Archive for the ‘性犯罪’ Category

児童福祉法違反(淫行をさせる行為)で逮捕

2021-07-25

児童福祉法違反淫行をさせる行為)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県明石警察署は、自身の経営する塾に通う女子高生にみだらな行為をさせたとして、Aさんを児童福祉法違反淫行をさせる行為)の疑いで逮捕しました。
女子高生と両親が同署に相談したことで事件が発覚しました。
被害を受けた女子高生は、「言うことを聞かないと志望校に受からないと思った。」と話していますが、Aさんは「恋愛感情があった。」と述べており、容疑を否認しています。
(フィクションです。)

児童福祉法違反(淫行をさせる行為)について

児童福祉法第34第1項第6号条は、「児童に淫行をさせる行為」を禁止する旨を規定しています。
児童福祉法違反(児童に淫行をさせる行為)は、社会における児童の福祉を保護法益とするものです。

児童福祉法で定義される「児童」の対象年齢は、「満18歳に満たない者」であり、18歳未満の者が「児童」に当たります。

「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為」を意味し、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として取り扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」が「淫行」に該当するものと理解されています。(最判平28年6月21日)
性交に準ずる性交類似行為には、手淫、口淫、素股、肛淫等を伴う男色行為、バイブレーダーを調達して児童に手渡し、自己の面前において、児童をしてこれを性器に挿入させる行為などが該当します。

また、「させる行為」については、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが、そのような行為に当たるか否かは、行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断する」とされます。(最判平28年6月21日)
雇用関係や身分関係などにより、行為者が児童を支配している場合には、淫行を助長促進する行為は、必ずしも積極的でなくてもよいと解されており、飲食店の経営者が、住み込み女中である児童が客と淫行することを承認した場合(最判昭30年12月26日)においても、児童に淫行をさせる行為を認めています。
「させる行為」とあるのは、児童福祉法第34条第1項第6号が、本来は売春防止法と同様の趣旨で、特に児童に売春をさせることを処罰する目的で立法されたためです。
しかし、判例は、自己を相手とする淫行をさせる場合も、「させる行為」に当たるとの解釈を採用しており、自己を相手とする淫行であっても、それが「児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」と言えるものであれば、淫行を「させる行為」に当たると考えられます。
そのため、18歳未満の者との性交・性交類似行為すべてが児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)となるのではなく、行為者と児童との関係、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などを総合的に考慮して、児童に淫行をさせる行為と言えるのかどうかが判断されます。

上の事例においても、Aさんと女子高生との間の関係性(塾講師と生徒)から、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などといった要素が検討されることになります。

児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)の法定刑は、10年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその併科と非常に厳しいものとなっています。

相手方児童が被害者であるため、被害者への被害弁償や示談を成立させることを目指すことになります。
被害者自身は18歳未満であるため、示談交渉の相手は被害児童の保護者となります。
保護者の処罰感情は往々にして厳しく、示談交渉も難航することが予想されます。
そのため、刑事事件に詳しく、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有する弁護士を介して示談交渉をすることをお勧めします。
また、児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(これを「親告罪」といいます。)ではありませんので、事案によっては、示談が成立したとしても、公判請求される可能性もあります。
しかしながら、示談が成立している場合には、検察官が起訴猶予として不起訴で事件を終了させる可能性を高めることができますので、やはり、非親告罪であっても、被害者との示談の有無は最終的な処分に大きく影響を与える要素となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

自首する前に弁護士に相談

2021-07-07

自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、アルバイト先の更衣室に盗撮目的で小型カメラを設置しました。
しかし、従業員がカメラに気付いたようで、店長に報告したところ、盗撮の疑いがあるとして、兵庫県垂水警察署に相談することになりました。
その話を聞いたAさんは、犯人が自分であることを早く打ち明けるべきだとは思っていますが、このまま自首するのも不安なので、警察署に出頭する前に弁護士相談することにしました。
(フィクションです。)

自首が成立する要件とは

自首は、「犯罪事実または犯人が誰であるかが捜査機関に発覚する前に、犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示」です。

つまり、自首が成立する要件は、
①犯罪事実・犯人が捜査機関に発覚する前に
②捜査機関に対して
③犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し、
④処罰を求める
ことです。

①犯罪事実・犯人が捜査機関に発覚する前に

犯罪事実または犯人が捜査機関に発覚する前とは、犯罪事実(犯罪に該当する客観的な事実)が捜査機関に発覚していない場合、及び、犯罪事実は発覚しているが、その犯人が誰であるか発覚していない場合です。
上の事例では、「Aさんのアルバイト先の更衣室で盗撮目的でカメラが設置されていた」(盗撮に成功していたのであれば、盗撮されていた。)という犯罪事実については、アルバイト先の店長が警察に相談したことで、捜査機関に発覚しています。
ただ、その時点では、まだ犯人は特定されていない(と考えられます。)ので、「捜査機関に発覚する前」の要件はクリアしているものと思われます。
犯人が誰であるかは判明しているものの、単に犯人の所在が不明である場合は、「捜査機関に発覚する前」の要件には該当しません。

