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暴行罪と傷害罪の違い:人を殴った場合、どちらが適用されるのか?

2023-09-24

一般に「人を殴る」行為は社会的に許容されるものではなく、相手が警察に被害を訴えれば、加害者は何らかの刑事罰を受ける可能性が非常に高いです。
そこで今回のコラムでは、人を殴った事件に適用される「暴行罪」と「傷害罪」について、その成立要件や罰則の違いを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

暴行罪と傷害罪の基本的な定義

暴行罪
暴行罪とは、人に暴行する事によって成立する犯罪です。
ここでいう暴行とは、身体的な痛みを与える暴力行為に限らず、例えば、人に向けて石を投げるなど人に脅威を感じさせるような行為も含みます。
ただし、相手に対して身体的な傷害が生じた場合は、次に解説する傷害罪に該当します。

傷害罪
傷害罪は、他人の身体を害した場合に成立します。
害とは、具体的な身体的な損傷(骨折、出血など)だけでなく、精神的な病気を発症させることも含まれます。

暴行罪の成立要件

暴行罪が成立するためには、以下の要件が必要です。

主体の違法性
行為者が他人に対して暴力を振るった場合、その行為自体が違法です。
これは、他人の身体的自由を侵害する行為とされ、違法性が認められます。

故意
行為者が故意的に暴行した場合に限り、暴行罪が成立します。
つまり、過失や事故による暴行は、この犯罪の成立要件を満たしません。

被害者の非同意
被害者が暴行を受けることに同意していた場合、暴行罪は成立しない可能性が高いです。
しかし、その同意が社会通念上許容されないものであれば、この限りではありません。

これらの要件が揃った場合に、暴行罪が成立します。
特に、故意は非常に重要な要素であり、これが証明できないと暴行罪の成立は難しいでしょう。

傷害罪の成立要件

傷害罪の成立には、以下の要素が必要です。

主体の違法性
傷害罪も暴行罪と同様、他人の身体に対して違法な行為をした場合に成立します。
ここでの違法な行為とは、他人に対して身体的な損傷を与えたり、精神的な病気を発症させることです。

故意または過失
傷害罪は、行為者が故意によって他人を傷つけた場合に成立しますが、ここでいう故意とは、暴行による傷害罪に限ると、相手に怪我をさせるという故意まで必要なく、暴行の故意で足りるとされています。
また故意なく過失によって人を傷付けた場合は、過失傷害罪となります。

傷害の発生
身体的な損傷とは、出血、骨折、やけどなど、明確な物理的な影響や、精神疾患の発症などです。
このような損傷がないと、傷害罪は成立しません。

被害者の非同意
暴行罪と同じく、被害者が損傷を受けることに同意していた場合、一般的に傷害罪は成立しません。
ただし、その同意が社会的に許容されない場合は、この限りではありません。

傷害罪が成立する条件は以上の4点です。

暴行罪と傷害罪の罰則の違い

暴行罪と傷害罪の行為態様は似ているものの、罰則には明確な違いが存在します。

暴行罪の罰則
暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
また暴行罪は微罪処分の対象事件でもありますので、微罪処分の条件を満たしている場合は、こういった刑事罰が科せられることなく手続きが終了する場合もあります。

傷害罪の罰則
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
有罪になった場合は、この法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、実際にどういった刑事罰が科せられるかは、被害者の負った怪我の程度が大きく影響します。

暴行罪と傷害罪で共通して言えるのは、実際にどういった刑事罰が科せられるかは、犯行の動機や、行為態様、そして加害者の反省の程度などが大きく影響することです。

「被疑者勾留」とは… 詐欺事件を例に勾留要件を考察

2023-09-21

刑事事件を起こして逮捕されてしまった際によく耳にする「被疑者勾留」。
しかし、その実態や勾留要件については一般にはあまり知られていません。
そこで本日のコラムでは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が、詐欺事件を具体例に、被疑者勾留とその要件について詳しく解説します。

