Archive for the ‘性犯罪’ Category

強盗・強制性交等罪で逮捕

2020-11-01

強盗・強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aは、兵庫県高砂市にあるアパートの一室に侵入し、その場にいたVに対し、包丁を突きつけ、「静かにしろ。」などと脅迫し、抵抗できなくなったVに馬乗りになり性交しました。
さらに、Aは、Vが抵抗できなくなっている状態にあることから、「金を出せ。」などと脅迫し、Vから現金2万円を奪って逃亡しました。
翌年、兵庫県高砂警察署の警察官がA宅を訪れ、住居侵入、強盗・強制性交等の容疑でAを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、罪名を告げられ、ショックを受けています。
しかし事件の詳細や今後の流れについて分からず不安になったAの家族は、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

強盗・強制性交等罪とは

平成29年の刑法改正以前は、強盗犯人が強姦行為をした場合、強盗強姦罪が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされていました。
一方、強姦犯人が強盗行為をした場合、強姦罪と強盗罪の併合罪となり、その法定刑は5年以上30年以下の有期懲役とされており、強盗行為と強姦行為のどちらが先行したかによって刑に差が生じていました。

しかし、平成29年の刑法改正において、同一の機会に、強盗強制性交等罪の行為が行われた場合につき、その行為の先後関係を問わず、強盗・強制性交等が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされました。

刑法第241条 
強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第179条第2項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は7年以上の懲役に処する。

◇主体◇

強盗・強制性交等罪の犯行の主体は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者
です。
①には、強盗罪の他、事後強盗罪、昏睡強盗罪を含みます。
②には、強制性交等罪の他、準強制性交等罪も含みます。

◇行為◇

強盗・強制性交等罪の実行行為は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、①強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯すこと、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、②強盗の罪もしくはその未遂罪を犯したこと、
です。
強盗の罪(未遂を含む。)と強制性交等の罪(未遂を含む。)は、同一の機会に行われていることが必要です。

◇故意◇

強盗・強制性交等罪の成立には、強盗の罪(未遂を含む。)および強制性交等の罪(未遂を含む。)の認識・認容が必要となります。

強盗・強制性交等罪で逮捕されたら

強盗・強制性交等罪で逮捕された場合、非常に重い罪であるため、逮捕後に勾留される可能性は高いと言えるでしょう。

事件について身に覚えがない場合、弁護士を通して冤罪を証明する証拠を収集し、捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、冤罪を主張する必要があります。
また、虚偽の自白がとられることのないよう、弁護士から取調べ対応について的確なアドバイスを受けることも大切です。

他方、容疑を認める場合には、被害者に対して真摯に謝罪し、被害弁償を行うことが重要です。

強盗・強制性交等罪は親告罪ではないため、被害者等の告訴がない場合でも、公訴の提起が可能です。
被害者への被害弁償が済んでいることにより必ずしも起訴されないというわけではありませんが、きちんと被害者に謝罪や被害弁償をしていることが裁判で被告人に有利な事情として考慮されることはありますので、被害者への対応は重要です。

また、強盗・強制性交等事件は、裁判員裁判の対象事件となりますので、裁判員裁判にも豊富な経験を持つ弁護士に弁護を任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が強盗・強制性交等罪で逮捕されてお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

多目的トイレへの盗撮目的侵入

2020-10-25

多目的トイレへの盗撮目的侵入を行った場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県福崎郡市川町に住むAさんは,かねてより女性がトイレをしているところに興味があったことから,
商業施設の多目的トイレ盗撮用のカメラを仕掛けることにしました。
ある日Aさんは,自宅近くにある商業施設に赴き,多目的トイレの中に入って,盗撮用のカメラを設置しました。
しかし,その後にトイレを使用したBさんに,カメラがあることを見抜かれてしまい,兵庫県福崎警察署の捜査もあって,Aさんは逮捕されしまいました。
(フィクションです)

Aさんの行為について,トイレにカメラを設置すること自体は各都道府県の迷惑防止条例によって処罰される場合がありますが,そもそもトイレに入った行為に何らかの犯罪が成立するのでしょうか。

1 多目的トイレについて

商業施設等にある多目的トイレは,男女両方とも使用できるようになっていることが多く,入り口も男女のトイレとは別のところにあるところも多いです。
また,トイレの前にわざわざ係員などが立っているといったこともなく,営業時間内であれば,誰でも自由に立ち入れる様になっています。

