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刑事事件で示談成立

2021-05-09

示談成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県西宮市にある大学の女子トイレで盗撮をしたとして、同大学に通うAくん(21歳)は兵庫県西宮警察署に建造物侵入、迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、被害者へどのように対応すべきかについて弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

被害者への対応

盗撮事件のような被害者が存在する場合、被害者が被った被害を回復したか否かが、事件の最終的な処分に大きく影響することになります。
具体的に言うと、被害が金銭面で回復されたか、被害者が被疑者・被告人に対してどのような感情を抱いているのかが、検察官が処分を決めたり、裁判官が宣告刑を決めるにあたって重要な意味をもつことになるのです。
そのため、被疑事実・公訴事実に争いのない場合、つまり、被疑者・被告人が行っただろうと疑われている事実について認める場合には、弁護人である弁護士は、被害者との間で示談成立させるよう努めます。

示談とは

示談というのは、被害者との合意のことをですが、通常は、慰謝料を含めた被害弁償をし、被害者からの許しを得ることをいいます。

示談交渉は、一般的に、事件の当事者で直接行うよりも、弁護士を介して行います。
それは、弁護士を介して行うほうがスムーズに示談交渉ができる可能性が高いからです。

①被害者との連絡
まず、示談交渉に着手するためには、被害者に対し示談をしたい旨を伝えて話を進める必要があります。
被疑者・被告人が被害者の連絡先を知らない場合、被疑者・被告人が逮捕・勾留されており事実上連絡がとれない場合には、警察や検察官を通じて被害者の連絡先を入手するしか他ありません。
警察や検察官は、通常、被害者への働きかけを防ぐために被疑者・被告人本人やその家族に対して被害者の連絡先を容易に教えることはありません。
しかし、弁護人限りということであれば被害者の同意を得た上で被害者の連絡先を教えてくれることがあります。
被害者の了承を得た上ででなければ、いくら捜査機関と雖も個人情報を弁護士に教えてくれることはありませんが、交渉の窓口は弁護士であり、被疑者・被告人やその家族には連絡先を教えないと約束することで、安心して連絡先を教えてくれる被害者は少なくありません。

②示談交渉
被害者の連絡先を入手した後は、被害者(場合によってはその家族)との示談交渉を開始することになります。
当事者間の示談交渉は、感情的になるおそれがあり、円滑に進まない可能性が高いでしょう。
一方、弁護士を介してであれば、被害者の気持ちに配慮しつつ、被疑者・被告人の謝罪の意を丁寧に伝え、示談をすることのメリット・デメリットについてしっかりと説明することができますので、より冷静に交渉を行えることが期待できるでしょう。
例えば、示談内容に、被疑者・被告人が事件現場付近には今後近寄らないことなどの誓約を盛り込むことで、被害者に安心感を与えるなどのメリットを提示します。
また、弁護士を介して交渉することで、法外な示談金を支払うことがないように被害者と被疑者・被告人両者が納得する金額で取りまとめるよう努めます。

③示談書の作成
示談交渉の結果、合意が成立すれば、示談書を作成します。
示談書の作成は、法律の専門家である弁護士に任せましょう。
示談内容が不十分であれば、せっかく合意に至ったとしても、再度問題が生じたり、民事で訴えられたりする可能性があるからです。
示談書の内容は、通常、被疑者・被告人が謝罪する旨、示談金を支払う又は支払受領した旨、これ以外に債権がないことの確認(清算条項)、被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ち、などとなります。
被害者の被疑者・被告人ないし裁判等に対する気持ちには、様々なものがありますが、可能な限り処罰感情がないことを示す文言を明記することが望ましいでしょう。

示談の効果

検察官が起訴・不起訴を判断する前に、被害者との間で示談成立した場合には、検察官は、被害者に関する犯罪後の事情として考慮し、起訴猶予とする可能性を高めることができます。
被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(親告罪)である場合には、示談成立し告訴をしない旨(告訴をしている場合にはそれを取り下げる旨)の合意があれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分として事件を終了させます。
親告罪でない場合でも、被害者感情が重視される昨今では、示談成立しているのであれば、起訴猶予で不起訴処分とする可能性が高いでしょう。
起訴された後であっても、被害者のいる事件において示談成立しているかどうかは、量刑に大きく影響し得る事情のひとつであるため、裁判終了までに示談成立に向けて粘り強い交渉をしていくことが弁護人に求められます。