被疑者勾留とは何か: 基本的な定義と目的

「被疑者勾留」は、逮捕した被疑者を一時的に拘束する制度です。
この制度の主な目的は、証拠隠滅や逃亡を防ぐため、または捜査を円滑に行うためです。
言い換えれば、警察や検察はこの勾留によって、被疑者が法的手続きを受けるまでの間、一定の制御を保持するのです。

勾留要件の一般的な概要: 勾留が適用されるケース

勾留要件とは、被疑者を勾留する際に満たすべき法的な条件を指します。
一般的に、以下の三つの要素が考慮されます。

逃亡の危険性
被疑者が逃げる可能性が高い場合、勾留が適用されます。

証拠隠滅の可能性
被疑者が証拠を隠滅する可能性がある場合も、勾留が行われます。

捜査の妨害
被疑者が他の関係者と連絡を取る等、捜査を妨害する可能性があれば、勾留が考慮されるでしょう。

詐欺事件における勾留: 詐欺事件で勾留される典型的な状況

詐欺事件というのは、特に金銭的な利益を不正に得る行為を指します。
この種の事件では、被疑者勾留がしばしば行われるケースがあります。
詐欺事件において勾留が行われる理由としては、大きく以下の三点が挙げられます。

多額の金銭が絡む
詐欺事件は多くの場合、大きな金額が関わっています。
これが逃亡の動機となる場合があり、勾留が適用されます。

関与者が多い
詐欺事件はしばしば複数人で行われる場合があります。
そのため、他の共犯者との連絡を遮断する必要があり、勾留が考慮されます。

証拠の複雑性
詐欺事件は証拠が電子メールや書類など、多岐にわたる場合が多いです。
証拠隠滅の可能性を排除するため、勾留が行われることがあります。

以上が詐欺事件における勾留の典型的な状況です。
このような要因が重なると、勾留要件は比較的容易に満たされる場合があります。

勾留の法的基準: 詐欺事件で考慮される勾留の法的条件

詐欺事件における勾留の法的基準は、一般的な勾留要件と大きくは異なりませんが、いくつか特有の点があります。
主に以下の法的条件が詳細に考慮されます。

犯罪の重大性
詐欺事件の場合、被害額や被害者数、手口の巧妙性などが評価されます。
これらの因子が高ければ、勾留の可能性は高くなります。

共犯者の存在
複数人での詐欺が疑われる場合、それぞれの関与度合いや証言の一貫性が重要になります。
一方の共犯者が逮捕・勾留されると、他の共犯者も勾留される可能性が高まります。

証拠の確保
詐欺事件は、契約書や電子データ、通信記録など多くの証拠が関わることが多いです。
これらの証拠が揃っていない、または隠滅の危険性がある場合、勾留が行われることがあります。

特定の詐欺事件においては、これらの法的基準が総合的に評価され、勾留の是非が決定されます。
従って、弁護士や被疑者は、これらの要件に特に注意を払う必要があります。

勾留期間

被疑者が勾留される場合、その期間と制限は法律によって明確に規定されています。
以下は、勾留期間とその制限についての主なポイントです。

最初の勾留期間
最初の勾留期間は最大で10日です。
この期間内に、検察は起訴するかどうかを決定する必要があります。

勾留延長の申請
勾留期間は延長することが可能ですが、そのためには裁判所の許可が必要です。
特に詐欺事件では、証拠が複雑であるため、延長が認められるケースも少なくありません。
勾留は10日間まで延長されることがあります。
ただし、再逮捕され、その後再び勾留された場合はリセットされます。

勾留被疑者の法的権利

勾留中であっても、被疑者は一定の法的権利を有しています。
これらの権利は、不当な扱いを受けないため、また、適正な手続きが行われるために非常に重要です。
以下は主な権利とその詳細です。

面会
被疑者は勾留中でも弁護士との接見が許されています。
また勾留と同時に接見禁止が決定していなければ、家族等との面会も許されます。
ただこの面会は、弁護士の接見とは異なり、警察官等の監視下で行われる上に、面会時間等が制限されます。

沈黙の権利
被疑者は、任意の質問に対して回答を拒否する権利があります。
この権利は、自らを不利な状況に置かないために重要です。

身体検査への同意
被疑者は、身体検査に対して同意するか拒否する権利があります。
ただし、拒否した場合でも、裁判所の許可が下りれば強制的な検査が行われることもあります。

