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少年事件:家庭裁判所送致されたら

2019-11-16

少年事件:家庭裁判所送致されたら

少年事件として家庭裁判所送致された後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加東市に住むAさんは、乾燥大麻を所持した疑いで兵庫県加東警察署に逮捕されました。
10日の勾留の後に、神戸家庭裁判所姫路支部送致されました。
Aさんの両親は、逮捕の連絡を受けてすぐに少年事件に精通する弁護士に弁護を依頼しており、家庭裁判所送致後も同弁護士に付添人として動いてもらうよう頼んでいます。
(フィクションです)

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合であっても、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を管轄の家庭裁判所送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」と呼び、少年保護の専門機関である家庭裁判所に、少年に対して如何なる処遇が適当であるかの判断をゆだねるものです。
少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のような捜査機関で事件が終了するといったことはありません。

被疑者段階で逮捕・勾留されている少年が家庭裁判所送致されると、家庭裁判所は、裁判所に到着したときから24時間以内に、「観護措置」をとるか否かを決定します。

観護措置について

「観護措置」は、家庭裁判所が調査・審判を行うため、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に、終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護する措置です。
観護措置には、家庭裁判所調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に送致する措置(収容観護)の2種類がありますが、実務上前者はほとんど活用されていません。
被疑者段階で身体拘束を受けた少年については、家庭裁判所送致後も引き続き少年鑑別所に収容する観護措置がとられることが多くなっています。

調査について

家庭裁判所では、審判に付すべき少年について、事件の調査が行われます。
実施される調査には、非行事実の存否等に関する調査(法的調査)と要保護性に関する調査(社会調査)とがあります。
社会調査は、家庭裁判所の調査官によって行われます。
調査官は、少年や少年の保護者と面会したり、学校に文書等で照会を行う等して調査を行います。
調査官は、実施した調査の結果とそれに基づく処遇意見をまとめた少年調査票を作成し、裁判官に提出します。
調査官の意見は、裁判官が少年に対する処分を決定する際に参考にされるため、最終的な処遇に大きく影響します。

審判について

家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときには、審判開始決定をしなければなりません。
観護措置がとられている事件については、調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされ、審判期日が指定されるのが実務上の運営となっています。
審判開始決定がなされると、審判期日が指定されます。
審判には、裁判官、書記官、調査官、少年本人、少年の保護者、付添人が出席します。
審判では、非行事実についての審理が行われた後に、要保護性の審理が行われます。
続いて、調査官・付添人の処遇意見の陳述が行われ、少年の意見陳述が続きます。
最後に、裁判官より決定が言い渡されます。
審判にかかる時間は、非行事実に争いがなく、1回の審判で決定まで言い渡す事件の場合、40~50分程度となります。

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続に基づいて処理されるため、少年事件についての相談・依頼は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

2019-10-27

覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

公判手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反の疑いで兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕・勾留後に、神戸地方検察庁は同罪で神戸地方裁判所公判請求を行いました。
Aさんは、公判手続の流れについて、弁護人に説明を受けています。
(フィクションです)

検察官が裁判所に対して公判請求を行うと、裁判所、検察官、被告人・弁護人が出席し公開の法廷で審理を行うことになります。

公判期日における手続は、(1)審理手続、そして、(2)判決の宣告手続とに大きく分けられます。

1.審理手続

審理手続は、①冒頭手続、②証拠調べ手続、③弁論手続から成ります。

①冒頭手続
冒頭手続とは、(a)人定質問、(b)起訴状朗読、(c)権利告知、(d)被告人および弁護人の陳述という手続からなるものです。

人定質問
裁判長は、出席した被告人に対し、人違いでないことを確かめるため、被告人の氏名・年齢・職業・住所・本籍などを質問します。

起訴状朗読
人定質問に続いて、検察官が起訴状を朗読します。
これは、裁判所に対して審理の対象を、被告人に対して防御の対象を明らかにするために行われるものですので、起訴状に記載されている公訴事実、罪名、罰条が朗読されます。

権利の告知
裁判長は、被告人に対して、黙秘権やその他の権利を告知します。

被告人および弁護人の陳述
裁判長は、被告人および弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければなりません。
この際に、被告人に対し、起訴状の記載内容に間違いはないどうかを尋ね、公訴事実の認否をさせ、争点を明確にします。

②証拠調べ手続
裁判所が書証や証人等の証拠を取り調べる手続で、最初に検察側から立証が行われ、その後被告人側の立証が行われます。
証拠調べ手続は、検察側の立証が先立ち、(a)冒頭陳述、(b)証拠調べ請求、(c)証拠調べ請求に対する意見、(d)証拠決定、(e)証拠調べとなり、次に弁護側の立証に移り、(a)証拠調べ請求、(b)証拠調べ請求に対する意見、(c)証拠決定、(d)証拠調べ、(e)被告人質問という流れとなります。

