Archive for the ‘薬物事件’ Category

保釈制度について

2019-07-07

保釈制度について

~ケース~
覚せい剤取締法違反の疑いで兵庫県須磨警察署に逮捕されたAさんは、その後、窃盗、傷害でも再逮捕されました。
Aさんは、覚せい剤取締法違反、窃盗、傷害で神戸地方検察庁に起訴されました。
第一審では、神戸地方裁判所は懲役18年9月の実刑判決を言い渡しましたが、Aさんは控訴し、その後保釈されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

保釈制度

控訴審中に保釈されていた実刑確定者が収監に抵抗して刃物を持ったまま逃走するという事件が起きたことは、ニュースでも大々的に報じられていますので、多くの方がご存知のことと思います。
この事件を契機に、保釈制度について注目が集まっているようです。
そこで、今回のブログでは保釈制度について説明してみたいと思います。

保釈って何?

保釈」というのは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身柄拘束を解く裁判とその執行のことをいいます。

さて、保釈によってその執行を停止する「勾留」についてはご存知でしょうか。
勾留は、被疑者または被告人を拘禁(身柄を拘束)する裁判およびその執行のことです。
逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか検察へ送致するかを決定します。
警察から検察へと被疑者の身柄が送致されると、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、釈放するか裁判所に対して勾留請求をするかを決めます。
検察官からの勾留請求を受けて、裁判官は被疑者を勾留するか否かを判断し、勾留決定を行います。
勾留期間は、検察官が勾留請求した日から原則で10日間、延長が認められれば最長で20日間の身体拘束となります。
これは、起訴前の勾留であり、「被疑者勾留」と呼ばれます。
検察官は、勾留期間中に被疑者を起訴するか否かを判断します。
検察官が被疑者を起訴すると、その段階から被疑者は「被告人」という立場になります。
起訴後の勾留を「被告人勾留」といいます。
被疑者段階で検察官の請求により勾留されていた者が、勾留期間中に同一の犯罪事実について起訴された場合には、起訴と同時に被疑者勾留は、自動的に被告人勾留に切り替わります。
被告人勾留の期間は、公訴の提起があった日から2か月とされており、特に必要がある場合は1か月ごとに更新されます。
長期間の身体拘束は、被告人に大きな影響を及ぼすことは容易に想像できるでしょう。

被疑者勾留は保釈が認められませんが、被告人勾留については保釈が認められます。
ですので、検察官が公判請求した場合には、すぐに保釈請求を行い、身柄解放に向けて動く必要があります。

保釈保証金っていくらになるの?

保釈保証金を預ける代わりに身体拘束をとくのが「保釈」ですので、裁判官・裁判所が保釈を許可したとしても、保釈保証金を納付しなければ被告人は釈放されません。
保釈保証金の額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性格や資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な額でなければなりません。
重大な犯罪を行い実刑が見込まれる場合には、逃亡を防止するため保釈保証金額が高くなりますし、被告人の経済力から高額でなければ逃亡を躊躇させる抑止力としての効果は望めませんので、その場合も高額となります。
しかし、そのような事情がない場合、一般的な相場は150~200万円となっています。

保釈はいつからいつまで?

先述したように、検察官が公判請求した時点から保釈請求を行うことはできます。
保釈請求書を提出後、裁判官・裁判所は、検察官からの意見を聴いた上で判断を下します。
その後、許可がでれば、許可書を受領し、裁判所の出納係に保釈保証金を納め、検察官が釈放指揮をとってから被告人が釈放されるという流れになります。
判決期日に実刑判決が言い渡されると、保釈は失効し、判決後すぐに身柄が拘束されることになります。
しかし、一審判決後に再度保釈請求をし、認められた上で保釈保証金を納めれば再び釈放されることは可能です。

保釈中に逃亡したら?

保釈保証金は、没収されなければ判決後に返還されます。
保釈保証金が没収される場合とは、①保釈が取り消されたとき、そして②刑の言渡しを受け、その判決が確定した後に、執行のために呼び出しを受けても正当な理由なく出頭しないときや逃亡したとき、です。
刑が言い渡される前に逃亡した場合にも、保釈が取り消される可能性がありますので、保釈後に被告人や受刑者が逃亡すれば、保釈は取り消され、保釈保証金が没収されるということになります。

刑事事件でご家族が逮捕・勾留され、保釈による身柄解放をお望みであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