②捜査機関に対して

ここでいう「捜査機関」とは、検察官または司法警察員のことです。

③犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し

自首が成立するためには、犯人が自発的に犯罪事実を申告していることが必要です。
そのため、取調べや職務質問中に、犯罪事実を自白したとしても、それは自発的な申告とは言えず、自首は成立しないことになります。

④処罰を求める

犯人が自身の処罰・処分を求めていることも自首の成立要件です。
犯罪の一部を隠すために犯罪事実を申告する場合は、処罰を求める意思表示とはならず、自首は成立しません。

自首が成立した際の効果は、任意的減軽です。
つまり、裁判官の判断で、刑を軽くしてくれる場合があるということです。

 

自首をする前に弁護士に相談

自首をすることのメリットは、
①刑の任意的減軽事由であること。
②被疑者・被告人の有利な事情となること。
③身体拘束を回避できる可能性があること。
です。

①刑の任意的減軽事由

これは上でも述べた点ですが、自首が成立することで、裁判官が刑を軽くしてくれる可能性があるというメリットがあります。

②有利な事情

自ら犯罪事実を申告し、処罰を受ける意思を表明していることから、被疑者・被告人が反省しているということを裏付ける行動として、検察官による終局処分の判断の際や裁判官がどのような刑を科すべきかを検討する際に考慮されます。

③身体拘束の回避

自首したことにより、犯人が罪証を隠滅する可能性や逃亡する可能性が低いと判断され、逮捕や勾留となる可能性を低くする効果が見込めるでしょう。
もちろん、事件の軽重によっては自首した場合でも身体拘束が避けられない場合がありますが、そうでなければ身体拘束せずに在宅事件として捜査が進められるケースは少なくありません。

自首には以上のようなメリットがありますが、警察への犯罪事実の申告がすべて自首に当たるとは限りませんので、事前に弁護士相談し、自己のケースが自首に当たるのか、自首した後はどのような流れになるのか、見込まれる処分はどのようなものか、などを予め知っておくことにより、警察に出頭する際の不安を軽減させることができるでしょう。
また、事前に弁護を依頼している場合には、逮捕・勾留の回避に向けた弁護活動や被害者対応などの活動をすぐに行ってもらえ、事件が早期に終了する可能性を高めることになります。

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監護者わいせつ事件で逮捕

2021-07-04

監護者わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県丹波篠山市に住む会社員のAさんは、兵庫県篠山警察署から監護者わいせつ事件の被疑者として呼び出しを受けています。
Aさんは、妻の連れ子のV(13歳)に対して、胸を触るなどのわいせつな行為をしたと疑われています。
Vが、学校の先生に相談したことで事件が発覚し、Vは児童相談所に一時保護されています。
Aさんは、警察署に出頭する前に、逮捕される可能性や逮捕された後の流れについて、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

監護者わいせつ罪とは

監護者わいせつ罪は、平成29年の刑法改正により新設された罪です。

第179条 
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。

■犯行の主体■

監護者わいせつ罪の主体は、「18歳未満の者を現に監護する者」です。
「18歳未満の者を現に監護する者」とは、18歳未満の者を現実に監督し保護している者のことです。
これには、親権者が典型的な例となりますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」には該当しません。
他方、親権者でない者でも、事実上、現実に18歳未満の者を監督し保護する者であれば、監護者に当たります。
監護者に当たるかどうかは、監護者わいせつ罪が、依存・被依存あるいは保護・被保護によって生じる監護者であることによる影響力があること利用してわいせつ行為をすることに処罰の根拠があることから、依存・被依存あるいは保護・被保護の関係があるかどうか、そして、その関係は、具体的な影響力を及ぼせる程度であるかどうかといった点から判断されます。
衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から被疑者と被害者との関係性を分析し、その関係が継続的に続いているかどうかが検討されます。

■犯行の客体■

監護者わいせつ罪の客体は、現に監護されている18歳未満の者です。

■行為■

監護者わいせつ罪の行為は、①現に監護する者であることによる影響力に乗じて、②わいせつな行為をすることです。

①現に監護する者であることによる影響力に乗じて
「現に監護する者であることによる影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や、生活上の指導監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力のことをいいます。
その影響力に「乗じて」とは、現に監護するものであることによる影響力が一般的に存在し、かつ、行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為を行うことをいいます。
つまり、わいせつ行為を行う場面で、影響力を利用するために具体的な行為を行うことまで必要ではないけれども、監護者の影響力と無関係に行った場合には、影響力に乗じたとは言えません。

②わいせつな行為
ここでいう「わいせつな行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」と同じで、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為」をいいます。

■故意■

監護者わいせつ罪は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
監護者わいせつ罪の故意は、自己が18歳未満の者を現に監護する者であること、現に監護するものであることによる影響力があることに乗じること、わいせつな行為を行うことの認識・認容です。
18歳未満の者を現に監護する者であることの認識・認容については、現に監護する者に該当することの認識まで必要ではなく、これを基礎づける事実の認識・認容で足ります。

監護者わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪のそれと同じであり、6月以上10年以下の懲役です。

