Archive for the ‘刑事事件’ Category

口座売却・譲渡で刑事事件に

2020-11-15

口座売却譲渡刑事事件に発展する事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、金遣いが荒く、金融機関から借り入れを行うなどしていました。
簡単に稼ぐ方法はないかと、インターネットで探していたところ、預金通帳・キャッシュカードの高額買取を謳う広告を見つけ、さっそく相手方に連絡をとりました。
すると、△△銀行の口座を開設するように指示され、Aさんは指定された銀行の口座を開設しました。
そして、手に入れた銀行のキャッシュカードを指定された住所に送ると、Aさんが指定した銀行口座に5万円が振り込まれました。
しばらくしたある日、△△銀行から、Aさんが開設した口座が犯罪に使用されているため凍結した旨の連絡を受けました。
Aさんは、犯罪に使われたことは身に覚えがないと回答しましたが、△△銀行から、口座売却譲渡は犯罪に当たるため、後日警察から連絡があると言われ、心配になったAさんは、警察に行く前に弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

口座売却・譲渡は犯罪です

ネット上で、銀行口座売却譲渡を募る書き込みやメッセージを見たことがある方は、少なくないのではないでしょうか。
銀行の預金通帳やキャッシュカードを渡すだけで、融資を受けたり、高額な報酬を得られるなんて、おいしい話だと飛びついてしまう方もいらっしゃいますが、銀行口座売却譲渡は法律で禁止されており、違反した場合には刑罰が科せられることになる犯罪行為なのです。
以下、(1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合と、(2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合とに分けて、どのような罪が成立する可能性があるのかについて説明します。

(1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

自分の名義で銀行の預金口座を開設することは、何ら違法なことではありません。
しかし、銀行は、その規定等によって、預金口座の契約者に対して、預金契約に関する一切の権利、通帳、キャッシュカードを名義人以外の第三者に譲渡、質入れさせまたは利用させるなどすることを禁止しています。
そのため、銀行側において、契約者が、他人に預金口座売却する、または他人に使用させる目的で口座を開設しているとわかっていれば、口座を開設させることはありません。
しかし、契約者が、その目的を秘して、自分で利用するために口座開設を申し込んだ(積極的に自分のための口座開設であることを申し込み時に主張していることまで必要とされず、預金口座の開設等を申し込むこと自体、申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思があることを示しているものと理解されます。)のであれば、それを信じて銀行が口座の開設や、預金通帳・キャッシュカードの交付に応じた場合、契約者による口座開設の申し込み行為は、銀行を騙す行為(欺罔行為)であり、騙された銀行が、当該契約者の真意を知っていれば応じなかった行為、つまり口座の開設や預金通帳・キャッシュカードの交付が行われ、契約者は、預金通帳・キャッシュカードを取得するに至っており、詐欺罪が成立するものと考えられます。

(2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

他方、もともと自分自身が利用する目的で適法に開設した銀行の預金口座の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却したり、譲渡した場合には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、「犯罪収益移転防止法」といいます。)に違反する可能性があります。

①自分の預金口座を、他人がなりすまして利用することを知った上で売却・譲渡した場合
自分名義の預金口座を、他人が自分になりすまして利用することを認識していながら、当該口座の預金通帳やキャッシュカードを売却したり譲渡した場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項前段に当たり、それに対する罰則は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方となります。

②自分の預金口座を他人がどのように利用するかを知らずに、売ったり有償で貸したりした場合
相手方が自分名義の預金口座を自分になりすまして利用することを認識していなかった場合であっても、通常の商取引または金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で通帳やキャッシュカードを売ったり、貸したりした場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項後段で規定されている行為に当たり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

以上のように、口座売却譲渡は、犯罪に当たる可能性があります。
売却譲渡した口座が特殊詐欺などの犯罪に利用されている場合には、遅かれ早かれ捜査機関に発覚することとなります。
そうなれば、口座の名義人は、捜査機関の取り調べを受けることになります。
問題の行為が上の犯罪に当たるか否かは、行為の目的をどのように認識していたかに依拠するため、銀行や警察から連絡を受けた場合には、速やかに刑事事件に強い弁護士に相談し、刑事手続を理解し、取り調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にお電話ください。

強盗・強制性交等罪で逮捕

2020-11-01

強盗・強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aは、兵庫県高砂市にあるアパートの一室に侵入し、その場にいたVに対し、包丁を突きつけ、「静かにしろ。」などと脅迫し、抵抗できなくなったVに馬乗りになり性交しました。
さらに、Aは、Vが抵抗できなくなっている状態にあることから、「金を出せ。」などと脅迫し、Vから現金2万円を奪って逃亡しました。
翌年、兵庫県高砂警察署の警察官がA宅を訪れ、住居侵入、強盗・強制性交等の容疑でAを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、罪名を告げられ、ショックを受けています。
しかし事件の詳細や今後の流れについて分からず不安になったAの家族は、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

