Archive for the ‘薬物事件’ Category

麻薬取締法違反事件で即決裁判

2020-01-19

麻薬取締法違反事件での即決裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古川警察署は、麻薬取締法違反(コカイン所持)の容疑で外国籍のAさんを逮捕しました。
逮捕後、勾留となったAさんは、接見にやってきた弁護士に、早期に釈放とならないか相談しています。
日本に親族などがいないためAさんは保釈も厳しい可能性があり、弁護士は、即決裁判手続が早期釈放の最良の手段ではないかと考えています。
(フィクションです)

麻薬取締法違反

コカインとは、南米原産のコカの木の葉を原料とした薬物です。
コカインは、覚せい剤と同じように、神経を興奮させる作用を有するため、気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなった、体が軽くなった、といった錯覚を起こすようになります。
その効果は、持続時間が短く、精神的に依存しやすい薬物と言われています。
コカインを乱用すると、幻覚や思考の異常、精神錯乱、そして、皮膚の下を無視がはい回っているような「コーク・バグ」と呼ばれる特殊な感覚に襲われます。

コカインの所持・使用等は、麻薬及び向精神薬取締法(以下、「麻薬取締法」といいます。)によって規制されています。
麻薬取締法は、麻薬・向精神薬の輸出入・製造・製剤・譲渡し等についての取り締まりについて規定している法律です。
コカインは、麻薬取締法において規制の対象である「麻薬」に該当します。
コカインの輸入・輸出・製造・栽培は、1年以上10年以下の懲役、営利目的の場合には、1年以上の有期懲役または情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金となる可能性があります。
また、コカインの製造・小分け・譲渡・譲受・交付・所持・使用・使用のための交付は、7年以下の懲役、営利目的であれば、1年以上10年以下の懲役または情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金となる可能性があります。

即決裁判

即決裁判手続とは、事案が明白であり、軽微で争いがなく、執行猶予が見込まれる事件について、速やかに公判期日を指定して相当な方法により審理を行い、原則即日に執行猶予判決を言い渡す手続のことです。

即決裁判手続の要件は、
①事案が明白、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれる場合で、即決裁判手続で審理するのが相当と認められる事件であること。
②死刑、無期、短期1年以上の懲役または禁錮に該当する罪でない事。
③被疑者の書面による同意があること。
④被疑者に弁護人があるときは、弁護人の書面による同意があるか、少なくとも意見を留保していること。

これらの要件を満たす場合に、検察官による即決裁判手続の申立が行われます。
即決裁判手続は、起訴から出来るだけ早い時期に公判期日が指定され、原則1回の審理で即日執行猶予判決が言い渡されるので、被告人にとっては、起訴後速やかに公判期日が開かれ、執行猶予判決になるというメリットがあります。
一方、即決裁判手続による審理でなされた判決については、事実誤認を理由とする控訴・上告が出来ません。
ですので、即決裁判手続の趣旨、審理手続、メリット・デメリットなどをしっかりと把握した上で、即決裁判手続に同意する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、麻薬取締法違反事件などの薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
麻薬取締法違反事件でご家族が逮捕されてしまいお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)事件で逮捕

2020-01-06

覚せい剤取締法違反営利目的輸入)事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、海外から帰国するにあたり、覚せい剤約1㎏を引越荷物内に隠匿して密輸入しようと企てたが、神戸税関が実施した引越荷物の別送品検査において覚せい剤を発見しました。
神戸税関は、兵庫県警察と共同調査を実施し、神戸地方検察庁に告発しました。
Aさんは、覚せい剤取締法違反営利目的輸入)の容疑で逮捕されました。
調べに対してAさんは、「友人から日本の知人に渡してほしいと頼まれただけで、中身が覚せい剤だとは知らなかった。」と容疑を否認しています。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反:営利目的輸入

覚せい剤取締法は、覚醒剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用について必要な取締を行うことを目的に、昭和27年7月30日に施行されました。

覚せい剤取締法の規制対象となる「覚せい剤」は、
①フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
②①に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であって政令で指定するもの
③①及び②のいずれかを含有する物
です。

第十三条 何人も、覚せい剤を輸入し、又は輸出してはならない。

第四十一条 覚せい剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第四十一条の五第一項第二号に該当する者を除く。)は、一年以上の有期懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

