Archive for the ‘少年事件’ Category

少年事件の流れ:特殊詐欺事件で逮捕されたら

2020-01-28

特殊詐欺事件で逮捕された場合の少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
特殊詐欺の事件において、関東地方に住む大学生のAさん(18歳)は、他の共犯者らと共謀の上、現金の受け取り役として兵庫県洲本市の被害者宅に赴き、被害者から現金500万円を詐取しようとしたところを兵庫県洲本警察署に現行犯逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも同様の特殊詐欺事件に関与し、別の被害者2名から現金を詐取していました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、慌てて少年事件に精通する弁護士に接見依頼をしました。
(フィクションです)

少年事件の流れ

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が刑罰法令に触れる行為を行った場合、捜査段階では、基本的に刑事訴訟法が適用されることになります。
ですので、少年であっても、成人の刑事事件と同様に、捜査段階で身体が拘束される可能性はあります。
ただし、少年が14歳未満の場合、刑事責任が問われませんので犯罪は成立せず、被疑者として逮捕されることはありません。

身体拘束が少年に与える影響の大きさから、少年の身体拘束については、成人とは異なる手続がとられます。

①検察官は、勾留に代わる観護措置をとることができます。(少年法43条1項)
②検察官は、やむを得ない場合でなければ、勾留を請求することができません。(少年法43条3項)
③勾留状は、やむを得ない場合でなければ発することができません。(少年法48条1項)
④少年鑑別所を勾留場所とすることができます。(少年法48条2項)
⑤少年を警察留置施設に勾留する場合であっても、少年を成人と分離して収容しなければなりません。(少年法49条3項)

少年事件については、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると判断した場合、すべての事件を家庭裁判所に送致することとなっています。(少年法41、42条)
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件では、成人の刑事事件のように起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がなくとも、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、「ぐ犯事件」として送致されることがあります。

家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所の調査官による調査、少年審判を経て最終的な処分が言い渡されます。
送致後、家庭裁判所はいつでも「観護措置」を決定することができます。
観護措置は、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置です。
この観護措置には、調査官の観護に付するものと、少年を少年鑑別所に収容するものとがありますが、前者はほとんど実務では活用されておらず、「観護措置」というときは後者を指すものとなっています。

調査官は、審判の前に、少年事件の調査を行います。
調査官は、少年や保護者と面会したり、学校や被害者に文書等で照会を行うなどして調査を行い、調査の結果とそれに基づく処遇意見をまとめた少年調査票を作成し、裁判官に提出します。

審判は、非公開で行われ、非行事実と要保護性について審理されます。
そして、審判において、裁判官は少年に対して処分を言い渡します。

特殊詐欺事件で逮捕された場合

特殊詐欺事件で逮捕された場合、逮捕後、勾留される可能性は高いでしょう。
また、特殊詐欺は組織犯罪であることが多く、共犯者と通じて罪証隠滅をおこなうおそれがあると認められ、勾留とともに接見禁止に付される可能性もあります。
特殊詐欺事件では、被疑者が本件のみならず他にも事件を起こしているケースも多いため、本件で逮捕・勾留された後に別件で再逮捕され、身体拘束期間が長期に渡ることも予想されます。
捜査段階で身体拘束となっている少年が家庭裁判所に送致されると、引き続き観護措置がとられることがほとんどです。

長期の身体拘束は、退学や解雇といった少年の大きな影響をもたらす結果を伴うおそれがあります。
勾留や観護措置に対する不服申立てを行うこともできますので、お子様が事件を起こして逮捕・勾留されてお困りであれば、刑事事件・少年事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件の中間処分:試験観察

2020-01-22

少年事件中間処分である試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住む少年Aくん(16歳)は、高校に進学したものの学校に馴染めず入学から2か月で辞めてしまいました。
Aくんは、中学時代に不良仲間とバイク窃盗で逮捕され、神戸家庭裁判所姫路支部で保護観察が言い渡された過去があります。
高校を辞めてからも不良仲間とつるむようになり、共同危険行為で逮捕され、保護観察となった矢先、今度は傷害事件で逮捕されてしまいました。
Aくんの家族は、今度は少年院送致となるのではないかと心配して、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年保護事件の処分

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、基本的には、家庭裁判所に事件がおくられ、家庭裁判所の調査・審判を経て、何らかの処分が決定されます。
家庭裁判所の取り扱う非行少年に対する事件を「少年保護事件」と呼びます。
家庭裁判所が少年保護事件について行う決定には、事件自体について判断し、最終的な少年の処分を決定する「終局決定」と、終局決定前の中間的な措置としてなされる「中間決定」とがあります。

「終局決定」としては、次の5種類があります。
①審判不開始
②不処分
③保護処分(保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致)
④検察官送致
⑤知事又は児童相談所長送致