強盗・強制性交等罪とは

平成29年の刑法改正以前は、強盗犯人が強姦行為をした場合、強盗強姦罪が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされていました。
一方、強姦犯人が強盗行為をした場合、強姦罪と強盗罪の併合罪となり、その法定刑は5年以上30年以下の有期懲役とされており、強盗行為と強姦行為のどちらが先行したかによって刑に差が生じていました。

しかし、平成29年の刑法改正において、同一の機会に、強盗強制性交等罪の行為が行われた場合につき、その行為の先後関係を問わず、強盗・強制性交等が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされました。

刑法第241条 
強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第179条第2項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は7年以上の懲役に処する。

◇主体◇

強盗・強制性交等罪の犯行の主体は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者
です。
①には、強盗罪の他、事後強盗罪、昏睡強盗罪を含みます。
②には、強制性交等罪の他、準強制性交等罪も含みます。

◇行為◇

強盗・強制性交等罪の実行行為は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、①強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯すこと、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、②強盗の罪もしくはその未遂罪を犯したこと、
です。
強盗の罪(未遂を含む。)と強制性交等の罪(未遂を含む。)は、同一の機会に行われていることが必要です。

◇故意◇

強盗・強制性交等罪の成立には、強盗の罪(未遂を含む。)および強制性交等の罪(未遂を含む。)の認識・認容が必要となります。

強盗・強制性交等罪で逮捕されたら

強盗・強制性交等罪で逮捕された場合、非常に重い罪であるため、逮捕後に勾留される可能性は高いと言えるでしょう。

事件について身に覚えがない場合、弁護士を通して冤罪を証明する証拠を収集し、捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、冤罪を主張する必要があります。
また、虚偽の自白がとられることのないよう、弁護士から取調べ対応について的確なアドバイスを受けることも大切です。

他方、容疑を認める場合には、被害者に対して真摯に謝罪し、被害弁償を行うことが重要です。

強盗・強制性交等罪は親告罪ではないため、被害者等の告訴がない場合でも、公訴の提起が可能です。
被害者への被害弁償が済んでいることにより必ずしも起訴されないというわけではありませんが、きちんと被害者に謝罪や被害弁償をしていることが裁判で被告人に有利な事情として考慮されることはありますので、被害者への対応は重要です。

また、強盗・強制性交等事件は、裁判員裁判の対象事件となりますので、裁判員裁判にも豊富な経験を持つ弁護士に弁護を任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が強盗・強制性交等罪で逮捕されてお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

多目的トイレへの盗撮目的侵入

2020-10-25

多目的トイレへの盗撮目的侵入を行った場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県福崎郡市川町に住むAさんは,かねてより女性がトイレをしているところに興味があったことから,
商業施設の多目的トイレ盗撮用のカメラを仕掛けることにしました。
ある日Aさんは,自宅近くにある商業施設に赴き,多目的トイレの中に入って,盗撮用のカメラを設置しました。
しかし,その後にトイレを使用したBさんに,カメラがあることを見抜かれてしまい,兵庫県福崎警察署の捜査もあって,Aさんは逮捕されしまいました。
(フィクションです)

Aさんの行為について,トイレにカメラを設置すること自体は各都道府県の迷惑防止条例によって処罰される場合がありますが,そもそもトイレに入った行為に何らかの犯罪が成立するのでしょうか。

1 多目的トイレについて

商業施設等にある多目的トイレは,男女両方とも使用できるようになっていることが多く,入り口も男女のトイレとは別のところにあるところも多いです。
また,トイレの前にわざわざ係員などが立っているといったこともなく,営業時間内であれば,誰でも自由に立ち入れる様になっています。

2 建造物侵入罪について

人の住居ではない,商業施設等の建造物に侵入する行為は,建造物侵入罪で処罰されます。
建造物侵入罪は,①正当な理由なく②人の看守する建造物に侵入した場合に成立します。
ただ,「正当な理由なく」という要件には,特別な意味はないと考えられており,実際には
①その建物の管理者等の同意がないのに②人の看守する建造物に侵入した場合に罪が成立すると考えられています。

3 管理者の同意の有無

まず,管理者の同意の有無について考えます。
1つ目の問題として,トイレの前には管理者(商業施設の職員)が立っているわけではないのに,同意の有無をどのように考えるかという問題があります。
これは,もしそこに立っていたらどうなるか,ということを基準に考えることになります。
2つ目の問題は,いちいち立入りの理由を告げることはないが,そこをどのように考えるか,という問題です。
たとえば男性が女子トイレに入る行為などは,立ち入る理由が考えづらく,立ち入ることに管理者が同意するとは考えられません。
しかし,盗撮目的多目的トイレに入る行為は,外から見ているだけでは,本当にトイレを使う目的なのか,そうでないのかがはっきりしません。このような場合に,正当な理由の有無はどのようにして判断するのでしょうか。
これについても,もし本当の目的を知ったら,管理者が同意するのか,という観点から判断することになります。

多目的トイレの中に盗撮用のカメラを仕掛けるということを知っていたら,当然管理者はトイレへの立入りを同意するはずありませんから,管理者の同意はないものと考えられます。