監護者わいせつ事件で逮捕されたら

監護者わいせつ事件では、被疑者と被害者との関係性から、被疑者の身柄を拘束をせずに捜査を進めると、被疑者が被害者、あるいは、被害者の母親と接触し、供述を変えるように迫るなど罪証隠滅のおそれがあると判断される傾向にあることから、被疑者の身柄を確保した上で、捜査が進められる可能性は高いでしょう。
つまり、逮捕される可能性も高く、その後に勾留が付くことが予想されます。
ただ、捜査段階での釈放が困難であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放される可能性はあるでしょう。
保釈が認められるかどうかの判断において、重要な要素のひとつに、罪証隠滅のおそれの有無があります。
逮捕・勾留の場面でも重要な要素となった罪証隠滅のおそれですが、やはり、起訴後、つまり、検察官が被疑者を有罪にするだけの十分な証拠を揃えた後であっても、被害者との接触を図り、被害者の供述を変えるよう迫るおそれは残ります。
そのため、被害者との接触の可能性がないことを立証し、裁判官に罪証隠滅のおそれがないと認めらもらうよう、起訴される前から準備しておく必要があります。

監護者わいせつ事件では、犯罪を立証するだけの十分な証拠があると検察官がと考える場合には、起訴される可能性が高いでしょう。
監護者わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、起訴=公判請求となり、公開の法廷で審理されることとなります。
ただ、有罪にするだけの証拠が揃っている場合であっても、被害者が、その精神的な影響を恐れ、裁判で証言することを拒否するケースも少なくなく、起訴しないとすることもあります。

監護者わいせつ事件で逮捕された場合、身体拘束が長引く可能性、公判請求される可能性が高いでしょう。
そのため、取調べ対応や保釈に向けた準備、公判に向けた準備を捜査段階から進めておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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盗撮の在宅事件

2021-06-27

盗撮在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県丹波市の商業施設内の女子トイレに侵入し、個室の扉の上部からスマートフォンを差し入れ、個室内にいた女性を盗撮したとして、兵庫県丹波警察署は、会社員のAさんを逮捕しました。
Aさんは、当初は犯行を否認していましたが、警察署での取調べにおいて容疑を認める供述をしました。
Aさんの父親が身元引受人として警察署に訪れ、Aさんは釈放されましたが、警察からは「後日取調べにまた来てもらう。」と言われており、今後どのような流れになるのか不安でたまらないAさんは、すぐに刑事事件に強い弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

盗撮で問われる罪とは

盗撮行為は、各都道府県で制定されている迷惑防止条例で禁止されている「卑わいな言動」に当たります。
兵庫県の迷惑防止条例(正式名称は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」です。)は、その3条の2において、盗撮行為を禁止しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

■1項■
まず、迷惑防止条例第3条の2第1項は、「公共の場所又は公共の乗物」での、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」、及び、「人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を設置する行為」を禁止しています。
「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、埠頭、興行場、飲食店その他の公衆が出入りすることができる場所で、「公共の乗物」とは、汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機、その他の公衆が利用できる乗物のことをいいます。
そのような場所・乗物内で、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」や、盗撮目的でのカメラ等の設置する行為が禁止の対象です。
「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」には、痴漢や盗撮も含まれます。

■2項■
続いて、同条2項では、不特定多数の者が利用する場所や乗物での盗撮盗撮目的でのカメラの差し向けや設置行為を禁止しています。

■3項■
最後に、3項は、人が通常衣服の全部・一部を着けない状態でいるような場所にいる人を盗撮したり、盗撮目的でカメラを向けたり、カメラを設置したりする行為を禁止しています。
ここでは、公共の場所・乗物や不特定多数が利用する場所・乗物には当てはまらない場所での盗撮等の行為が禁止されており、職場や学校、個人宅の浴場、更衣室、便所などでの盗撮がこれに当たります。

これらの規定に違反した場合には、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
常習性が認められた場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と加重されます。

盗撮の在宅事件の流れ

盗撮事件では、初犯であり、定職に就いており、身元がはっきりしている場合であれば、被疑者は逮捕されたとしても警察あるいは検察で釈放されるケースは少なくありません。
ただ、釈放されたことで事件が終了したと勘違いされる方もいらっしゃいますが、身柄を確保しないまま捜査は進められます。
釈放後に、何度か警察での取調べを受けた後に、事件は検察に送られ、今度は検察官による取り調べを受けることになります。
そして、捜査が終了すると、検察官は起訴するかどうかの判断を行います。
検察官が起訴・不起訴の判断をする際に考慮する要素のひとつとして、被害者との示談が成立しているか否かという点があります。
迷惑防止条例違反は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪と呼ばれる罪ではありませんが、被害者がいる事件では、被害者の処罰意思の有無も最終的な処分決定の判断に影響します。
初犯である場合には、被害者との示談が成立していれば、不起訴で事件が処理される可能性は高いでしょう。
そのため、不起訴で事件を終了させるためには、在宅事件であっても、早期に被害者との示談交渉を行い、示談を成立させることが重要となります。
通常、被害者との示談交渉は弁護士を通じて行います。
被害者との接触を避けるため、捜査機関が被疑者やその家族に被害者の連絡先を教えることはあまりなく、また、被害者も被疑者らと直接連絡を取ることを拒否する傾向にあるため、弁護士を介して行う方が交渉を円滑に進めることにつながりやすいからです。