冒頭陳述
証拠調べの始めに、証拠により証明すべき事実を明らかにするための手続です。
これは、証拠調べの冒頭で検察官に事件の全貌を明らかにする主張を行わせることにより、裁判所に対し、審理方針の樹立及び証拠の関連性等の判断材料を提供するとともに、被告人の防御の便に資するようにする趣旨に基づくものです。
検察官の冒頭陳述の後に、裁判所の許可を得て、被告人・弁護人も冒頭陳述をすることができます。

証拠調べ請求
検察官、被告人及び弁護人の請求に基づき証拠調べの請求がなされます。
証拠調べとは、証人などの尋問、証拠書類・証拠物の取調べ、検証、鑑定などをいいます。

証拠決定
証拠調べ請求に対して、裁判所は、証拠調べの決定または請求却下の決定を行います。
証拠決定を行うにあたって、裁判所は、請求に基づく場合は相手方の意見を聴きます。

証拠調べ
証拠書類や証拠物の取調べ、証人尋問、鑑定人の尋問などを実施します。

被告人質問
被告人は黙秘権を有しているので、終始沈黙したり、ここの質問に対し供述を拒むことができます。
被告人が任意でした供述は、証拠となります。

③弁論手続
証拠調べ手続が終ると、検察官は事実および法律の適用について意見を陳述しなければなりません。
これを「論告」といいます。
検察官が有罪を主張する際、量刑についても意見を述べるのが通常であり、この意見を「求刑」といいます。
被告人・弁護人は、最後に意見を陳述する機会が与えられています。

2.判決の宣告手続

判決は、公判廷において宣告し、これを告知します。
裁判長が、主文および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければなりません。

公判では、無罪や無実を訴える、執行猶予や減刑を求めるなど争い方も事件により異なります。
公判における弁護活動については、法廷における弁護士の技術が判決結果に大きく影響を与えることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件を起こしお困りの方は、弊所の刑事事件専門の弁護士に今すぐご相談ください。
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被告人勾留と保釈

2019-10-23

被告人勾留と保釈

被告人勾留保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
大麻取締法違反で逮捕・勾留された大学生のAさん(21歳)は、すぐにでも釈放してほしいと思っています。
勾留に対する準抗告も認められず、勾留満期日まであと少しとなりました。
弁護人からは起訴後すぐに保釈請求すると言われています。
(フィクションです)

被告人勾留

「勾留」とは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判とその執行をいいます。
この勾留には、被疑者勾留(起訴前勾留)と被告人勾留(起訴後勾留)とがあります。

被告人勾留」は、その名前からも明らかなとおり、起訴後の勾留です。
被告人勾留は、受訴裁判所が行うことが原則です。
ただし、第1回公判期日前は、原則として控訴の提起を受けた裁判所の裁判官で、事件の審理に関与しない裁判官が行います。
その理由は、勾留に関する処分を行うためには、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があるかないかを調査する必要があるので、第1回公判期日前から受訴裁判所がおこなうことは、予断排除の原則に反するおそれがあるからです。

被告人勾留の期間は、公訴の提起があった日から2か月と、被疑者勾留の期間よりも長くなっています。
特に必要がある場合には1か月ごとに更新されます。

被告人勾留は、次の3つに分類されます。

(1)被疑者勾留中の起訴
被疑者段階で、逮捕・勾留され、起訴前から既に身体拘束を受けている場合で、勾留期間中に同一の犯罪事実について起訴されると、起訴と同時に被疑者勾留は自動的に被告人勾留に切り替わります。

(2)逮捕後まで勾留されていない被疑者の起訴
勾留が決定する前に、検察官により起訴された被告人については、裁判官が職権で勾留するか釈放するかを決めます。

(3)逮捕・勾留されていない在宅の被疑者の起訴
逮捕も勾留もされていない被疑者が起訴された場合、そのまま在宅事件として手続が進行することが多いですが、裁判官または裁判所は職権で被告人を勾留することもできます。

被告人勾留から解放するための手段としては、以下のものがあります。

①勾留の取消し
②勾留の執行停止
保釈
④抗告、準抗告

保釈制度

保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身体拘束を解く裁判とその執行をいいます。
起訴前の被疑者勾留については保釈は認められませんが、起訴後であれば保釈制度を利用することができます。

裁判所が保釈を認めるときには、保釈金額を定めなければなりません。
その金額は、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません。
ですので、保釈保証金の額は被告人の経済状況によって異なります。
一般的なサラリーマンであれば、だいたい200万円程度が保釈保証金の相場となっています。
当然、経済力がある被告人であれば、それ以上の金額になります。
カルロス・ゴーン被告の最初の保釈にかかる保釈金が10億円であったことも記憶に新しいところですね。
過去最高額は、20億円だといいますから、保釈金の額も様々です。

逮捕・勾留されている場合には、既に長期間の身体拘束を強いられていることになります。
それ以上の身体拘束により被る損害が大きくならないよう、早期に保釈請求をし、釈放されるよう動くことが重要です。
ただし、再逮捕が見込まれる事件では、起訴後すぐに保釈に成功したとしても、その後再逮捕されて再度勾留される可能性も大いにありますので、保釈請求をかけるタイミングは慎重に見極めなければなりません。

ご家族が逮捕・勾留されており、保釈で釈放とならないかお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで!

