男女間トラブル:強制性交等罪となる場合

2020-02-09

男女間トラブルから強制性交等罪に問われ得る場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
出会い系アプリで知り合った女性Vさんと食事をすることになったAさん。
食事の後、カラオケに行き、いい雰囲気になったところで、AさんはVさんにキスをしました。
Vさんも嫌がる様子はなく、Aさんはそのまま性交をしようとしました。
Vさんは、「ちょっとそれは」と言っていましたが、はっきりと拒絶する態度をとらなかったので、Aさんは「これはOKだということだな。」と思い、そのまま続けました。
その後、普通に会話し、カラオケ店を後にした二人は、また会う約束をして別れました。
しかし、後日、Vさんから「同意なくされた。あれはレイプだ。警察に相談する。」という内容のメッセージが送られてきました。
驚いたAさんは、Vさんと連絡をとろうとしましたが、返事がありません。
心配になったAさんは、このまま刑事事件に発展する可能性があるのか、刑事事件に詳しい弁護士に相談しに行きました。
(フィクションです)

強制性交等罪について

男女間トラブルから刑事事件に発展するケースがあります。
DV事件であれば、暴行罪や傷害罪に問われることが多く、強制性交等罪や強制わいせつ罪などの性犯罪に問われる場合には、男女間で同意があったか否かが問題となるケースがよく見受けられます。
最近では、出会い系アプリを通じて知り合った男女がその場の雰囲気で肉体関係をもち、後に同意がなかったと相手方から主張されるケースが多く、男女間での同意の認識の違いから事件に発展しています。

それでは、強制性交等罪が成立する場合について説明していきます。

強制性交等罪は、刑法第177条に規定される罪です。

第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

強制性交等罪は、平成29年の刑法改正により、強姦罪に替えて新設されました。

◇暴行・脅迫◇
13歳以上の者に対する場合は、「暴行又は脅迫」を加えた場合に限り本罪が成立します。
この「暴行・脅迫」は、相手の反抗を抑圧する程度に達しなくてもよいが、反抗を著しく困難にならしめる程度に達することが必要です。
反抗を著しく困難ならしめるものか否かの判断は、暴行・脅迫それ自体だけでなく、相手の年齢・性別、犯人の素行・経歴等や暴行・脅迫が行われた時間・場所の四囲の環境その他具体的な事情と相まって判断されます。
13歳未満の者に対する場合は、暴行・脅迫の要件はありませんので、それらを用いずとも、例え相手方が同意していたとしても本罪は成立します。
この点、未必的であれ相手方が13歳未満であると認識していることが必要です。

◇性交等◇
「性交等」は、「性交」、「肛門性交」と「口腔性交」と合わせた呼称です。
「性交」は、陰茎を膣内に没入することで、射精まで要しません。
「肛門性交」とは、肛門内に陰茎を入れる行為で、「口腔性交」は、口腔内に陰茎を入れる行為のことです。

◇未遂◇
強制性交等罪は、未遂も処罰されます。
暴行・脅迫を加えたものの強制性交等に取り掛からなかった場合、強制性交等に取り掛かったが没入しなかった場合であっても、強制性交等の目的をもって行ったのであれば強制性交等未遂となります。

◇故意◇
強制性交等罪は、故意犯です。
つまり、相手方(13歳以上の者)に対して、暴行又は脅迫を手段として性交等を行う認識があった場合に限り、本罪が成立します。
相手方も同意していると思っていたのであれば、暴行・脅迫を用いて性交等をしたとは認識していないので、故意がなく本罪が成立しないことになります。
もっとも、加害者側が単に「同意があった」と主張するだけでは、同意があったと認められることは難しいでしょう。
同意があった旨を主張するのであれば、それを裏付ける客観的な証拠が必要となります。

強制性交等事件の加害者となってしまったら

「同意があったと思っていた。」、「いけるだろうと思っていた。」のに、相手方からレイプだと非難されるケースは少なくありません。
出会い系などで知り合った相手の場合、そのまま放置して事なきを終えようとするケースもありますが、相手方が被害届を提出すれば、捜査機関により身元が特定されてしまう可能性もあります。
警察からの呼び出しを受けているのであれば、今後どのような手続となるのか、取調べでどのように対応すればよいのかについて弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
強制性交等事件で対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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