刑事裁判で執行猶予付き判決②

2019-07-03

刑事裁判で執行猶予付き判決②

~ケース~
兵庫県赤穂郡上郡町に住むAさんは、コカインを使用したとして、兵庫県相生警察署に麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕されました。
逮捕・勾留後、Aさんは神戸地方検察庁姫路支部に同罪で起訴されました。
検察官は懲役3年を求刑しましたが、判決期日に神戸地方裁判所姫路支部は、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

判決の言い渡し

前回のブログで刑事裁判の大まかな流れについて説明しましたが、最後の判決において、裁判長は有罪か無罪か、有罪であれば被告人に科すべき刑事罰を言い渡すことがお分かりいただけたと思います。

判決期日は、事件が単純で軽微なケースであれば、結審して1~2週間後となることが多くなっています。
刑事裁判判決の言渡しは、ドラマと違い短時間で終了します。
判決文は「主文」と「判決理由」から成りますが、それらを読み上げるのに通常5分とかかりません。
裁判長は、被告人の氏名、生年月日、住所や本籍などを訪ねる人定質問を再び行い、被告人が人間違いでないことを確かめます。
その後、判決文が読み上げられます。

「被告人は無罪。」「被告人を○○の刑に処する」

といった内容の主文がまず読まれます。
その後に、裁判長は判決理由を読み上げます。
判決理由は、罪となるべき事実を説明し、どのような法律が適用され、量刑を科す理由から成ります。

執行猶予付き判決

「被告人を懲役1年6月の刑に処する。」との言渡しを受けた後、「ただし、刑の執行を3年猶予する。」という文言が追加されると、単に「被告人を懲役1年6月の刑の処する。」との言渡しとは異なる効果が生じます。
これを執行猶予付き判決といいます。

刑を言い渡すにあたり、犯情により一定の期間その執行を猶予し、猶予期間を無事に経過したときは、刑罰権の消滅を認める制度を「執行猶予」といいます。
上記ケースでは、「懲役1年6月、執行猶予3年」が言い渡されたいますが、これは、刑の言渡しを受けてから3年間、罪を犯すことなく過ごすことができれば、この刑の言渡しそのものが無効となり、刑務所に行かなくてもよくなる、ということです。
執行猶予期間中に罪を犯さないこと」を条件としていますので、この期間中に何らかの罪を犯し有罪となると、執行を猶予されていた刑も受けなくてはなりません。

執行猶予には、刑期全部の執行猶予と刑の一部執行猶予の2種類があります。

刑の全部執行猶予の要件

(1)初度の場合
①(a)前に禁固以上の刑に処せられたことがないこと。
 または、
 (b)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日またはその執行の免   除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがないこと。
②3年以下の懲役もしくは禁錮または50年以下の罰金の言渡しをする場合であること。
③執行猶予を相当とするにたりる事情があること。

(2)再度の場合
①前に禁固以上の刑に処せられ、その執行の猶予中であること。
 (ただし、刑の執行猶予中保護観察に付され、その保護観察期間内に更に罪を犯した場合には、 執行を猶予することは許されません。)
②1年以下の懲役または禁錮の言渡しをする場合であること。
③情状が特に酌量すべきものであること。

刑の一部執行猶予の要件

宣告刑の一部だけの執行を猶予する制度です。
例えば、「懲役2年に処する。その刑の一部である懲役4月の執行を2年間猶予する。」と言い渡されたとします。
この場合、まず、猶予されなかった1年8か月の懲役刑の執行を実際に受けて服役することになります。
服役後、猶予された4か月の執行猶予期間である2年間が始まり、この2年間を無事に経過すれば、4か月の懲役刑は執行されないことになります。

(1)初めて刑事施設に入所する者の場合
①(a)前に禁固以上の刑に処せられたことがない者
 または
 (b)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者
 あるいは、
 (c)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除   を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者。
②3年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けたこと。
③犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐため必要であり 、かつ、相当であると認められること。

このように判決言い渡しで、執行猶予が付されるか否かで、被告人のその後の生活が大きく変わります。
刑事事件を起こしてしまったが、執行猶予付き判決を獲得できないかとお悩みであれば、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事裁判に豊富な経験を有し、執行猶予付き判決も数多く獲得する弁護士にお任せ下さい。

刑事裁判で執行猶予付き判決①

2019-07-02

刑事裁判で執行猶予付き判決①

~ケース~
兵庫県赤穂郡上郡町に住むAさんは、コカインを使用したとして、兵庫県相生警察署に麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕されました。
逮捕・勾留後、Aさんは神戸地方検察庁姫路支部に同罪で起訴されました。
検察官は懲役3年を求刑しましたが、判決期日に神戸地方裁判所姫路支部は、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