接見禁止一部解除に成功!

2019-10-15

接見禁止一部解除に成功!

接見禁止一部解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西宮市に住む大学生のAさん(19歳)は、自宅で大麻を所持した疑いで、兵庫県西宮警察署に大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
Aさんは、友人に勧められて大麻に手を出し、SNSを通じて大麻を手に入れるようになりました。
今回は、売人が摘発されたことにより、買手であったAさんが特定されたようです。
Aさんは、逮捕後、勾留となりましたが、同時に接見禁止決定が出されており、Aさんの家族は面会することが出来ず困っています。
(フィクションです)

接見禁止決定とは

身体の拘束を受けている被疑者・被告人が、弁護人と立会人なく接見し、または書類若しくは物の授受をすることができる権利を「接見交通権」といいます。
接見交通権は法で保障されており、被疑者・被告人の防御のためにも最も重要な権利と言えます。
弁護人以外の者、例えば、被疑者・被告人の家族などとの接見交通については、法令の許容内で許可されます。
通常は、勾留が決定した後から家族などとの一般面会ができるようになります。

しかし、裁判官は、「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるときは、検察官の請求により、あるいは職権で、接見を禁じ、または授受すべき書類、その他の者を検閲し、その授受を禁じ、もしくはこれを差し押さえることができます。
この決定を「接見禁止決定」といいます。

接見禁止決定が出されると、弁護人以外の者は、身体拘束を受けている被疑者・被告人と面会することはできません。

接見禁止となりやすいケース

すべての被疑者・被告人に接見禁止が付されるわけではありません。
上述のように、「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」がある場合になされます。
このような理由に該当するケースは、概して次のようなものです。

1.逃亡のおそれがある場合

被疑者・被告人が、住所不定であったり、定職に就いていない場合など、一定の場所にとどまる理由がないので、逃亡のおそれが認められやすいでしょう。

2.共犯事件

他の共犯者と口裏を合わせる可能性もあるため、罪証隠滅のおそれが認められる傾向にあります。

3.組織的犯罪

犯罪組織が背後にいる場合、それらの者と接触し、口裏合わせをする可能性があり、罪証隠滅のおそれがあると判断されやすいでしょう。

4.被害者との接触可能性が高い場合

被疑者・被告人と被害者とが知り合いである場合、知人を通じて被害者に供述を変えるよう圧力を加える可能性もあるため、罪証隠滅のおそれがあると考えられることがあります。

大麻を含めた薬物事件では、その背後に密売人や犯罪組織がいることが多く、それらとの接触を阻止するため接見禁止となるケースが多くみられます。

接見禁止を解除するために

接見禁止が決定してしまうと、家族と面会することはできなくなってしまいます。
身体拘束を余儀なくされ、外界と遮断された環境に長期間いる被疑者・被告人は、ただでさえ精神的なダメージを受けているのに、家族との面会を禁止されることにより、更なる苦痛を強いられることになります。
そのため、接見禁止を解く活動は非常に重要です。

1.準抗告・抗告

被疑者・被告人が接見等禁止決定を受けている場合、裁判所に対して準抗告や抗告を申し立てることができます。
被疑者・被告人の家族は、事件と無関係であり、家族を通して罪証隠滅を図る可能性はないことや、被疑者・被告人と家族が連絡をとらなければならない事情があるなどを説得的に主張することで、配偶者や両親などの近親者に対する部分について、一部取り消しが認められることもあります。

2.一部解除申立て

これは、裁判官の職権発動を促す申立てです。
つまり、家族に対する部分だけ解除してくださいと裁判官に対してするお願いです。
準抗告・抗告と同様に、家族については罪証隠滅のおそれがないことを客観的証拠と併せて書面にて申し出ます。

このように、家族が事件には関係のないことを客観的に証明することができれば、家族との間で接見禁止一部解除となる可能性はあります。

ご家族が刑事事件を起こし、逮捕・勾留されてお困りの方、接見禁止が出てご家族と面会できずお悩みの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

取調べ対応~接見交通権~

2019-10-11

取調べ対応~接見交通権~

接見交通権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂市に住むAさんは、ある日の早朝に自宅にやってきた兵庫県赤穂警察署の警察官に大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
自宅にいたAさんの妻は、警察からは大麻取締法違反としか聞かされておらず、いったいこの先Aさんがどうなるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に初回接見にいってもらうよう依頼しました。
(フィクションです)

