風営法違反・風適法違反

風俗営業は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法又は風適法)に基づき、各都道府県の公安委員会などの行政庁が、営業者に対して、許可を出したり、適正な営業がなされているかを監督する等しています。
風俗営業が風営法(風適法)に違反した場合の規制には、行政上の処分と刑事上の責任の2種類があります。

風俗営業が風営法(風適法)などの法令に違反する場合には、営業停止や営業許可の取消し等が行われます。
これらの処分を行政処分といいます。

これに対して、風営法(風適法)の罰則規定に違反した場合は、警察や検察官による捜査がなされ、最終的には刑事裁判の手続きに進み、罰金や懲役などの刑事処罰がなされることになります。

風営法(風適法)違反

風営法(風適法)の違反で、最も多いのが無許可営業です。

風俗営業を行う際には、営業許可をとる必要がありますが、これをとらずに、店舗でホステスによる接待行為が行われているような場合、無許可営業として規制対象となります。
女性店員が客の横について接客しているガールズバーなどが警察に摘発されているのをよくテレビなどで見かけますが、これは風営法違反による摘発例です。

また、風俗営業の許可を取得する際に、虚偽の事実で申請したり、実際の営業者とは別の者が許可を受け、営業者に名義を貸すという行為も風営法(風適法)による規制の対象です。

これらの他にも、風俗店に、18歳未満の者を働かせたり、客として入店させたりした場合など、風俗営業に関する様々な行為が風営法(風適法)上の規制対象とされています。

主な風営法違反の類型

罪となる行為罰則・法定刑
  • 風俗営業の無許可営業
  • 虚偽・不正手段による許可の取得
  • 名義貸し禁止違反
  • 営業の停止等処分の違反
  • 店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等営業  など
 2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれらの併科 
(風営法49条)
  • 構造設備の無承認変更・不正手段による承認の取得
  • 18歳未満の者に接待行為をさせること
  • 18歳未満の者を客とすること  など
 1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科 
(風営法50条)
  • 客引き(つきまとい、立ちふさがり行為を含む)
 6か月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科
(風営法52条)
  • 広告制限地域に広告物を設置した
  • 従業者名簿の備付け義務違反等
  • 従業者の身分確認規定の違反
  • 公安委員会への報告義務違反や警察官の立ち入り妨害  など
100万円以下の罰金  
(同風営法53条)
  • 許可申請書等の虚偽記載
  • 深夜酒類提供飲酒店営業の無届営業  など
50万円以下の罰金  
(風営法54条)
  • 営業許可証の掲示義務違反
  • 風俗営業に係る変更届出書提出義務違反 など
30万円以下の罰金  
(風営法55条)

なお風俗営業に関する細かな規制は各都道府県の条例で定められていることが多いです。風俗営業に関する条例の規制は各都道府県で異なるため、風俗営業をする場合は各都道府県の条例にも注意する必要があります。

~風営法違反における弁護活動~

不起訴処分の獲得

風営法(風適法)違反事件で逮捕・勾留されてしまっても、不起訴処分を獲得すればすぐに釈放されます。
不起訴処分となれば、前科も付きません。弁護士は、不起訴処分を獲得するため、容疑者の方が事件に関与していない・事件に関与していたがその程度、悪質性が弱いなどといった事情を検察官に主張・立証します。

容疑者を起訴して刑事裁判にかけるか否かの判断は、全て検察官に委ねられています。
従って、弁護士が意見書などを通じて、検察官を説得することが大切です。

執行猶予付き判決の獲得

もし、風営法(風適法)違反事件の刑事裁判で実刑判決による懲役刑を科されてしまうと、刑務所に入らなければなりません。
一方、執行猶予付き判決の場合には、判決確定後、ただちに刑務所に入ることを回避できます。

そして、執行猶予期間中に、再び罪を犯すようなことがなければ、裁判で言い渡された刑の執行を免れることができます。
したがって、仮に有罪判決を回避できないと考えられる状況でも、被告人に有利な事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証し、できる限り減刑あるいは執行猶予を受けられるように尽力します。

早期の身柄解放

風営法(風適法)違反事件で違法な営業形態を捜査する必要がある場合などは、逮捕後、勾留され身体拘束が長期にわたることもあります。

風営法(風適法)違反事件では、逮捕後、勾留を回避するためには弁護士を通じて被告人に有利な事情を主張していくことが重要です。

警察や検察、裁判官に対して逃亡や証拠隠滅のおそれがないと思わせることがポイントです。

また身柄を拘束されたまま風営法(風適法)違反事件の刑事裁判が始まってしまった場合でも、保釈という手続きで留置場から出られる可能性があります。

 

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