弁護士の役割: 被疑者勾留における弁護士の重要な業務

被疑者が勾留される際、弁護士の役割は非常に重要です。
特に詐欺事件において、多くの複雑な要素が絡むため、専門的な知識と経験が求められます。
以下は弁護士が果たすべき主な業務です。

事実確認と証拠収集
最初に、弁護士は被疑者や関係者から事情を聴き、証拠を収集します。
この段階での正確な情報収集が、後の手続きに大きな影響を与えることがあります。

勾留延長への対応
勾留期間が延長される可能性がある場合、弁護士はこれに対する適切な対応策を練る必要があります。
これには、勾留延長を阻止するために、裁判所への申し立てなどが含まれます。

被疑者の権利保護
勾留中においても被疑者は権利を有しています。
弁護士はこれらの権利が侵害されないよう、様々な手段を講じます。

裁判への備え
勾留が解除された後も、弁護士の業務は続きます。
詐欺事件は通常、裁判にかけられるため、弁護士はその準備に取り掛かります。

弁護士の適切な対応が、被疑者にとって非常に大きな影響を与えることが多いです。
被疑者自身も、この点を十分に理解し、早期に適任の弁護士を選ぶことが重要です。

被疑者勾留の解除とその後の手続き: 勾留が解除された場合のステップと注意点

被疑者が勾留から解放されたとしても、そこで刑事手続きが終了するわけではなく、その後も重要な刑事手続きが続きます。
詐欺事件においては、勾留から解放された後も多くの法的課題が残ります。
以下、解除後の主なステップと注意点を説明します。

起訴・不起訴の決定
勾留が解除された後、検察は被疑者を起訴するか不起訴とするかを決定します。
この結果が出るまで、被疑者と弁護士は引き続き協力する必要があります。

裁判への準備
起訴された場合、次なるステップは裁判です。
被疑者は、被告人と立場が変わり、弁護士は、裁判に備えて証拠を整理し、戦略を練る必要があります。

社会復帰の支援
勾留が解除された後も、被疑者は社会復帰に際して多くの困難に直面する可能性があります。
弁護士はこの点についてもサポートを提供できます。

予備試験受験生アルバイト求人募集

2023-09-18

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、全国12都市にある各法律事務所にて、予備試験受験生のアルバイトを求人募集致します。

予備試験受験生アルバイトについて

予備試験受験生が司法試験に合格するためには勉強環境及びモチベーションの維持が重要になります。特に予備試験受験後は、合格発表まで、次の行動を起こしづらかったり勉強に身が入りづらい時期でもあります。そんな時には、勉強及びモチベーション維持のために、法律事務所でのアルバイトが一つの有効な手段となります。
あいち刑事事件総合法律事務所の事務アルバイトに採用されると、専門弁護士による刑事・少年事件の弁護活動を間近に見ることができます。予備試験の勉強で学んだ法律知識が弁護士事務所でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながります。深夜早朝アルバイトであれば、冷暖房完備の快適で静かな環境で、電話対応などの簡単な仕事以外の時間は自由に勉強等をしていただけます(深夜早朝手当も出ます)。
司法試験合格者のアルバイトを多数受け入れ、当事務所アルバイト経験者の多くが司法試験に合格しているモチベーションの高い職場です。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方や、弁護士・検察官・裁判官を目指していて刑事事件又は少年事件に興味のある司法試験予備試験受験生は是非ご応募下さい。

予備試験受験生アルバイト求人募集情報

【事務所概要】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う全国的刑事総合法律事務所です。創立以来、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に従事し、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの事件をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱ってきました。現在は、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京(新宿、八王子)、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡まで全国に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、犯罪被害者支援や外国人問題に興味のある予備試験受験生も歓迎しています。

【募集職種】

・事務アルバイト
・深夜早朝アルバイト

【給与(東京の場合)】

・事務アルバイト:時給1300円+交通費
・深夜早朝アルバイト:時給1300円+深夜早朝割増(25%UP)+交通費
※時給は勤務地によって異なり、1000~1300円となります。