刑事裁判の流れ

あなたがある罪を犯し、その罪について検察官に公判請求されたとしましょう。
あなたは、刑事裁判を受けることになり、審理を経て有罪無罪が言い渡され、有罪の場合にはあなたに科される刑事罰も言い渡されます。

刑事裁判の流れは、次のようになります。

1.冒頭手続

①人定質問
裁判長が被告人に対し、人違いでないことを確かめるため、氏名・年齢・職業・住居・本籍を尋ねます。
②起訴状の朗読
検察官が起訴状を読み上げます。
起訴状には、被告人が誰で、どのような行為を行い、その行為はどの法律に規定される何罪にあたるのかが記載されています。
③黙秘権など諸権利の告知
裁判長が被告人に黙秘権など諸権利について告知します。
④罪状認否
被告人・弁護人は、事件の実体に関する認否、弁解・主張、訴訟条件の欠缺に関する主張、訴訟手続きに関する請求・申立てなどを行います。
刑事裁判は、起訴事実があったのか否かを審理する手続となります。
どんな些細な内容であっても起訴事実に間違いがあれば、それを明らかにする必要があります。

2.証拠調べ手続

検察が裁判で被告人の犯罪を立証する手続です。

①冒頭陳述
検察官が証拠によって証明すべき事実が明らかにします。
実務では、冒頭陳述書を作成し法廷で朗読し、書面を裁判所に提出します。
検察官の冒頭陳述の後に、裁判所の許可を得て、被告人・弁護人も冒頭陳述をすることができます。
②証拠調べ請求
証拠調べとは、証人などの尋問、証拠書類・証拠の取調べ、検証、鑑定などをいいます。
初めに当事者(検察官、被告人・弁護人)の請求に基づいて証拠調べがなされ、必要な場合には補充的に裁判所の職権で証拠調べが行われます。
まず、検察官が事件の審判に必要と認められるすべての証拠の取調べの請求を行います。
被告人・弁護人は、検察官の取調べ請求に対して証拠意見を述べます。
裁判所は、証拠調べ請求に対し、決定でもって判断を示さなければなりません。
裁判所が証拠調べをすることを決める(証拠決定)に際して、裁判所は、それが請求に基づく場合は相手方またはその弁護人の意見を、職権による場合には、検察官および被告人・弁護人の意見を聴かなければなりません。
証拠調べ請求が適式になされない場合(刑事訴訟規則189条4項)、証拠能力のない証拠や事件と関連性のない証拠が証拠調べ請求された場合、裁判所は請求を却下することになります。
③証拠調べの実施
証拠書類や証拠物の取調べ、証人尋問、鑑定人の尋問、被告人質問などが行われます。
・証人尋問
 証人尋問は、まずその証人尋問を請求した当事者から尋問がなされ、その後に、その相手方に よる尋問が行われます。
・鑑定人尋問
 裁判所は、特別の知識や経験を有する者に鑑定を命じることができます。この鑑定を命じられ た者を鑑定人と呼び、その専門知識や経験、若しくはその専門知識・経験に基づいて鑑定人が 下した判断を報告させることを鑑定といいます。
・証拠書類・証拠物の取調べ
 証拠書類の取調べは、請求した者が朗読によって行い、証拠物は請求した者によって示されま す。
・被告人質問
 裁判官、検察官、弁護人、共同被告人またはその弁護人は、被告人に質問し供述を求めること ができます。被告人が任意にした供述は、証拠となります。

3.弁論・論告

証拠調べが終了すると、検察側、弁護側双方から事実および法律の適用について意見陳述が行われます。
検察官が、事実および法律の適用について意見を陳述することを「論告」といいます。
検察官は、有罪を主張する場合、量刑についても意見を述べるのが通例となっています。
この量刑に関する意見を「求刑」と呼びます。
その後、被告人または弁護人に最終的に意見を陳述する機会が与えられ、これを「最終弁論」といいます。

4.判決

裁判所で行われた証拠調べ、論告、弁論を基に、裁判官は判決を言い渡します。
判決を宣告するには、裁判長が主文および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければなりません。

以上が刑事裁判の大まかな流れとなります。
刑事裁判の期間は、事件によって異なりますが、容疑を認めており特に争いのない事件であれば1回審理で結審となることが多く、法廷に出廷するのは公判期日と判決期日の2回のみとなります。
他方、重大事件で起訴事実にも争いがある事件であれば、1~2年かかることもあります。

刑事裁判の結果は、被告人のその後の人生に大きく影響しますので、刑事裁判には刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。
刑事事件でお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

