【お客様の声】兵庫県の事後強盗事件で逮捕 被害店舗・被害者に対する示談成立で不処分に
■事件概要
ご依頼者様の息子様(10代、高校生、補導歴あり)は、友人らと共謀し、ホームセンターで商品数点を万引きして店を出るところ、私服警備員に見つかり商品が入ったカバンを掴まれた際に、振りほどこうとして抵抗し、同警備員に少年の肘が当たった事件。
■事件経過と弁護活動
ご依頼者様は、警察から逮捕の連絡を受け、大変驚き動揺されておられました。当初、息子様には国選弁護人が既についていましたが、あまり詳しい情報をご依頼者様に教えてくれず事件について把握できていなかったため、当事務所に初回接見を依頼されました。
依頼を受け、直ちに担当弁護士は息子様のもとへ行き、事件の詳細や少年の交友関係などを聞いたうえで、今後の手続きの流れを丁寧に説明しました。
息子様は自分の行為を反省しており、家族にも迷惑をかけてしまったことを悔やんでいる様子でした。担当弁護士は、接見後すぐにご依頼者様に事件の詳細や息子様の様子などを報告しました。ご依頼者様はすぐに対応した当事務所の弁護士を信頼してくださったようで、翌日、本件事後強盗事件に対する刑事弁護活動を正式に依頼されました。
依頼後、担当弁護士は、すぐさま身柄解放活動を開始しました。共犯者がいる事件であることや、罪名が事後強盗という重い事件であることから、身柄解放は難しいと予想されました。事件後、担当検察官と連絡をとる中で、被害者である警備員の方は怪我をされており、診断書を提出する予定であるとのことでした。仮に診断書が提出されてしまった場合、強盗致傷事件という極めて重い事件として処理される恐れもあったことから、被害者の方との交渉は、急務であると考えていました。そこで、担当弁護士が、被害者の方と直接接触し、少年が非常に反省していることや今後の更生に向け努力をしていること等を含め、説得を試みたところ、当初診断書も提出すると話していた被害者の方から、子供の将来のことを考えたら、厳しい処分にするのではなく、更生に向けて寛大な処分にするように願いますという旨の嘆願書の作成にまで協力していただけることとなりました。その後、事件が家庭裁判所に送致されたのを見計らって、家庭裁判所に観護措置に付する必要がないことを主張した意見書を提出し、少年自身が今回の事件について大変反省していることや、被害店舗への弁償や被害者との示談が進んでいること、両親による監視監督・指導教育が期待できる点を説得的に主張し、結果、息子様は見事観護措置を回避することが出来ました。
その後も、担当弁護士は、息子様やご家族の方と密に連絡をとり、息子様の内省を深めるよう事件の原因や被害店舗様・被害者様に対する謝罪の気持ち、そして自分自身の将来について考え文章にするよう指導しました。また、担当弁護士は、息子様の通う学校の関係者と今後の進路や指導方針等について話し合いを持ち、息子様の更生に向けた環境調整に尽力しました。さらに、被害店舗様・被害者様に対する被害弁償や示談を行なった結果、息子様を許し更正に期待する旨の示談書を締結することが出来ました。担当弁護士は、家庭裁判所の担当裁判官や調査官が処分を検討するうえでの重要な判断材料とするため、逐次経過を報告しました。このような熱心な付添人活動が認められ、審判では不処分を獲得することが出来ました。
息子様は、今回のことで心を改め、真面目に生活することを決心しています。ご依頼者様も、改心した息子様の態度に大変喜んでおられるご様子でした。