4 人の看守する建造物

「看守」とは,現にそこに人がいて見ているという意味ではなく,その部分を事実上管理・支配していることを言います。
多目的トイレの場合にも,現に警備員や職員が見張っているわけではありませんが,入り口の前の通路には防犯カメラが設置されていたり,
使用を禁止する場合のための鍵などが設置されていることが通常ですから,この部分も人の看守する建造物ということになります。
なお,建造物は,建物全体を念頭に考えても構いませんし,トイレのような一区画を念頭に考えても構いません。
今回のような事例の場合には,そもそも商業施設に立ち入ることさえ,管理者は同意しないでしょうから,商業施設の入り口を入った段階で建造物侵入を認めることもできると思われます。

このように、盗撮目的での多目的トイレへの侵入行為は、建造物侵入罪に該当する可能性があります。

ご家族が盗撮目的での多目的トイレへの侵入で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。。

大麻取締法違反事件で逮捕

2020-10-18

大麻取締法違反事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸西警察署は、兵庫県神戸市西区の路上でAさんに職務質問を行いました。
Aさんの態度を不審がった警察官は、Aさんの所持品検査を行ったところ、持っていたカバンから乾燥大麻の入った袋を見つけました。
Aさんは、大麻取締法違反で現行犯逮捕されました。
Aさんは、容疑を認めていますが、このまま身体拘束がどのくらい続くのか不安でなりません。
(フィクションです)

大麻取締法について

大麻取締法は、昭和23年7月に施行された法律で、その目的は、大麻の所持、栽培、譲渡、譲受、使用、輸出、輸入などについて必要な取締を行うとともに、大麻の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることにあると解されます。

大麻取締法が規制の対象とする「大麻」とは、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」をいい、「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品」は除外されます。

大麻取締法は、「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」としています。(大麻取締法第3条1項)
また、大麻取締法は、何人も、「大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く)」、「大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること」、「大麻から製造された医薬品の施用を受けること」、「医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告をおこなうこと」を禁止行為として規定しています。

このような規定を受けて、大麻取締法は、次の行為について罰則を設けています。
大麻の栽培、輸入、輸出:7年以下の懲役
②営利目的での大麻の栽培、輸入、輸出:10年以下の懲役、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金
大麻の所持、譲受、譲渡:5年以下の懲役
④営利目的での大麻の所持、譲受、譲渡:7年以下の懲役、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金

大麻取締法違反は、故意犯ですので、「大麻だと知らなかった」場合には犯罪は成立しません。
しかし、大麻の認識については、その物件が依存性のある薬理作用をもつ有害な薬物であることを未必的であれ認識していれば足りると解されます。
「未必的」に認識しているというのは、意図的に犯罪の実現を図るものではないが、実現されたらされたで構わないとする心情を意味します。
「これは大麻だ。」としっかりと認識している場合だけでなく、「これは大麻かもしれない。」と思っている場合にも未必の故意が認められるのです。

大麻取締法違反に対する刑罰は、懲役刑、もしくは懲役刑と罰金刑の両方と、重くなっています。

大麻取締法違反で逮捕されたら

大麻取締法違反逮捕された場合、他の薬物事件と同様、逮捕後勾留される可能性は非常に高いです。
勾留に付されると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間身体が拘束されることになります。
勾留延長が決定すると、最大で勾留請求をした日から20日もの間、身体拘束を受けることになり、外界と遮断された生活が長期に及ぶことになります。
また、勾留と同時に弁護人以外との接見を禁止する接見禁止に付される可能性もあります。

大麻取締法違反事件では、初犯であっても、起訴される可能性があり、この場合、検察官による公判請求を受けて正式な刑事裁判となります。
起訴されると、起訴後勾留に切り替わり、引き続き身体拘束を受けることになりますが、起訴後であれば保釈制度を利用することが可能となります。

大麻取締法違反事件における弁護活動

◇身柄解放◇

長期の身体拘束は、被疑者・被告人だけでなく、その家族の生活にも大きく影響します。
そのため、できる限り早期に釈放となるよう動くことが重要です。
薬物事件では、組織犯罪が疑われたり、共犯者との接触を回避するために勾留となる可能性は非常に高いのが実情です。
しかし、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことや、身体拘束により被る不利益について客観的な証拠に基づいてしっかりと主張することにより、不当な身体拘束を避けることは重要です。
捜査段階での釈放が難しい場合であっても、保釈が認められる可能性はありますので、起訴されたらすぐに保釈請求書を提出し、身柄解放に向けて動く必要があるでしょう。

◇再犯防止策◇

罪を認めている場合には、再び薬物に手を出すことがないよう再犯防止策を講じることが最終的な処分にも影響します。
家族による被疑者・被告人の監督、専門機関による治療、人間関係の改善などは、被疑者・被告人に有利な事情として働くため、このような再犯防止策を講じ、更生に適した環境を整える支援をことも重要な弁護活動です。