【神戸支部紹介】

神戸支部は、神戸の中心部である三宮に事務所を構えています。三宮は交通の便もよく、事務所も駅からも近いので、交通機関での移動も便利です。また、兵庫県は、北は豊岡から南は淡路まで全域を、そして、中国・四国地方と広範囲に渡って対応しており、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱っています。神戸支部の弁護士は、兵庫県弁護士会に所属し、刑事事件・少年事件の専門弁護士として、兵庫県をはじめとした対応エリアで活躍しています。神戸支部は、弁護士・パラリーガルが協力して仕事を進めるチームワークのよい法律事務所です。事件についてはもちろんのこと、それ以外のことについても気軽に質問・相談することが出来るアットホームな雰囲気です。刑事事件・少年事件に興味のある方は、実務を間近で見ることができ、学ぶ事も多いと思います。

【勤務時間】

勤務時間:週1日~、1日3時間~
※業務内容や個人の事情に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。

【仕事内容】

・事務アルバイト

事務対応(電話応対、来客対応、書面作成、書類提出、記録整理等)
法律書面準備(リサーチ、資料の収集)
テキスト作成

・深夜早朝アルバイト

電話対応
テキスト作成
※上記仕事以外の時間はご自身の勉強等にあてていただいて構いません

【執務環境】

・交通費支給
・各事務所とも主要駅近く利便性抜群。
・PC、事務処理環境、インターネット等完備
・刑事、少年、外国人事件の専門性が高い職場

予備試験受験生アルバイト求人応募方法

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の予備試験受験生向けアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問下さい。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。

過失運転致死傷罪と道路交通法違反:ひき逃げ事件を事例に解説

2023-09-15

道路上での事故は誰にでも起こり得る悲劇ですが、事故によって人に怪我をさせたり、最悪の場合、命に関わるとき、過失運転致死傷罪や道路交通法違反といった法律問題が登場します。
本日のコラムでは、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が、これらの罪の成立要件と罰則について、ひき逃げ事件の事例を交えて詳しく解説します。

過失運転致死傷罪の定義

過失運転致死傷罪は、交通事故によって他人に対して死傷を与えた場合に適用される罪です。
過失とは、一般的に「注意義務に反する不注意」を指します。
この罪が成立するためには、運転者が交通ルールに違反した上で、その違反が直接他人の死傷につながったことが必要です。

道路交通法違反の定義

道路交通法違反とは、道路交通法に定められたルールや規制に違反する行為を指します。
交通違反の種類は、スピード違反、無許可での運転、シートベルト未着用など様々です。

道路交通法違反の成立要件としては、違反行為をした事実が確認されれば、基本的にこの罪は成立します。
ただし、いくつかの違反には特定の状況下でのみ適用される場合もあります。
例えば、飲酒運転は、お酒を飲んで車を運転したからといって、必ず違反が成立するわけではなく、血中アルコール濃度が法定限度を超えた場合に適用されます。

道路交通法違反は、一般的には反則金や違反点数の付与など交通反則通告制度による行政手続きによる罰則が科されます。
しかし、重大な違反行為に対しては、交通反則通告制度の対象外となり、刑事手続きが進んだ後に、最終的には罰金刑や懲役刑といった刑事罰が科せられることがあります。

ひき逃げ事件の一般的な特徴

ひき逃げ事件とは、交通事故を起こした後、負傷者を救護せずに事故現場から逃げ去る行為を指します。
このような事件が発生する背景には、運転者が法的な責任や罰則を逃れようとする心理が多く作用しているようです。

一般的に、ひき逃げは夜間や人目が少ない場所で多く発生します。
また、運転者が飲酒などの重要な違反をしているケースも少なくありません。
飲酒運転をしている運転者は、すでに一つの違法行為を行っているため、追加の罰則を恐れて逃げるようです。
また事故を起こしたことによって、状況を正確に把握できずに、パニックになって逃げるケースもあるようです。