覚せい剤取締法は、覚醒剤の輸入を絶対的に禁止しています。
覚せい剤をみだりに輸入した者については、これを1年以上の有期懲役に処し、営利目的で輸入した場合は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により1000万円以下の罰金を併科することとされています。

覚せい剤取締法第41条は、覚せい剤をみだりに本邦に輸入する行為を処罰することとしており、覚せい剤輸入罪が成立するためには、「覚せい剤を輸入する行為」がなければなりません。

「輸入」とは、「国外から我が国へ物品を搬入すること」と理解されます。
どの段階に至った時に我が国内に搬入されたと理解するのかが問題となります。
陸路による密輸入については、「国境線を踰越して我が国内へ搬入した時点」と解する見解が有力です。
海路・空路については、船舶から覚せい剤を我が国領土内へ陸揚げした時点又は航空機の場合は機内から地上へ持ち出された時点で既遂に達するとする見解が、通説・判例の立場となっています。

覚せい剤を密輸入した場合、覚せい剤は関税法で輸入を禁止される貨物に当たり、関税法違反(禁制品輸入罪)が成立することとなります。
覚せい剤取締法上の輸入罪と関税法上の禁制品輸入罪の罪数関係については、両者は観念的競合の関係(1個の行為が2つ以上の罪名に触れる場合)に立つと判例・実務上ともに解されています。
観念的競合の処罰については、その最も重い刑によって処断されます。

さて、Aさんのように「覚せい剤だとは知らなかった。」と弁解している場合、覚せい剤の輸入罪は成立しないのでしょうか。

覚せい剤の輸入罪は、覚せい剤であることを知りつつそれを我が国内に搬入することによって成立します。
そのため、覚せい剤の認識に欠ける場合、輸入罪は成立しません。
しかし、認識の程度については、「被告人は本件物件を密輸入して所持した際、覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類であるとの認識があったというのであるから、覚せい剤であるかもしれないし、その他の身体に有害で違法な薬物であるかもしれないとの認識はあったことに帰する。そうすると覚せい剤輸入罪、同所持罪の故意に欠けるところはない」とした判決(最決平2・2・9)があるため、状況証拠から被告人が覚せい剤もしくは体に有害な薬物「かもしれない」と思っていたと判断された場合、覚せい剤輸入罪が成立することになります。

覚せい剤取締法違反事件では、逮捕後、勾留される可能性が非常に高いと言えるでしょう。
また、組織犯罪が疑われた場合には、勾留と同時に接見禁止に付されることも多く、家族であっても被疑者・被告人と接見することができない可能性もあります。
そのような場合でも、弁護士であれば、いつでも接見することができます。

ご家族が覚せい剤取締法違反事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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大麻の営利目的輸入で逮捕

2019-11-21

大麻営利目的輸入について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古郡稲美町に住むAさんは、大麻営利目的輸入したとして逮捕されました。
輸入した大麻製品は約50グラムと多く、Aさんは営利目的輸入したとの疑いがもたれています。
Aさんは、調べに対して大麻の輸入に関しては認めていますが、営利目的であったことは否認しています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

有名人の薬物事件は、マスコミにも大きく取り上げられます。
その多くは、規制薬物の所持や使用などですが、中には薬物を海外から密輸するケースも少なくありません。
今回は、大麻の密輸事件についてどのような罪に問われ得るのかについて説明していきます。

大麻輸入罪

大麻取締法は、大麻の栽培・輸出入・所持・譲渡・譲受などについて必要な取締を行う法律です。
覚せい剤などの規制薬物とは異なり、大麻の使用自体は禁止されていません。

大麻輸出入に関しては、以下のように規定されています。

第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。

第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻をみだりに輸入した場合、7年以下の懲役が科せられる可能性があります。
また、営利目的大麻輸入した場合には、法定刑は加重され、10年以下の懲役、または情状により10年以下の懲役と300万円以下の罰金が科される可能性があるのです。
このような加重処罰規定が設けられているのは、財産上の利得を目当てとして犯罪を行うことが道義的に厳しく非難に値するというだけでなく、一般にその行為が反復・累行され、規制薬物の濫用を助長・増進させ、国民の保健衛生上の危害を増大させる危険性が高いため、それだけ違法性が高いためだとされます。
営利目的」というのは、「犯人自らが財産上の利益を得、または第三者に得させることを動機・目的とする場合をいう」と解されます。
ですので、営利目的は、単なる認識だけでは足りず、犯罪の積極的動因となっている場合であることが必要とされます。