◇取調べ対応のアドバイス・証拠収集◇

罪を争う場合には、被疑者・被告人の主張を裏付ける証拠を収集することが重要です。
また、弁護士は、被疑者・被告人の不利となるような内容の供述調書がとられないよう、取調べに対してどのように対応すべきかについて適切なアドバイスを提供します。
閉鎖的な空間での取調べでは、身体的にも精神的にも疲れ果てた被疑者・被告人が取調官の誘導に乗せられ、自己に不利な供述をしたり、異なるニュアンスで調書が作成されてしまうこともあるため、弁護士に相談し、どのように対応すべきかを把握していることは大切です。

興味本位で安易に手を出してしまうケースも少なくない大麻ですが、大麻取締法違反は軽微な犯罪ではありません。

大麻取締法違反でご家族が逮捕されてしまったのであれば、すぐに弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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SNS上の乗っ取り・なりすましで逮捕

2020-10-11

SNS上の乗っ取りなりすまし行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、知人のVさんのことが気になり、入手したID・パスワードの情報をもとにSNSのアカウントにログインしました。
最初は、SNS上の情報を閲覧することで満足していましたが、次第にVさんになりすましてメッセージを投稿するなどといった行為をするようになりました。
被害に気付いたVさんは、兵庫県加古川警察署に相談し、被害届を提出しました。
その話を知人伝いに聞いたAさんは、逮捕されるのではないかと不安でならず、自首したほうがよいのか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

他人のSNSのアカウントを乗っ取ったり、その人になりすましSNS上に投稿したりする被害は少なくありません。
興味本位やいたずら・嫌がらせのつもりで、このようなSNS上の乗っ取りなりすまし行為を行った場合、刑事責任に問われることになる可能性があり、お遊びでは済ますことができません。

1.不正アクセス禁止法違反

他人のSNSアカウントにログインする行為は、不正アクセス禁止法違反に当たります。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、「不正アクセス禁止法」といいます。)は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、コンピュータ・ネットワークを通じて行われるコンピュータに係る犯罪の防止と、アクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として、平成11年に制定されました。

不正アクセス禁止法は、「何人も、不正アクセス行為をしてはならない。」(3条)と不正アクセス行為を禁止しています。
これに違反した者は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処するものとされています。(11条)

禁止行為である「不正アクセス」については、2条4項において次のように定義されています。

この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為

(一)は、他人の識別符号(IDとパスワード)を無断で入力する「不正ログイン」、(二)及び(三)は、識別符号の入力によらず、アクセス制御機能による特定利用の制限を免れる情報・指令を入力する「セキュリティ・ホール攻撃」が該当します。

他人のID・パスワードを何らかの形で入手し、当人の承諾を得ず勝手にID・パスワードを入力してSNSのアカウントにログインする行為は、不正アクセスに当たります。

不正アクセス禁止法は、他にも、他人の識別符号を不正に取得する行為、不正アクセス行為を助長する行為、他人の識別符号を不正に保管する行為識別符号の入力を不正に要求する行為を禁止しており、これらに違反した者についても刑事罰を科すとしています。

2.名誉毀損・侮辱罪

他人のSNSアカウントに不正にログインし、その人のやり取りや写真・動画などを閲覧するだけにとどまらず、その人のアカウントからその人と偽り何らかのメッセージを投稿するような行為をした場合、その投稿内容如何により名誉毀損罪、侮辱罪、業務妨害罪などに問われる可能性があります。

SNS上の乗っ取りなりすまし行為による刑事事件では、被害者が存在するため、被害者対応をしっかり行うことが、最終的な処分にも大きく影響することになります。
具体的に言うと、被害者への謝罪・被害弁償の上、示談を締結することを目指します。

被害者との示談交渉は、刑事事件に精通する弁護士にお任せください。

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被疑事件の弁護活動~示談交渉~

2020-09-27

被疑事件弁護活動のひとつである示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市中央区の繁華街で、通行人同士の喧嘩が発生しました。
会社員のAさんは、喧嘩の仲裁を試みたのですが、一当事者の反抗的な態度に腹が立ち、拳で顔面を殴ってしまいました。
現場に駆け付けた兵庫県生田警察署の警察官は、Aさんを署に連行し事情を聴いています。
Aさんは、殴ったことについては自分が悪いと反省しており、相手方に対して謝罪と被害弁償をしたいと思っていますが、直接のやりとりでは上手くいのではと心配しています。
(フィクションです)

被疑事件についての弁護活動

起訴前、つまり被疑者段階における弁護活動の目的は、被疑者の権利・利益を擁護することです。
被疑者段階での弁護活動は、主に、捜査官による捜査に対する活動、被疑者の身体拘束に向けた活動、そして、検察官による終局処分に向けた活動とがあります。

捜査に対する活動は、被疑者に対する取調べや捜索差押えなどの捜査に対して、弁護人はどのように対応すべきかを被疑者にアドバイスを行います。
また、捜査機関によって違法・不当な捜査が行われた場合には、それを止めるべく行動します。