このように被害者との間で示談成立しているかどうかといった点は、最終的な処分や量刑に大きく影響しますので、早期に弁護士に相談し、示談交渉に着手することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきており、これまでも多くの被害者と示談交渉を行ってきました。
刑事事件を起こし、被害者への対応にお悩みの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

盗撮事件で準抗告認容で釈放

2021-05-05

盗撮事件で準抗告認容で釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市中央区にある駅構内のエスカレーターで、スマートフォンを差し向けて女性のスカート内を盗撮したとして大学生のAくん(21歳)は、兵庫県葺合警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、その後に釈放されるものと思いこんでいましたが、逮捕の翌日に勾留となり大変驚きました。
慌てた両親は、すぐに刑事事件専門弁護士に相談し、釈放に向けてすぐに動いてくれるよう依頼しました。
(フィクションです。)

逮捕後の流れ

Aくんは、盗撮事件の被疑者として警察に逮捕されました。
逮捕されたAくんは、兵庫県葺合警察署で取調べを受けます。
取調べでは、Aくんがやったと疑われる事実に間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
また、盗撮事件においては、盗撮に使用したスマートフォンも押収されます。
取調べに加えて、指紋とDNAが採取され、写真が撮影されます。
その後、Aくんは葺合警察署の留置場に収容されます。

逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか、証拠物や関係書類と一緒に警察官に送致するかを決めます。
兵庫県では、おおむね逮捕の翌日に送致されることが多いようです。
検察官に送致されると、Aくんの身柄は神戸地方検察庁に移され、担当検察官からの取調べを受けます。
ここでの取調べでも、Aくんがやったと疑われる事実について間違いがないかどうか、弁護人を選任するかどうかといったことが聞かれます。
担当検察官は、Aくんの身柄を受けてから24時間以内に、この取調べの内容と警察から送られてきた証拠物や関係書類を検討し、勾留請求するか、それとも被疑者を釈放するかを決めます。

検察官が勾留請求をすると、Aくんの身柄は今度は神戸地方裁判所に移され、裁判官と面談します。
そして、裁判官はAくんを勾留するかどうかを判断します。
裁判官が検察官がした勾留請求を却下すれば、Aくんは釈放されますが、勾留の決定をした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日間の身体拘束となります。

勾留となれば、Aくんは、逮捕から少なくとも約13日間葺合警察署の留置場にいることになります。
Aくんは大学生ですが、逮捕・勾留されている間は学校に行くことはもちろん、家に帰ることもできません。
被疑者が成人の場合、警察が学校に事件のことを伝えることはあまりありませんが、重要な試験が控えていたり、部活やサークルの大会が予定されている場合には、それらに出席することができないため、必要な単位を落としたり、友人に迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのような不利益を回避するためにも、一日でも早い釈放が望ましいでしょう。

準抗告とは

Aくんのように一度勾留が決まった場合でも、その決定を取消し釈放となる可能性はあります。
それは、裁判官がした勾留の裁判について、その取消を裁判所に求め、それが認められた場合です。
このように、第一回裁判期日前に行われた裁判官の判断に対する不服申立の手続を「準抗告」と呼びます。
勾留に対する準抗告では、勾留の要件を満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張する必要があります。
例えば、Aくんは被害者と面識がないため被害者に接触し被害届を取り下げるよう迫る可能性はないこと、その上でAくんが事件現場となった駅構内には今後近寄らないと約束していること、保護者による監督が期待できること、長期の身体拘束によりAくんが被り得る不利益が大きいこと、今後は弁護人を通じての被害者への被害弁償をする予定であること、などといった事情を説明し、勾留の理由も必要性もないことを主張することが考えられます。

不服申立についての判断は、最初に勾留を決定した裁判官とは別の裁判官3人によって行われます。
不服申立が認められ、最初の裁判が取消され、検察官の勾留請求を却下するとの決定がなされれば、Aくんは釈放されることとなります。

準抗告は、その申立てが遅くなればなるほど、被疑者の身柄拘束期間は長引きます。
より早く釈放を求める場合には、早期に刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
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再犯の痴漢事件で不起訴

2021-05-02

再犯痴漢事件で不起訴となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
電車内で女性客に対して痴漢をしたとして、兵庫県姫路警察署は会社員のAさんを迷惑防止条例違反で逮捕しました。
翌日、Aさんは釈放されましたが、痴漢の前歴があるためどのような処分となるのか不安で仕方ありません。
Aさんはすぐに刑事事件専門弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです。)