大麻取締法違反が成立するためには、故意が必要となります。
つまり、大麻取締法違反の行為をしている認識・認容がなければならないのです。
大麻輸入であれば、「大麻」を「輸入」することを認識・認容していることです。
規制薬物に関する認識は、その物が依存性のある薬理作用をもつ有害な薬物であることを未必的であれ認識していれば足ります。
大麻取締法違反においても、大麻に関する認識は、それが大麻であることを未必的にせよ認識していれば足ります。
大麻の学名や成分、薬理効果などについて正確に把握している必要はなく、大麻という名称の他にもマリファナなどの認識で足ります。
大麻大麻取締法により規制されていることを知らなかった場合は、法の不知にあたり、アサが大麻取締法の規制を受ける大麻に該当することを知らなかった場合は、あてはめの錯誤にとどまり、それ自体で故意を阻却するものとはなりません。

大麻の単純所持の場合、初犯であればいきなり実刑が言い渡される可能性はそう高くはありません。
しかし、営利目的での大麻輸入した場合には、前述のように法定刑も加重され、初犯であっても実刑となる可能性は高いでしょう。
営利目的を否認しているのであれば、単にそのように主張するだけでは、輸入した量から考えても、なかなか合理的な主張とはならないでしょう。
客観的な証拠に基づき営利目的ではない旨の主張をしっかりとしていくことが重要です。

大麻取締法違反事件でご家族が逮捕されお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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覚せい剤所持事件で故意を否認

2019-11-19

覚せい剤所持罪故意について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県たつの市に住むAさんは、ある日突然兵庫県たつの警察署の家宅捜索を受けました。
自宅から覚せい剤が見つかったとして、Aさんは覚せい剤取締法違反(覚せい剤所持罪)の疑いで逮捕されました。
Aさんは、取調べにおいて、「知人から借金の担保として預かっていただけで、自分で使用したり誰かに売ったりする気は一切なかった。」と供述しています。
(フィクションです)

覚せい剤所持罪について

覚せい剤の所持については、覚せい剤取締法第14条で次のように禁止されています。

第十四条 覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の開設者及び管理者、覚せい剤施用機関において診療に従事する医師、覚せい剤研究者並びに覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者の外は、何人も、覚せい剤を所持してはならない。
2 次の各号のいずれかに該当する場合には、前項の規定は適用しない。
一 覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の管理者、覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者の業務上の補助者がその業務のために覚せい剤を所持する場合
二 覚せい剤製造業者が覚せい剤施用機関若しくは覚せい剤研究者に覚せい剤を譲り渡し、又は覚せい剤の保管換をする場合において、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第二項に規定する信書便(第二十四条第五項及び第三十条の七第十号において「信書便」という。)又は物の運送の業務に従事する者がその業務を行う必要上覚せい剤を所持する場合
三 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師から施用のため交付を受ける者の看護に当る者がその者のために覚せい剤を所持する場合
四 法令に基いてする行為につき覚せい剤を所持する場合

覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合などを除いて、覚せい剤の所持行為を禁止しています。
覚せい剤所持罪は、①覚せい剤を、②みだりに、③所持すること、によって成立します。

①覚せい剤

覚せい剤の定義については、覚せい剤取締法第2条第1項で次のように規定されています。

第二条 この法律で「覚せい剤」とは、左に掲げる物をいう。
一 フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
二 前号に掲げる物と同種の覚せい作用を有する物であつて政令で指定するもの
三 前二号に掲げる物のいずれかを含有する物

②みだりに

「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないことを意味します。
つまり、第14条に規定されるような除外事由が存在するときは、所持罪の構成要件該当性が阻却され、本罪は成立しません。

③所持

所持」の基本的な概念について、判例によれば、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」と解されます。(最大判昭30・12・21)

また、所持罪が成立するためには、故意、つまり、覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること、が必要となります。

所持罪の故意について

覚せい剤所持罪が成立するには、「覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること」が必要となります。