盗撮事件を起こし、被害者への対応、示談交渉にお困りであれば、今すぐ刑事事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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まずはお気軽にお問い合わせください。

刑事事件における弁護人

2021-05-26

刑事事件における弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宝塚市のアパートに住む女性の部屋に、わいせつ行為目的でベランダの窓から侵入したとして、兵庫県宝塚警察署はAさんを強制わいせつ未遂、住居侵入の容疑で逮捕しました。
Aさんは、取調官から弁護人を選任することができる旨の説明を受けましたが、刑事事件に詳しい弁護士に頼みたいと考えています。
(フィクションです。)

弁護人とは

日本国憲法は、被疑者・被告人に弁護人依頼権を保障しています。
これを受けて刑事訴訟法は、被疑者・被告人の弁護人依頼権を規定しており、被告人の国選弁護人選任請求権、及び被疑者の国選弁護人選任請求権についても規定しています。
被疑者・被告人に弁護人依頼権が保障されているのは、刑罰権を行使する国家権力に対して、刑罰を受ける被疑者・被告人は弱い立場にあるため、被疑者・被告人の権利・利益を保護する法律を熟知した専門家が必要だからです。
罪を犯したとされる者は、被疑者・被告人として刑事手続に付され、身体拘束などの個人の事由が制限されることがあります。
有罪となった者には刑罰が科され、罰金を収めたり、刑務所に収容されることがあります。
このような処分は、個人の自由や権利を大きく害するものであるため、適正な手続に基づいて事件を処理していかなければなりません。
罪を犯したとされる者は、適正な手続の下で処罰されるべきであり、有罪であった場合にも、適正な量刑がなされなければなりません。
弁護人は、被疑者・被告人の権利・利益を守る上で、欠かすことのできない重要な役割を担っています。

弁護人には、選任の点から、国選弁護人と私選弁護人の2種類に分類されます。

国選弁護人

貧困その他の事情により、弁護人を選任できない場合に、国の費用で裁判所が弁護人を選任する「国選弁護制度」というものがあります。
この制度により選任された弁護人を「国選弁護人」といいます。

国選弁護人は、国の費用で裁判所により選任されるため、被疑者・被告人がその弁護費用を負担することはありません。
匡が費用を負担するため、被疑者・被告人が国選弁護人制度を利用するためには、一定限度の資力の有無が要件となります。
その要件とは、被疑者・被告人の資力が50万円未満であること、です。
被疑者・被告人の資力が50万円以上の場合には、弁護士会に私選弁護人選任の申出を行っていることが必要となります。
申出を受けた弁護士会は、弁護人候補者を被疑者・被告人に紹介するのですが、弁護人なろうとする者がいないとき、または、照会した弁護人が選任の申し込みを拒んだときには、国選弁護人選任の手続に入ることになります。
その他にも、職権により、被疑者・被告人に国選弁護人が付される場合、起訴後に弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときには、裁判長は職権で国選弁護人を選任します。

被疑者段階では、勾留に付されてから国選弁護人が選任されます。
被疑者国選弁護制度には、職権による場合と請求による場合とがあります。
職権による場合とは、死刑、無期、または長期3年を超える懲役・禁錮にあたる事件で勾留状が発せられ、かつ弁護人がいない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要があるとみとめるときに、裁判官が職権で国選弁護人を付するものです。
請求による場合は、被疑者段階で弁護費用を支払う資力のない被疑者に対して、国の負担で弁護人を付す制度です。
被疑者国選弁護制度は、勾留状が発せられていることが要件となっておりますので、逮捕段階では適用されません。

起訴後は、被告人国選弁護制度が適用され、それには請求によるものと職権によるものとがあります。
職権による場合とは、被告人が未成年者、70歳以上、耳が聞こえない、口がきけない、心神喪失・心身耗弱の疑いがある、その他必要と認めるときに裁判所が職権で国選弁護人を選任するものや、弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときに、裁判所が職権で国選弁護人を選任するものとがあります。
請求による場合は、資力50万円を基準とした要件を充たした被告人による請求を受け、裁判所が国選弁護人を選任するものです。

私選弁護人

私選弁護人は、被疑者・被告人、またはその家族等が依頼して選任する弁護人です。
国選弁護人とは異なり、弁護費用は自己負担となります。
しかし、被疑者・被告人やその家族が自ら弁護人を選ぶことができるので、刑事事件専門の弁護士や、信頼できる弁護士、実績がある弁護士など、好きな基準で選任することができる点が、国選弁護制度と異なります。
また、国選弁護人は勾留が決定してから選任することができるのに対して、私選弁護人は、身体拘束を受けていない在宅事件や、逮捕された直後から選任することができるため、勾留を回避するための活動や被害者の示談交渉などを早い段階から行うことができます。

