兵庫県美方郡香美町の業務上横領事件 逮捕されるか心配 弁護士に事前相談
業務上横領事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
兵庫県美方郡香美町にある銀行に勤務する係長のAさんは、1年に渡り金庫から現金およそ500万円を着服したことが、銀行の内部調査で判明しました。
Aさんは、当時出納事務を担当しており、日常的に金庫を扱っていたということで、Aさん自身も容疑を認めています。
Aさんは現在自宅待機を命じられており、銀行は既に兵庫県美方警察署に相談しているようです。
(産経ニュース 2018年6月21日17時35分掲載記事を基にしたフィクションです)
業務上横領罪について
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪は、単純横領罪に対する身分による加重犯です。
法益侵害の範囲が広く、頻発のおそれが多く違法性が大きいため、一般予防の見地から刑を加重したものであると言われます。
本罪の主体となり得るのは、「業務上他人の物を占有する者」です。
「業務」とは、委託を受けて他人の物を占有・保管する事務を反復継続しておこなう地位をいいます。
会社で会社や客のお金を預かる職務にある人は、本罪の主体となり得ます。
そのような業務に従事していない従業員が、勝手に会社や客のお金を着服した場合には、業務上横領罪ではなく窃盗罪に問われることになります。
「横領」とは、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいうのが判例・通説となっています。
この「不法領得の意思」の内容については争いがありますが、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないにもかかわらず、所有者でないとできないような処分をする意思であると解されています。(最判昭24・3・8)
会社が横領に気付き、犯人が特定された場合、その旨を警察に被害届を出す、あるいは刑事告訴するかはその会社次第だと言えるでしょう。
被害者が警察に届け出ていない段階であれば、横領した金額を返せば被害届等を出さないと言ってくれる被害者もいるでしょう。
加害者が刑事処罰を受けたとしても、被害者側の経済的損害が回復するわけでもなく、また、民事訴訟を起こせばコストもかかりますので、被害者にも被害弁償や示談を受けるメリットはあります。
早期に、被害弁償や示談を行い、被害届の提出がなされなければ、刑事事件化することはありませんので、逮捕されることもありません。
業務上横領事件で刑事事件化するのか、逮捕されるのか心配でお困りの方は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件も含めた数多くの刑事事件を取り扱ってきており、その豊富な経験・知識に基づき、丁寧で適切な法律相談をご提供することができます。