2 建造物侵入罪について

人の住居ではない,商業施設等の建造物に侵入する行為は,建造物侵入罪で処罰されます。
建造物侵入罪は,①正当な理由なく②人の看守する建造物に侵入した場合に成立します。
ただ,「正当な理由なく」という要件には,特別な意味はないと考えられており,実際には
①その建物の管理者等の同意がないのに②人の看守する建造物に侵入した場合に罪が成立すると考えられています。

3 管理者の同意の有無

まず,管理者の同意の有無について考えます。
1つ目の問題として,トイレの前には管理者(商業施設の職員)が立っているわけではないのに,同意の有無をどのように考えるかという問題があります。
これは,もしそこに立っていたらどうなるか,ということを基準に考えることになります。
2つ目の問題は,いちいち立入りの理由を告げることはないが,そこをどのように考えるか,という問題です。
たとえば男性が女子トイレに入る行為などは,立ち入る理由が考えづらく,立ち入ることに管理者が同意するとは考えられません。
しかし,盗撮目的多目的トイレに入る行為は,外から見ているだけでは,本当にトイレを使う目的なのか,そうでないのかがはっきりしません。このような場合に,正当な理由の有無はどのようにして判断するのでしょうか。
これについても,もし本当の目的を知ったら,管理者が同意するのか,という観点から判断することになります。

多目的トイレの中に盗撮用のカメラを仕掛けるということを知っていたら,当然管理者はトイレへの立入りを同意するはずありませんから,管理者の同意はないものと考えられます。

4 人の看守する建造物

「看守」とは,現にそこに人がいて見ているという意味ではなく,その部分を事実上管理・支配していることを言います。
多目的トイレの場合にも,現に警備員や職員が見張っているわけではありませんが,入り口の前の通路には防犯カメラが設置されていたり,
使用を禁止する場合のための鍵などが設置されていることが通常ですから,この部分も人の看守する建造物ということになります。
なお,建造物は,建物全体を念頭に考えても構いませんし,トイレのような一区画を念頭に考えても構いません。
今回のような事例の場合には,そもそも商業施設に立ち入ることさえ,管理者は同意しないでしょうから,商業施設の入り口を入った段階で建造物侵入を認めることもできると思われます。

このように、盗撮目的での多目的トイレへの侵入行為は、建造物侵入罪に該当する可能性があります。

ご家族が盗撮目的での多目的トイレへの侵入で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。。

少年事件における弁護士の役割

2020-10-04

少年事件における弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県伊丹市の駅構内で、女子高生のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、兵庫県内に住む大学生のAさん(18歳)が迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕後、釈放されたAさんは、今後どのような手続きを踏み、如何なる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
Aさんは、Aさんの父親と共に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年事件の特色

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、罪を犯した場合、あるいは、刑罰法令に触れる行為を行ったり、将来おいてそのおそれがある場合、主に少年法に基づいた手続に付されることになります。

◇少年法の目的◇

少年法は、少年の健全な育成という観点から、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的としています。
つまり、少年法の目的は、少年の健全育成にあります。
それは、少年法が、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来二度と犯罪ないし非行を行わないよう、その少年の改善教育することを目的とするものだということを意味しています。

◇全件送致主義◇

少年事件では、犯罪の嫌疑があるすべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件においては、成人の刑事事件における起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、ぐ犯事件として家庭裁判所に送致されることがあります。

少年事件における弁護士の役割

少年は、成人と比べて、法的知識はもとより社会的知識が不足しており、表現力にも乏しいため、捜査機関などからの説明を誤解したり、自分の気持ちを上手く言葉にすることができない場合があります。
そのため、捜査官の誘導に乗ってしまい自己に不利な供述がとられてしまうことがあります。
そのようなことがないよう、弁護士は、少年の話をじっくりと聞いた上で、少年に対して少年が持つ権利を丁寧に説明し、取調べにおける対応方法についてアドバイスを行います。
少年が大人に対して不信感を持っていることも少なくないため、少年の話に耳を傾け、少年の気持ちを理解するよう努めることが弁護士に求められます。

また、少年事件では、逮捕・勾留・観護措置といった身体拘束の結果、退学や解雇となる可能性があり、少年の更生を大きく妨げてしまうことがあります。
そのため、弁護士は、事案に応じて、勾留や観護措置を回避するための活動を積極的に行います。

