淫行条例事件で示談

2019-01-14

淫行条例事件で示談

~ケース~
兵庫県篠山警察署は、管轄地域内に住む中学3年生のVさん(15歳)を補導しました。
その際、Vさんがネットで知り合った男性と性的関係を持っていることがLINEのやり取りで発覚しました。
ある日、会社員のAさんは、兵庫県篠山警察署から連絡を受け、Vさんとの関係で話を聞きたいと、呼び出しを受けました。
Aさんは、今後どのような処分を受けることになるのか心配になり、淫行条例違反事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

淫行条例違反事件

淫行条例」とは、各都道府県が定める青少年保護育成条例の中で、18歳未満の青少年との「淫行」を禁止する条文の通称のことです。
兵庫県では、青少年愛護条例の第21条に規定されています。

第21条 何人も、青少年に対し、みだなら性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。

ここでいう「みだらな性行為又はわいせつな行為」とはいったいどのような行為を指すのか、という点が気になるところでしょう。
各都道府県が規定する淫行条例の文言は「淫行」「みだなら性行為」「わいせつな行為」「みだらな性交」等、若干の違いはありますが、青少年との「淫行」について規定している点で共通しています。
そこで、「みだらな性行為又はわいせつな行為」について、最高裁判所による福岡県青少年保護育成条例における淫行条例の解釈を参照してみたいと思います。

(淫行条例の)趣旨は、一般に青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から、精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によつて精神的な痛手を受け易く、また、その痛手からの回復が困難となりがちである等の事情にかんがみ、青少年の健全な育成を図るため、青少年を対象としてなされる性行為等のうち、その育成を阻害するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであることが明らかであつて、右のような本件各規定の趣旨及びその文理等に徴すると、本条例一〇条一項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。【最高裁昭和60年10月23日大法廷判決】※()内と下線は筆者が加筆。

「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められない」と判断される場合の明確な線引きは難しいですが、性交等に至るまでの経緯や両者の関係性などの要素を考慮して判断されることになります。
上記ケースのように、よく素性も分からないネットで知り合った相手と会ってすぐに性交渉する場合には、当該要件を満たしていると判断されるでしょう。
他方、両親も当事者の交際を認めており、結婚を前提にしているといった場合には、淫行条例違反とはならないでしょう。

兵庫県において、淫行条例違反に対する罰則は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

淫行条例違反事件で、事件を穏便に解決したい、不起訴となり前科を回避したい場合には、相手方との示談を成立させる必要があります。
示談とは、加害者が被害者に対して、相応の弁償金を支払う一方で、被害者は被害届の提出を行わないなど、当事者間では当該事件は解決したと約束することをいいます。
示談を締結するには、未成年者である相手方本人ではなく、その保護者と行う必要があります。
本人よりも、保護者のほうが処罰感情が高いことが多いので、示談交渉を行うのは、加害者本人ではなく、弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件を専門とし、これまでも数多くの刑事事件において被害者との示談交渉を行ってきました。
淫行条例違反事件でお困りの方、被害者との示談交渉にお悩みの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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