兵庫県神戸市西区のドア開閉で人身事故 刑事事件で弁護士に相談
ドア開閉で人身事故となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
Aさんは、兵庫県神戸市西区の路上を走行していましたが、路上に停め、自動車のドアを開けたところ、後方から走っていたバイクがドアに衝突しました。
バイクの運転手は転倒し怪我をしてしまいました。
Aさんは、現場に駆け付けた兵庫県神戸西警察署の警察官に事情を聞かれています。
(フィクションです)
意外に多い、同乗者のドア開閉で人身事故
運転者や同乗者が自動車のドアを開けたことによる事故は意外と多いようです。
運転者がドアを開け、相手方に怪我を負わせてしまった場合には、運転者は「業務上過失傷害罪」が問われる可能性があります。
《業務上過失傷害罪》
「業務上過失傷害罪」は、刑法211条に規定されています。
「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
ここで言う「業務」とは、本来、人が社会生活上の地位に基づき反復・継続しておこなう行為であり、かつ、他人の生命・身体に危害を加えるおそれのあるものを言います。
平成26年5月20日に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)」が施行される以前は、刑法211条2項に「自動車運転過失致死傷罪」が規定されていましたが、自動車運転致死傷行為処罰法で「過失運転致死傷罪」が新設されたことにより、刑法より削除されました。
よって、自動車を運転して必要な注意を怠ったことにより人を死傷させた場合には、「過失運転致死傷罪」(自動車運転死傷行為処罰法)が適用されます。
「過失運転致死傷罪」新設前は、自動車事故により人を死傷させた場合、業務上過失致死傷罪が成立してきました。
《過失運転傷害罪》
「過失運転傷害罪」は、平成26年5月20日に施行された「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定されています。
同条第5条「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」
本条における「自動車」には、自動二輪車や原動機付自転車も含まれます。
「自動車の運転上必要な注意」の解釈については、学説上以下の2つの見解があります。
①自動車を動かす上で必要となる注意義務に限定され、自動車の発進行為から停車行為までの各種運転行為において必要な注意義務をいう。
②運転行為自体についての注意義務に限定されず、運転を行う上で必要な注意義務一般をいう。
過去の裁判例では、運転者が停車後に運転席のドアを開けたところ、後方から進行してきた被害者の自転車にドアを衝突させたケースではありますが、自動車の運転者が降車するために運転席ドアを開ける行為は、自動車の運転に付随する行為であって、自動車運転業務の一環としてなされたもの認められ、そのような過失は、刑法211条2項(現=自動車運転過失致死傷罪)にいう「自動車の運転上必要な注意」を怠ったとは言えないものの、同条1項前段の業務上過失傷害罪が成立すると判断しています。
ですので、上記事例において、「業務上過失致傷罪」が成立する可能性もあります。
兵庫県神戸市西区の車のドアを開けて人身事故を起こしてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。