少年事件における弁護士の役割の中でも重要なものに、環境調整があります。
少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少させる弁護士の活動を「環境調整活動」といいます。
環境調整活動には、主に、少年自身に対するもの、保護者・学校・友人に対するものがあります。
少年自身に対しては、内省を促し、事件や少年自身が抱える問題と向き合い、事件の原因及び結果や被害者の心情・状況について考える機会を提供し、少年の内省を深めるよう支援します。
事件の背景には、少年の家庭環境や人間関係にあることが多く、保護者や学校、職場、友人等との関係を改善し、少年が更生に向けて進んでいけるよう周囲と協力し環境を調整します。
身柄の少年事件の場合、家庭裁判所に送致されてから3~4週間ほどで審判が開かれるのが通常となっており、捜査段階から審判を見据えて、早期に環境調整活動に着手する必要があります。

このように、少年事件において弁護士が果たす役割は大きく、最終的な処分にも影響を与え得ると言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

18歳未満との性交等:児童福祉法違反

2020-08-09

18歳未満との性交等を行い刑事事件(児童福祉法違反)となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県豊岡南警察署は、県外に住むスポーツクラブ講師Aさんを児童福祉法違反の疑いで逮捕しました。
18歳未満であることを知りながら、Aさんが指導するスポーツクラブに通う15歳の少女と性交をした疑いです。
Aさんは、「少女が18歳未満であることは分かっていたが、無理やりしたわけではなく、お互い同意の下でやった。」と話しています。
Aさんは、会社に事件のことが知られるとクビになるのではないかと心配しています。
(フィクションです)

18歳未満の者と性交等をした場合

18歳未満の者と性交や成功類似行為(以下、「性交等」といいます。)を行った場合、犯罪が成立し、刑事事件として手続に付される可能性があります。
前回は、淫行条例違反が成立する場合について説明しましたが、今回は「児童福祉法違反(淫行をさせる行為)」について解説します。

2.児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)

児童福祉法第34条1項6号は、「児童に淫行をさせる行為」を禁止しており、違反者に対しては罰則(10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方)が科される可能性があります。

判例によれば、ここでいう「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為」をいうのであり、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」は「淫行」に含まれます。(最高裁、平成28年6月21日決定)

また、淫行を「させる行為」については、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」をいうと解されます。
「させる行為」に当たるか否かは、「行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断」されます。

また、「させる」とありますが、児童と第三者が淫行をすることを助長・促進する行為だけでなく、自身が行為者となり児童と淫行をする場合も、それが事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をすることを助長・促進したのであれば「させる行為」に当たります。

上の判例では、児童と被告人は同じ学校の生徒と教師という関係であり、「各性交は、児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交であり、同児童が通う高等学校の常勤講師である被告人は、校内の場所を利用するなどして同児童との性的接触を開始し、ほどなく同児童と共にホテルに入出して性交に及んでいる」ことから、「このような事実関係の下では、被告人は、単に同児童の淫行の相手方となったにとどまらず、同児童に対して事実上の影響力を及ぼして同児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をしたと認め」ています。

淫行相手に児童に淫行をさせる罪を認めたケースでは、行為者と児童とが、親子関係またはこれに準ずる関係性にあったことや、教師と生徒との関係またはそれに準ずる関係性にあり、当該関係性の下で児童に心理的に作用し、児童に影響力を及ぼす状況があったことが認められています。

被害者が存在する刑事事件における重要な弁護活動の一つは、被害者との示談交渉です。
被害者との示談が成立しているか否かは、被疑者・被告人の最終的な処分の結果にも大きく影響します。
児童福祉法違反事件においても、被害者との示談の有無は重要です。
上の事例のように、被疑者と被害者との関係性が指導者と生徒である場合、示談交渉の実際の交渉相手は被害児童の保護者となります。
通常、被害者の保護者との示談交渉は、通常の示談交渉よりも、処罰感情が激しく、交渉も困難だと言われています。
そのため、加害者が直接被害者と交渉することはあまり得策とは言えません。
刑事事件に精通する弁護士を介して示談交渉を進めるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
児童福祉法違反事件で被疑者となり対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、専門ダイアル(フリーダイヤル:0120-631-881)で24時間受付ております。

18歳未満との性交等:淫行条例違反

2020-08-02

18歳未満との性交等を行い刑事事件(淫行条例違反)となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県三田警察署は、県外に住むAさんを兵庫県青少年愛護条例違反の疑いで逮捕しました。
18歳未満であることを知りながら、無料通信アプリで知り合った15歳の少女と性交をした疑いです。
Aさんは、「少女が18歳未満であることは分かっていたが、無理やりしたわけではなく、お互い同意の下でやった。」と話しています。
Aさんは、会社に事件のことが知られるとクビになるのではないかと心配しています。
(フィクションです)