ある日、突然警察官が自宅にやってきて「逮捕」された。
事件現場に警察官が駆け付けて「逮捕」された。
逮捕は、事前に知らされて実施されるものではありません。

あなたが事件を起こし、被疑者として逮捕されたら、あなたは警察署で取調べを受けることになります。
そして、警察署の留置場で過ごすことになります。
突然、外部との接触が断たれ、捜査官からの取調べに、身体的にも精神的にも追い詰められ、自分にとって不利な証言や、やってもいないことまでやってしまったと証言してしまうおそれも大いにあります。

そんな時には、法律の知識を持った弁護士に相談し、どのように取調べに対応すればよいのか、今後はどのような流れになるのか、アドバイスや説明を受けることにより、身柄が拘束された被疑者の不安がどれほど軽減されることでしょうか。

刑事事件で逮捕・勾留され身柄が拘束されている被疑者・被告人は、弁護人または弁護人になろうとする者との「接見交通」が権利として保障されています。

刑事訴訟法第39条は、「接見交通」について次のように規定しています。

第三十九条 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
○2 前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
○3 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

上の第1項は、身体の拘束を受けている被疑者・被告人が、弁護人と立会人なくして接見し、書類もしくは物の授受をすることができる権利である弁護人との「接見交通権」について規定しています。
これは、身柄を拘束され、密室で取調官による尋問を受ける被疑者・被告人にとって、黙秘権や防御権が保障されるためには、弁護人による有効な弁護、特にその前提となる自由な接見が不可欠であるため認められるものです。

弁護人もしくは弁護人になろうとする弁護士とは、いつでも、立会いの警察官なく、時間制限もなく接見室で面会し、相談することができます。

被疑者・被告人の家族等も、法令の許す範囲で面会することが出来ますが、その際には立会人が同席し、面会時間も平日の9~17時の間の約20分と限られています。
また、裁判官が接見禁止を付した場合には、家族等との面会は禁止されます。
他方、弁護士であれば、接見禁止決定が出ていても、被疑者・被告人と面会することは可能です。

刑事事件に詳しい方などそう多くはありませんので、突然の逮捕で、多くの方が今後の流れや見込まれる処分、取調べ対応について大きな不安を覚えられるでしょう。
また、逮捕の連絡を受けたご家族の方も、一体どのような事件を起こしたのか、この先どうなるのか分からず、不安な気持ちでいらっしゃることでしょう。

そのようなときには、弁護士に初回接見を依頼しましょう。
逮捕されてから勾留が決まるまでの間は、原則、被疑者の家族であっても面会することはできません。
ですので、事件のことも、逮捕された方の様子も確認する手段がありません。
そのような時には、弁護士に接見を依頼されれば、弁護士が留置先に赴き逮捕された方と接見をし、事件の詳細を伺った上で、手続の流れや見込まれる処分の説明や、取調べ対応についてのアドバイスをすることができます。
また、ご家族からの伝言も伝えることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件で逮捕され、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。

覚せい剤の所持・使用で逮捕

2019-08-31

覚せい剤の所持・使用で逮捕

覚せい剤所持使用の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反(所持使用)の容疑で兵庫県須磨警察署逮捕されました。
Aさんは、逮捕に引き続き勾留となり、接見禁止が付されているため家族と面会することもできません。
Aさんの家族は、「このまま裁判まで身柄拘束されたままなのか、釈放される可能性はないのか。」ととても心配しています。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反の罪

覚せい剤取締法は、「覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締を行う」ことを目的とした法律です。
覚せい剤取締法において規制の対象となる「覚せい剤」とは、
・フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及びその塩類
・上と同種の覚醒作用を有する者であって政令で指定するもの
・上の2つのいずれかを含有するもの
と定義されています。
ですので、覚せい剤取締法が規制の対象としているのは、必ずしも純粋な覚せい剤に限るものではなく、混合されたものであっても「覚せい剤」に当たることになります。
また、覚せい剤が他のものと混合し、覚せい剤の含有量が少量であっても、「覚せい剤」に当たります。

先述したように、覚せい剤取締法は、除外事由なく覚せい剤の輸入・輸出・所持・製造・譲渡・譲受・使用を禁止しています。
ここでは、上記ケースで容疑がかけられている「所持罪」と「使用罪」について説明します。

所持罪

覚せい剤取締法14条は、覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除いて、覚せい剤所持を禁止しています。
覚せい剤所持罪は、①「覚せい剤を」、②「みだりに」、③「所持すること」、により成立する犯罪です。
所持」とは、どのような行為を指すのでしょうか。
所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場所における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」とされます。(最大判昭30・12・21)
つまり、覚せい剤所持は、「覚せい剤を自己の支配下に置く行為」となります。
過去の判例では、次のような場合も「所持」が認められています。
・物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合
・直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合
・所有者でない場合
・比較的短時間の携帯にすぎない場合

