係書類を検討した結果、引き続き被疑者の身柄を拘束して捜査をする必要があると判断すれば、勾留請求を行います。
検察官からの請求を受けて、裁判官が勾留の判断を行います。
裁判官は、被疑者と面談し、送られてきた証拠等を検討し、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
勾留すべきではない場合には、検察官の請求を却下し、被疑者を釈放します。
他方、勾留の決定をした場合には、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束を余儀なくされます。
強制わいせつ事件では、電車内でのわいせつ行為のような痴漢類型であれば勾留されない可能性は高い一方、それ以外の類型であれば一般的に勾留される可能性は比較的に高いと言えるでしょう。
しかしながら、被害者と面識がない場合や行為態様が悪質ではない場合には、勾留とならないケースもあります。
ですので、強制わいせつ事件においても、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて活動することは重要です。

2)起訴

起訴するか否か決めるのは、検察官です。
強制わいせつ罪は親告罪ではありませんが、起訴・不起訴の判断においては、被害者との示談が成立しているか否かといった点が重視されます。
そのため、示談が成立していれば起訴猶予となる可能性が高く、示談できていなければ公判請求となる可能性が高くなります。
つまり、不起訴を獲得するために捜査段階で最も重要な弁護活動のひとつに被害者との示談交渉が挙げられます。
もちろん、これは容疑を認めている場合のことですので、否認している場合には最後まで争い嫌疑不十分での不起訴や無罪獲得を目指した活動を行います。

3)裁判

公判請求された場合、保釈制度を利用し釈放される可能性はあります。
捜査段階で勾留されていた場合でも、起訴後であれば保釈が認められ釈放となるケースは多いので、起訴後すぐに保釈請求できるように準備しておく必要があります。
また、捜査段階で示談が成立しなかった場合でも、粘り強く交渉を続けることは重要です。
裁判までに示談が成立すれば、被告人に有利な事情として考慮してもらえ、言い渡される刑にも影響を及ぼすことになります。
示談が困難であっても、被害弁償、贖罪寄附、供託などの方法を試みることもあります。
一方、事実を争う場合には、被告人の主張が通るよう、被告人に有利な証拠を収集し、無罪獲得に向けた活動を行います。

強制わいせつ罪は、決して軽くはない犯罪です。
前科・前歴、行為態様、被害の程度、被害者との示談の有無などによっては、実刑が言い渡される可能性も十分あります。
容疑を認める場合でも、争う場合でも、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件における被害者対応

2021-01-17

少年事件における被害者対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市灘区の路上を歩いていた女性の背後からいきなり抱き着き胸を服の上から触って逃走するという事件が起きました。
兵庫県灘警察署は、市内に住むAくん(高校1年生)を強制わいせつの疑いで逮捕しました。
Aくんは容疑を認めているとのことですが、Aくんの両親は被害女性への対応をどのようにすべきか分からず困っています。
(フィクションです)

被害者対応について

窃盗・詐欺・傷害・盗撮・痴漢などといった犯罪には、犯罪によって被害を被った被害者が存在します。
民事上の責任として、加害者は、自身の行為によって身体的・精神的・財産的損害を被った被害者に対して、損害賠償責任を負う可能性があります。

それでは、刑事事件においては、被害者対応の如何が最終的な処分やその後にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

被害者がいる事件では、被害弁償や示談が成立しているか否かといった点が最終的な処分に大きく影響します。
示談というのは、被害者との合意のことを意味しますが、通常は、加害者が被害者に対して慰謝料を含めた被害弁償を行う一方、被害者から許しを得、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことをいいます。
被害者のいる事件では、被害が金銭的に回復されたか否か、被害者が加害者に対してどのような感情を抱いているのか(厳しい処罰感情があるのか、処罰を求めていないのか)といった点が、処分を決めたり、宣告刑を決めるにあたって重要な意味を持ちます。
特に、被害者等の告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」に該当する罪を犯した場合には、被害者との示談が成立し、被害者からの許しを得ているのであれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分で事件を終了させることになります。
親告罪ではない場合でも、被害者との示談が成立していることが考慮され、不起訴処分となるケースは多くなっています。
起訴後であっても、被害弁償や示談は量刑上重要な要素となりますので、捜査段階で示談が成立していない場合でも、公判期日までに示談が成立するよう示談交渉に動くことは重要です。