不起訴処分とは

原則、すべての事件が検察官に送られ、検察官が事件の処理をします。
検察官による事件の処理には、中間処分と終局処分とがあります。
中間処分というのは、終局処理にむけて処理を留保したり、別の検察官に処理を委ねる処分のことです。
終局処分は、検察官による終結的な処分のことで、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致とがあります。

不起訴処分は、公訴を提起しないとする処分で、その理由により以下のように分類されます。

①訴訟条件を欠く場合
被疑者が死亡した場合、被疑事件が日本の裁判管轄に属さない場合、親告罪の告訴・告発・請求が欠如・無効・取消された場合、同一事実について既に既判力がある判決がある場合、時効が完成している場合などです。

②被疑事件が罪とならない場合
被疑者が犯罪時14歳に満たない場合、被疑者が犯罪時心神喪失であった場合、被疑事実が犯罪構成要件に該当しない場合や犯罪の成立を阻止する事由のあることが証拠上明確な場合、犯罪の嫌疑がない場合、被疑事実について犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合などです。

③犯罪の嫌疑がある場合
被疑事実が明白な場合において、法律上、刑が必要的に免除されるべき場合や、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としない場合です。
後者の場合を「起訴猶予」といいます。
不起訴処分の多くが起訴猶予であると言われています。
起訴猶予とする一応の基準として次のような要素があります。
(a)犯人に関する事項
・犯人の性格…性質、素行、遺伝、習慣、学歴、知能程度、経歴、前科前歴の有無、常習性の有無など。
・犯人の年齢…特に、若年又は老年、学生など。
・犯人の境遇…家庭状況、居住地、職業、勤務先、生活環境、交友関係など。
(b)犯罪自体に関する事項
・犯罪の軽重…法定刑の軽重、法律上刑の加重減軽の事由の有無、被害の程度など。
・犯罪の情状…犯罪の動機・原因・方法・手口、犯人の利得の有無、被害者との関係、犯罪に対する社会の関心、社会に与えた影響、模倣性など。
(c)犯罪後の情況に関する事項
・行為に関して…犯人の反省の有無、謝罪や被害回復の努力、逃亡や証拠隠滅等の行動、環境の変化、身柄引受人その他将来の監督者・保護者の有無といった環境調整の可能性の有無など。
・被害者に関して…被害弁償の有無、示談の成否、被害感情など。

再犯痴漢事件について考えた場合、前歴があることは不利な事情になりますが、特定の被害者を狙ったり、強制わいせつ罪に当たるような痴漢行為であるなど悪質な痴漢ではないケースであれば、被害者との示談が成立していることや、専門的な治療を受けるなどといった再発防止措置がとられていることなどの犯罪後の情況に関する事項を考慮した上で、検察官が不起訴処分とする可能性はあります。
起訴猶予の基準のひとつである犯罪後の事情については、示談の成否と再発防止措置の有無が重要となります。
そのため、弁護士は、早期に被害者との示談交渉に着手し、また、再発防止に向けた措置をいかにして講ずるかについて被疑者本人やその家族と一緒になって考えます。

再び痴漢事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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まずはお気軽にご連絡ください。

居直り強盗で逮捕

2021-04-25

居直り強盗逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aは、兵庫県川辺郡猪名川町の民家に侵入し、現金や貴金属などを盗もうとしていたところ、家人に見つかってしまいました。
Aは、家人を脅し、金庫を開けさせ現金や貴金属を奪い去りました。
後日、兵庫県川西警察署は、居直り強盗事件の被疑者としてAを逮捕しました。
(フィクションです。)

居直り強盗

他人の居宅に侵入し、金品を盗んだ場合、住居侵入罪及び窃盗罪が成立すると考えられます。
ただ、盗みに入った後に、家人に見つかり、犯人が家人に暴力を振ったり脅迫したりして、最終的に逃亡した場合には、いわゆる居直り強盗としての強盗罪又は事後強盗罪が成立する可能性があります。

1.強盗罪

刑法第236条 
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

暴行・脅迫を手段として、人の財物を奪ったり、財産上の利益を得、又は第三者に得させた場合に成立する犯罪です。

暴行・脅迫は、財物奪取の手段として行われていなければなりません。
財物奪取以外の意思で相手に暴行を加え、相手が財布を落とし、その財布から現金を抜き取った場合、相手に加えた暴行は、強盗罪における暴行には当たらず、暴行罪と窃盗罪が成立することになります。
そして、暴行・脅迫は、相手の反抗を抑圧する程度に強いものでなければなりません。
この程度に達しているか否かは、社会通念上一般に相手の反抗を抑圧するに足りる程度か否かという点について客観的に判断されます。