また、所持罪が成立するためには、「覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること」(=故意)が必要となります。
覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けばそれだけで所持罪が成立し、積極的に覚せい剤を自己又は他人のために保管する意思や、自己使用又は第三者に使用させる意思などは必要ありません。

所持については未遂罪も処罰されます。
他人から覚せい剤の保管を頼まれ、これを承諾し、覚せい剤を預かり保管するために受け取ろうとした時点で逮捕された場合も、未遂罪が成立することになります。

所持罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
営利目的での所持は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金です。

使用罪

覚せい剤使用は、以下の場合を除いて禁止されています。
覚せい剤製造業者が製造するため使用する場合
覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
覚せい剤研究者が研究のために施用する場合
覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
・法令に基づいてする行為につき使用する場合
このような法定の除外事由がないのに覚せい剤を「使用」してはなりません。
使用」とは、覚せい剤をその用途に従って用いる一切の行為をいいます。
自分に対して使用している場合だけでなく、人に頼まれて覚せい剤を注射した場合も「使用」したことになります。
むろん、使用罪は故意犯であるため、行為者が「法定の除外事由がないのに、覚せい剤使用することを認識・認容していることが必要となります。

使用罪の法定刑は、10年以下の懲役で、営利目的での使用は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金です。

このように、覚せい剤取締法違反の罪は非常に重い刑罰が設けられています。
また、覚せい剤事件で逮捕されると、かなりの確率でその後勾留となります。
共犯者との接触を防ぐため、弁護士以外との面会を禁止する接見禁止が付される可能性も高いです。

ご家族が覚せい剤事件で逮捕されてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

外国人事件と退去強制

2019-08-25

外国人事件と退去強制

外国人事件退去強制について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古川市の会社に勤務している外国籍のAさんは、大麻を国際郵便で輸入しようとしたとして兵庫県加古川警察署に逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、今後どのような流れになり、どのような処分を受けるのか、退去強制となるのか非常に不安です。
(フィクションです)

外国人が刑事事件を起こすと…

外国人が犯罪行為を行った場合でも、取られる手続は通常の刑事事件と同じです。
検察官が被疑者の起訴・不起訴を決定し、公判請求された場合には、公開での審理を経て有罪無罪が言い渡されます。
これらの手続はすべて日本語に基づいて進められますが、日本語を理解することができない方、若しくはある程度は日本語力がある方でも複雑な手続や法律の専門用語などがきちんと理解することが難しい場合には、通訳人を介して手続を進める必要があります。
外国人の方が事件を起こしてしまった場合に、一体今後どのような流れになり、如何なる処分を受けるのか、といったことについて心配なさることでしょう。
言語や文化などの違いから、日本人以上に不安を感じられるでしょう。
そのような場合、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談し、丁寧な説明やアドバイスを受けることが重要です。

また、外国人の方が刑事事件を起こしてしまった場合に、懸念されるのが、事件終了後も日本に滞在可能かどうかという点です。
つまり、「退去強制」となるか否かという問題です。

退去強制について

退去強制」とは、「出入国管理及び難民認定法」に定められた行政処分の一つで、日本に滞在している外国人を強制的に日本から退去させることをいいます。
出国管理及び難民認定法第24条では、日本社会において強制的に退去させるべき者を事由ごとに列挙しています。

上記ケースのように薬物事件に関しては、同法第24条第4項(チ)に規定されています。

チ 昭和二十六年十一月一日以後に麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法、覚せヽいヽ剤取締法、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)又は刑法第二編第十四章の規定に違反して有罪の判決を受けた者

Aさんは、大麻輸入の容疑で逮捕されており、Aさんは容疑を認めています。
大麻の輸入は、大麻取締法によって規制されていますので、大麻取締法違反で有罪判決を受けた場合には、退去強制事由に該当することになり、退去強制となる可能性があります。
有罪判決ですから、執行猶予判決であってもアウトです。

退去強制事由に該当する場合、特別な事情がない限りは、退去強制させられることとなります。
ただし、日本人の配偶者がいる場合や、日本人の子がいる場合などは、在留特別許可が認められることもあります。

先述の通り、薬物犯罪で有罪判決を受けたことは、退去強制の要件になっていますが、判決の確定までが必要です。
執行猶予付き判決が言い渡された場合、判決宣告時には勾留からも解放され、退去強制事由にも当たらないため、身体拘束は解かれます。
判決が確定した後に、入国管理局から出頭を命じる呼び出しが来て、退去強制の手続がすすめられます。
一方、実刑判決が言い渡された場合には、原則として、日本国内の刑務所に服役することになります。
刑期満了後又は仮釈放後に入国管理局に移送され、強制送還を待つことになります。