18歳未満の者と性交等をした場合

18歳未満の者と性交や性交類似行為(以下、「性交等」といいます。)を行った場合、犯罪が成立し、刑事事件として手続に付される可能性があります。
該当し得る罪としては、以下のようなものがあります。

1.淫行条例違反

各都道府県は、青少年(18歳未満の者)の保護育成とその環境整備を目的にした条例を制定しています。
兵庫県は、「青少年愛護条例」を制定しており、その第21条は、青少年とのみだらな性行為等を禁止しており、違反者に対する罰則を設けています。

第21条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。

本条例における「みだらな性行為(=「淫行」)」の意義については、福岡県の青少年保護育成条例についてではありますが、最高裁判所の判例で、以下のように解されています。

『「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。けだし、右の「淫行」を広く青少年に対する性行為一般を指すものと解するときは、「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語自体の意義に添わないばかりでなく、例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものを含むこととなつて、その解釈は広きに失することが明らかであり、また、前記「淫行」を目にして単に反倫理的あるいは不純な性行為と解するのでは、犯罪の構成要件として不明確であるとの批判を免れないのであつて、前記の規定の文理から合理的に導き出され得る解釈の範囲内で、前叙のように限定して解するのを相当とする。』(最高裁大判昭60年10月23日)

結婚を前提としたような真剣交際の関係にあった場合には、淫行には当たらず、本条例違反を構成することはありません。

上の事例のように、ネットで知り合った青少年に対して、知り合ってから短期間で性交等に及んだ場合は、真剣な交際にあったとは認められ難いでしょう。
Aさんは、少女が18歳未満であったことは認識していたようですが、「お互いに同意の上での行為」だと主張しています。
しかし、この場合、相手が性交等に同意していたか否かは問題ではなく、相手の青少年を「誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」をしたか否かが問われているので、Aさんが相手の少女と性交に至る経緯や関係性などを考慮すると、Aさんの行為は「淫行」に当たるり、Aさんが相手を18歳未満だと認識していたのであれば、淫行条例違反が成立することになります。

もし、Aさんが相手を18歳以上だと誤信していた場合には条例違反が成立するのでしょうか。

兵庫県青少年愛護条例は、18歳未満であることの認識に過失があっても処罰するとしています。

6 第17条第1項(同項第4号又は第9号に係る部分を除く。)、第20条第1項若しくは第2項、第21条第1項若しくは第2項、第21条の2、第21条の3又は第24条第2項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項又は前3項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。(第30条6項)

例えば、相手が18歳以上を示す身分証明書を提示したため、18歳以上だと信じたけれども、実際には他人の身分証明書で相手は18歳未満であった場合には、相手を18歳以上だと信じるのが通常であるため、故意も過失もなく、上の規定に関わらず罪は成立しません。
しかし、提示された身分証明書がその相手のものではないと気付くような状況であった場合には、過失があったとして、条例違反が成立することになります。

兵庫県青少年愛護条例違反(淫行条例違反)の法定刑は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
初犯であり、立件された事件数も少ない場合には、罰金となるケースが多いでしょう。
しかし、初犯であっても、複数の事件が立件されており、その犯情も悪い場合には、公判請求され刑事裁判となる可能性もあります。
他方、早期に被害者(実際には、被害者の保護者)との間で示談を成立させることができれば、不起訴処分で事件を終了させる可能性を高めることができます。
ですので、18歳未満の者と性交等を行い、淫行条例違反で被疑者として捜査の対象となっているのであれば、できるだけ早くに弁護士に相談・依頼し、被害者との示談交渉に着手することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が淫行条例違反で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881へ。

盗撮事件で逮捕されたら

2020-06-28

盗撮事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県西宮市の駅構内の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、兵庫県甲子園警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、早期釈放と前科回避に向けてすぐに動いてくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

盗撮で問われる罪とは

スマートフォンのカメラ機能を利用して行う盗撮や、小型カメラを靴やペンに仕込んで行う巧妙な盗撮など、様々な方法で盗撮は行われています。
もちろん盗撮は犯罪です。
盗撮は犯罪であることは、よく知られたところですが、盗撮が何の罪に当たるかについてまでご存じの方はそう多くありません。