適切な手続に基づいて事件を処理するよう、冤罪を防止するためにも、罪を犯したと疑われて対応にお困りであれば、できる限り早い段階から弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年の在宅事件で弁護士に相談

2021-05-19

少年在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市須磨区に住む中学生のAくん(15歳)は、見知らぬ女性に痴漢をはたらいたとして、兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
Aくんは、その日の夜に釈放されましたが、AくんもAくんの両親も今後どのように対応すればよいのか分からず不安で仕方ありません。
翌日、Aくんの父親は、ネットで探し出した少年事件専門弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

少年の在宅事件

捜査機関は、事件を認知し、犯罪の嫌疑があると考えるときに、捜査を開始します。
捜査を進めるなかで犯人を特定すると、犯人の身柄を確保して捜査を進める必要があると判断すれば、犯人を逮捕することがあります。
犯人の身柄を確保して捜査を進める事件を、一般に「身柄事件」と呼びます。
一方、犯人の身柄を確保することなく捜査を進める事件を「在宅事件」といいます。
犯人が未成年の少年であっても、身柄確保が必要である場合には逮捕・勾留がなされることがあります。
一般的には、比較的軽微な犯罪に当たる行為を行った場合は、逮捕されずに、あるいは、逮捕されたとしても逮捕から48時間以内に釈放され、在宅のまま捜査が進められることが多くなっています。

■捜査段階■

少年在宅事件の捜査段階の流れは、成人の在宅事件とほぼ同様となります。
先述しましたが、一度逮捕されても、その後勾留されずに釈放されて在宅のまま捜査が行われることもありますし、逮捕されずに捜査機関への出頭に応じる形で捜査が進むこともあります。
いずれにせよ、事件は勝手に終了するわけではなく、捜査機関による捜査は手続に沿って進められることになります。
まずは、警察署での取調べを受け、犯行現場で犯行態様の確認をしたりします。
大人であっても取調べを受けるときは緊張するものですので、事前に弁護士に相談し、取調べではどのようなことが聞かれ、どのように回答したらよいかについてアドバイスを受けておくのがよいでしょう。
警察での取調べが終わると、事件は証拠物や関係書類とともに検察官に送られます。
一定の場合には、警察から直接家庭裁判所に事件を送ることもあります。
事件を受理した検察官は、少年を呼び出して事件について取調べを行うこともありますし、呼び出さずに警察から送られてきた書類と一緒に事件を家庭裁判所に送ることもあります。

■家庭裁判所送致後■

家庭裁判所が事件を受理すると、調査官は少年に関する社会調査を行います。
調査官による調査は、少年の要保護性について行われます。
要保護性という用語は多義的に用いられますが、一般的には次の3つの要素から構成させるものと理解されています。
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
・保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があること。
・保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
調査官の調査の結果、家庭裁判所が審判を開始するのが相当であると認めれば、審判開始決定がなされます。
そうでないときは、審判開始不開始決定が行われ、事件は終了となります。

家庭裁判所は、事件を管轄する間、いつでも観護措置をとることができます。
観護措置というのは、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、調査官の観護に付する措置と少年鑑別所の送致する措置の2種類がありますが、実務上は前者はほとんど活用されておらず、観護措置というときには後者の措置を指します。
捜査段階で逮捕・勾留されている事件では、家庭裁判所に送致された後に、そのまま観護措置がとられることが多いのですが、在宅事件であっても、家庭裁判所が観護措置の必要があると認めれば観護措置がとられることがあります。
そのため、在宅事件であっても、家庭裁判所に事件が送致されたときには、観護措置をとらないように家庭裁判所に働きかける必要があるでしょう。

審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
つまり、少年がどのような行為をしたのか、そして、再びそのような行為をしないためにはどのような処分とすべきか、ということを明らかにします。
非行事実について特段争いがない場合には、要保護性の解消が審判のポイントとなります。
要保護性が解消されていると認められれば、社会内処遇での更生が期待できると判断され、保護観察となる可能性が高くなります。
しかしながら、要保護性の解消は、審判の日にその旨を述べるだけでは裁判官を納得させることはできません。
要保護性の解消に向けた環境調整活動は、できる限り早い段階から取り組む必要があります。
環境調整というのは、少年自身や少年の周囲の環境、具体的には家庭環境、学校、職場、交友関係などを少年の更生に適したものにする活動です。
そのためには、事件を起こした原因や少年が抱える問題を明らかにし、それらを解決する方法を探求し、実施していかなければなりません。
当然ながら、このような活動は少年ひとりで行うことはできません。
保護者や学校の先生方、職場の上司と協力して行う必要があります。
そして、少年と関係者と連携して環境調整を行うにあたってのファシリテイターとしての役割を担うのが弁護士です。
少年の内省を促進する、被害者がいる事件では被害者への被害弁償や示談を通じて少年に事件と向き合わせる、保護者と連携し家庭環境を改善する、学校関係者と話し合い少年の復学を支援するなど、弁護士が行う環境調整活動は多岐に渡ります。

お子様が事件を起こしてお悩みであれば、一度少年事件に精通する弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の対応にお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