以上のように、容疑を認めている場合には、被害弁償や示談成立に向けて活動することは、最終的な処分への影響という点で重要です。

また、刑事事件の段階で被害者と示談を成立させることにより、別途民事訴訟を起こされる危険性を回避することができます。

少年事件における被害者対応

刑事事件における被害者対応、つまり被害弁償や示談は、最終的な結果に大きく影響するという意味で重要であると言えますが、少年事件においても同様のことが言えるのでしょうか。

少年審判では、非行事実と要保護性の2点について審理されます。
非行事実は、成人の刑事事件でいう公訴事実です。
要保護性は、一般的に次の3要素から構成されるものと理解されます。
①再非行性
少年の現在の性格、環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効適切であること。
少年審判では、非行事実と要保護性が審理されるので、例え非行内容が重いものであっても、要保護性が解消されていると判断されれば、保護観察処分などの社会内処遇が言い渡される可能性があります。
逆に言えば、比較的軽い罪に当たる非行内容であったとしても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致などの重い処分となる可能性もあるということです。

このように、少年事件では、要保護性が最終的な処分に大きく影響します。
そして、この要保護性という観点からも、少年事件においても被害者対応が重要であると言えるのです。
少年事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響することはありません。
つまり、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立していることをもって事件を終了させることはありません。
しかし、家庭裁判所は、少年が、被害者への被害弁償や示談を通して、被害者の気持ちを考え、自分の行った行為を振り返り、その反省を深めることができたかどうかを見ており、その意味で、被害者対応が要保護性の減少につながり、処分にあたっても考慮される事情となります。
つまり、少年事件では、被害弁償や示談成立の有無それだけが考慮されるのではなく、例え示談が最終的には成立していなくとも、その過程で少年が被害者の気持ちを理解しようとし、事件と向き合い内省を深めたか否かも最終的な処分を決める際に考慮されることになるのです。

このように、成人の刑事事件における被害者対応と少年事件における被害者対応とでは、幾分か異なるところがあるため、少年事件でお困りであれば少年事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、被害者への対応にお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

盗撮で逮捕されたら

2021-01-03

盗撮逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、駅構内の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したところ、後ろにいた男性に、「盗撮しましたよね。」と言われ、腕を掴まれました。
Aさんは、最初は盗撮を否定していましたが、最終的には犯行を認めました。
その後、Aさんは、兵庫県芦屋警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
Aさんの帰りが遅いことを心配したAさんの母親は、警察署に連絡したところ、Aさんが盗撮逮捕されたことを知らされました。
Aさんの母親は、ショックを受けたと同時に、この後どのような流れでいかなる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

盗撮事件は、弊所の扱う刑事事件で最も多い事件のひとつです。
携帯電話やスマートフォンにカメラ機能が付いていることが通常であり、駅のエスカレーターや階段などといった場所で、自分のスマホを用いて、衝動的に盗撮を行うケースから、靴やカバン、さらにはペンなどといった物に小型カメラを仕込んで女性のスカート内を盗撮する計画的な盗撮のケースまで様々です。
メディアなどから得た誤った情報を基に、「盗撮は簡単にできる」、「身体に触れるわけじゃないから、相手もそんな嫌な気持ちにはならないだろう」、「ばれなければ大丈夫」などといった歪んだ認識を持ち、犯行に及ぶ傾向が見られます。
しかしながら、盗撮は犯罪です。
犯罪に軽いも重いもありません。

盗撮で逮捕された場合の流れ

盗撮逮捕される場合には、2つのケースがあります。
1つは、盗撮を行った際に、被害者や目撃者に身柄が拘束されてしまう場合です。
いわゆる「現行犯逮捕」です。
盗撮事件で逮捕されるケースの多くが、現行犯逮捕となっています。
見つからないと思っていても、不自然な行動は周囲に目立ちやすく、その場で犯行が発覚することが多いのです。
このように犯行現場で逮捕された場合、その後に警察に引き渡されることになります。

