駅員に対する暴行事件 暴行罪とは

駅員に対する暴行事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西宮市の駅に到着したAさんは、自動改札機に持っていたICカード乗車券をかざしたところ、エラーが出て改札を出ることができませんでした。
すると、Aさんはそのまま無理やり改札を出てしまったので、気づいた駅員がAさんに話しかけました。
Aさんは随分と酔っ払っている様子で、駅員に対して高圧的な態度に出ました。
駅員は粘り強く対応したのですが、しびれを切らしたAさんは、駅員の胸倉をつかむなどの暴行を加えたので、他の駅員が警察に通報しました。
兵庫県甲子園警察署から駆け付けた警察官は、Aさんを暴行の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

暴行罪について


駅員への暴力行為は、言うまでもなく犯罪です。
上のケースでは、Aさんが駅員の胸倉を掴んだ等で、「暴行」の容疑がかけられています。
今回は、「暴行罪」について説明してみたいと思います。

暴行罪は、刑法第208条に規定されています。

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪は、人に暴行を加えた場合に成立する犯罪です。
「暴行」は、刑法に規定されている様々な犯罪の構成要件要素となっていますが、その意義は、物理力の行使という点では共通していますが、当該犯罪の保護法益や罪質によって異なります。
各犯罪における「暴行」の意義については、次の4つの分類されます。

①最広義の暴行
人のみならず、物に対する物理力の行使を含みます。
例:騒乱罪、多衆不解散罪、内乱罪の暴動

②広義の暴行
人に向けられた物理力の行使をいいます。
例:公務執行妨害罪、職務強要罪、加重逃走罪、逃走援助罪、特別公務員暴行陵虐罪、強要罪

③狭義の暴行
人に対する物理力の行使をいいます。
例:暴行罪

④最狭義の暴行
人の意思ないし反抗の抑圧の要素を含む、人に対する物理力の行使をいいます。
例:強盗罪、事後強盗罪、強制性交等罪、強制わいせつ罪

暴行罪における「暴行」は、③狭義の暴行に当たります。
不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合です。
これには、人の身体を押す・殴る・叩くなどといった行為だけでなく、判例では、大太鼓などを連打して意識朦朧とした気分を与え又は脳貧血を起こさせ、息詰まる程度にさせたことも暴行に当たり、塩を振りかける行為も、相手方において受忍すべきいわれはなく、不快嫌悪の感情を催させるに足るものであるため暴行に当たるとしたものもあります。
また、物理力が人の身体に接触する必要はなく、驚かす目的で人の数歩手前を狙って意思を投げる行為、狭い室内で脅す目的で日本刀を振り回す行為なども暴行に当たるとしています。
更に、いわゆる「あおり運転」で、高速道路上で並進中の自動車に嫌がらせ目的で幅寄せをする行為も暴行に当たるとした判例もあります。

暴行罪が成立するためには、人の身体に対して物理力を行使することの認識があったことが必要となります。
この認識は、未必的なものでも構いません。
人に暴行を加え傷害を負わせるつもりで、暴行を加えたが、結果として人に怪我をさせることができなかった場合も含まれます。

駅員への暴行事件は、現場で逮捕される、つまり現行犯逮捕となるケースが多くなっています。
酒に酔った上での犯行である場合、酔いが冷めると容疑を認め反省の態度を示す方が多く、逮捕されてしまった場合でも、その後釈放される可能性もあります。
しかし、注意しなければならないのは、釈放されたからといって事件が終了したわけではありません。
その後も捜査機関からの呼び出しを受け、取調べを受けた上で最終的な処分が決定します。
その間に、被害者である駅員への謝罪・被害弁償を行う必要があります。
暴行事件のように被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かは、最終的な処分を決定する上で重要な要素となります。

ご家族が暴行事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
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