未成年の子供が公然わいせつで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県朝来市の路上で、一人で帰宅中の女児に自己の陰部を露出したとして、同市に住む中学生のAくん(14歳)が兵庫県朝来警察署に公然わいせつ容疑で逮捕されました。
早朝にAくんの自宅に警察官が訪れ、「公然わいせつ事件でAくんに話が聞きたい。」と言われ、Aくんの部屋を家宅捜索後に、警察官はAくんを警察署に連れて行きました。
自宅に居たAくんの母親は、詳細を警察官に尋ねましたが、詳しいことは教えてくれず、Aくんを連行後しばらくして「Aくんを公然わいせつ容疑で逮捕しました。」との連絡がAくんの母親宛てにありました。
Aくんの母親は急いで父親に事件について連絡したところ、父親は急いですぐに接見に行ってくれる弁護士を探し接見を依頼しました。
(フィクションです)
公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪は、刑法第174条に次のように規定されています。
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
公然わいせつ罪は、「公然と」「わいせつな行為」をすることによって成立する犯罪です。
「公然」とは、「不特定または多数人が認識することのできる状態」をいいます。(最決昭32・5・22)
不特定であれば少数でもよく、多数であれば特定人の集団でも構いません。
また、特定かつ少数の者にわいせつな行為を見せた場合であっても、不特定多数の者を勧誘した結果集まったのであれば公然性が認められます。(最決昭31・3・6)
「わいせつな行為」の意義については、判例は、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」をいうと解しています。(最判昭26・5・10、最大判昭32・3・13、最判昭55・11・28など)
わいせつ性の判断は、一般社会の良識・社会通念を基準として行われます。
未成年の子供が逮捕されたら
20歳未満の未成年が事件を起こした場合、成人の刑事事件の場合と同様に、逮捕される可能性はあります。
ただし、14歳未満の少年の場合は、刑法上の規定により刑事責任に問われることがないため、逮捕されることはありません。
「逮捕」は、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける処分のことです。
この逮捕には、通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類があります。
逮捕されると、身柄は警察署に移され、逮捕から48時間以内に警察から検察に事件に送られるかどうかが判断されます。
警察から検察に事件が送致された場合、検察は少年の身柄を受けてから24時間以内に勾留請求をするか、それとも釈放するかを決めます。
検察が勾留請求した場合、請求を受けて裁判官が勾留するか釈放するかを判断します。
少年の場合は、検察が「勾留に代わる観護措置」を裁判官に請求することができます。
勾留に代わる観護措置となれば、留置先が少年鑑別所となり、期間は10日間です。
逮捕から勾留が決定するまでの間は、少年の家族であっても少年と会うことは基本的に認められません。
成人であっても突然の逮捕をうけて大きな不安を抱くものですので、未だ心身ともに発展段階の未成年の子供であればなおさらそうでしょう。
ですので、逮捕の連絡を受けたら、できるだけ早く弁護士に接見を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
未成年の子供が事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談や初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。