侵入盗で執行猶予獲得

2020-04-30

侵入盗事件において、執行猶予獲得を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県淡路市の敷地内に何者かが侵入し、銅線や電動工具が盗まれるという事件が起こりました。
被害者からの被害届の提出を受理した兵庫県淡路警察署は、侵入盗事件の捜査に着手しました。
後日、同署は県内に住むAさんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、Aさんにどのような処分が下されるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました
(フィクションです)

侵入盗で成立し得る犯罪は?

窃盗犯を、その手口ごとに分類したもののうち、建物に侵入し金品や財物を窃取する窃盗を「侵入盗」と呼びます。
空き巣、忍び込み、居空き、金庫破り、出店荒らし、事務所荒らし、など、侵入盗もその手口によってより細かく分類されます。
このように、建物に侵入して窃盗行為を行った場合、住居侵入および窃盗の2罪が成立することが多くなっています。

侵入盗は、犯罪の手段・結果である行為が、他の罪名に触れる場合である「牽連犯」に当たります。
つまり、窃盗を行うために、住居等に侵入しているため、窃盗の手段である侵入行為が住居侵入という別の犯罪を構成することになるのです。
このような牽連犯の場合、「その最も重い刑により処断する」ことになります。
該当する罪のうち最も重い刑を定めている罪の法定刑によって処断するということであって、他の罪の法定刑の最下限よりも軽く処断することはできません。
ですので、侵入盗の場合であれば、住居侵入の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金で、窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっていますので、窃盗罪の法定刑のほうがより重い刑といえ、窃盗罪の法定刑により処断されることになります。

執行猶予を獲得するために

窃盗罪と一口にいっても、該当する行為は、万引きから空き巣、特殊詐欺事件での受け子や出し子まで様々です。
被害金額が少ない万引きであれば、初犯であり、かつ、被害弁償が済んでおれば、微罪処分や不起訴処分となる可能性はあります。
しかし、侵入盗のように、手口も悪質で、被害金額も多いような場合、公判請求され正式裁判となる可能性は高いでしょう。

ただ、裁判になったからといって、必ずしも判決後すぐに刑務所に入ることになるとは限りません。
言い渡された刑の執行が猶予された場合、刑務所に入所することなく社会に復帰することができるのです。
有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再度罪を犯さずに過ごせたときは、刑罰権の消滅を認める制度を「刑の執行猶予」といいます。
執行猶予には、刑の一部の執行猶予と刑の全部の執行猶予とがありますが、ここでは後者について説明します。

有罪判決を受けた場合でも、すぐに刑務所に入ることを回避できるため、公判請求され、起訴内容を認めるケースでは、執行猶予獲得を目指すことになります。
しかしながら、すべての事件で執行猶予が認められるわけではありません。

執行猶予の要件は、以下のとおりです。
①(a)前に禁錮以上の刑の処せられたことがないこと、もしくは(b)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わらせた日またはその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと。
②3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しをする場合であること。
執行猶予を相当とするにたりる情状があること。

ここで侵入盗について考えてみると、①については個々の被告人によりますので、仮に①の要件には該当することにすると、②については前述のように窃盗罪の法定刑で処断されることになりますので、10年以下の懲役または50万円以下の罰金とその範囲は1~10年の懲役か1~50万円の罰金となり、②の要件の3年以下の懲役または50万円以下の罰金を言い渡すことも可能ですので、②の要件に該当することになります。
さて、③についてですが、「執行猶予を相当とするにたりる情状」とは、どのようなものをいうのでしょうか。
一般的には、犯行方法や犯行態様が悪質ではないこと、犯罪結果が軽微であること、動機に汲むべき事情があること、被告人の年齢、被告人に反省が見られること、被害者の許しを得ていることなどがあります。

窃盗は財産犯であるので、被害が回復したか否かといった点が量刑上大きく考慮されます。
つまり、被害弁償の有無や被害者との示談の有無は、執行猶予獲得には非常に重要ということです。

そこで、被害者との示談交渉を行う必要があるのですが、加害者が直接被害者と交渉することはあまりお勧めしません。
というのも、被害者は加害者に対して嫌悪感を抱いている場合がほとんどですので、感情的になり交渉もうまく進まないことが多いからです。
そのため、交渉は弁護士を介して行うのが一般的です。

侵入盗事件を起こしお困りの方、示談交渉にお悩みのかたは、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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