他人の覚せい剤所持していたケースでは、「自分のために置いていたのではない!」といった故意否認をすることが多くあるようです。
しかし、覚せい剤所持罪の成立には、積極的に覚せい剤を自己または他人のため保管する意思、自ら所有し又は使用、処分する意思などは必要でなく、ともかく覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けばそれだけで所持罪は成立すると解されます。
ですので、上記ケースにおいては、Aさんは「知人から借金の担保として預かっていただけで、自分で使用したり誰かに売ったりする気は一切なかった。」と供述しています。
Aさんは自分のための持っていたんじゃないと容疑を否認していますが、この内容からすると「覚せい剤」を借金の担保として知人から預かっていたとなり、自分のために自宅においていたかどうかは問題ではなく、「覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していた」と言え、所持故意は認められるでしょう。
また、そもそも預かった物を「覚せい剤」であるとは知らなかった場合にはどうでしょう。
これについては、所持していた物が「覚せい剤」であることを少なくとも未必的には認識・認容している必要があります。
つまり、所持していた物が「覚せい剤である」と確信していた場合のみならず、「覚せい剤かもしれない」「なんらかの有害で違法な薬物かもしれない」との認識・認容を有していた場合もアウトです。

覚せい剤所持事件は、初犯であれば執行猶予付き判決となる可能性もありますので、覚せい剤所持事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年事件:家庭裁判所送致されたら

2019-11-16

少年事件:家庭裁判所送致されたら

少年事件として家庭裁判所送致された後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加東市に住むAさんは、乾燥大麻を所持した疑いで兵庫県加東警察署に逮捕されました。
10日の勾留の後に、神戸家庭裁判所姫路支部送致されました。
Aさんの両親は、逮捕の連絡を受けてすぐに少年事件に精通する弁護士に弁護を依頼しており、家庭裁判所送致後も同弁護士に付添人として動いてもらうよう頼んでいます。
(フィクションです)

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合であっても、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を管轄の家庭裁判所送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」と呼び、少年保護の専門機関である家庭裁判所に、少年に対して如何なる処遇が適当であるかの判断をゆだねるものです。
少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のような捜査機関で事件が終了するといったことはありません。

被疑者段階で逮捕・勾留されている少年が家庭裁判所送致されると、家庭裁判所は、裁判所に到着したときから24時間以内に、「観護措置」をとるか否かを決定します。

観護措置について

「観護措置」は、家庭裁判所が調査・審判を行うため、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に、終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護する措置です。
観護措置には、家庭裁判所調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に送致する措置(収容観護)の2種類がありますが、実務上前者はほとんど活用されていません。
被疑者段階で身体拘束を受けた少年については、家庭裁判所送致後も引き続き少年鑑別所に収容する観護措置がとられることが多くなっています。

調査について

家庭裁判所では、審判に付すべき少年について、事件の調査が行われます。
実施される調査には、非行事実の存否等に関する調査(法的調査)と要保護性に関する調査(社会調査)とがあります。
社会調査は、家庭裁判所の調査官によって行われます。
調査官は、少年や少年の保護者と面会したり、学校に文書等で照会を行う等して調査を行います。
調査官は、実施した調査の結果とそれに基づく処遇意見をまとめた少年調査票を作成し、裁判官に提出します。
調査官の意見は、裁判官が少年に対する処分を決定する際に参考にされるため、最終的な処遇に大きく影響します。

審判について

家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときには、審判開始決定をしなければなりません。
観護措置がとられている事件については、調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされ、審判期日が指定されるのが実務上の運営となっています。
審判開始決定がなされると、審判期日が指定されます。
審判には、裁判官、書記官、調査官、少年本人、少年の保護者、付添人が出席します。
審判では、非行事実についての審理が行われた後に、要保護性の審理が行われます。
続いて、調査官・付添人の処遇意見の陳述が行われ、少年の意見陳述が続きます。
最後に、裁判官より決定が言い渡されます。
審判にかかる時間は、非行事実に争いがなく、1回の審判で決定まで言い渡す事件の場合、40~50分程度となります。

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続に基づいて処理されるため、少年事件についての相談・依頼は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

2019-10-27

覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

公判手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反の疑いで兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕・勾留後に、神戸地方検察庁は同罪で神戸地方裁判所公判請求を行いました。
Aさんは、公判手続の流れについて、弁護人に説明を受けています。
(フィクションです)