以上のような一般的な特徴を理解することで、ひき逃げ事件の予防や対策が考えられます。
次の項目では、ひき逃げ事件における過失運転致死傷罪に焦点を当てて解説します。

ひき逃げ事件における過失運転致死傷罪

ひき逃げ事件が発生した場合、多くの状況で過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。
例として、夜間に飲酒運転をしていた運転者が歩行者をはね、そのまま逃げた場合を考えてみましょう。

この事例での過失は、飲酒運転という明確な違反行為に起因しています。
運転者は飲酒により判断力が鈍っている状態で運転をしたため、歩行者を見逃し、結果として死傷事故を引き起こしました。
この過失行為が死傷につながったため、過失運転致死傷罪が成立すると考えられます。

また、運転者が現場から逃げた行為自体も、罪の重大性を高める要素となります。
ひき逃げをしたことで、被害者に対する救護が遅れ、それが死傷の状態を悪化させる可能性もあるためです。

このように、ひき逃げ事件においては過失運転致死傷罪が成立するケースが多く、その罪の重大性も非常に高いと言えます。
次の項目では、ひき逃げ事件における道路交通法違反について詳しく解説します。

ひき逃げ事件における道路交通法違反

ひき逃げ事件では、当然ながら過失運転致死傷罪だけでなく、多くの場合、道路交通法違反も成立します。
例えば、前述の飲酒運転の事例においても、運転者は「飲酒運転」であり「ひき逃げ」の両方で道路交通法に違反しています。

飲酒運転の罰則は、非常に厳しく、運転免許の取消しという行政罰に加えて、高額な罰金、さらには懲役刑にもなり得ます。
ひき逃げの行為自体も、道路交通法に明確に禁じられており、この違反で免許取り消しや罰金、懲役刑が科されることがあります。

過失運転致死傷罪と道路交通法違反の罰則の具体例

過失運転致死傷罪と道路交通法違反には、それぞれ異なる罰則が適用されます。
これらの罰則は、事案の重大性や犯罪者の前歴によっても変わる可能性があります。

過失運転致死傷罪に対する罰則は、懲役や罰金が一般的です。
具体的には、死亡事故を起こした場合、最高で懲役刑の上限が7年とされています。
傷害事故の場合でも、懲役または罰金が科されることが一般的です。

一方で、道路交通法違反(例えば、飲酒運転やひき逃げ)に対する罰則は、通常、罰金や運転免許の取り消しが考慮されます。
飲酒運転に対する罰金は最高で50万円、または懲役刑が科される場合もあります。
ひき逃げの罰則としては、最高で懲役刑10年または罰金が科されることがあります。

重要な点として、これらの罰則は積み重なる可能性があります。
すなわち、過失運転致死傷罪と道路交通法違反を同時に犯した場合、それぞれの罰則が加算されることも考えられます。

ひき逃げ事件を防ぐための予防策と対処法

ひき逃げ事件の発生を防ぐため、また発生した場合の適切な対処法には、いくつかのポイントがあります。

まず、予防策としては、運転中は絶対に飲酒をしない、スマートフォンの操作を避ける、適切な速度で運転するといった基本的な交通ルールを厳守することが重要です。
これによって、過失運転致死傷罪や道路交通法違反のリスクを大幅に減らすことができます。

次に、事故が発生した場合の対処法ですが、まずは現場から逃げず、速やかに救急車や警察に通報することが求められます。
逃げた場合、後に自首しても罰則が軽減されるわけではありませんので、その点を十分に理解しておく必要があります。

また、被害者に対する救護活動も非常に重要です。
現場で救護を怠った場合、それが過失運転致死傷罪の成立要件に影響を与える場合があります。

最後に、事故後には必ず専門の弁護士に相談することをお勧めします。
法的な問題は複雑であり、素人判断で対処すると後に重大な結果を招く可能性があります。

以上が、ひき逃げ事件を防ぐための予防策と対処法です。
このような基本的な知識と行動指針を身につけることで、自身と他人の命と財産を守るための第一歩となります。

【本日対応可能】匿名からの通報で発覚 無免許でトラックを運転して逮捕

2023-09-03

匿名からの通報で無免許でトラックを運転していることが発覚して逮捕された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容

