兵庫県神戸市垂水区の重過失致傷事件 刑事事件に強い弁護士に相談

兵庫県神戸市垂水区の重過失致傷事件 刑事事件に強い弁護士に相談

重過失致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

兵庫県神戸市垂水区の路上を通勤中、Aさんはイヤホンをしたまま自転車を運転し、左右確認などをせずに交差点に進入し、走行してきた車と接触しました。
車は、Aさんをよけるため、急ハンドルを切ったため、通りかかった自転車の女性をはねました。
Aさんは、そのまま現場を立ち去りましたが、兵庫県垂水警察署から連絡があり、出頭するよう言われました。
(産経ニュース 2018年11月27日19時10分掲載記事を基にしたフィクションです)

重過失致傷罪

「重大な過失により」人を死傷させる罪を「重過失致死傷罪」といいます。
重大な過失の結果、人に怪我を負わせた場合には、「重過失致傷罪」となります。
「重大な過失」、つまり「重過失」とは、過失の程度が重いことをいい、注意義務違反の程度が甚だしいことを意味します。
発生した結果の重大性や結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要となりません。
「注意義務違反」は、「結果予見義務」と「結果回避義務」とを含みます。
結果を予見して、その結果を回避すべき義務に違反して結果を惹起した場合に、「注意義務違反」となるのです。
「結果予見義務」については、結果の「予見可能性」がある場合に当該義務違反を肯定できると理解されています。
したがって、わずかな注意を払うことによって結果を予見することができ、かつ、結果の発生を容易に回避することができるときに、注意義務の程度が甚だしい=重過失となります。
過去の裁判例では、自転車にけんけん乗りをし、赤信号を見落として、横断歩道上の歩行者の一団に突っ込み、怪我を負わせた場合に、重過失を認めています。(東京高判昭57・8・10)
最近では、スマホをスマホをいじりながら自転車を運転し、歩行中の女性に衝突して転倒させ、結果死亡させた事件では重過失致死罪が認められました。
この事件では、歩行者専用の商店街で、片手にスマホを持ち、もう片方に飲料の容器を持ち、スマホ画面を見ながらの運転であったため、事故時には低速運転であっても、前方を注視しないだけでなく危険を察知したとしても直ちに停止できない状態であったことから、重過失が認められました。
重過失かどうかは、その当時の交通状況(例えば、歩行者で混雑していた、視界が悪かった等)や被害者の状況といった事情を踏まえつつ、そのような状況に対応できるような自転車の走行状況であったか否か等を総合的に考慮されて判断されることになります。

自転車の事故で重過失致傷事件の加害者となってしまい、対応にお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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