パパ活と児童買春
パパ活と児童買春について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、SNSで「パパ活」の書き込みとしていた少女Vさん(15歳)と連絡をとるようになりました。
事前のやりとりでは、食事だけの約束でしたが、実際に会って話をしているとVさんはこれまで何度も売春行為をしていることを聞き、Aさんも性欲を抑えることが出来ず、2万円を渡すことを約束し、兵庫県宝塚市にあるホテルで性交を行いました。
その後も、Vさんと連絡をとっていたAさんでしたが、突然Vさんと連絡がとれなくなってしまいました。
Aさんは、Vさんが警察沙汰に巻き込まれたのではないか、自分との関係が発覚してしまうのではないかと急に不安になり、慌てて刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
パパ活って?場合によっては犯罪に?
一時期メディアでも大きく報じられていた「パパ活」。
「就活」、「婚活」、「朝活」など、「○○活」という言葉をよく耳にしますが、何かに対して活動するといった意味でよく使われていますよね。
「パパ活」という言葉は、一般的に、若い女性が男性と食事やお茶を一緒にする対価として金銭を受け取る活動のことを指します。
簡単に言えば、金銭的に支援してくれる男性=パパを探す活動ですね。
「パパ活」という言葉は、数年前から若い女性に広がっており、当初は女子大生やOLが小遣い稼ぎとして行っていたようですが、今では女子中学生にまで広がっています。
SNSで「パパ活」で検索すると、数多くの投稿がヒットします。
しかし、「パパ活」という言葉で可愛らしく装っていても、中身はいわゆる「援助交際」と変わらないものもあるのです。
より高額の対価を得ようとする者と、若い人と関係を持ちたいと思う者との需要と供給が合致し、買春行為に及ぶケースも少なくないといいます。
しかし、買春の相手方が18歳未満であった場合、買春をした者に対して「児童買春罪」が成立する可能性がでてくるのです。
児童買春罪
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)は、児童買春について規定しています。
第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
ここでいう「児童買春」というのは、①児童、②児童に対する性交等の周旋をした者、③児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいいます。
相手が18歳未満だと知らなかった場合には、児童買春罪は成立しません。
しかし、単に「知らなかった」と主張するだけでは不十分です。
相手方児童の外見や言動、知り合った経緯などから判断されることになりますが、例えば、児童が偽造した免許証などを提示しており、当該児童が18歳以上であると判断した合理的な理由があった場合には、児童買春罪の故意がないとして成立しないことになるでしょう。
ですので、相手が18歳未満であることを知らなかったと捜査機関にしっかりと主張したい場合には、早期に弁護士に相談し取調べ対応についてのアドバイスをもらうことが重要です。
また、弁護士に弁護を依頼することで、当時の服装や外見、相手方児童とのメールでのやりとりなどから、故意がないことを客観的に主張した意見書を捜査機関に提出してもらうのもよいでしょう。
他方、相手方児童を18歳未満だと知った上で行為に及んだことを認める場合には、被害者との示談交渉を行うことが処分を少しでも軽くするために有効な手段となります。
被害者である児童は、18歳未満ですので、直接示談書を交わす相手とはなりません。
児童の親などが実際の交渉相手となります。
自分の子供も合意の上で行った行為とはいえ、買い手である買春者に対する想いはそう肯定的なものではありません。
むしろ、買春者に対して憎悪や激しい処罰感情を持っている場合も少なくありません。
事件を早く解決したいがために、加害者が直接示談交渉をしようなどと早まらないほうがよいでしょう。
示談交渉は、経験豊富な弁護士に任せましょう。
児童買春事件を起こし、対応にお困りであれば、児童買春事件にも対応する刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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