被疑者が逮捕・勾留されているケースにおいては、身体拘束によって被疑者や家族が被り得る不利益を最小限に抑えるためにも、弁護人は、逮捕・勾留を回避するために身柄解放活動を行います。

そして、弁護人は、検察官が行う終局処分について、できる限り寛大な処分となるよう働きかけます。
被疑事件につき起訴・不起訴の判断、及び、起訴するとしても略式起訴か公判請求かを決めるのは検察官です。
そのため、弁護人は、不起訴で事件を終了できるよう、起訴が免れないとしても略式手続で済むよう、被疑者にとって有利な事情を提示し、検察官が判断をする際に考慮するよう求めます。
検察官は、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」(刑事訴訟法248条)とされています。
公訴を提起しない、つまり不起訴処分とする判断要素には、被害者との間で示談が成立しているか否かという点が含まれます。

示談交渉

1.示談とは

示談とは、被害者との間の合意のことをいいますが、通常、加害者が被害者に対して被害弁償をする一方で、被害者が加害者を許し、今回の事件については当事者間で解決したとする合意のことを指します。
被害者のいる犯罪においては、被害が金銭的に回復されたかどうか、被害者が被疑者に対してどのような感情を抱いているかどうかが、検察官が終局処分を決めるときや裁判官が宣告刑を決めるときに重要な意味を持ちます。
そのため、弁護人は、被疑事実・公訴事実に争いのない場合には、被害者との間で示談を成立させれるよう努めます。

2.示談交渉を弁護士に任せるメリット

もっとも、理論的には、被疑者(被告人)が被害者と直接示談交渉を行い、示談を成立させることは不可能ではありません。
しかし、一般的には、弁護士を介して示談交渉を行います。

というのも、そもそも被害者の連絡先を知らないことが多く、その場合には捜査機関を通じて入手することになるのですが、罪証隠滅のおそれから捜査機関が被疑者に被害者の連絡先を教えない、被害者が恐怖や嫌悪感から被疑者と直接やりとりすることを拒む、といった事情により、被疑者やその家族が被害者と連絡すらとれないことが多々あるのです。
また、被疑者が逮捕・勾留されている場合には、物理的に被疑者が被害者に連絡をとることは不可能です。
そのような場合であっても、弁護士限りであれば、被害者の連絡先を教えてもらうことができる場合も多く、弁護士を介して示談交渉を行うメリットの一つとも言えます。

仮に、被疑者が被害者の連絡先を知っていたとしても、被疑者自身やその家族などの関係者が直接被害者にコンタクトをとることはお勧めできません。
なぜなら、当事者間での交渉は、感情論的になりやすく、やったやってないの水掛け論となり交渉が難航することが多いからです。
弁護士を間に挟むことによって、冷静な交渉を行い、両者が納得できる内容の示談を成立させることにつながります。

また、被害者の連絡先が分かっていたとしても、被害者との話し合いを自ら行うことに躊躇される被疑者の方も少なくありません。
この点でも、弁護士を代理人として示談交渉を進めることのメリットと言えるでしょう。

示談交渉の結果、合意が成立すれば、示談書を作成することになりますが、その内容に被害者の被疑者(被告人)に対する気持ちを盛り込むことがあります。
被害者の気持ちには、様々なものがありますが、被害者の被疑者に対する許しの気持ちあれば、不起訴あるいは執行猶予となる可能性を高めることができます。

終局処分にも影響し得る示談交渉は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
弊所の弁護士は、これまで数多くの示談交渉を行ってきており、その豊富な経験から培ったノウハウを活かした活動を行います。
被害者との示談交渉にお悩みの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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殺人未遂事件で逮捕

2020-09-20

殺人未遂事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県相生市に住むAさんは、自宅を訪れた交際相手のVさんから別れ話を切り出され、口論に発展しました。
カッとなったAさんは、Vさんの首を絞めましたが、抵抗したVさんは部屋から逃げ出し、110番通報をしました。
通報を受けて現場に駆け付けた兵庫県相生警察署の警察官は、部屋にいたAさんを殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。
Aさんは、「別れを切り出され、喧嘩になった。カッとなって首を絞めてしまったが、殺すつもりはなかった。」と供述しています。
(フィクションです)

殺人未遂罪

◇殺人罪◇

第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

殺人罪の行為は、人を「殺す」こと、つまり、自然の死期に先立って他人の生命を断絶することです。
「殺す」行為に該当するものとして、刺殺、斬殺、絞殺、撲殺、毒殺、焼殺、溺殺などが含まれます。
殺人行為と言えるためには、その行為自体に、被害者の死の結果を惹起させ得る危険性を有していなければなりません。
当該危険性の判断は、行為時の場面設定において、その行為が行われた場合、一般人の視点で、被害者が死亡する危険性があるか否かに基づいて判断されます。
例えば、人を殺害する目的で、わら人形を作って釘を打ち付ける行為は、殺人行為には該当しません。
他方、人を殺害する目的で、警官から奪取したけん銃を人に向けて引き金を引いたが、偶然弾丸が入っていなかった場合については、一般人の視点では、けん銃を人に向かって発射させる行為は、射殺の危険性が認められ、殺人行為に該当します。
「殺す」という行為を実行に移す時期(実行の着手時期)は、行為者が、殺意をもって、他人の生命に対する現実的危険性のある行為を開始した時であるとされます。
被害者にけん銃で狙いを定めた時や、被害者に刀を振りかざした時に、実行の着手が認められます。