法律上、「盗撮罪」という罪はありません。
盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例で禁止される「卑猥な言動」に当たることが多く、迷惑防止条例違反という罪が成立する可能性があります。

兵庫県の迷惑防止条例は、その第3条の2において、「卑わいな行為等」を禁止する規定を定めています。
同条で禁止される行為は以下の通りです。

(1)公共の場所・乗物における「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」および「正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で、写真機等を設置する行為」の禁止
「公共の場所」は、不特定多数の者が自由に出入りし利用できる場所のことで、「道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場、飲食席、遊戯場その他の公共の場所」です。
同様に、「公共の乗物」とは、不特定多数の者が、自由に利用することができる乗物をいいます。
つまり、誰でも行ける(いる)ことができる場所・乗物のことです。
そのような場所で、「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」をしたり、「人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影するために、写真機を設置」することが禁止されています。
「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」というのは、「社会通念上、性的道着観念に反する下品でみだらな言動または動作」をいいます。(最高裁判例)
盗撮は、この「卑わいな言動」に当たります。
盗撮に加えて、盗撮目的での写真機の設置も規制対象となります。

(2)公共の場所・乗物を除く、集会所、事業所、タクシーその他の不特定多数の者が利用するような場所・乗物において、「人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為」や「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」をしたり、「人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影するために、写真機を設置」することが禁止されています。
公共の場所・乗物だけでなく、その他の不特定多数の人が利用するような場所・乗物での、盗撮および盗撮目的での写真機等の向ける行為・設置行為も規制対象です。

(3)浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を受けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置することを禁止しています。

以上のように、兵庫県迷惑防止条例は、盗撮が行われた場所を「公共の場所・乗物」に限定しておらず、また、盗撮のみならず盗撮目的でのカメラ等を向ける行為や設置行為も禁止対象としています。
そのため、盗撮しようと思って、スマートフォンなどをスカート内に差し向け、現に下着などは撮影できていない場合であっても、条例違反が成立することになります。

盗撮事件における弁護活動

盗撮事件における主な弁護活動は、早期釈放に向けた身柄解放活動と不起訴処分獲得を目指す活動です。

1.身柄解放活動

逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察は、逮捕された人を釈放するか、それとも検察に証拠書類とともに送るか決めます。
検察に送致された場合、検察官が逮捕された人の身柄を受けてから24時間以内に、その人を釈放する、もしくは勾留請求を行います。
検察官が勾留請求すると、裁判官が、勾留するか否かの判断を下します。
勾留が決定した場合、逮捕された人は、検察官が勾留請求した日から原則10日間身柄が拘束されることになります。
その間は、学校や職場に行くことはできませんので、最悪の場合には退学や懲戒解雇となるおそれがあります。
そのような事態を回避するためにも、勾留が決定する前に、検察官に対して勾留請求しないよう、裁判官に対して勾留を決定しないよう働きかけることが重要です。
そのような働きかけにもかかわらず、勾留が決定してしまった場合であっても、その決定に対する不服申立を行い、できる限り早期に釈放となるよう身柄解放活動に従事します。

2.不起訴獲得を目指す活動

被疑者を起訴するか否かは、検察官が決めます。
起訴され、有罪判決が言い渡され刑罰が科されると、前科が付くことになります。
前科を回避するためには、検察官が今回の事件については起訴しない旨の決定をする、つまり不起訴処分で事件を終わらせる必要があります。

盗撮事件であれば、初犯であり、犯行が悪質でなく、被疑者との示談が成立している場合には、不起訴処分となる可能性は高いでしょう。
そのため、被害者との示談を成立させることが重要です。

このような弁護活動は、盗撮事件を含めた刑事事件・少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

勾留に対する準抗告に成功し釈放

2020-05-24

勾留に対する準抗告が認められ釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区の駅構内で、女子高生のスカート内にスマートフォンを差し入れ、盗撮したとして、会社員のAさんが目撃者らに取り押さえられました。
その後、Aさんは兵庫県東灘警察署の警察官に引き渡されました。
警察から逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、ショックのあまり寝込んでしまいました。
そうこうしているうちに、Aさんは勾留され、10日間は外に出られないと言われたAさんの妻は、慌ててネットで刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

あなたのご家族が逮捕・勾留されてしまったら

あなたの大切なご家族が刑事事件を起こし、逮捕されてしまったとしましょう。
あなたのご家族は、逮捕されてから48時間以内に釈放となるか、証拠や関係書類と共に検察庁へ送られます。
検察庁に送られた場合、担当の検察官は、被疑者であるあなたのご家族を取り調べます。
取調べた上で、送られてきた証拠や関係書類等を検討し、あなたのご家族を勾留すべきかどうか判断します。