2.事後強盗罪

刑法第238条 
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

窃盗は、窃盗の実行に着手した者が、財物を取り返されることを防ぐ目的で、或いは逮捕を免れる目的で、又は罪証を隠滅する目的で、窃盗の現場ないし窃盗の機会に暴行・脅迫をした場合、事後強盗罪に当たります。

強盗と事後強盗の違いは、暴行・脅迫の目的にあります。
強盗の場合は、財物奪取のための暴行・脅迫ですが、事後強盗の場合は、財物を取り返されるのを防ぐため、逮捕を免れるため、罪証を隠滅するための暴行・脅迫です。
そのため窃盗犯人が、窃盗の実行行為を開始した後に家人に発覚したため、居直って、強盗の意思が生じ、相手に暴行・脅迫を加えて財物を奪うという居直り強盗は、通常の強盗罪に該当します。

いずれにしても法定刑は同じ5年以上の有期懲役であり、罰金刑は設けられていません。
初犯であっても、有罪となれば実刑となる可能性がありますので、早期に刑事事件に強い弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こし対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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万引きで略式手続

2021-04-21

略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県西脇警察署は、兵庫県多可郡多可町にあるコンビニで商品を万引きしたとして、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
Aさんには窃盗の前科・前歴があり、直近では2年前にスーパーマーケットで万引きし、最終的に罰金20万円が言い渡されていました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、今回はより厳しい処分になるのではないかと心配し、すぐに弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

万引きで検挙される被疑者の多くは、初犯ではない場合が少なくありません。
つまり、検挙された事件以前にも同様の万引き事件を起こしているケースが多く見受けられます。
無論、万引きという比較的軽微な犯罪であっても、何度も罪を重ねれば、その分科される処分も重くなります。
万引きの場合、初犯であれば微罪処分で処理される傾向にあります。
微罪処分というのは、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないと定められた犯罪について、警察で処理する手続のことをいいます。
警察で取調べを受けて終了するような場合は、微罪処分で事件処理されたというわけです。
初犯ではなく2回目の万引きとなれば、事件は警察限りでの処理というわけにはいきません。
事件は検察官に送致され、検察官が起訴・不起訴の判断を行います。
2回目(もしくは3回目)であっても、被害の回復ができている場合には、起訴猶予で不起訴処分となる可能性はあります。

さて、それ以上の再犯になると、いくら被害を回復している場合であっても、検察官が不起訴で事件を処理する可能性は随分と低くなります。
3~4回目の万引きとなれば、起訴される可能性が高いと言えます。
しかしながら、起訴にも種類があり、刑事裁判を開いて有罪・無罪を審理することを要求する公判請求と、書面だけで審理する略式手続に付すことを要求する略式起訴とがあります。
万引き事件では、いきなり公判請求となるよりも、略式手続となることがほとんどです。

略式手続は、簡易裁判所が、その管轄事件について、検察官の請求により、公判手続を経ないで、検察官の提出した証拠を審査して、一定額以下の罰金又は科料を科す簡易裁判手続をいいます。

略式手続に付すための要件は、
①簡易裁判所の管轄に属する事件であること。
②公訴提起と同時の、書面による検察官の請求があること。
③検察官による説明、正式裁判を受ける権利の告知、略式手続に異議がない旨の書面による確認が行われていること。
④検察官による略式命令請求と同時に書類・証拠物を差し出していること。
略式手続によることの相当性があること。
です。
簡易裁判所が出す略式命令は、100万円以下の罰金又は科料を科すことができ、刑の執行猶予をすることもできます。

略式命令を受けた者又は検察官は、略式命令の告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができます。

略式手続となるメリットは、通常の公判手続ではなく簡略化された手続で処理されるという点です。
通常の公判手続となれば、起訴されてから公判期日までも時間を要しますし、最終的に判決が言い渡されるま2か月ほどかかります。
また、被告人本人が法廷に行く必要があり、公訴事実を認める場合であっても最低2回は出廷しなければなりませんので、被告人の負担ともなります。
公開の審理ですので、自分が犯した罪についていろんな人に知られるという不利益がありますが、略式手続は書面だけの審理であるので、関係者以外に事件が漏れる心配はありません。

ただ、略式手続となることのデメリットもあります。
裁判官は、検察官が提出した証拠書類を基に審理しますので、被告人が自分で裁判官に対して意見を述べることはできません。