「殺す」という実行行為がなければ被害者が死亡しなかったと言えれば、その途中で結果発生に特異な事情や予想外の事情が関係したとしても、おおむね因果関係が肯定できればよく、被害者が死亡した時に殺人罪は既遂となります。

殺人罪の成立には、「殺意」をもって、人を殺したことが求められます。
人に暴行を加えて死亡させた場合、殺意がなければ、殺人罪ではなく傷害致死罪が成立するにとどまるため、殺意は重要な要素となります。
殺意の認定にあたっては、人の心の中のことなので、客観的な事情に基いて認定されます。
つまり、人の行動に即すれば、人が死ぬ危険性の高い行為をそのような行為であると分かっていて行ったか否かを客観的な事情に基いて認定することになります。
このような客観的な事情には、創傷の部位、創傷の程度、凶器の種類、凶器の用法、動機の有無、犯行後の行動などがあります。

事例においては、AさんはVさんを殺す意図はなかったと供述しています。
しかし、首を絞めるという行為は相手方を直接窒息させる行為であるため、その行為自体が殺意を認定する積極的な要素と判断されるおそれがあります。

殺意がないと判断されば、Vさんの首には痣が残っている可能性が高いですから、傷害罪に問われることになるでしょう。

◇未遂◇

さて、仮にAさんが殺意をもってVさんの首を絞めたが、Vさんが上手く逃れたため、Vさんは死亡するに至らなかった場合、Aさんは殺人未遂罪に問われます。

未遂犯」とは、犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者のことをいいます。
未遂処罰は例外であって、未遂犯を処罰する旨の記載がない限り未遂犯は処罰されません。

殺人罪については、刑法203条で未遂犯も処罰するとされていますので、「殺人未遂罪」について処罰の対象となります。

未遂犯には、遂げなかった態様によって区別した場合、実行行為自体が終了していない場合である着手未遂と、実行行為は終了したが結果が生じなかった場合である実行未遂の2つに分類されます。
また、遂げなかった理由に基づいて区別した場合には、自分の意思によってやめた場合である中止未遂と、それ以外の理由によって結果が発生しなかった場合である障害未遂とがあります。

未遂罪の成立には、「犯罪の実行に着手」することが必要となります。
犯罪の実行行為とは、犯罪の結果を発生させる具体的危険性のある行為のことをいい、犯罪の実行の着手とは、犯罪の結果を発生させる具体的危険性のある行為を開始することを意味します。
殺人罪の場合、他人の生命を侵害する具体的危険(結果の発生する可能性が相当に高い状態)が発生する行為を行った時点で、実行の着手が認められます。
この点、人の首を絞めるという行為は、それ自体他人の生命を侵害する具体的危険が発生する行為だと言えるため、実際に相手方が死亡しなかったとしても、殺人罪の実行行為に着手したことになります。

殺人未遂事件といっても、その態様や被害の軽重は様々あり、計画性がなく、殺意の程度が高くなく、被害者への被害弁償や示談が成立しているなどといった事情があれば、執行猶予付きの判決が言い渡される可能性もありますので、殺人未遂罪に問われている場合にはすぐに弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
弊所では、無料法律相談初回接見サービスについてのお問い合わせ・ご予約をフリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けています。

あおり運転の厳罰化

2020-09-13

あおり運転厳罰化について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県加東市の高速道路で、Vさんが運転する乗用車に左右から幅寄せしたり前方で急制動したりして、Vさんの車を停車させるなどした疑いで、兵庫県警察高速隊は、Aさんを道路交通法違反(妨害運転罪)の容疑で逮捕しました。
Aさんは、「運転の仕方が気に入らず、イラっとしてあおった。」と容疑を認めています。
警察からの連絡で夫の逮捕を知ったAさんの妻は、ニュースであおり運転厳罰化が特集されていることを思い出し、Aさんに対してどのような処分が下されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

交通事故に繋がりかねない危険な運転行為である「あおり運転」は、これまで道路交通法や刑法の暴行罪などを適用して対処されてきました。
あおり運転が引き起こす交通事故の危険性・重大性を鑑み、あおり運転に対する厳罰化が求められてきました。