検察官が裁判所に対して公判請求を行うと、裁判所、検察官、被告人・弁護人が出席し公開の法廷で審理を行うことになります。

公判期日における手続は、(1)審理手続、そして、(2)判決の宣告手続とに大きく分けられます。

1.審理手続

審理手続は、①冒頭手続、②証拠調べ手続、③弁論手続から成ります。

①冒頭手続
冒頭手続とは、(a)人定質問、(b)起訴状朗読、(c)権利告知、(d)被告人および弁護人の陳述という手続からなるものです。

人定質問
裁判長は、出席した被告人に対し、人違いでないことを確かめるため、被告人の氏名・年齢・職業・住所・本籍などを質問します。

起訴状朗読
人定質問に続いて、検察官が起訴状を朗読します。
これは、裁判所に対して審理の対象を、被告人に対して防御の対象を明らかにするために行われるものですので、起訴状に記載されている公訴事実、罪名、罰条が朗読されます。

権利の告知
裁判長は、被告人に対して、黙秘権やその他の権利を告知します。

被告人および弁護人の陳述
裁判長は、被告人および弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければなりません。
この際に、被告人に対し、起訴状の記載内容に間違いはないどうかを尋ね、公訴事実の認否をさせ、争点を明確にします。

②証拠調べ手続
裁判所が書証や証人等の証拠を取り調べる手続で、最初に検察側から立証が行われ、その後被告人側の立証が行われます。
証拠調べ手続は、検察側の立証が先立ち、(a)冒頭陳述、(b)証拠調べ請求、(c)証拠調べ請求に対する意見、(d)証拠決定、(e)証拠調べとなり、次に弁護側の立証に移り、(a)証拠調べ請求、(b)証拠調べ請求に対する意見、(c)証拠決定、(d)証拠調べ、(e)被告人質問という流れとなります。

冒頭陳述
証拠調べの始めに、証拠により証明すべき事実を明らかにするための手続です。
これは、証拠調べの冒頭で検察官に事件の全貌を明らかにする主張を行わせることにより、裁判所に対し、審理方針の樹立及び証拠の関連性等の判断材料を提供するとともに、被告人の防御の便に資するようにする趣旨に基づくものです。
検察官の冒頭陳述の後に、裁判所の許可を得て、被告人・弁護人も冒頭陳述をすることができます。

証拠調べ請求
検察官、被告人及び弁護人の請求に基づき証拠調べの請求がなされます。
証拠調べとは、証人などの尋問、証拠書類・証拠物の取調べ、検証、鑑定などをいいます。

証拠決定
証拠調べ請求に対して、裁判所は、証拠調べの決定または請求却下の決定を行います。
証拠決定を行うにあたって、裁判所は、請求に基づく場合は相手方の意見を聴きます。

証拠調べ
証拠書類や証拠物の取調べ、証人尋問、鑑定人の尋問などを実施します。

被告人質問
被告人は黙秘権を有しているので、終始沈黙したり、ここの質問に対し供述を拒むことができます。
被告人が任意でした供述は、証拠となります。

③弁論手続
証拠調べ手続が終ると、検察官は事実および法律の適用について意見を陳述しなければなりません。
これを「論告」といいます。
検察官が有罪を主張する際、量刑についても意見を述べるのが通常であり、この意見を「求刑」といいます。
被告人・弁護人は、最後に意見を陳述する機会が与えられています。

2.判決の宣告手続

判決は、公判廷において宣告し、これを告知します。
裁判長が、主文および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければなりません。

公判では、無罪や無実を訴える、執行猶予や減刑を求めるなど争い方も事件により異なります。
公判における弁護活動については、法廷における弁護士の技術が判決結果に大きく影響を与えることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件を起こしお困りの方は、弊所の刑事事件専門の弁護士に今すぐご相談ください。
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被告人勾留と保釈

2019-10-23

被告人勾留と保釈

被告人勾留保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
大麻取締法違反で逮捕・勾留された大学生のAさん(21歳)は、すぐにでも釈放してほしいと思っています。
勾留に対する準抗告も認められず、勾留満期日まであと少しとなりました。
弁護人からは起訴後すぐに保釈請求すると言われています。
(フィクションです)

被告人勾留

「勾留」とは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判とその執行をいいます。
この勾留には、被疑者勾留(起訴前勾留)と被告人勾留(起訴後勾留)とがあります。

被告人勾留」は、その名前からも明らかなとおり、起訴後の勾留です。
被告人勾留は、受訴裁判所が行うことが原則です。
ただし、第1回公判期日前は、原則として控訴の提起を受けた裁判所の裁判官で、事件の審理に関与しない裁判官が行います。
その理由は、勾留に関する処分を行うためには、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があるかないかを調査する必要があるので、第1回公判期日前から受訴裁判所がおこなうことは、予断排除の原則に反するおそれがあるからです。