Aさんは、無免許運転でトラックを運転していたとして、道路交通法違反(無免許運転)で逮捕されました。
Aさんは、10年以上前に運転免許を失効しており、そのことを知っている誰かが、匿名でAさんが無免許運転をしていることを警察に通報し、警察が捜査していたようです。(この事件は実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

無免許運転

道路交通法第64条は、公安委員会の運転免許を受けないで自動車または原動機付自転車を運転することを禁止しています。
当然のことですが、公安委員会の運転免許を受けないで自動車等を運転すると無免許運転になります。
無免許運転には、これまで一度も運転免許証の交付を受けたことがない場合だけでなく、免停中に自動車等を運転する場合や、今回の事件のように運転免許を失効後に再取得しないで自動車等を運転した場合も含みます。
また、運転免許を受けてはいるものの、その資格では許可されない車両を運転する場合も、免許外運転に当たり、無免許運転となります。

無免許運転に対する刑事罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外ですので、無免許運転で警察に検挙された場合は、刑事手続に基づいて事件が処理されることになります。

悪質な無免許運転

上記したように無免許運転の罰則規定は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
有罪が確定した場合は上記の範囲内で刑事罰が科せられるのですが、初犯の場合は、略式命令による罰金刑となる可能性があり、そうなった場合は、刑事裁判を受けることなく罰金を納付すれば手続きが終了します。
しかし無免許運転の期間が長い場合や、常習的に無免許運転を繰り返している場合、ドライバーなど仕事で無免許運転をしていた(職業運転手)は、初犯であっても公判請求されて刑事裁判となる可能性があり、その場合は、罰金刑ではなく懲役刑となることがほとんどです。

まずは弁護士に相談を

今回の事件は、匿名からの通報が端緒となって、警察が実際に無免許運転しているところを職務質問して逮捕に至っているので、常習的な無免許運転を疑われるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、こういった刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
ご自身が刑事事件を起こしてしまった…ご家族等が警察に逮捕されてしまった…という方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部無料法律相談初回接見サービスをご利用ください。

加古川市のひき逃げ事件で逮捕 初回接見サービスを利用して早期に弁護活動を開始

2023-08-20

加古川市のひき逃げ事件で逮捕された方の家族が、初回接見サービスを利用して早期に弁護活動を開始した参考事件について

参考事件

会社員のAさんは、兵庫県加古川市の会社に車で通勤していますが、昨日の帰宅途中に、信号のない横断歩道を横断する歩行者に気付くのが遅れてしまい、歩行者と接触する事故を起こしてしまいました。
しかし違反の累積点数によって免許停止になることをおそれたAさんは、歩行者を救護する等の措置をとらずに、事故現場から逃走して帰宅してしまいました。
その結果、自宅に逃げ帰ってから2時間ほどして、兵庫県加古川警察署の警察官が自宅を訪ねてきて、警察署に任意同行された後に、Aさんはひき逃げの容疑で警察に逮捕されました。
Aさんの逮捕を知った家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部に電話し、初回接見サービスを利用しました。
(フィクションです。)

ひき逃げ事件とは

車などで人身事故を起こした人は、道路交通法により救護義務を負います。
ひき逃げ事件とは、この救護義務に反して、事故現場から立ち去ることをいいます。
今回のケースでは、Aさんは歩行者を接触する人身事故を起こしているため上記救護義務が生じています。
にもかかわらず、Aさんは、その場から逃走していますから、ひき逃げをしてしまったことになります。
ひき逃げ事件の詳細については こちらをクリック 

初回接見サービス

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が提供する初回接見サービスは、弁護士が「弁護士になるとする者」という立場(刑事訴訟法39条)で、留置施設に出張して、逮捕勾留等によって身体拘束を受けている方に面会するサービスです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、この初回接見サービスについては、お電話でご予約いただくことができ、原則的に、ご予約いただいたその日のうちに対応しております。
今回のケースのように、逮捕直後に初回接見サービスをご利用いただくことによって、最速で弁護活動を開始することができますので、早期釈放や、処分の軽減などを実現できるかもしれません。
また逮捕等によって身体拘束を受けている方は、ご家族等との面会が制限されいるため、心細くなりがちです。
法律のプロである弁護士と面会(接見)することによって安心し、心理的負担が軽くなることは間違いないでしょう。