道路交通法改正~妨害運転罪の創設~

令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、「妨害運転」に対する罰則が創設されました。

道路交通法第117条の2の2第11号は、「他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者」を、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すとしています。
本条の対象となる行為は、
①通行区分違反:右折や左折などをする場合に、方向別に区分された車線を通らない。
②急ブレーキ禁止違反:不必要に車を急停止させたり、急激な減速をするような急ブレーキをかける。
③車間距離保持違反:前の車との距離を極端に詰める。
④進路変更禁止違反:みだりにその進路を変更する。
⑤追い越し方法違反:追い越し車線ではない通行帯で追い越す。
⑥車両等の灯火違反:ハイビームでの威嚇。
⑦警音器等使用違反:むやみやたらにクラクションを鳴らす。
⑧安全運転義務違反:幅寄せや蛇行運転。。
⑨最低速度違反:高速道路での最低速度より遅い速度での進行。
⑩停車・駐車禁止違反:高速道路での駐停車。

また、道路交通法第117条の2の2第11号の罪を犯し、よって高速道路において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条第6号)

このように、あおり運転自体を行った場合には、新たに創設された妨害運転罪に該当する可能性があります。

自動車運転処罰法改正~危険運転致死傷罪の対象~

あおり運転を行った結果、人身事故を起こした場合には、自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪に該当することがあります。

危険運転致死傷罪は、自動車の危険な運転によって人を死傷させた場合に成立する犯罪です。
自動車運転処罰法に関する改正法が7月2日に施行され、高速道路などで走行中の車両前方に停止するなど、他の車の通行を妨害する行為が危険運転致死傷罪に追加されました。

法改正以前では、あおり運転による人身事故に危険運転致死傷罪が適用されるのは、「人や車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人や車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」を行い、その結果、人を死傷させた場合でした。
つまり、あおり運転に高速度での運転という要件が課されていたため、適用範囲が限定されていました。

改正後は、先の類型に加えて、「車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為」と「高速道路・自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為」も危険運転致死傷罪の対象となりました。
前者は、走行している車の前で急ブレーキをし、その車を停止させたり、極端に接近したりした結果、交通事故を起こし、人を死傷させた場合が該当し、高速道路のような路上で駐停車していることが予想されていないような場所で、前方に割り込んだり、極端に接近したりして走行中の車を停止・徐行させたことで、人を死傷させた場合は後者に当たるでしょう。

以上の様に、危険なあおり運転については、これまで以上に厳しい処罰が科されることになります。

あおり運転で逮捕された方、あおり運転で事故を起こした方、交通事件で対応にお困りの方は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。

犯罪の成立を争う

2020-09-06

犯罪成立争う場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、兵庫県神崎郡福崎町の自宅で、父親を包丁で数回突き刺し殺害したとして、兵庫県福崎警察署に殺人容疑で逮捕されました。
Aさんは、逮捕後勾留されましたが、精神鑑定の結果、刑事責任能力を問えないと判断され、神戸地方検察庁は、Aさんについて不起訴処分としました。
(フィクションです)

犯罪が成立するためには

刑法上、犯罪とは「構成要件に該当し、違法であり、かつ有責な行為」であるとされます。
Aさんが、父親を刺殺したことをもって、ただちに「犯罪」が成立するのではなく、Aさんの行為が、犯罪であると定めた規定に当てはまり、当該行為は違法であり、かつAさんの行為は刑事上の責任があると認められる場合にはじめて犯罪(この場合、殺人罪あるいは傷害致死罪)が成立することになるのです。
以下、犯罪成立するための要件について解説します。

(1)構成要件該当性

ある行為が、犯罪であると言えるためには、まずは、当該行為が「犯罪」であると定めた規定に当てはまらなければなりません。
法律で、どのような行為が犯罪に当たるのかが定められているわけですが、この犯罪類型のことを「構成要件」と呼びます。
構成要件の要素には、行為・結果・因果関係のほかに、主体・客体・行為の状況などがあります。
殺人罪の場合、構成要件は「人を殺す」ことです。
客体は「人」であり、行為は「殺す」ことです。
また、殺人罪の成立には、殺意があったことが必要となります。
殺意の認定には、凶器種類、行為態様、創傷の部位・程度、動機の有無、犯行前・犯行時の言動、犯行後の行動等を考慮して判断されます。
Aさんの場合、数回包丁で被害者を突き刺していることから、殺意があったと判断される可能性は高く、Aさんの行為は、殺人罪の構成要件に該当すると言えるでしょう。

(2)違法性

2つめの要件は、構成要件に該当する行為が違法であることです。
通常、構成要件に該当する行為は違法性を帯びていると言えるため、構成要件に該当する行為について、例外的にその違法性が阻却される場合に当たるかが問題となります。
違法性が阻却される理由を「違法性阻却事由」といい、法令行為・正当業務行為、被害者の同意、正当防衛・緊急避難が含まれます。