以上のような略式手続のメリット・デメリットを考慮した上で、検察官から略式手続を提示された場合には同意・不同意を決めることになります。

上の事例では、前回が罰金20万円の刑が言い渡されていますが、これもおそらく略式手続に付されたと考えられます。
今回は、検察官に公判請求される可能性もあるため、検察官に働きかけ略式手続で事件を処理してもらうことを目指します。
もちろん、容疑を否認しているのであれば、略式手続に付されることを拒否し、公判で争う必要があります。

万引きの再犯で対応にお困りであれば、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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盗撮事件で逮捕

2021-04-14

盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県赤穂郡上郡町にあるホテルの大浴場の脱衣所で女性を盗撮したなどとして県外に住むAさんが逮捕されました。
調べに対してAさんは、「撮ったことは認めるが、交際相手から指示を受けてやった。私は盗撮した画像をどうにかするつもりはなかった。」と話しています。
(フィクションです。)

盗撮をした場合

盗撮は、多くの場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例で禁止する行為に該当します。
兵庫県は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等に関する条例」の第3条の2において、以下のように規定しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

◇1項◇
第2条の2第1項は、「公共の場所」又は「公共の乗物」において、①人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動、或いは、②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

「公共の場所」とは、不特定かつ多数が自由に利用し、又は出入りすることができる場所のことをいいます。
道路、公園、広場など国や地方公共団体の所有地や施設のみならず、駅、桟橋、埠頭、デパート、飲食店、興行場も公共の場所に当たります。
「公共の乗物」とは、電車、バス、船舶、航空機その他不特定多数の者が利用するための乗物を指します。

①卑わいな言動については、一般人の性的道義観念に反し、他人に性的羞恥心、嫌悪を覚えさせ、又は不安を覚えさせるようないやらしくみだらな言語、動作をいうと解されています。(最決平20・11・10)
「不安を覚えさせるような卑わいな言動」と規定してあり、「盗撮」という文言は明記されていませんが、「盗撮」という行為が「不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるため、公共の場所・公共の乗物において盗撮をした場合には、迷惑防止条例第3条の2第1項に該当し、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機等を設置する行為は、実際に盗撮に成功していない場合であっても、盗撮目的でカメラを「設置」する行為が禁止対象となっているため、迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。

◇2項◇
第2条の2第2項は、1項で規定されている「公共の場所・公共の乗物」を除いた「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所」において、①人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為、及び、②盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

◇3項◇
第2条の2第3項は、「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を」盗撮する行為、盗撮目的で写真機等を向ける行為、又は盗撮目的で写真機等を設置する行為を禁止しています。

事例のようなホテルの大浴場の脱衣所での盗撮は、この3項違反となります。

しかしながら、被写体が18歳未満の者であった場合には、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の罪が成立する可能性があります。
児童買春・児童ポルノ処罰法は、盗撮による児童ポルノ製造も処罰対象としており、ひそかに児童ポルノに係る児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処するとしています。

いづれの罪の成立にも、「故意」がなければなりません。
「故意」とは、罪を犯す意思のことです。
盗撮を例にとれば、盗撮をしようと思って行為に及んだ場合に罪が成立するのであって、偶然様々な要素が相まって盗撮に当たるような行為をしてしまった(なかなかそんなことはないのですが…)場合には故意が認められず罪は成立しないことになります。
また、「盗撮をしてやる」と確信的な故意はなくとも、「盗撮してしまうかもしれないけど、ま、いいや。」といった犯罪の実現を可能なものと認識して認容している場合(これを未必の故意といいます。)にも故意は認められます。
この点、事例のように、「人に頼まれて盗撮した。自分のためではない。」といった主張をしたからといって、罪の成立が妨げられるわけではありません。
自分のためであろうが、人のためであろうが、大浴場の脱衣所で着替えている人の姿を撮影することの認識があれば、故意は認められます。

盗撮事件のように被害者がいる事件では、被害者への謝罪・被害弁償、そして示談締結の有無が最終的な処分に影響する可能性が高いです。
そのため、事件を穏便に解決するためには、早期に被害者と示談交渉を行うことが重要です。
盗撮事件を起こしてしまい、被害者への対応にお困りであれば、弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

公然わいせつで現行犯逮捕

2021-04-11

公然わいせつ現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、兵庫県揖保郡太子町の路上に駐車していた車内で、わいせつな行為をしてたとして、目撃者からの通報を受けて駆け付けた兵庫県たつの警察署の警察官に事情を聴かれました。
その後、「また連絡します。」と警察官から言われたAさんは、今後どのような流れになるのか、いかに対応すべきか分からず、ネットで刑事事件専門弁護士を探し法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