刑事事件で示談成立

2021-05-09

示談成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県西宮市にある大学の女子トイレで盗撮をしたとして、同大学に通うAくん(21歳)は兵庫県西宮警察署に建造物侵入、迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、被害者へどのように対応すべきかについて弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

被害者への対応

盗撮事件のような被害者が存在する場合、被害者が被った被害を回復したか否かが、事件の最終的な処分に大きく影響することになります。
具体的に言うと、被害が金銭面で回復されたか、被害者が被疑者・被告人に対してどのような感情を抱いているのかが、検察官が処分を決めたり、裁判官が宣告刑を決めるにあたって重要な意味をもつことになるのです。
そのため、被疑事実・公訴事実に争いのない場合、つまり、被疑者・被告人が行っただろうと疑われている事実について認める場合には、弁護人である弁護士は、被害者との間で示談成立させるよう努めます。

示談とは

示談というのは、被害者との合意のことをですが、通常は、慰謝料を含めた被害弁償をし、被害者からの許しを得ることをいいます。

示談交渉は、一般的に、事件の当事者で直接行うよりも、弁護士を介して行います。
それは、弁護士を介して行うほうがスムーズに示談交渉ができる可能性が高いからです。

①被害者との連絡
まず、示談交渉に着手するためには、被害者に対し示談をしたい旨を伝えて話を進める必要があります。
被疑者・被告人が被害者の連絡先を知らない場合、被疑者・被告人が逮捕・勾留されており事実上連絡がとれない場合には、警察や検察官を通じて被害者の連絡先を入手するしか他ありません。
警察や検察官は、通常、被害者への働きかけを防ぐために被疑者・被告人本人やその家族に対して被害者の連絡先を容易に教えることはありません。
しかし、弁護人限りということであれば被害者の同意を得た上で被害者の連絡先を教えてくれることがあります。
被害者の了承を得た上ででなければ、いくら捜査機関と雖も個人情報を弁護士に教えてくれることはありませんが、交渉の窓口は弁護士であり、被疑者・被告人やその家族には連絡先を教えないと約束することで、安心して連絡先を教えてくれる被害者は少なくありません。

②示談交渉
被害者の連絡先を入手した後は、被害者(場合によってはその家族)との示談交渉を開始することになります。
当事者間の示談交渉は、感情的になるおそれがあり、円滑に進まない可能性が高いでしょう。
一方、弁護士を介してであれば、被害者の気持ちに配慮しつつ、被疑者・被告人の謝罪の意を丁寧に伝え、示談をすることのメリット・デメリットについてしっかりと説明することができますので、より冷静に交渉を行えることが期待できるでしょう。
例えば、示談内容に、被疑者・被告人が事件現場付近には今後近寄らないことなどの誓約を盛り込むことで、被害者に安心感を与えるなどのメリットを提示します。
また、弁護士を介して交渉することで、法外な示談金を支払うことがないように被害者と被疑者・被告人両者が納得する金額で取りまとめるよう努めます。

③示談書の作成
示談交渉の結果、合意が成立すれば、示談書を作成します。
示談書の作成は、法律の専門家である弁護士に任せましょう。
示談内容が不十分であれば、せっかく合意に至ったとしても、再度問題が生じたり、民事で訴えられたりする可能性があるからです。
示談書の内容は、通常、被疑者・被告人が謝罪する旨、示談金を支払う又は支払受領した旨、これ以外に債権がないことの確認(清算条項)、被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ち、などとなります。
被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ちには、様々なものがありますが、可能な限り処罰感情がないことを示す文言を明記することが望ましいでしょう。

示談の効果

検察官が起訴・不起訴を判断する前に、被害者との間で示談成立した場合には、検察官は、被害者に関する犯罪後の事情として考慮し、起訴猶予とする可能性を高めることができます。
被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(親告罪)である場合には、示談成立し告訴をしない旨(告訴をしている場合にはそれを取り下げる旨)の合意があれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分として事件を終了させます。
親告罪でない場合でも、被害者感情が重視される昨今では、示談成立しているのであれば、起訴猶予で不起訴処分とする可能性が高いでしょう。
起訴された後であっても、被害者のいる事件において示談成立しているかどうかは、量刑に大きく影響し得る事情のひとつであるため、裁判終了までに示談成立に向けて粘り強い交渉をしていくことが弁護人に求められます。

このように被害者との間で示談成立しているかどうかといった点は、最終的な処分や量刑に大きく影響しますので、早期に弁護士に相談し、示談交渉に着手することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきており、これまでも多くの被害者と示談交渉を行ってきました。
刑事事件を起こし、被害者への対応にお悩みの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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盗撮事件で準抗告認容で釈放

2021-05-05

盗撮事件で準抗告認容で釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市中央区にある駅構内のエスカレーターで、スマートフォンを差し向けて女性のスカート内を盗撮したとして大学生のAくん(21歳)は、兵庫県葺合警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、その後に釈放されるものと思いこんでいましたが、逮捕の翌日に勾留となり大変驚きました。
慌てた両親は、すぐに刑事事件専門弁護士に相談し、釈放に向けてすぐに動いてくれるよう依頼しました。
(フィクションです。)