(3)有責性

犯罪成立要件の3つめは、構成要件に該当する違法な行為につき、行為者が責任を有することです。
「責任」とは、犯罪行為についてその行為者を非難しうること、つまり、行為者に対する非難可能性のことをいいます。
責任があるか否かについての判断は、「責任能力」、「故意・過失」、「適法行為の期待可能性」といった要素で判断されます。
ここでは、「責任能力」について説明します。
「責任能力」とは、物事の是非善悪を弁別し、それに従って行動する能力のことをいいます。
刑法では、39条で心神喪失・心神耗弱、41条で刑事未成年について規定しています。
精神の障害により、行為の是非を弁別し又はその弁別に従って行動する能力がない場合を「心神喪失」といい、精神の障害により、行為の是非を弁別し又はその弁別に従って行動する能力が著しく低い場合を「心身耗弱」といいます。
前者の場合は処罰されず、後者の場合は刑が減軽されます。
「精神の障害」の意義については、総合失調症や躁うつ病などの精神病のほか、酩酊・情動のような一時的な意識障害も、その程度が高い場合には含まれ、知的障害も含まれます。
責任能力の判断においては、精神医学の専門家による精神鑑定が行われることが多いのですが、法廷で最終的に責任能力の有無を判断するのは、裁判官です。
捜査段階において、検察官は、精神鑑定の結果、被疑者が精神上の障害により是非善悪を判断する能力が認められないとする場合には、起訴しない旨の決定をします。
この場合は、起訴されずに事件が処理されたため、刑事裁判は開かれません。

また、14歳に満たない者は、刑事責任を問われません。

以上のように、犯罪成立争うには、犯罪成立に必要な要件すべてを満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張しなければなりません。
そのような弁護活動は、刑事事件に精通する弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件の被疑者となったが、犯罪成立を争いたいとお思いの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

密漁で刑事告訴

2020-08-23

密漁刑事告訴された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、友人のBさんと、兵庫県南あわじ市の海岸で、持参したもりを使って、アワビやサザエなどを採っていたところ、神戸海上保安部に発見され、事情聴取を受けました。
地元の漁業組会は、漁業法違反で刑事告訴をすることを検討しています。
Aさんは、容疑を認めており、何とか事件を穏便に済ませることはできないものかと思い、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

密漁が発覚すると

ルールを守らずに海で魚や貝類などを自分で消費するために採る行為は、密漁として刑事処分の対象となることがあります。
「いっぱい生息しているんだし、少しぐらい採っても構わないでしょう。」と思われる方もいらっしゃうようですが、海の資源を守るために採取についても守るべきルールがありますので、ルール違反を犯し、刑事事件へと発展する可能性がありますので、ご注意ください。

密漁で問題となるのが、漁業法と呼ばれる法律です。
漁業法は、漁場の総合的な利用による漁業の発展を目的とする法律です。
漁業法は、「一定の水面に置いて特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」である漁業権を定めています。
この漁業権には、地元漁民が一定の水面で共同して漁業をする権利(共同漁業権)、一定の場所で養殖を行える権利(区画漁業権)、一定の場所で定置網を営む権利(定置漁業権)の3種類があります。
共同漁業権のうち、ウニやアワビなどの貝類やわかめなどの藻類等の定着性の水産物を採る権利を第一種共同漁業権といい、共同漁業権の設定区域では、共同漁業権の免許を受けた漁業協同組合の組合員以外の者が、この権利を侵すと、漁業権侵害として罰せられることがあります。
兵庫県のほとんどの沿岸海域に共同漁業権が設定されています。

漁業権を侵害した場合、20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
ただし、これは親告罪であるため、告訴がなければ公訴を提起することはできません。

一般の方による密漁の多くは、密漁中やその後に警察や海上保安庁に職務質問され発覚するケースや、地域住民が密漁を目撃し警察や海上保安庁に通報して発覚することが多いでしょう。
逮捕される可能性もありますが、他の犯罪に比べると、それほど高くありません。
しかし、身体拘束を受けていなくても、刑事事件として手続は進んでいきますので、きちんと対応しなければなりません。

刑事告訴

告訴とは、犯罪被害者その他告訴権を有する者が、捜査機関に対して犯罪事実を告知して処罰を求める意思表示のことをいいます。
告訴は、書面又は口頭で、検察官又は司法警察員に対して行います。
告訴と似たものに、被害届がありますが、被害届は、犯罪による被害の事実を申告するにとどまり、犯人の訴追や処罰を求める意思表示は含まれません。
告訴は、公訴の提起があるまで取り消すことができます。

前述しましたが、告訴がなければ公訴を提起することができない罪のことを親告罪といいます。
そのため、告訴の有無は、親告罪の場合に重要な意味を持ちます。

被害者が告訴している場合には、事件を穏便に解決するために、被害者に告訴を取下げてもらうことが必要です。
そのためには、被害者との示談成立が必須となります。
示談とは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払うことで、被害者は被害届や提出や告訴を行わないなど、当事者間では今回の事件が解決したと約束することをいいます。
被害者側との示談交渉について、加害者が直接被害者と話し合いを持つことはあまり有効ではない場合が多いです。
被害者感情を逆なでする結果になってしまったり、互いに感情的な水掛け論に終わってしまうことになりかねません。
しかし、法律知識を持った交渉のプロである弁護士が間に入って被害者と交渉することにより、被害者と加害者の両者にとって納得のいく示談へと導くことが出来ます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有しています。
刑事事件を起こし、刑事告訴さて対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

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