薬物事件と所持品検査

2019-06-20

薬物事件と所持品検査

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区の路上をAさんが歩いていると、巡回中の兵庫県垂水警察署の警察官に職務質問のため呼び止められました。
Aさんは、職務質問に応対中に所持品検査についても応じるよう警察官から求められました。
これに対して、Aさんは拒否したのですが、警察官はAさんのズボンのポケットに手を入れ、白い粉末が入った小袋を取り出しました。
Aさんはそのまま警察署に連れて行かれ、試薬検査の結果、当該粉末が覚せい剤であることが判明し、Aさんは覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕となりました。
Aさんは、警察の所持品検査は違法だと主張しています。
(フィクションです)

所持品検査

警察官職務執行法(以下、「警職法」)第2条4項において、次のように規定しています。

警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

警職法は、被逮捕者の身体について凶器の所持を調べることができるとするにとどまり、職務質問に伴う所持品検査に関する直接の規定を設けていません。

ちなみに、職務質問というのは、「何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」らを「停止させて質問すること」(警職法第2条1項)をいいます。
職務質問は、あくまで捜査の端緒として、犯罪認知前に行われる行政警察活動にあたります。

所持品検査について、所持品の外部を観察して質問する行為や、承諾を得て中身を検査する行為については問題となりませんが、承諾なく所持品の外部に触れる行為や承諾なく中身を検査する行為については問題となります。

これについて、判例(最判昭53・6・20)は、
所持品検査は職務質問の付随行為として許容されるのであるから、所持人の承諾を得て行うのが原則であるが、
②捜索に至らない程度の行為は、必要性、緊急性、相当性がある場合には、承諾がなくても例外的に許される。
として、猟銃等による銀行強盗の容疑が濃厚な者が職務質問中に所持品の開披要求を拒否するなどの不審な挙動をとり続けたため、警察官が承諾なしに施錠されていないバッグのチャックを開き、内部を一瞥して札束を発見した事案の開披行為を適法としました。

他方、所持人の承諾なく、以下の行為をした案件については違法であると判断しています。
・上着の内ポケットに手を差し入れて所持品(覚せい剤の包み)を取り出した行為(最判昭53・9・7)。
・左足首付近の靴下の部分が膨らんでいるのを見つけ、中の物(覚せい剤の包みや注射器等)を取り出した行為(最決昭63・9・16)。
・自動車内を丹念に調べて粉末入りのビニール袋(覚せい剤)を発見した行為(最決平7・5・30)。

このように、職務質問に付随して行われる所持品検査について明確に規定する条文がなく、結局は、個々の事案ごとに適用・違法を判断することになっています。
その判断については、概ね、所持品検査は職務質問の付随行為として許容されることから、まずは職務質問の要件該当性を検討し、承諾の限度でおこなうことを原則としつつ、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、必要性・緊急性・相当性を満たす限度で例外的に許容されるという判例の枠組みを踏まえた上で、犯罪の性質、対象者に対する容疑の程度、対象者の態度、証拠の性質、検査の態様、被検査者が被る不利益を総合的に考慮して、社会通念上相当なものであれば適法と判断されると言えるでしょう。

違法に収集された証拠は、証拠として認められません。

あなたやあなたの家族が、警察からの違法な所持品検査を受け、対応にお困りであれば、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスについてのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

子供が大麻所持で逮捕されてしまったら

2019-06-18

子供が大麻所持で逮捕されてしまったら

~ケース~
兵庫県神戸市中央区の繁華街の路上で、乾燥大麻を所持したとして大麻取締法違反違反(大麻所持)で市内に住む高校生のAくんら3人が兵庫県生田警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、予想だにしなかったことに頭が真っ白になりました。
Aくんに会えないか警察署に問い合わせましたが、現段階では会えないと言われ困ってしまいました。
藁にも縋る想いでネットで調べたところ、少年事件に精通する弁護士の存在を知り、すぐに相談の電話をしました。
(フィクションです)

大麻と少年

兵庫県警によると、2018年の大麻事件の摘発者数は269人と、2005年以降で最多となりました。
このうち未成年者は51人と、全国で3番目に多い結果となっています。
大麻は、ネットを通じて比較的容易に入手することができ、外国では合法とされていることから、少年は違法薬物であるという認識が薄く、安易に大麻に手を出してしまう傾向があります。
しかし、大麻使用により薬物への抵抗感が失われ、より依存性の高い覚せい剤に手を出してしまう人も多く、大麻使用は薬物中毒への入り口とも言われています。

大麻所持の罪

大麻取締法は、「大麻取扱者でなければ大麻所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」(3条1項)とし、以下の行為を禁止しています。
大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く)、
大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のために交付すること、
大麻から製造された医薬品の施用を受けること、
④医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。
これをうけて、罰則を次のように定めています。