逮捕後の流れ

Aくんは、盗撮事件の被疑者として警察に逮捕されました。
逮捕されたAくんは、兵庫県葺合警察署で取調べを受けます。
取調べでは、Aくんがやったと疑われる事実に間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
また、盗撮事件においては、盗撮に使用したスマートフォンも押収されます。
取調べに加えて、指紋とDNAが採取され、写真が撮影されます。
その後、Aくんは葺合警察署の留置場に収容されます。

逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか、証拠物や関係書類と一緒に警察官に送致するかを決めます。
兵庫県では、おおむね逮捕の翌日に送致されることが多いようです。
検察官に送致されると、Aくんの身柄は神戸地方検察庁に移され、担当検察官からの取調べを受けます。
ここでの取調べでも、Aくんがやったと疑われる事実について間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
担当検察官は、Aくんの身柄を受けてから24時間以内に、この取調べの内容と警察から送られてきた証拠物や関係書類を検討し、勾留請求するか、それとも被疑者を釈放するかを決めます。

検察官が勾留請求をすると、Aくんの身柄は今度は神戸地方裁判所に移され、裁判官と面談します。
そして、裁判官はAくんを勾留するかどうかを判断します。
裁判官が検察官がした勾留請求を却下すれば、Aくんは釈放されますが、勾留の決定をした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日間の身体拘束となります。

勾留となれば、Aくんは、逮捕から少なくとも約13日間葺合警察署の留置場にいることになります。
Aくんは大学生ですが、逮捕・勾留されている間は学校に行くことはもちろん、家に帰ることもできません。
被疑者が成人の場合、警察が学校に事件のことを伝えることはあまりありませんが、重要な試験が控えていたり、部活やサークルの大会が予定されている場合には、それらに出席することができないため、必要な単位を落としたり、友人に迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのような不利益を回避するためにも、一日でも早い釈放が望ましいでしょう。

準抗告とは

Aくんのように一度勾留が決まった場合でも、その決定を取消し釈放となる可能性はあります。
それは、裁判官がした勾留の裁判について、その取消を裁判所に求め、それが認められた場合です。
このように、第一回裁判期日前に行われた裁判官の判断に対する不服申立の手続を「準抗告」と呼びます。
勾留に対する準抗告では、勾留の要件を満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張する必要があります。
例えば、Aくんは被害者と面識がないため被害者に接触し被害届を取り下げるよう迫る可能性はないこと、その上でAくんが事件現場となった駅構内には今後近寄らないと約束していること、保護者による監督が期待できること、長期の身体拘束によりAくんが被り得る不利益が大きいこと、今後は弁護人を通じての被害者への被害弁償をする予定であること、などといった事情を説明し、勾留の理由も必要性もないことを主張することが考えられます。

不服申立についての判断は、最初に勾留を決定した裁判官とは別の裁判官3人によって行われます。
不服申立が認められ、最初の裁判が取消され、検察官の勾留請求を却下するとの決定がなされれば、Aくんは釈放されることとなります。

準抗告は、その申立てが遅くなればなるほど、被疑者の身柄拘束期間は長引きます。
より早く釈放を求める場合には、早期に刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
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再犯の痴漢事件で不起訴

2021-05-02

再犯痴漢事件で不起訴となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
電車内で女性客に対して痴漢をしたとして、兵庫県姫路警察署は会社員のAさんを迷惑防止条例違反で逮捕しました。
翌日、Aさんは釈放されましたが、痴漢の前歴があるためどのような処分となるのか不安で仕方ありません。
Aさんはすぐに刑事事件専門弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです。)

不起訴処分とは

原則、すべての事件が検察官に送られ、検察官が事件の処理をします。
検察官による事件の処理には、中間処分と終局処分とがあります。
中間処分というのは、終局処理にむけて処理を留保したり、別の検察官に処理を委ねる処分のことです。
終局処分は、検察官による終結的な処分のことで、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致とがあります。

不起訴処分は、公訴を提起しないとする処分で、その理由により以下のように分類されます。

①訴訟条件を欠く場合
被疑者が死亡した場合、被疑事件が日本の裁判管轄に属さない場合、親告罪の告訴・告発・請求が欠如・無効・取消された場合、同一事実について既に既判力がある判決がある場合、時効が完成している場合などです。

②被疑事件が罪とならない場合
被疑者が犯罪時14歳に満たない場合、被疑者が犯罪時心神喪失であった場合、被疑事実が犯罪構成要件に該当しない場合や犯罪の成立を阻止する事由のあることが証拠上明確な場合、犯罪の嫌疑がない場合、被疑事実について犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合などです。

