少年事件で保護観察処分

少年事件における終局決定の一つである保護観察処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市西区に住むAさん(16歳)は、ツイッターを利用してアイドルのコンサートチケットを詐取したとして、逮捕・勾留されました。
その後、神戸家庭裁判所に送致され、観護措置が取られました。
Aさんの両親は、少年事件に強い弁護士に付添人として活動してほしいと思い、少年事件に精通する弁護士を探しています。
(フィクションです)

少年事件における終局決定

非行事実が認められた場合、家庭裁判所は、要保護性の有無、程度を判断し、最終的な処分を決定します。
最終的な処分の決定(「終局決定」)には、次の5種類があります。
①審判不開始
②不処分
③知事・児童相談所長送致
④検察官送致
⑤保護処分

⑤の保護処分は、非行を行った少年に対し、性格の矯正及び環境の調整を目的として行われる少年法上の中心的処分です。
保護処分には、保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致の3種類があります。

保護観察処分

保護観察」は、少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の期間は、対象者が20歳に達するまでとされますが、保護観察が決定した時から20歳になるまで2年に満たない場合には、期間は2年となります。
保護観察期間中であっても、対象者の状態にお医事手、解除や一時解除が認められます。

保護観察も、その内容により、①一般保護観察、②一般短期保護観察、③交通保護観察、③交通短期保護観察、の4種類に分けられます。
ここでは、①一般保護観察、及び、②一般短期保護観察について概観します。

①一般保護観察
一般保護観察は、家庭裁判所で保護観察に付された少年のうち、一般短期保護観察対象者及び交通事件によって保護観察に付された者を除く者が対象となります。
内容は、保護観察官及び保護司による指導監督と補導援護です。
保護観察官は、保護観察が開始される際に処遇方針を示し、必要に応じて介入し保護司に助言指導を与える役割を担います。
保護司は、保護観察官の指示や連絡に従い、少年や家族と連絡を取り合い、処遇及び本人の状況等の経過を書面で定期的に報告し、再犯や所在不明といった少年の心情に重要なことが起こった場合にも報告をします。
保護司は、民間のボランティアで、様々な職種の方がいらっしゃいます。
一般保護観察の解除は、保護観察に付されてから概ね1年が経過した時に検討されます。

②一般短期保護観察
一般短期保護観察の対象者は、交通事件以外の非行により保護観察に付された少年のうち、一般短期保護観察相当の処遇勧告がなされた者です。
一般短期保護観察では、保護観察官が、改善更生のために重要な領域、例えば生活習慣、友人関係など、を一つ設定して、これについて具体的な課題を出し、少年にその履行状況についての報告を受け、それに対し必要な指導や助言を行います。
一般短期保護観察の実施期間は、6~7か月とされており、この期間内に解除されて終了します。

このように、審判において保護観察処分が言い渡されると、少年は家庭や職場に身を置いたまま、定期的に保護観察官や保護司と連絡をとり、現状について報告を行った上で、指導・助言を受けることになります。
収容されることなく社会内で生活を送ることができるため、社会と切り離されることがありません。

家庭裁判所が保護観察を終局決定とするには、裁判官が少年の更生には社会内処遇で足りると判断することが必要です。
逆に言えば、もし、裁判官が当該少年がきちんと更生するには矯正施設に入れる必要があると判断したのであれば、保護観察ではなく少年院や児童自立支援施設・児童養護施設への送致を選ぶ可能性があるのです。
ですので、裁判官に社会内処遇での更生が期待できると判断してもらえるよう、早い段階から適切な働きかけを行うことが重要です。

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