退去強制事由は様々で、事件内容や滞在資格によっては退去強制とならないこともあります。
ですので、外国人の方が事件を起こしてしまった場合には、刑事事件及び退去強制手続にも詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

ご家族が事件を起こし逮捕・勾留されてお困りであれば、刑事事件・少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

危険ドラッグ~薬物の認識~

2019-08-24

危険ドラッグ~薬物の認識~

危険ドラッグ薬物認識について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県三田市に住むAさんは、兵庫県三田警察署の家宅捜索を受けた後に、三田署へ連行され、医薬品医療機器等法違反の容疑で逮捕されました。
取調べでは、知人のBさんから購入した危険ドラッグについて聞かれましたが、Bさんからは「合法なもので、リラックス効果があるアロマのようなもの」だと聞いていたAさんは、それが危険ドラッグだとは知らなかったと供述しました。
しかし、取調べでは「違法薬物認識があっただろう」と詰められており、どう対応すればよいか分からず困っています。
(フィクションです)

危険ドラッグとは?

覚せい剤や大麻が法律で厳しく規制されていることは、みなさんご存知のことと思います。
有名人による薬物事件が相次いで報道される昨今、薬物に対する認識も高まっています。
それでは、「危険ドラッグ」についてはどの程度その危険性を認識されているのでしょうか。

覚せい剤は覚せい剤取締法で、大麻は大麻取締法で規制されていますが、「危険ドラッグ」は危険ドラッグ取締法なるもので規制されてはいません。
危険ドラッグ」は、医薬品医療機器等法で規制されています。

一般的に「危険ドラッグ」は、覚せい剤、大麻、麻薬、向精神薬、あへん及びけしがらなどの規制薬物または医薬品医療機器等法第2条15項に規定する指定薬物に化学構造を似せて作られ、これと同様の薬理作用を有する物品と定義されます。
規制薬物や指定薬物を含有しない物品であるといいながら、実は違法な成分が含まれていたり、違法な成分が含まれていないけれども規制薬物や指定薬物よりも有害な成分が含有している場合もあり、非常に危険なものです。
危険ドラッグ」には、乾燥植物片状、粉末状、液体状、固体状と様々な形態があり、「合法ハーブ」「アロマ」「リキッド」「お香」などと称して販売されています。
ネットでも簡単に購入することもできるため、それほど危険なものではないと誤認し、輸入する、使用するケースも少なくありません。

このような「危険ドラッグ」自体を医療機器等法が規制しているわけではなく、同法における「指定薬物」に該当する「危険ドラッグ」が規制対象となります。

指定薬物とは?

それでは、医療機器等法でいう「指定薬物」とはどのようなものなのでしょうか。

医療機器等法第2条15項は、以下のように「指定薬物」について定義しています。

15 この法律で「指定薬物」とは、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。以下「精神毒性」という。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)に規定する大麻、覚せヽ いヽ剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)に規定する覚醒剤、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)に規定する麻薬及び向精神薬並びにあへん法(昭和二十九年法律第七十一号)に規定するあへん及びけしがらを除く。)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

このような指定薬物については、疾病の診断、治療又は予防の用途や人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用することを禁止されています。
違反に対する罰則は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方です。
業として行った場合は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方と加重されます。

規制薬物との認識がない場合は?

危険ドラッグ」を「合法」「違法でない」ものと言われ所持・使用したというケースも少なくありません。
犯罪が成立するためには、所持・使用等していたものが規制薬物であると認識していたことが必要となります。
ですので、規制薬物認識がなければ罪に問うことはできません。

といっても、単に「合法だと思っていました!」と言うだけで責任を免れることは難しいのです。
「ちょっと怪しいけど、ま、いっか。」と少しでも違法なものかもしれない程度の認識があれば罪は成立する可能性があります。
使用した状況や入手した経緯などから、規制薬物であると想像できたはずだと判断されることもありますので、危険ドラッグで逮捕されたらすぐに弁護士にしましょう。

弁護士に事件の詳細を説明し、取調べに対してどのように対応すべきかについてきちんとアドバイスを受けることが何よりも大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件にも対応する刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が危険ドラッグで逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件における環境調整②~環境調整の重要性~

2019-08-22

少年事件における環境調整②~環境調整の重要性~

少年事件における環境調整の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

少年審判の審理対象~非行事実と要保護性~

「非行事実」は、刑事裁判における「公訴事実」に該当するものです。
「要保護性」というのは、以下の3つの要素により構成されるものと理解されます。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行を犯す可能性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を取り除くことができる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な措置であること。