交通事件(ひき逃げ事件)に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件に精通した弁護士の初回接見サービスを希望の方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合事務所神戸支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

【お客様の声】万引き事件 示談成立により不起訴処分獲得

2023-08-14

コンビニの万引き事件で、同種前科・余罪が複数あったものの不起訴処分を獲得した弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が紹介します。

事件概要

依頼者の奥様(20代女性、窃盗(万引き)の前科あり)は、コンビニでの万引きで現行犯逮捕されました。
その後、奥様は勾留されずに釈放されたため、依頼者と一緒に無料相談をご利用いただいた後、弊所の弁護士を私選弁護人として選任して頂きました。
担当の弁護士は、早急に被害店舗の責任者の方との間で示談及び被害届の取下げを成立させました。
そして、事件を担当した検察官と交渉し不起訴処分を獲得することができました。

結果 

不起訴処分 

事件経過と弁護活動

奥様には、万引きについて同種の前科や余罪があったため釈放されて在宅での捜査になったものの、正式裁判執行猶予判決になる可能性も考えられる事件でした。
そこで、弁護活動を担当した弁護士は被害店舗の責任者の方に対して奥様の直筆の謝罪文で反省の意を真摯に伝えることで、被害届の取下げとともに宥恕条項(刑事処分の一切を望まない旨の内容)付の示談をさせていただくことができました。
また、万引きを繰り返さないようにするため病院で治療を受けていただき、これを元に主治医の先生から治療内容等を聞きとり聴取書を作成しました。
そして事件を担当している検察官に聴取書を送り、再犯を繰り返さないようにする取り組みをしていることを伝えました。
これらの活動が認められ、同種の前科や余罪があったものの不起訴処分を獲得することができました。

【お客様の声】強制わいせつ事件 示談成立により不起訴処分獲得

2023-08-11

強制わいせつ事件で、宥恕条項付きの示談を成立させ不起訴処分を獲得した弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が紹介します。

事件概要

依頼者の息子さん(30代男性、会社員、前科無し)は、友人宅でお酒を飲んだ帰り路上で女性にわいせつな行為をした疑いで逮捕の後勾留されてしまいました。
そこで、依頼者は早期の釈放及び示談の締結のため弊所の弁護士を選任して頂きました。
弁護活動を行った弁護士は、勾留決定に対する準抗告の認容により息子さんの釈放を実現させるとともに、被害者様と示談を締結させて不起訴処分を獲得しました。

結果

勾留決定に対する準抗告認容(早期釈放)
不起訴処分 

事件経過と弁護活動

息子さんは会社員として働いておられ、これ以上身体拘束が長期化すると仕事を失う可能性もある状況でした。
そこで、お母様である依頼者は早期の釈放と被害者様との示談の締結をしてもらうため弊社の弁護士にご依頼頂きました。
事件を担当した弁護士は、事件の性質や状況から勾留を決定した裁判に対する不服申し立てである準抗告の申立てを行いました。
また、添付資料として依頼者様が息子さんを監視監督できることをお約束する上申書や身元引受書も加えて提出しました。
これが認められ息子さんは決定されていた10日間の勾留の前に釈放されたことで仕事を失わずに在宅で捜査を受けることができるようになりました。
また、並行して被害者様との示談交渉も行い、加害者である息子さんの反省の意を真摯に伝えることで宥恕条項付の示談の締結と被害届の取下げをしていただくことができました。
これらの弁護活動により不起訴処分を獲得することができま

 

【お客様の声】警察官に対する公務執行妨害 公判請求されるも罰金を獲得

2023-08-08

警察官に対する公務執行妨害事件で、起訴(公判請求)されるも罰金を獲得することができた弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が紹介します。 