公然わいせつ罪

刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪は、性秩序ないし善良な性風俗を保護法益とするものです。

公然わいせつ罪は、「公然とわいせつな行為」をする犯罪ですが、ここでいう「公然」とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態を意味します。
認識することが「できる」状態であることが求められるのであって、必ずしも公衆の面前である必要はなく、現実に不特定又は多数の人が認識したことまでも必要ではなく、不特定又は多数の人が認識する可能性があれば足ります。

「わいせつな行為」については、その行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものと理解されています。(東京高判昭27・12・18)
正常な羞恥心を害するか否か、善良な性的道義観念に反するか否かについては、その時代における社会の一般人を基準にして判断され、行為者自身や目撃者が現実に性的羞恥心を害されたか否かといった点で判断されるものではありません。

刑法の公然わいせつ罪に当たらない場合であっても、軽犯罪法に規定される身体露出の罪となる可能性があります。

軽犯罪法の身体露出の罪は、公衆の目に触れるような場所で公衆に嫌悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出する犯罪です。
「公衆の目に触れるような場所」とは、公然わいせつ罪における「公然」とほぼ同じ意味であり、不特定又は多数の者が認識し得る状態をいいます。
「公衆に嫌悪の情を催させるような仕方」とは、一般通常人の風俗感情からして不快の念を与えるようなものをいいます。
そして、「しり、ももその他身体の一部をみだりに露出」するとは、例示されている尻、ももに代表されるような通常人が衣服などで隠している部分を正当な理由なく人目に触れる状態に置くことを指します。

公衆の面前で身体の一部を露出した場合、その行為が「嫌悪の情を催させるようなもの」であれば軽犯罪法違反となりますが、当該行為が「わいせつ」にあたれば公然わいせつ罪が成立することになります。

公然わいせつで現行犯逮捕された場合

公然わいせつで逮捕されるケースは、
①犯行時、又は犯行直後に警察官に逮捕される場合、
②犯行後、しばらくしてから逮捕される場合
となるでしょう。

①の場合を「現行犯逮捕」といい、目撃者からの通報を受けた駆け付けた警察官や付近を警ら中の警察官に犯行を目撃され、その場で逮捕される場合も少なくありません。
②は、目撃情報などから事件が発覚し、捜査の結果、犯人と思われる人物が特定され、裁判所に逮捕状発行を請求し、逮捕状を得た上で逮捕する「通常逮捕」と呼ばれる場合です。

①も②も、逮捕されてから48時間以内に、被疑者を釈放するか、検察官に証拠物等と一緒に送致するかを警察が決めます。
公然わいせつの場合、身元もはっきりしており、家族等の身元引受人がいる場合には、48時間以内に釈放されるケースが多いでしょう。

当然ながら、釈放されたからといって、それで事件が終わるわけではありません。
事件は引き続き捜査され、検察官に送致された後、検察官が最終的に起訴・不起訴の判断をします。

公然わいせつ事件を起こして捜査を受けておられるのであれば、今後の対応などを含めて弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こして対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

飲酒運転で交通事故

2021-04-04

飲酒運転交通事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県養父市の路上で車がガードレールに衝突したとの通報が兵庫県朝来警察署に寄せられました。
駆け付けた警察官は、車の運転手が飲酒運転をしていたと疑い、呼気検査を行いました。
基準値を超えるアルコールが検出されたため、運転手のAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)

交通事故を起こした場合

交通事故を起こした場合、その事故が人身事故であるか、それとも物損事故であるかによって刑事上の責任の有無が異なります。

人身事故、つまり、車やバイクなどを運転し、他の車等とぶつかり、あるいは、歩行者と接触し、相手方に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合には、通常、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)に規定されている「過失運転致死傷罪」が適用されます。
過失運転致死傷罪は、車を運転する上で必要な注意を怠り、人に怪我を負わせた、あるいは死亡させた場合に成立する罪です。
前方不注意や脇見運転など、ちょっとした不注意が「過失」に当たります。

事故によっては、より悪質な「危険運転致死傷罪」が適用されることもあります。
例えば、アルコールや薬物の影響によって正常な運転が困難な状態で車を走行させ、人に怪我を負わせたり、死亡させた場合には、「危険運転致死傷罪」に問われる可能性があります。
過失運転致死傷罪の法定刑が、「7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金」であるのに対して、
危険運転致死傷罪のそれは、「負傷させた場合に15年以下の懲役、死亡させた場合には1年以上の懲役」、準危険運転致死傷罪においては、「負傷させた場合に12年以下の懲役、死亡させた場合に15年以下の懲役」と、過失運転致死傷罪の法定刑よりも重く定められています。