審判では、上の「非行事実」と「要保護性」の両方が審理されます。
そのため、少年事件では、犯罪行為の軽重が直接量刑に影響する成人の刑事事件と異なり、非行事実が軽微であっても、要保護性が高い場合には、少年院送致といった身体拘束を伴う処分が選択されることがあります。
他方、非行事実は重い罪名の付くものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために適切であると判断されれば、保護観察といった社会内処遇が選択されることもあります。
そのため、「要保護性の解消」は少年事件においては非常に重要な要素となるのです。

少年事件における環境調整の重要性

上述のように、要保護性が低ければ低いほど、少年を身体拘束して更正する必要がなくなるというわけですが、要保護性の解放に向けては「環境調整」がとても重要な役割を果たします。

環境調整」というのは、保護者の関係の調整、就業先の開拓、帰住先の確保等、少年の社会復帰を円滑にするために少年をとりまく環境を調整することをです。
つまり、少年が更生に向けて生活するために必要な環境を整えることです。
この環境調整は、少年本人への働きかけ、家庭や学校、職場などへの働きかけ、交遊関係の調整、被害者への対応といった多岐に渡る活動を含みます。

(1)少年本人への働きかけ

少年本人が真に事件、そして自分自身と向き合うことができなければ、どんなに外部的環境調整に尽力したとしても、要保護性を解消することは難しく、少年の更生にはつながりません。
自分が何故今回の事件を起こしてしまったのか、それにより誰を傷つけてしまったのか、二度と同じ過ちを繰り返さないためにはどうすべきなのか等、しっかりと考えていかなければなりません。
勿論、このようなことを考え、答えを見つけることは、少年のみでは容易ではありません。
少年の家族や、学校の先生方、家庭裁判所の調査官など、協力してくれる大人はいます。
また、弁護士は弁護人・付添人として、少年が事件や自分自身の問題と向き合いあえるよう支援し、解決策を見出せるよう共に考えていきます。

(2)家庭への働きかけ

家庭は少年にとって最も身近な環境であり、家庭内の問題が非行の背景にあることが多く、家庭への働きかけは環境調整をする上でも重要であると言えるでしょう。
弁護士は、少年と保護者との間に入り仲介役的な役割を担うこともあれば、両者に対して問題点を指摘したり改善のアドバイスをしたり学校の先生のような役割を担うこともあります。
勿論、これらは弁護士から一方的に行うものではなく、少年や保護者との話し合いを重ね、ともに考える中で行うものです。

(3)学校や職場への働きかけ

学校に在籍している少年の場合、今後も在籍できるか、学校側が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考えるうえで重要な事項です。
公立の学校は、警察・学校相互連絡制度によって警察から学校に逮捕の連絡がいってることがあります。
学校に知られている場合には、学校側に少年事件の手続や少年が真摯に反省し更生に向けて努力している点などを報告し、少年を積極的に受け入れてくれるよう協力を求めます。
学校が事件について把握していない場合、私立学校のように事件を起こしたことを知れば退学処分とするようなところもあるため、学校に知られないように働きかける必要もあるでしょう。
働いている少年についても、学校と同様、少年が職場で働き続けることができるよう職場の上司などに協力を求めていきます。

(4)交遊関係の調整

少年の交遊関係が事件の背景にある場合もそう少なくありません。
ケース②のように薬物事件では、恋人や友人から勧められて薬物に手を出すといったケースも多く、薬物を断つためにはこのような関係を解消する必要があります。
ケース②では、Aさんは交際相手の勧めで大麻に手をだしているわけですので、この交際相手との関係を終わらせることはもとより、大麻の入手先を知っている場合には、入手先とも一切連絡をとれなくするなど、薬物に関連する関係を一切断ち切る必要があるでしょう。

(5)被害者への対応

成人の刑事事件のように、被害者との示談成立により、不起訴処分で事件終了というわけにはいきませんが、被害者への謝罪・被害弁償、示談が成立していることにより、少年が事件を真摯に反省し、被害者にも配慮していると判断される要素にはなります。
勿論、少年が反省せず、単に形式上被害弁償をしたという事実だけでは、要保護性を解消させる要素となり得ません。
ケース①の盗撮事件のように、被害者がいる事件では、一刻も早く被害者に被害弁償を!と急がれる場合がありますが、形だけの被害弁償を急ぐのではなく、少年自身が真に反省し、被害者に対してきちんと謝罪する気持ちを持つことができてから、それに基づいて被害者対応を行うことが、要保護性の解消につながるでしょう。

このように、少年事件においては、成人の刑事事件とは異なる視点で対応しなければならないことも多くあります。
そのため、少年事件については、少年事件に精通する弁護士に相談されることをお勧めします。