第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻所持については、「大麻を、みだりに、所持し」た者に対して、5年以下の懲役を科すと規定されています。
所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」といい、大麻について所有権又は処分権を有していることまでも必要としません。
自ら保管・携帯している場合だけでなく、他人に保管させる場合、他人の依頼によって保管する場合、運搬する場合、隠匿する場合など社会通念上実力支配関係にあると認められるすべての場合が含まれます。

子供が逮捕されたら

逮捕から勾留までの48時間は、原則として、少年の家族であっても少年と面会することは出来ません。
警察から事件の詳細について教えてもらえることも少なく、逮捕後勾留前のこの段階は、逮捕された少年もその家族もこの先どうなるのかとても不安に感じていることでしょう。
そのような段階でも、弁護士であれば、いつでも少年と面会(接見)することができます。
弁護士との接見には、警察の立会いもなく、時間制限もありません。
少年から事件の詳細を聞き取った上で、今後の流れや処分見込み、取調べ対応についてのアドバイスを行うことができます。
また、少年から家族へ、家族から少年への伝言も弁護士を通して伝えることが可能です。

お子様が大麻所持逮捕されたとの連絡を受けてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
少年事件・刑事事件を専門とする弁護士が、最短当日に少年と接見する「初回接見サービス」をご案内させていただきます。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

覚せい剤取締法違反事件で保釈

2019-05-30

覚せい剤取締法違反事件で保釈

~ケース~
兵庫県高砂市に住むAさんは、覚せい剤を使用していました。
ある日、兵庫県高砂警察署覚せい剤取締法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
逮捕後、10日間勾留されたAさんは、同罪で起訴されました。
Aさんは、すぐに保釈してほしいと思い、弁護人に保釈請求を頼みました。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反で逮捕されたら

あなたが覚せい剤取締法違反で警察に逮捕されたとしましょう。
警察は、逮捕から48時間以内にあなたを釈放するか、それとも検察に事件を送致するかを決めます。
検察官は、あなたの身柄を受けてから、容疑について弁解を聞いた上で、24時間以内にあなたを釈放するか、裁判官に勾留請求するかを決定します。
兵庫県では、午前中に警察署から検察庁に送致され、その日の午後には勾留請求するか否かが決定されます。
検察官が勾留請求すると、検察庁から裁判所に移送され、今度は裁判官から勾留質問を受けます。
裁判官は、勾留質問をした上で、検察官からの勾留請求を認めるか否かを判断します。
ここで、裁判官が勾留請求を却下すれば、検察官からの準抗告がない限り、あなたはその日のうちに釈放されることになります。
さて、覚せい剤取締法違反事件では、多くの場合、勾留決定がなされ、検察官が勾留請求した日から10日間身柄が拘束されます。
延長が必要だと検察官が判断すれば、検察官は延長を請求し、勾留延長が認められれば最大で更に10日間の身柄拘束となります。
覚せい剤取締法違反事件で逮捕された場合には、長期の身体拘束となる可能性が高いのです。

覚せい剤取締法違反事件で身柄解放は不可能なのか?と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、起訴後には保釈により釈放される可能性もあります。

保釈とは?

一定額の保釈保証金を納付することを条件として、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を「保釈」といいます。
保釈には、以下の3つの種類があります。

1.権利保釈(必要的保釈)
裁判所は、権利保釈の除外事由に該当しない場合には、保釈請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
除外事由は、以下の通りです。
①被告人が、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が、前に、死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由のあるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。

2.裁量保釈(任意的保釈)
裁判所は、上の権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することが出来ます。

3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により、又は職権により、保釈を許可しなければなりません。

覚せい剤取締法違反事件で保釈を許可するか否かは判断する際に問題となるのは、常習性と罪証隠滅のおそれです。
ですので、その点問題がないことを客観的な証拠に基づいて主張し、保釈の獲得に向けて動くことが重要です。
保釈は、単に身体拘束からの解放にとどまらず、再犯防止のために専門的治療を受ける環境を整えるといった意味でも重要です。

ご家族が覚せい剤取締法違反事件で逮捕されお困りであれば、薬物事件にも対応する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

薬物事件で接見禁止処分

2019-05-29

薬物事件で接見禁止処分

~ケース~
兵庫県宍粟警察署は、ある朝、兵庫県宍粟市に住むAさん宅を訪れました。
大麻取締法違反違反容疑で捜索差押が行われた後、Aさんは警察車両に載せられ、逮捕令状を提示されました。
Aさんは、逮捕後に勾留されることになりましたが、接見禁止が付されており、Aさんの家族と会うことができません。
困ったAさんは、弁護士と接見したいと警察に申し出ました。
(フィクションです)