被告人勾留の期間は、公訴の提起があった日から2か月と、被疑者勾留の期間よりも長くなっています。
特に必要がある場合には1か月ごとに更新されます。

被告人勾留は、次の3つに分類されます。

(1)被疑者勾留中の起訴
被疑者段階で、逮捕・勾留され、起訴前から既に身体拘束を受けている場合で、勾留期間中に同一の犯罪事実について起訴されると、起訴と同時に被疑者勾留は自動的に被告人勾留に切り替わります。

(2)逮捕後まで勾留されていない被疑者の起訴
勾留が決定する前に、検察官により起訴された被告人については、裁判官が職権で勾留するか釈放するかを決めます。

(3)逮捕・勾留されていない在宅の被疑者の起訴
逮捕も勾留もされていない被疑者が起訴された場合、そのまま在宅事件として手続が進行することが多いですが、裁判官または裁判所は職権で被告人を勾留することもできます。

被告人勾留から解放するための手段としては、以下のものがあります。

①勾留の取消し
②勾留の執行停止
保釈
④抗告、準抗告

保釈制度

保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身体拘束を解く裁判とその執行をいいます。
起訴前の被疑者勾留については保釈は認められませんが、起訴後であれば保釈制度を利用することができます。

裁判所が保釈を認めるときには、保釈金額を定めなければなりません。
その金額は、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません。
ですので、保釈保証金の額は被告人の経済状況によって異なります。
一般的なサラリーマンであれば、だいたい200万円程度が保釈保証金の相場となっています。
当然、経済力がある被告人であれば、それ以上の金額になります。
カルロス・ゴーン被告の最初の保釈にかかる保釈金が10億円であったことも記憶に新しいところですね。
過去最高額は、20億円だといいますから、保釈金の額も様々です。

逮捕・勾留されている場合には、既に長期間の身体拘束を強いられていることになります。
それ以上の身体拘束により被る損害が大きくならないよう、早期に保釈請求をし、釈放されるよう動くことが重要です。
ただし、再逮捕が見込まれる事件では、起訴後すぐに保釈に成功したとしても、その後再逮捕されて再度勾留される可能性も大いにありますので、保釈請求をかけるタイミングは慎重に見極めなければなりません。

ご家族が逮捕・勾留されており、保釈で釈放とならないかお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで!

接見禁止一部解除に成功!

2019-10-15

接見禁止一部解除に成功!

接見禁止一部解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西宮市に住む大学生のAさん(19歳)は、自宅で大麻を所持した疑いで、兵庫県西宮警察署に大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
Aさんは、友人に勧められて大麻に手を出し、SNSを通じて大麻を手に入れるようになりました。
今回は、売人が摘発されたことにより、買手であったAさんが特定されたようです。
Aさんは、逮捕後、勾留となりましたが、同時に接見禁止決定が出されており、Aさんの家族は面会することが出来ず困っています。
(フィクションです)

接見禁止決定とは

身体の拘束を受けている被疑者・被告人が、弁護人と立会人なく接見し、または書類若しくは物の授受をすることができる権利を「接見交通権」といいます。
接見交通権は法で保障されており、被疑者・被告人の防御のためにも最も重要な権利と言えます。
弁護人以外の者、例えば、被疑者・被告人の家族などとの接見交通については、法令の許容内で許可されます。
通常は、勾留が決定した後から家族などとの一般面会ができるようになります。

しかし、裁判官は、「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるときは、検察官の請求により、あるいは職権で、接見を禁じ、または授受すべき書類、その他の者を検閲し、その授受を禁じ、もしくはこれを差し押さえることができます。
この決定を「接見禁止決定」といいます。

接見禁止決定が出されると、弁護人以外の者は、身体拘束を受けている被疑者・被告人と面会することはできません。

接見禁止となりやすいケース

すべての被疑者・被告人に接見禁止が付されるわけではありません。
上述のように、「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」がある場合になされます。
このような理由に該当するケースは、概して次のようなものです。

1.逃亡のおそれがある場合

被疑者・被告人が、住所不定であったり、定職に就いていない場合など、一定の場所にとどまる理由がないので、逃亡のおそれが認められやすいでしょう。

2.共犯事件

他の共犯者と口裏を合わせる可能性もあるため、罪証隠滅のおそれが認められる傾向にあります。

3.組織的犯罪

犯罪組織が背後にいる場合、それらの者と接触し、口裏合わせをする可能性があり、罪証隠滅のおそれがあると判断されやすいでしょう。

4.被害者との接触可能性が高い場合

被疑者・被告人と被害者とが知り合いである場合、知人を通じて被害者に供述を変えるよう圧力を加える可能性もあるため、罪証隠滅のおそれがあると考えられることがあります。