勾留」というのは、逮捕された被疑者や被告人の逃亡や証拠隠滅を防ぐために、刑事施設に留置して身柄を拘束することをいいます。

勾留とするためには、勾留の理由と勾留の必要性がなければなりません。

勾留の理由というのは、
・罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること。
・定まった住居を有しないこと。
・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること。
・逃亡しまたは逃亡すると疑うに足りる相当の理由があること。
です。

このような勾留の理由がある場合でも、被疑者を勾留することによる利益と、勾留することにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留する必要がある場合でなければなりません。

以上の要件を満たしていると判断されると、検察官は裁判官に対して勾留を請求します。

勾留請求を受けた裁判官は、あなたのご家族と面談を行います。
面談を行った上で、検察官から送られてきた資料を検討し、あなたのご家族を勾留すべきか否かを決めます。
裁判官が勾留の要件を満たすと判断すれば、勾留の決定がなされ、あなたのご家族は、検察官が勾留請求をした日から、原則10日間刑事施設に拘束されることになります。

10日間の身体拘束となれば、その間、学校や会社に行くことはできません。
数日であれば、体調不良の口実も通るでしょう。
しかし、日数が増えるにつて、そのような口実も通らなくなり、学校や会社に事件のことを伝えなければならなくなるでしょう。
学校や会社に事件が発覚すれば、最悪の場合、退学や懲戒解雇となる可能性もあります。

そのような事態を回避するためにも、できるだけ早く釈放されることを目指しましょう。

しかしながら、逮捕から勾留が決定するまでは、あっという間なのです。
長くとも3日の内で決まってしまいます。
兵庫県では、多くの場合、検察へ送られた日に、勾留請求され、勾留が決まってしまいます。
ですので、ご家族が逮捕されたとの連絡を受けて、あれこれしている間に、いつの間にか勾留に付されていたなんてことは少なくありません。

勾留となってしまった場合でも、勾留の裁判に対して不服申立を行い、勾留を取り消し、釈放となる可能性はあります。
勾留に対する不服申立を「勾留に対する準抗告」といいます。
勾留を決定した裁判は間違っていると異議を申し立てるものです。
勾留に対する準抗告については、勾留を決定した裁判官ではない裁判官によって判断されます。
申立にあたっては、勾留の理由および勾留の必要性がないことを客観的な証拠に基づいて説得的に主張しなければなりません。
例えば、勾留の理由で、被疑者の逃亡・罪証隠滅のおそれが該当すると判断されていたのであれば、家族の監督が期待できることを、また、勾留の必要性については、被疑者家族は被疑者の収入で生活しているため、勾留により解雇された場合に被る不利益が著しく大きいことを主張します。

準抗告が認められれば、先の勾留の決定は取り消され、検察官の勾留請求も却下されますので、勾留されていた被疑者は釈放となります。

いつ釈放されるかで、拘束されたいた方やそのご家族のその後の生活も大きく変わってきますので、できるだけ早期の釈放を目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でご家族が逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年鑑別所収容を回避

2020-05-06

少年鑑別所収容を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住む高校生のAくん(15歳)は、盗撮の容疑で兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕された日の夜に、Aくんは釈放されましたが、余罪もあるようで、警察からその後も取調べで出頭してほしいと言われています。
釈放となり一安心したAくんとAくんの両親でしたが、ネットで調べたところ少年鑑別所に収容される可能性があることを知り、Aくんも収容されるのか心配になり、すぐに少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年鑑別所とは

少年鑑別所」は、文字通り、「少年」を「鑑別」するところです。
具体的にいうと、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な監護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。

少年鑑別所での鑑別は、「医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識・技術に基づき、鑑別対象者について、その非行・犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」とされています。
つまり、非行行為や罪を犯した少年が審判を受けるにあたって、様々な専門的見地から、少年が非行行為や罪を犯すに至った原因を明らかにし、再び過ちを繰り返さないよう少年の更生に適した処分を決めるための指針を示す目的で、少年の鑑別が行われるのです。

鑑別のために調査すべき事項は、少年の性格、経歴、心身の状態、発達の程度、非行の状況、家庭環境や交友関係、所在中の生活や行動の状況などです。

少年鑑別所に収容される場合とは

少年鑑別所に収容される場合は、主に、①捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合、そして、②家庭裁判所送致後に観護措置がとられた場合、です。