他方、車の運転で物を壊した物損事故を起こした場合、故意に物を壊した場合は別として、通常は刑事責任は問われません。

飲酒運転で交通事故を起こした場合

先ほど、物損事故を起こした場合、通常は刑事責任を問われないと言いましたが、これは事故を起こしたこと(車を運転して物を壊してしまったこと)についてであって、飲酒運転をしていた場合は異なります。
交通事故を起こしていなくとも、「飲酒運転」そのものについて刑事責任は問われます。
飲酒運転は、道路交通法で禁止されています。
飲酒運転の中でも、一定以上のアルコール濃度を身体に保有して車等を運転していた場合については罰則の対象となります。
具体的には、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の飲酒運転(「酒気帯び運転」)についての法定刑は、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
更に、アルコール濃度の数値に関係なく、アルコールの影響によって車等の運転に支障をきたす状態での飲酒運転(「酒酔い運転」)については、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と、「酒気帯び運転」よりも重くなっています。
Aさんのように、物損事故にとどまるが、飲酒運転が発覚している場合には、道路交通法違反(「酒気帯び運転」あるいは「酒酔い運転」)に問われることになります。

飲酒運転で人身事故を起こした場合、「過失運転致死傷罪」と「道路交通法違反」の2罪、もしくは危険運転致死傷罪の適用可能性も考えられます。

飲酒運転に起因した悲惨な事故は後を絶ちません。
そのため、飲酒運転に対しても厳しく処罰される傾向にあります。

飲酒運転で検挙されて対応にお困りであれば、弁護士に相談し適切に対応されるのがよいでしょう。

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常習傷害罪(暴処法違反)で逮捕

2021-03-31

常習傷害罪(暴処法違反)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県美方郡新温泉町の居酒屋で、他の客と喧嘩になり、止めに入った店長の顔を殴ったとして、Aさんは、通報を受けて駆け付けた兵庫県美方警察署の警察官に傷害の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、過去にも酒に酔った上での暴行罪、傷害罪、脅迫罪、器物損壊罪で処罰されており、警察は常習性についても調べるようです。
(フィクションです。)

傷害と常習傷害

暴力を振るい相手方に怪我を負わせた場合、通常、傷害罪が成立すると考えられます。
しかし、加害者に暴行や傷害の前科が多数ある場合には、単なる傷害罪ではなく常習傷害罪が成立する可能性があります。
今回は、それぞれの罪について、いかなる場合に成立し得るのかについて説明していきます。

1.傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

◇犯行の対象◇
傷害罪の客体は「人」であり、行為者本人を除く「身体」を有する自然人です。
法人やその他の団体は本罪の客体とはなりません。

◇行為◇
傷害罪の実行行為は、「傷害する」ことです。
「傷害」の意義については、判例は、人の生理機能に障害を与えること、又は、人の健康状態を不良に変更させることとしています。(最判昭24・7・7など)
傷害の方法については、暴行による方法と暴行によらない方法とがありますが、暴行又は暴行によらない方法による行為と障害結果との間には因果関係が必要となります。
暴行による傷害の場合、人の身体に対する有形力の行使によるものであって、相手方に対して殴る蹴るなどが典型です。
他方、暴行によらない傷害の場合については、性病に羅患している者が強制性交行為によって性病を感染させる場合(最判昭27・6・6)や、自宅から隣家に向けてラジオの音声や目覚まし時計のアラーム音を鳴らし続け、精神的ストレスから睡眠障害等を負わせた場合(最決平17・3・29)などに傷害が認められています。

◇故意◇
傷害罪は故意犯であり、傷害の結果を意図して暴行を加え、それにより傷害の結果が発生した場合に傷害罪が適用されることに議論の余地はありません。
しかし、故意に暴行を加え、その結果、意図しない結果として傷害の結果が発生した場合には故意が認められないとして傷害罪は成立しないことになるのかが問題となります。
この点、傷害罪は故意犯であるとともに、暴行罪の結果的加重犯でもあるため、傷害罪の故意は暴行の認識があれば足りると理解されています。(最判昭25・11・9)