大麻を含めた薬物事件では、その背後に密売人や犯罪組織がいることが多く、それらとの接触を阻止するため接見禁止となるケースが多くみられます。

接見禁止を解除するために

接見禁止が決定してしまうと、家族と面会することはできなくなってしまいます。
身体拘束を余儀なくされ、外界と遮断された環境に長期間いる被疑者・被告人は、ただでさえ精神的なダメージを受けているのに、家族との面会を禁止されることにより、更なる苦痛を強いられることになります。
そのため、接見禁止を解く活動は非常に重要です。

1.準抗告・抗告

被疑者・被告人が接見等禁止決定を受けている場合、裁判所に対して準抗告や抗告を申し立てることができます。
被疑者・被告人の家族は、事件と無関係であり、家族を通して罪証隠滅を図る可能性はないことや、被疑者・被告人と家族が連絡をとらなければならない事情があるなどを説得的に主張することで、配偶者や両親などの近親者に対する部分について、一部取り消しが認められることもあります。

2.一部解除申立て

これは、裁判官の職権発動を促す申立てです。
つまり、家族に対する部分だけ解除してくださいと裁判官に対してするお願いです。
準抗告・抗告と同様に、家族については罪証隠滅のおそれがないことを客観的証拠と併せて書面にて申し出ます。

このように、家族が事件には関係のないことを客観的に証明することができれば、家族との間で接見禁止一部解除となる可能性はあります。

ご家族が刑事事件を起こし、逮捕・勾留されてお困りの方、接見禁止が出てご家族と面会できずお悩みの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

取調べ対応~接見交通権~

2019-10-11

取調べ対応~接見交通権~

接見交通権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂市に住むAさんは、ある日の早朝に自宅にやってきた兵庫県赤穂警察署の警察官に大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
自宅にいたAさんの妻は、警察からは大麻取締法違反としか聞かされておらず、いったいこの先Aさんがどうなるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に初回接見にいってもらうよう依頼しました。
(フィクションです)

ある日、突然警察官が自宅にやってきて「逮捕」された。
事件現場に警察官が駆け付けて「逮捕」された。
逮捕は、事前に知らされて実施されるものではありません。

あなたが事件を起こし、被疑者として逮捕されたら、あなたは警察署で取調べを受けることになります。
そして、警察署の留置場で過ごすことになります。
突然、外部との接触が断たれ、捜査官からの取調べに、身体的にも精神的にも追い詰められ、自分にとって不利な証言や、やってもいないことまでやってしまったと証言してしまうおそれも大いにあります。

そんな時には、法律の知識を持った弁護士に相談し、どのように取調べに対応すればよいのか、今後はどのような流れになるのか、アドバイスや説明を受けることにより、身柄が拘束された被疑者の不安がどれほど軽減されることでしょうか。

刑事事件で逮捕・勾留され身柄が拘束されている被疑者・被告人は、弁護人または弁護人になろうとする者との「接見交通」が権利として保障されています。

刑事訴訟法第39条は、「接見交通」について次のように規定しています。

第三十九条 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
○2 前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
○3 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

上の第1項は、身体の拘束を受けている被疑者・被告人が、弁護人と立会人なくして接見し、書類もしくは物の授受をすることができる権利である弁護人との「接見交通権」について規定しています。
これは、身柄を拘束され、密室で取調官による尋問を受ける被疑者・被告人にとって、黙秘権や防御権が保障されるためには、弁護人による有効な弁護、特にその前提となる自由な接見が不可欠であるため認められるものです。

弁護人もしくは弁護人になろうとする弁護士とは、いつでも、立会いの警察官なく、時間制限もなく接見室で面会し、相談することができます。

被疑者・被告人の家族等も、法令の許す範囲で面会することが出来ますが、その際には立会人が同席し、面会時間も平日の9~17時の間の約20分と限られています。
また、裁判官が接見禁止を付した場合には、家族等との面会は禁止されます。
他方、弁護士であれば、接見禁止決定が出ていても、被疑者・被告人と面会することは可能です。