①勾留に代わる観護措置

警察に逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放する、あるいは、勾留請求を行います。
この際、被疑者が少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
「勾留に代わる観護措置」がとられた場合、勾留先は警察署の留置場ではなく、通常、少年鑑別所となります。
勾留の場合、勾留期間は原則10日で、勾留延長が認められれば、最大で20日となるのに対し、勾留に代わる観護措置については、その期間の延長は認められないため、勾留期間は10日です。

勾留に代わる観護措置で少年鑑別所に収容されている間、あくまで「勾留」の代わりで少年鑑別所に収容されているため、当該少年は鑑別されるのではなく、引き続き捜査機関からの取調べを受けることになります。

②観護措置

捜査機関の捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」とは、家庭裁判所が、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図るながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者がとられることはほとんどありません。

観護措置の期間は、法律上は、2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされています。
しかし、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は、通常4週間となります。

先述のように、家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられることがほとんどです。
また、捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、観護措置が必要と判断されて観護措置がとられることもあります。

少年鑑別所収容を回避する活動

上で述べたように、少年鑑別所に収容される場合には、勾留に代わる観護措置がとられる場合と家庭裁判所送致後に観護措置がとられる場合とがあることを説明しました。
収容措置がとられると、長期間通常の生活をすることができませんので、その後の少年の生活に支障をきたしていまい、少年の更生の障害となってしまう可能性もあります。

そのような事態を回避するためには、それぞれの措置がとられる前に、当該措置をとる必要がないことを主張し、関係機関に働きかけることが重要です。
捜査段階では、勾留に代わる観護措置はもとより、勾留されることがないよう、勾留する理由および必要性がない旨を、客観的な証拠に基づいて、検察官および裁判官に主張することが求められます。
また、家庭裁判所に事件が送致された段階で、観護措置の必要性がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置の要件・必要性がないことや観護措置を避けるべき事情があることについて、意見書の提出や裁判官との面談を通じて説得的に主張する必要があります。

このように、適時に対応する必要がありますので、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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痴漢事件で前科回避に動く弁護士

2020-05-04

痴漢事件で前科回避に向けた弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
JR神戸線の姫路行快速電車に乗車していた会社員のAさんは、隣に座っていた若い女性の太ももを触るなどの痴漢行為を行いました。
垂水駅で下車したAさんは、後ろから誰かに声を掛けられ、振り返ると車内で隣に座っていた被害女性でした。
痴漢しましたよね。一緒に来てください。」と腕を掴まれて、そのまま駅の事務室に連れていかれました。
その後、Aさんは兵庫県垂水警察署で取調べを受け、翌日に釈放されました。
Aさんは、自分の軽率な行為を反省しており、今回の事件で前科が付いてしまうのか心配しています。
(フィクションです)

前科について

刑事事件を起こし、被疑者となってしまった場合、必ずしも前科が付くわけではありません。
前に罪を犯して、有罪の判決を受けたことを「前科が付く」といいます。
前科の定義については、法律で定められたものがあるわけではありませんが、一般的には有罪判決を受けた事実を「前科」と理解されています。
このように、前科は、有罪判決を受けた場合に付くことになります。
有罪判決を受けたというのは、公開の法廷で審理を受け、裁判官から有罪判決の言い渡しを受けた場合に限らず、略式手続で略式命令を受けた場合も含みます。

前科が付くことによって生じる影響とは、以下のようなものが考えられます。

①再犯した場合に処分が重くなる

残念ながら、再び罪を犯してしまった場合、初犯としては扱われず、受ける処分が重くなることになります。

②資格が制限される

前科が付くことにより、ある一定の資格を取得すること、もしくは、資格を取得している場合には資格がはく奪されることがあります。
資格の種類や前科の内容によっては、必ず資格が取得できなくなったり、取り消されたりするようなものもあります。
例えば、弁護士は、執行猶予が付いていても禁固以上の刑に処せられた場合には、資格を取り消されることになります。

③海外への渡航が制限される

国によっては、前科を有していることが入国やビザの取得できないことがあります。

前科を回避するためには

上のような不利益が生じる前科回避するには、不起訴を獲得することが重要です。
「不起訴」というのは、公訴を提起しないとする処分のことです。

不起訴処分には、①罪とならず、②嫌疑なし、③嫌疑不十分、④起訴猶予の種類があります。
不起訴となる場合の多くが、④の「起訴猶予」です。
起訴猶予は、被疑者が犯罪を犯したという証拠が十分あり起訴することも可能であるが、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況を考慮し、起訴する必要がないと判断され、不起訴となることです。