事件概要と弁護活動

依頼者様(40代男性、会社員)は、飲みに行ったスナックの店員と料金トラブルになり、現場臨場した警察官に対して、胸を手拳で2回殴打する暴行を加えたとして、公務執行妨害罪で検挙され、その後、検察庁に書類送検されました。
そして検察官の取調べを受けた際に、検察官から「起訴(公判請求)する。」と告げられていました。
裁判で執行猶予付きの判決を言い渡されるとお仕事に影響が出てしまう事を懸念した依頼者様は、罰金刑の判決を目指して、私選弁護人として弊所の弁護士を選任し、刑事裁判にのぞみました。
選任された弁護士は、まず担当の検察官に対して、本公務執行妨害事件のきっかけとなった、依頼者様と料金トラブルになったスナックに対して、未だ未払いである飲食代の支払いと、被害者である警察官への謝罪や賠償を行うので、どうにか略式命令による罰金刑にならないものかと書面で訴えたのですが、検察官は、起訴(公判請求)の方針を維持しました。
そこで弁護士は、今後の刑事裁判に向けて、まずは被害者となる警察官へ謝罪を行うと共に示談交渉を持ちかけましたが、当然のこと被害者となる警察官には一切取り合ってもらうことができませんでした。
しかし粘り強く交渉を続けることで何とか被害弁償を受け取ってもらうことができたので、今度は、本公務執行妨害事件のきっかけとなった、依頼者様と料金トラブルになったスナックに対しても、未だ未払いだった飲食代の支払いを持ち掛けたのですが、こちらは最後まで連絡がつかなかったので、被害弁償相当額を法務局に供託したのです。
そしてこういった活動を、その後の刑事裁判において主張したところ、依頼者様は罰金刑の判決が言い渡されました。

結果

罰金刑

弁護活動を終えて

自認している公務執行妨害事件で、検察官が起訴(公判請求)するということは、検察官は、罰金刑では軽すぎるので例え執行猶予が付いても懲役刑を求めているという方針を持っており、起訴(公判請求)されて、刑事裁判で罰金刑が言い渡されることは珍しいことです。
今回の弁護活動では、被害者となる警察官への謝罪や、スナックへの飲食代を供託していることが高く評価されて、刑事裁判で罰金刑を獲得できたものと思われます。
結果的に依頼者様が望む結果を得ることができたのですが、もしこういった謝罪や、賠償を起訴されるまでにできていれば不起訴もあり得たのではないかと思われ、弁護活動を開始するのが遅れたことが悔やまれる結果となりました。

【お客様の声】小学生女児に対する盗撮事件 複数の同種余罪があったものの略式罰金獲得

2023-08-05

小学生女児に対する盗撮事件で、複数の余罪が発覚したものの略式罰金を獲得した弁護活動とお客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が紹介します。

事件概要

依頼者の息子さん(50代男性、会社員、前科無し)は、コンビニ内において小学生女児のスカート内にスマートフォンを差し向けた疑いで逮捕されました。
そして、検察庁に送致された後、勾留が決定されてしまいました。
息子の逮捕を知った依頼者に初回接見サービスをご利用いただき、その後弁護活動を行った弁護士は、勾留決定に対する準抗告の認容により息子さんの釈放を実現するとともに、被害者の親権者様との示談を締結させて、余罪多数ながらも略式罰金の処分に留めることができました。

結果

勾留決定に対する準抗告認容(早期釈放)
略式罰金

事件経過と弁護活動

息子さんの逮捕を知っていち早く初回接見サービスをご利用いただいたことから、検察庁に送致された後すぐに、弁護活動を開始することができました。
息子さんは、検察官に送致され当日には10日間の勾留が決定されてしまいました。
しかし、正社員として定職にもついており長期の身体拘束が生活に与える影響は重大なものがありました。
そこで、弁護士は、裁判官に対して息子さんの置かれている状況や捜査の進展状況から勾留の必要がないことを明らかにする準抗告の申立てを行いました。
これが認められ息子さんは釈放され早期に職場復帰することができ、日常生活を送りながら警察から捜査を受けることになりました。
そして、被害者様が未成年であったため、示談交渉は親権者様と行うことになりました。
息子さんの思いや反省の気持ち等を丁寧に伝えることで示談の締結に際して、被害届の取り下げや息子さんの行為について処罰を求めない旨のお約束をいただくことができました。
その結果、被害者が特定できない余罪は多数あったものの、略式罰金で刑事手続を終結することができました。

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