刑事事件に詳しい方などそう多くはありませんので、突然の逮捕で、多くの方が今後の流れや見込まれる処分、取調べ対応について大きな不安を覚えられるでしょう。
また、逮捕の連絡を受けたご家族の方も、一体どのような事件を起こしたのか、この先どうなるのか分からず、不安な気持ちでいらっしゃることでしょう。

そのようなときには、弁護士に初回接見を依頼しましょう。
逮捕されてから勾留が決まるまでの間は、原則、被疑者の家族であっても面会することはできません。
ですので、事件のことも、逮捕された方の様子も確認する手段がありません。
そのような時には、弁護士に接見を依頼されれば、弁護士が留置先に赴き逮捕された方と接見をし、事件の詳細を伺った上で、手続の流れや見込まれる処分の説明や、取調べ対応についてのアドバイスをすることができます。
また、ご家族からの伝言も伝えることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件で逮捕され、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。

覚せい剤の所持・使用で逮捕

2019-08-31

覚せい剤の所持・使用で逮捕

覚せい剤所持使用の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反(所持使用)の容疑で兵庫県須磨警察署逮捕されました。
Aさんは、逮捕に引き続き勾留となり、接見禁止が付されているため家族と面会することもできません。
Aさんの家族は、「このまま裁判まで身柄拘束されたままなのか、釈放される可能性はないのか。」ととても心配しています。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反の罪

覚せい剤取締法は、「覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締を行う」ことを目的とした法律です。
覚せい剤取締法において規制の対象となる「覚せい剤」とは、
・フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及びその塩類
・上と同種の覚醒作用を有する者であって政令で指定するもの
・上の2つのいずれかを含有するもの
と定義されています。
ですので、覚せい剤取締法が規制の対象としているのは、必ずしも純粋な覚せい剤に限るものではなく、混合されたものであっても「覚せい剤」に当たることになります。
また、覚せい剤が他のものと混合し、覚せい剤の含有量が少量であっても、「覚せい剤」に当たります。

先述したように、覚せい剤取締法は、除外事由なく覚せい剤の輸入・輸出・所持・製造・譲渡・譲受・使用を禁止しています。
ここでは、上記ケースで容疑がかけられている「所持罪」と「使用罪」について説明します。

所持罪

覚せい剤取締法14条は、覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除いて、覚せい剤所持を禁止しています。
覚せい剤所持罪は、①「覚せい剤を」、②「みだりに」、③「所持すること」、により成立する犯罪です。
所持」とは、どのような行為を指すのでしょうか。
所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場所における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」とされます。(最大判昭30・12・21)
つまり、覚せい剤所持は、「覚せい剤を自己の支配下に置く行為」となります。
過去の判例では、次のような場合も「所持」が認められています。
・物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合
・直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合
・所有者でない場合
・比較的短時間の携帯にすぎない場合

また、所持罪が成立するためには、「覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること」(=故意)が必要となります。
覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けばそれだけで所持罪が成立し、積極的に覚せい剤を自己又は他人のために保管する意思や、自己使用又は第三者に使用させる意思などは必要ありません。

所持については未遂罪も処罰されます。
他人から覚せい剤の保管を頼まれ、これを承諾し、覚せい剤を預かり保管するために受け取ろうとした時点で逮捕された場合も、未遂罪が成立することになります。

所持罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
営利目的での所持は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金です。

使用罪

覚せい剤使用は、以下の場合を除いて禁止されています。
覚せい剤製造業者が製造するため使用する場合
覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
覚せい剤研究者が研究のために施用する場合
覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
・法令に基づいてする行為につき使用する場合
このような法定の除外事由がないのに覚せい剤を「使用」してはなりません。
使用」とは、覚せい剤をその用途に従って用いる一切の行為をいいます。
自分に対して使用している場合だけでなく、人に頼まれて覚せい剤を注射した場合も「使用」したことになります。
むろん、使用罪は故意犯であるため、行為者が「法定の除外事由がないのに、覚せい剤使用することを認識・認容していることが必要となります。

使用罪の法定刑は、10年以下の懲役で、営利目的での使用は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金です。

このように、覚せい剤取締法違反の罪は非常に重い刑罰が設けられています。
また、覚せい剤事件で逮捕されると、かなりの確率でその後勾留となります。
共犯者との接触を防ぐため、弁護士以外との面会を禁止する接見禁止が付される可能性も高いです。

ご家族が覚せい剤事件で逮捕されてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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