③犯罪の嫌疑がある場合
被疑事実が明白な場合において、法律上、刑が必要的に免除されるべき場合や、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としない場合です。
後者の場合を「起訴猶予」といいます。
不起訴処分の多くが起訴猶予であると言われています。
起訴猶予とする一応の基準として次のような要素があります。
(a)犯人に関する事項
・犯人の性格…性質、素行、遺伝、習慣、学歴、知能程度、経歴、前科前歴の有無、常習性の有無など。
・犯人の年齢…特に、若年又は老年、学生など。
・犯人の境遇…家庭状況、居住地、職業、勤務先、生活環境、交友関係など。
(b)犯罪自体に関する事項
・犯罪の軽重…法定刑の軽重、法律上刑の加重減軽の事由の有無、被害の程度など。
・犯罪の情状…犯罪の動機・原因・方法・手口、犯人の利得の有無、被害者との関係、犯罪に対する社会の関心、社会に与えた影響、模倣性など。
(c)犯罪後の情況に関する事項
・行為に関して…犯人の反省の有無、謝罪や被害回復の努力、逃亡や証拠隠滅等の行動、環境の変化、身柄引受人その他将来の監督者・保護者の有無といった環境調整の可能性の有無など。
・被害者に関して…被害弁償の有無、示談の成否、被害感情など。

再犯痴漢事件について考えた場合、前歴があることは不利な事情になりますが、特定の被害者を狙ったり、強制わいせつ罪に当たるような痴漢行為であるなど悪質な痴漢ではないケースであれば、被害者との示談が成立していることや、専門的な治療を受けるなどといった再発防止措置がとられていることなどの犯罪後の情況に関する事項を考慮した上で、検察官が不起訴処分とする可能性はあります。
起訴猶予の基準のひとつである犯罪後の事情については、示談の成否と再発防止措置の有無が重要となります。
そのため、弁護士は、早期に被害者との示談交渉に着手し、また、再発防止に向けた措置をいかにして講ずるかについて被疑者本人やその家族と一緒になって考えます。

再び痴漢事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

盗撮事件で逮捕

2021-04-14

盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県赤穂郡上郡町にあるホテルの大浴場の脱衣所で女性を盗撮したなどとして県外に住むAさんが逮捕されました。
調べに対してAさんは、「撮ったことは認めるが、交際相手から指示を受けてやった。私は盗撮した画像をどうにかするつもりはなかった。」と話しています。
(フィクションです。)

盗撮をした場合

盗撮は、多くの場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例で禁止する行為に該当します。
兵庫県は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等に関する条例」の第3条の2において、以下のように規定しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

◇1項◇
第2条の2第1項は、「公共の場所」又は「公共の乗物」において、①人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動、或いは、②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

「公共の場所」とは、不特定かつ多数が自由に利用し、又は出入りすることができる場所のことをいいます。
道路、公園、広場など国や地方公共団体の所有地や施設のみならず、駅、桟橋、埠頭、デパート、飲食店、興行場も公共の場所に当たります。
「公共の乗物」とは、電車、バス、船舶、航空機その他不特定多数の者が利用するための乗物を指します。

①卑わいな言動については、一般人の性的道義観念に反し、他人に性的羞恥心、嫌悪を覚えさせ、又は不安を覚えさせるようないやらしくみだらな言語、動作をいうと解されています。(最決平20・11・10)
「不安を覚えさせるような卑わいな言動」と規定してあり、「盗撮」という文言は明記されていませんが、「盗撮」という行為が「不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるため、公共の場所・公共の乗物において盗撮をした場合には、迷惑防止条例第3条の2第1項に該当し、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為は、実際に盗撮に成功していない場合であっても、盗撮目的でカメラを「設置」する行為が禁止対象となっているため、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

◇2項◇
第2条の2第2項は、1項で規定されている「公共の場所・公共の乗物」を除いた「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所」において、①人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為、及び、②盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

◇3項◇
第2条の2第3項は、「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を」盗撮する行為、盗撮目的で写真機等を向ける行為、又は盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

事例のようなホテルの大浴場の脱衣所での盗撮は、この3項違反となります。

しかしながら、被写体が18歳未満の者であった場合には、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の罪が成立する可能性があります。
児童買春・児童ポルノ処罰法は、盗撮による児童ポルノ製造も処罰対象としており、ひそかに児童ポルノに係る児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処するとしています。

いづれの罪の成立にも、「故意」がなければなりません。
「故意」とは、罪を犯す意思のことです。
盗撮を例にとれば、盗撮をしようと思って行為に及んだ場合に罪が成立するのであって、偶然様々な要素が相まって盗撮に当たるような行為をしてしまった(なかなかそんなことはないのですが…)場合には故意が認められず罪は成立しないことになります。
また、「盗撮をしてやる」と確信的な故意はなくとも、「盗撮してしまうかもしれないけど、ま、いいや。」といった犯罪の実現を可能なものと認識して認容している場合(これを未必の故意といいます。)にも故意は認められます。
この点、事例のように、「人に頼まれて盗撮した。自分のためではない。」といった主張をしたからといって、罪の成立が妨げられるわけではありません。
自分のためであろうが、人のためであろうが、大浴場の脱衣所で着替えている人の姿を撮影することの認識があれば、故意は認められます。

盗撮事件のように被害者がいる事件では、被害者への謝罪・被害弁償、そして示談締結の有無が最終的な処分に影響する可能性が高いです。
そのため、事件を穏便に解決するためには、早期に被害者と示談交渉を行うことが重要です。
盗撮事件を起こしてしまい、被害者への対応にお困りであれば、弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

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