お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件における環境調整①~少年事件の流れ~

2019-08-21

少年事件における環境調整①~少年事件の流れ~

少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース①~
兵庫県内に住む中学生のAくん(15歳)は、駅構内のエスカレーターにおいて女子高生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、目撃者の男性に身柄確保されました。
Aくんは兵庫県垂水警察署で取調べを受けた後、両親が身元引受人となり夜に釈放となりました。
「余罪もあるようなので、また何回か取調べを受けてもらうことになる。捜査機関の捜査が終了したら、家庭裁判所が事件を担当することになる。」と警察官から簡単な説明を受けたAくんと両親は、少年事件の流れや最終的な処分について分からず心配になってきました。
(フィクションです)

~ケース②~
大学生のAさん(18歳)は、交際相手から大麻を勧められ、大麻を使用するようになりました。
交際相手の自宅に居た際に、兵庫県垂水警察署がやってきて、家宅捜索後に、Aさんと交際相手を大麻取締法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、すぐに弁護士に接見を依頼し、事件について報告を受けることができました。
逮捕後に勾留が付く可能性が高いことや薬物事件では接見禁止となる可能性もあることを弁護士から聞き、Aさんの更生を第一にと弁護士に弁護を依頼することにしました。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

20歳未満の者(「少年」といいます。)が刑罰法令に反する行為を行った場合、少年法に基づく手続に従って処分を受けることになります。
少年の年齢や非行内容により少年事件の流れは異なりますが、ここでは14歳以上20歳未満の犯罪行為を行った少年(「犯罪少年」といいます。)の少年事件の流れについて説明しましょう。

(1)捜査段階

警察に事件が発覚すると、捜査が開始されます。
捜査段階では、成人の刑事事件とほとんど同様の手続がとられます。

ケース①

Aくんは盗撮をし、目撃者によって私人逮捕されています。
容疑を認めており、前歴・補導歴もないこと、スマートフォン内のデータ等の証拠を押収していること、そして身元引受人がいること等から、逮捕に引き続き身柄を拘束する必要がないと警察が判断したものと考えられます。
こうして、Aくんは逮捕の日に釈放され、余罪の件も含めてあと何回か警察に出頭し取調べを受けることになりました。
身柄を拘束せずに捜査を行う事件を「在宅事件」と呼びます。
警察での捜査が終わると、事件は検察に送致されます。
法定刑が罰金以下の比較的軽微な犯罪を犯した疑いがある場合は、警察から直接家庭裁判所に送致されます。
Aくんの場合は、迷惑防止条例違反に問われていると考えられますので、警察での捜査が終了すると、次は検察が事件を担当することになり、検察官から呼び出しがあります。
検察官は捜査を終えると、事件の記録を管轄の家庭裁判所に送致します。

ケース②

身柄を拘束する必要がある場合には、少年であっても逮捕されます。
逮捕から48時間以内に警察から検察官に事件が送致され、被疑者である少年の身柄を受けた検察官は24時間以内に少年を釈放するか勾留請求を行うかを決めます。
検察官が勾留請求した場合、裁判官は少年と面談した上で、勾留するか否かを判断します。
勾留となれば、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長が認められれば最長で20日間、警察署の留置場で身柄が拘束されることになります。
ここまでは成人の刑事事件の流れと同じですが、少年事件の場合には、「勾留に代わる観護措置」がとられる点が成人の刑事事件とは異なります。
少年事件の場合には、検察官は裁判官に「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
当該措置がとられると、収容場所が少年鑑別所となります。
収容期間も10日で、延長は認められません。

(2)家庭裁判所送致後

警察や検察での捜査を終えると、事件が家庭裁判所に送られます。

家庭裁判所は、事件が係属している期間中いつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」は、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護しその安全を図る措置で、そのほとんどが少年鑑別所に送致する措置がとられています。
捜査段階で「勾留に代わる観護措置」がとられていた場合、家庭裁判所に事件が送致されると当然に「観護措置」とみなされます。
逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所は送致された時に観護措置をとることがほとんどです。
ケース②の場合、薬物事件ということもあり、逮捕後勾留されることがほとんどです。
そのため、送致後に観護措置がとられる可能性は高いでしょう。

一方、ケース①のように在宅事件であっても、観護措置をとる必要があると判断されることもありますので、在宅事件だからと安心していると、家庭裁判所送致後に観護措置がとられ少年鑑別所に収容となることもあります。

家庭裁判所は事件を受理すると、家庭裁判所の調査官による調査、及び審判を経て最終的な処分が決定されます。

最終的な処分は、次の通りです。
①保護処分決定
 (a)保護観察
 (b)少年院送致
 (c)児童自立支援施設等送致
②検察官送致
③不処分
④都道府県知事又は児童相談所長送致
⑤審判不開始
中間的な処分として、試験観察があります。

以上、少年事件の流れを見てきましたが、少年であっても身柄がとられる可能性もあります。
長期の身体拘束により退学や解雇といった不利益を被るおそれもありますので、お子様が逮捕・勾留されお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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