薬物事件と接見禁止

薬物事件で問われる罪には、主に次に掲げるものがあります。

①覚せい剤取締法違反
覚せい剤の輸入、輸出、製造(単純・営利)、譲渡、譲受、所持、使用(単純・営利)を規制しています。
罰則は、薬物犯罪の中でも重く、覚せい剤の所持は10年以下の懲役、営利目的での覚せい剤の輸入・輸出・製造に関しては無期又は3年以上の懲役若しくは情状により1000万円以下の罰金の併科です。

②大麻取締法違反違反
大麻の栽培、輸入、輸出、所持、譲受、譲渡(単純・営利)を規制しています。
大麻の使用については処罰規定がありませんが、大麻所持による検挙数は近年増加傾向にあります。
大麻の単純所持であれば、その法定刑は5年以下の懲役となり、営利目的での所持は7年以下の懲役又は200万円以下の罰金の併科です。

③麻薬及び向精神薬取締法違反
ヘロインやコカインなどの「麻薬」や「向精神薬」を規制しています。
罰則は、対象となる薬物により異なり、例えば、依存性や禁断症状がとても強く危険薬物であるヘロインの場合、所持・譲渡・譲受の法定刑は10年以下の懲役です。

以上のような罪で逮捕・勾留されると、接見禁止に付される可能性が高いのです。

接見禁止

接見禁止」とは、弁護士以外の者との接見を禁止することを言います。
この接見禁止が下される理由には大きく分けて3つあります。
①逃亡のおそれがある。
②容疑を否認している。
③組織犯罪が疑われる。
薬物事件は、薬物の売人など犯罪組織が背後にいる可能性が高く、罪証隠滅や口裏合わせ防止のために、接見禁止となるケースが多いのです。
接見禁止の期間は、様々です。
勾留から起訴までの勾留期間中(10~20日間)に接見禁止がつくことが多いのですが、事件によっては公判まで継続する場合もあります。
接見禁止となれば、接見禁止が付されている間は、家族とも面会することが出来ないので、被疑者や被告人にとって、またその家族にとっても精神的苦痛を強いられることになります。
そのような場合、刑事事件に強い弁護士は、接見禁止の取消・解除に向けた活動を行います。
具体的には、弁護士は、接見禁止処分に対する不服申し立てを行ったり、接見禁止処分の解除を申し立てたりします。
接見禁止処分解除申立ては、裁判官の職権発動を促すものにすぎないと解されていますが、一般人である配偶者や両親などの近親者については、事件とは無関係であることを立証することにより、家族との間での接見禁止を解除する接見禁止一部解除申請が認められることが多くなっています。
このような活動は、薬物事件をはじめとした刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件を専門としています。接見禁止の取消や解除に向けた弁護活動にも迅速に対応致します。
兵庫県宍粟市薬物事件で、「家族が逮捕されてしまった」、「接見禁止が付いていて面会できない」とお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談下さい。
刑事事件専門の弁護士が、直接、逮捕・勾留されている方と接見をする「初回接見サービス」をご案内させていただきます。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで今すぐご連絡ください。

覚せい剤密輸でコントロールド・デリバリー

2019-05-18

覚せい剤密輸でコントロールド・デリバリー

~ケース~
兵庫県神戸市北区に住むAさんは、国際郵便を使ってアメリカから覚せい剤密輸しようと兵庫県神戸北警察署の警察官に逮捕されました。
関西国際空港に到着した税関当局は問題の国際郵便に覚せい剤が入っていることを確認しました。
郵便物の真の受取人が誰であるかを突き詰めるために、コントロールド・デリバリーを用い、中身を他の物と入れ替えた当該郵便物を警察の厳重な監視の下、受取人のところまで配達させ、現に受け取らせた上で検挙することになりました。
すると、Aと名乗る男が郵便局に当該郵便物に関する問い合わせがあり、荷物を受け取りに現れたところを張り込んでいた警察官に逮捕されたということです。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

捜査

警察などの捜査機関は、犯罪があると考えるときは、犯人や証拠を捜査します。
「捜査」というのは、公訴の提起・追行・維持のために、被疑者の身柄を確保し、証拠を収集する捜査機関の活動のことです。
捜査は、「任意捜査」と「強制捜査」とに分けられます。
前者は、任意処分による捜査をいい、参考人取調べ、実況見分などが挙げられます。
一方、後者は、強制処分による捜査で、逮捕、捜索・差押え・検証などです。