上のケースでは、Aさんは容疑を認めていますので、起訴猶予での不起訴の獲得を目指すことになるでしょう。
起訴猶予を獲得するためには、被疑者が反省していることや、被害者との示談が成立していることなどが重要なポイントとなります。
示談が成立することによって、被疑者の反省の態度を示すことにもなりますし、被害者との和解が成立しているとして被疑者にとって有利な材料にもなります。

示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
罪証隠滅の関係で、加害者が、警察から被害者の連絡先を教えてもらうことは稀ですし、被害者は加害者に対して怒りや恐怖の感を抱いていることが多いので、連絡先を教えることを拒否したり、連絡をとることができたとしても、感情的になり交渉がうまく進まないことが多いのです。
ですので、弁護士を介して冷静に交渉を行うことにより、当事者両方が納得のいく内容での合意締結が期待されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件も含めた刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
痴漢事件を起こしてお困りの方、示談交渉でお悩みの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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少年事件における示談

2020-04-28

少年事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区に住むAくんは、市内の商業施設で盗撮行為を行ったとして、兵庫県東灘警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
その日の夜に釈放されたAくんですが、Aくんの両親は被害者の方にきちんと謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
しかし、どのようにすればよいのか分からず、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

示談とは

示談」というのは、加害者が被害者に対して、相応の賠償を行う代わりに、被害者は被害届の提出を行わないなど、今回の事件については当事者間では解決したとする約束のことです。
多くの場合、被害者に対する賠償は金銭的なものとなります。

示談が成立している場合には、起訴・不起訴の判断をする検察官は、不起訴とする可能性が高いと言えます。
告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」においては、被害者との示談が成立し、被害者から告訴されていなければ、検察官は起訴することはできませんので、この場合不起訴となります。
非親告罪においては、検察官は、被害者との示談が成立している場合であっても、起訴することはできます。
しかし、起訴・不起訴を判断する際に、被害者との示談成立の有無は考慮される要素のひとつですので、他の考慮要素と併せて検討した上で、不起訴とするケースは少なくありません。

また、起訴された場合であっても、被害者との示談成立は、被告人に有利な事情として裁判で主張することができ、量刑にも反映するものとなります。

このように、刑事事件において、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、最終的な処分にも大きく影響することになりますので、非常に重要だと言えるでしょう。

少年事件における示談の効果

さて、成人の刑事事件における示談の効果について先述しましたが、少年事件の場合も同様の効果をもつのでしょうか。

少年事件においては、示談が成立したことが直ちに少年の処分に影響するということではありません。
しかしながら、被害者に誠実に対応し、被害者に謝罪・被害弁償を行うという経験が、少年自身の内省を深めるという場合があります。
この点、少年の更生に有利であることはもちろん、審判での審理対象でもある少年の要保護性の解消にもつながり、ひいては処分を決める際にも考慮される要素となります。
その意味で、少年事件においても、示談は重要であると言えるでしょう。
また、被害者感情が重要視される昨今では、家庭裁判所も被害弁償の有無や経緯には大きな関心を持っています。
そのため、早い段階から積極的に被害者との示談や被害弁償を試みる必要があるでしょう。

示談交渉は、一般的に、弁護士を介して行われます。
捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、事件で被害にあった被害者が加害者と直接連絡をとりたくないケースも少なくありません。
ですので、弁護士を通して示談交渉を行うほうが、交渉が円滑に進む場合が多いのです。

被害者との話し合いの状況や示談成立の見込みなどについては、随時、弁護士から裁判官に報告し、示談が成立した場合には速やかに示談書を提出し、示談成立の報告を行います。
そして、少年の反省の度合いや意識の変化、保護者の関与の度合い、示談に向けた努力の程度などについても報告し、少年の要保護性の解消につながる事情をしっかりと伝えます。
示談が成立しなかった場合であっても、被害者に対応するなかで、少年が内省を深めたことなどを伝えることが重要です。
このように、少年事件においては、単に示談が成立したか否かが重要なのではなく、被害者に対応する中で、如何に少年が事件や自身の問題を向き合い、被害者の気持ちを考え、自身の行為について反省することができたかが重要となります。

お子様が事件を起こしお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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