もう1つは、盗撮時には誰にも犯行がばれなかった場合や犯行が発覚したものの逃亡に成功した場合であっても、被害者が被害届を提出したり、目撃者が警察に通報するなどし、盗撮が警察に発覚すれば、警察は盗撮事件として捜査を開始します。
被害者や目撃者からの供述や周囲の防犯カメラの映像などから、犯人を特定します。
このように、捜査によって犯人が発覚した場合、かつ、被疑者の身柄を確保する必要があると判断されれば、警察は逮捕状を持って被疑者を逮捕します。
このような逮捕を「通常逮捕」といいます。
通常逮捕の場合、早朝に被疑者の自宅を訪れて逮捕したり、警察へ呼び出した後に逮捕するなどして逮捕が執行されることが多いようです。

どちらのケースであっても、盗撮逮捕されると、通常の刑事事件と同様に、逮捕後、まずは警察署で取り調べを受けます。
警察は、犯人をさらに拘束して取り調べる必要があると判断すれば、逮捕から48時間以内に、証拠や関係書類と共に被疑者を検察に送ります。
これを「送致」と呼びます。
盗撮事件では、初犯であり、容疑を認めており、家族などの身元引受人がいる場合には、検察に送致されずに、48時間以内に釈放となることも少なくありません。
しかしながら、職場や学校などでの盗撮事件のように、被害者との接触可能性がある場合や、余罪が疑われていたり、盗撮の常習者である場合には、検察に送致されることになるでしょう。

検察に送致されると、今度は検察官による取り調べを受けます。
検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、裁判官に勾留の請求をするかを決めます。
被疑者をさらに拘束して捜査をする必要があると判断すれば、検察官は裁判官に勾留の請求を行います。
検察官からの請求を受けた裁判官は、被疑者と面談を行った上で、送られてきた事件資料に目を通し、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定すると、被疑者は検察官が勾留請求を行った日から原則10日間の身体拘束を受けることになります。
他方、裁判官が勾留請求を却下すると、検察官が却下決定に対して不服申し立てを行わない限り、当該被疑者は即日釈放されることになります。

事件について起訴する起訴しないの判断を行うのは、検察官です。
捜査を遂げた結果、被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であり、その訴追が必要であると判断する場合に、検察官は裁判所に起訴状を提出して起訴します。
逆に言えば、そのような場合でなければ、検察官は起訴しない、つまり不起訴で事件を終了させることになります。
勾留されている場合には、検察官は、勾留期間内に起訴不起訴の判断を行います。
既に釈放されていれば、比較的ゆっくりと捜査が進み、検察官の終局処分判断までにも時間を要します。

検察官による起訴の種類も1つではなく、盗撮の場合には、略式起訴による略式手続に付されることも多いです。
略式手続は、簡略化された手続であり、検察官による簡易裁判所への略式命令の請求により、法廷での審理を行わず、検察官が提出した証拠のみに基づき、簡易裁判所が罰金・科料を科す略式命令を言い渡すものです。
勾留されているケースでは、勾留期間満期日に、検察官に略式手続についての説明を受け、被疑者の了解を得たうえで、即日略式起訴され、罰金を納めて釈放となります。

盗撮などの同種前科があったり、犯行態様が悪質であるなど、略式手続に付するのが相当ではないと判断されれば、検察官は公判請求を行います。
この場合、公開の法廷で審理されることになります。
起訴されると、被疑者段階での勾留が被告人勾留に切り替わり、原則2か月の勾留となります。
起訴後は、保釈制度が利用できるため、捜査段階では身体拘束を解くことが困難であった場合には、起訴後すぐに保釈を請求し、釈放されるよう準備しておく必要があるでしょう。

盗撮逮捕された後の流れは、以上のようになります。
ただ、盗撮の内容や前科の有無、被害者との示談成立の有無などにより、釈放の可能性や最終的な処分結果も異なります。
ご家族が盗撮逮捕されたのであれば、早期釈放やできる限り穏便に事件を解決するために、早期に弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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