捜査には、「おとり捜査」というものがあります。
おとり捜査は、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働きかけ、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するもの」です(最決平16・7・12)
薬物事件など、国民生活に対する弊害を大きい重大な罪であって、極めて秘密裡に組織的に行われるため、通常の操作方法では検挙することが困難な場合に有効だとされます。
しかし、国家がおとりを用いて人を犯罪行為に誘い込むため、捜査の公正性や廉潔性の観点から疑問視する見解もあります。
この点、判例は、「少なくとも、直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査においては、通常の操作方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に、機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象におとり捜査を行うことは、刑訴訟197条1項に基づく任意捜査として許容される」と解しています(最決平16・7・12)

コントロールド・デリバリー

コントロールド・デリバリー(監視付移転:controlled delivery)とは、捜査機関が禁制品の取引であることを知りつつ、その場では押収せず、監視の下に禁制品を流通させ、不正取引の関係者を特定するという捜査手法のことをいいます。
コントロールド・デリバリーは、規制薬物の不正取引が行われている場合に、その事情を知る捜査機関が検挙のタイミングを遅らせるだけの措置であって、犯人に対し、何らの強制力を用いるものではなく、特定の受忍義務を課すものではないので、任意捜査の一種と考えられています。

禁制品をそのまま流通させる「ライブ・コントロールド・デリバリー」と、禁制品を無害の物品に入れ替えて流通させる「クリーン・コントロールド・デリバリー」とに分けられます。
上のケースでは、郵便物に入っていた覚せい剤を他の物と入れ替えてから流通させていますので、クリーン・コントロールド・デリバリーが用いられました。
その荷物を受け取ったAさんは、監視していた警察官に逮捕されたわけなのですが、中身が偽物であっても何故逮捕されたのでしょうか。

実は、麻薬特例法は、以下のような条項を設けているのです。

第八条 薬物犯罪(規制薬物の輸入又は輸出に係るものに限る。)を犯す意思をもって、規制薬物として交付を受け、又は取得した薬物その他の物品を輸入し、又は輸出した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

薬物犯罪の輸出入の罪を犯すつもりで、「その他の物品」を輸出入した場合にも該当することになるので、本物と入れ替えられた偽物を手にしたとしても麻薬特例法違反は成立することになります。

覚せい剤をはじめとする薬物を密輸し、ご家族が逮捕されてお困りの方は、薬物事件も取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件と環境調整

2019-04-25

少年事件と環境調整

~ケース~
兵庫県洲本市に住む高校生のAさん(16歳)は、親の勧めで私立の進学校を受験し入学しましたが、あまり学校に馴染めずにいました。
そのようなことから、地元の友人らとつるむことが多くなりました。
地元の友人らは、集まると大麻を吸うことがあり、最初はAさんは断っていましたが、結局Aさんも一緒に吸うようになりました。
ある日、地元の友人の一人が大麻取締法違反違反(所持)で逮捕されました。
その後、兵庫県洲本警察署の警察官がAさん宅を訪れ、「大麻のことで話を聞かせてほしい」と警察署までAさんを連れて行きました。
Aさんは大麻取締法違反違反で逮捕され、Aさんの両親は慌てて少年事件に強い弁護士に連絡を入れました。
(フィクションです)

少年事件における環境調整の重要性

環境調整とは、少年を取り巻く人的および物的条件、周辺環境を、少年の立ち直りと今後の成長に資するよう調整し、「要保護性」を解消することを目的とする活動をいいます。
ここで「要保護性」という聞きなれない言葉が出てきましたが、これは少年審判の審理の対象となる非常に重要なものです。
事件が捜査機関から家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査・少年審判を経て、少年の更生に資する処分を決定します。
この少年審判で審理されるのは、非行事実と要保護性の2つです。
犯罪行為の軽重がストレートに量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、少年事件では、非行事実自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断された場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
他方、非行事実が重い犯罪に該当するものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断された場合には、社会内処遇が選択されることもあるのです。
ですので、少年事件においては、環境調整は非常に重要な活動であり、環境調整少年事件の付添人に期待されるもっとも大きな役割の1つだとも言えます。

(1)少年本人への働きかけ

少年の心が、事件と向き合い、自身の更生に向けて前に進む準備が整っていなければ、家庭や学校、職場、交友関係等の外部環境の調整を行うことはできません。
まずは、少年自身が、事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにし、なぜ事件を起こしてしまったのか、再び事件を起こさないためにはどのように対処すればよいのか、自身が抱える問題点や解決策を自分なりに考えられるよう支援していきます。