2.常習傷害罪

暴力行為等処罰ニ関スル法律(以下、「暴処法」といいます。)第1条の3は、常習として傷害罪、暴行罪、脅迫罪又は器物損壊罪を犯した者が、人を傷害させた場合は、1年以上15年以下の懲役に処し、傷害に至らずに暴行にとどまった場合は、3月以上5年以下の懲役に処すという常習傷害罪を規定しています。
常習傷害罪が成立する場合には、傷害罪は成立しません。
そのため、常習性の有無によって、成立する犯罪が異なります。

常習傷害罪が成立するためには、
①暴力行為の常習性があり、
かつ、
②本件の行為が暴力行為の常習性の発現として行われたもの
でなければなりません。
これらの要件を判断する際には、行為者の性格や素行、行為の動機・種類・態様、各種暴力行為の反復回数などが考慮されます。
性格や素行の面で粗暴傾向が強く、行為の動機・種類・態様に繰り返しが多い場合には、上の要件は認定されやすくなります。
これらを考慮する際には、前科・前歴が重要な判断資料となります。
本件における行為の動機・種類・態様が前科・前歴と共通している場合には、暴力行為の常習性、その発言としての本件行為が認められるでしょう。

常習性の有無によって、傷害罪にとどまるのか、常習傷害罪となるのかが違ってきますので、傷害等の前科があり常習性の有無が問題となる場合には、一度弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が傷害事件で逮捕されてお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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リベンジポルノ防止法違反で逮捕

2021-03-28

リベンジポルノ防止法違反について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県川西警察署は、会社員のAさんをリベンジポルノ防止法違反容疑で逮捕しました。
逮捕容疑は、Aさんが当時交際していたVさんとの性的画像をSNSに投稿し、不特定多数の人が見れるようにしたというものです。
Aさんは、Vさんの他にも元交際相手の女性との性的画像をSNSに投稿しており、その件でも捜査されているようです。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、相手方への対応についてどのようにすべきか悩んでおり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

リベンジポルノ防止法

「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下、「リベンジポルノ防止法」といいます。)は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰する法律です。

ここでいう「私事性的画像記録」というのは、
①性交または性交類似行為に係る人の姿態
②他人が人の性器等を触る行為または人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって、性欲を興奮させ、または刺激するもの
③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され、または強調されるものであって、かつ性欲を興奮させ、または刺激するもの
のいづれかで、その人の姿態が撮影された画像に係る電磁的記録その他の記録のことをいいます。
撮影の対象とされた者が、撮影をした者、撮影の対象とされた者や撮影の対象とされた者から提供を受けた者以外の者(第三者)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾したり撮影をしたものは「私事性的画像記録」には当たりません。
これは、いわゆる「私事性」の要件であり、撮影の対象とされた者が撮影自体を承諾していても、それを他人に見せない約束で撮影した性的画像や、撮影の対象とされた者の承諾を得ないで交際相手に隠し撮りをされた性的画像は「私事性的画像記録」に当たります。
他方、アダルトビデオやグラビア写真は、公開されることが前提として撮影されているため、「私事性的画像記録」には当たりません。

第三者が撮影の対象とされた者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定または多数の者に提供した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処さられる可能性があります。
「第三者」とは、撮影をした者、撮影の対象となった者、撮影の対象となった者から提供を受けた者以外の者を指します。
「特定することができる方法」とは、撮影の対象となった者の顔や身体的特徴、背景として写っている物など、公表された画像から撮影の対象となった者を特定することができる場合や、画像と共に添えられた文言や掲載場所といった画像以外の部分から特定することができる場合も含まれます。
公衆一般が撮影の対象となった者を特定することができることまで必要ではなく、一定の範囲の第三者だけが撮影の対象となった者を特定することができる状態もこれに該当します。
そして、「提供」は、相手方において利用しうべき状態に置く法律的・事実上の一切の行為を意味します。

また、第三者が撮影の対象となった者を特定することができる方法で、私事性的画像記録物を不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した者も、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
「公然と陳列した」というのは、不特定または多数の者が閲覧することができる状態に置くことです。

公表の目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、または私事性的画像記録物を提供した者は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。

リベンジポルノ防止法違反で逮捕されたら

リベンジポルノ防止法違反は、親告罪です。
親告罪というのは、被害者等からの告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
そのため、リベンジポルノ防止法違反逮捕された場合には、早期に被害者との示談を成立させることが重要です。
起訴前に示談が成立すれば、不起訴で事件を終了することができ、身体が拘束されている場合には釈放となります。

リベンジポルノ防止法違反でご家族が逮捕されたのであれば、早期に弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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