(2)家庭

少年にとって、家庭は一番身近な環境であり、少年に最も影響を与えるものです。
家庭の問題が非行の原因となっていることも少なくありません。
一件問題がなさそうなごく普通の家庭に見えても、非行の背景を探るにつれて、実は家庭の問題に行きつくことは多いのです。
付添人は、少年の保護者にもなぜ少年が非行を起こしてしまったのか、その原因を考えてもらい、今後の対応を一緒に話し合っていきます。
当事者である家族だからこそ、家庭内の問題に気づきにくいこともあり、付添人が間に入って、改めて家庭環境を見直す機会を持つことで、その問題に気づき、家族関係が修復されることもあります。
その中で、家庭にしっかりと少年の居場所を作り、家族間のコミュニケーションを活発にするよう少年や家族と一緒になって家庭の環境調整に取り組みます。

(3)学校

少年が学校に通っている場合には、今後も少年が学校に通うことができるのか、学校が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考える上で重要です。
しかし、学校によっては、事件を起こして逮捕されたということにより退学とする場合もありますので、学校の状況や学校の先生との関係等を考慮し、適切なアプローチをすることになります。

(4)交際関係

非行の背景に不良交友関係がある場合には、そうした関係をいかに解消するかが重要です。
大人からみれば不良交友関係であっても、少年からすれば、自身の居場所であると感じていることもあるので、単に交際関係を断つよう少年に求めることは逆効果になることもあります。
そのような場合には、付添人は、少年と一緒に非行の原因がなんであったのかを考え、少年が交際関係に問題があったことに気づくことで、問題解決に至るよう手助けをします。

以上のような環境調整を行い、その成果を担当調査官や裁判官に報告し、少年の要保護性が解消されたことを主張し、最終的に社会内処遇となるよう努めます。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応にお困りの場合は、弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、0120-631-881までお電話ください。

覚せい剤事件における弁護活動

2019-04-14

覚せい剤事件における弁護活動

~ケース~
兵庫県姫路市に住むAさんは、ある日突然兵庫県姫路警察署の警察官による家宅捜索を受け、その後、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕されました。
Aさんは罪を認めていますが、今後どのような処分を受けるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反

覚せい剤取締法は、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関する取締りについて定めています。

覚せい剤取締法14条は、覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除き、覚せい剤の所持を禁止しています。
ここでいう「所持」は、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうものであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」と解されます。(最大判昭30・12・21)
つまりは、「覚せい剤を自己の支配内に置く行為」が「所持」にあたるというわけです。
判例によれば、以下の場合にも「所持」が認められると判示しています。
・物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合。
・直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合。
・比較的短時間の携行にすぎない場合。
また、所持罪が成立するためには、故意、つまり、覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していることが必要です。
積極的に覚せい剤を自己または他人のために保管する意思や、自己使用または第三者に使用させる意思などは必要とされず、その動機や目的、態様の如何を問いません。
ですので、覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けばそれだけで所持罪は成立することとなります。
「知人が勝手に置いて行ったので仕方なく保管していただけだ」と主張したとしても、置いて行ったものが覚せい剤だと認識しており、それでも自己の支配内に置いていたのであれば、所持罪の罪に問われ得るのです。

覚せい剤事件における弁護活動

覚せい剤事件で逮捕された場合、そのご勾留がなされ長期の身体拘束となるケースがほとんどです。
覚せい剤のような薬物事件では、共犯者がいることを疑われる場合には、接見禁止が付されることがあります。
接見禁止となると、弁護士以外の者と面会できなくなります。
このような場合、弁護人である弁護士は、被疑者の家族は事件に無関係であることを主張し、家族との面会を許可してもうえるよう接見禁止一部解除申立てを行います。
また、起訴後には保釈請求を行い、身柄解放活動を行います。
覚せい剤の所持や使用は、初犯であり、犯罪事実を認めている場合には、執行猶予がつく可能性があります。
一方、執行猶予中の再犯は実刑となる可能性が高いと言えます。
覚せい剤の被疑者・被告人は、薬物の依存症となっている場合が多く、治療やカウンセリングにつなげ、薬物をやめられる環境をつくることが大切です。
保釈された段階から、治療やカウンセリングを開始し、公判では既に専門的治療を受けており再犯防止の環境が整っている旨を主張することにより、社会内での更生が期待できると裁判官に判断してもらうことで執行猶予が獲得できる可能性が高まるでしょう。

ご家族が覚せい剤事件で逮捕されお困りであれば、薬物事件も数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
ご家族が逮捕されている場合には、弊所の弁護士が留置先に赴き直接接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡を。
兵庫県姫路警察署までの初回接見費用:39,900円)

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