そして、「中間決定」には、移送決定、観護措置決定、審判開始決定、検察官関与決定などがありますが、ここでは「試験観察決定」について説明します。

試験観察とは

前述の通り、「試験観察」は終局決定前の中間的な措置です。
少年法は、家庭裁判所は、保護処分を決定するため必要があると認めるときは、決定をもって、相当の期間、少年を調査官の観察に付することができると定めています。
これが、「試験観察」と呼ばれるものです。
試験観察は、少年に対する終局決定を留保し、少年の行動等を観察するために、中間決定をもってとられる措置です。

この試験観察制度の機能については、①調査の機能、そして、②少年の性格矯正・環境調整を図る機能、の2点であると言われています。

①調査の機能
保護処分には、「保護観察」、「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」、「少年院送致」と社会内処遇のものから矯正施設内処遇のものまで身体拘束という点だけでも異なる処分が設けられています。
決定された処分は、例外的な場合を除いては取消し・変更はされません。
ですので、少年審判においては、少年の要保護性に関する資料をしっかりと調査し、少年の行動等も観察した上で、慎重かつ適切な判断がされなければなりません。
ですが、審判までの期間では見極めるのに不十分なこともありますので、少年にとって適正な処分は如何なるものか慎重に見極めるためにも十分な調査をする必要があり、試験観察制度が持つ機能のひとつです。

②少年の性格矯正・環境調整を図る機能
試験観察は、終局処分が一旦保留されている状態であり、少年に心理的な影響を与え、更生を促す効果が期待されます。
いわゆる「プロベーション」の一形態といわれます。

試験観察の要件について、少年法は、「保護処分を決定するため必要があるとき」としか規定していません。
しかし、一般的には、以下の4つの要件を満たす必要があるとされます。
①保護処分に付する蓋然性があること。
②直ちに保護処分に付することができないか、または相当でない事情があること。
③調査官の観察活動が必要であり、かつ、その結果、適切な終局決定ができる見込みがあること。
④相当期間内に観察目的を達成する見込みのあること。

試験観察の期間については、「相当の期間」としか少年法には定められていませんが、在宅試験観察の場合、3~4か月程度、補導委託の場合には4~6ヶ月程度となっています。

少年院送致が見込まれる事件であっても、試験観察となったのにち保護観察で社会復帰できる可能性も大いにあります。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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少年事件の弁護活動:環境調整

2020-01-18

少年事件弁護活動のうち環境調整について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県養父市に住む高校1年生のAくん(16歳)は、高校進学後も中学時代の友人や先輩とつるむことが多く、深夜に公園でたむろしたり、バイクで暴走したりしていました。
仲間の先輩に言われ、原付バイクを盗むようになり、兵庫県養父警察署に窃盗の疑いで逮捕されました。
その後、神戸家庭裁判所豊岡支部に送致され、Aくんの両親はどのように対応すればよいか分からず困っています。
(フィクションです)

少年事件の流れ

少年の被疑事件について、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑は認められないものの家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予といった捜査機関限りで事件を終了させるといったことは認められていません。

事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所が事件を受理すると、調査を経て審判期日での審理を行い、終局決定により終了することになります。
審判での審理対象は、「非行事実」と「要保護性」です。
「非行事実」は、刑事裁判における「公訴事実」に当たるものです。
一方、「要保護性」とは、多義的に用いられますが、一般的に次の3つの要素により構成されるものと考えられています。

①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分に寄る矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を除去できる可能性。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

少年審判では、非行事実とともに要保護性も審理の対象となることから、少年事件では、犯罪行為の軽重がそのまま量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、非行事実が軽微なものであっても、要保護性が高い場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
逆に言えば、非行事実は重い罪名の付くものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断されれば、社会内処遇が選択されることもあるのです。

環境調整について

上で述べたように、少年事件において終局決定がなされる際、非行事実のみならず要保護性も審判での審理対象となります。
そのため、要保護性が解消されていると裁判官が判断するように働きかけることが重要な活動となります。
そこでポイントとなるのが「環境調整」です。
環境調整は、保護者の関係の調整、就業先の開拓、帰住先の確保など、少年の社会復帰を円滑にするために少年をとりまく環境を調整することです。

少年が非行を犯した背景に、家庭環境や人間関係がある場合、家族との関係修復を図ったり、悪友との関係を断ち切るなど、少年が社会内で健全に更生していける環境を整えることは、要保護性の解消には必要不可欠です。

少年や事件内容によって、どのような環境調整を行うかは異なりますが、一般的な環境調整は、家庭・学校・職場といった少年をとりまく環境を調整し、少年が事件や自身が抱える問題にきちんと向き合い解決策を見つけられるよう少年の内面への働きかけなどが含まれます。

お子様が事件を起こし、その後の手続や対応方法について分からずお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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交通事件で検察官送致

2020-01-13

交通事件検察官送致となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県多可郡多可町の交差点で、歩行中の高齢女性をひき、その場から逃走したとして、兵庫県西脇警察署は、Aくん(18歳)を過失運転致傷および道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、今後どのように対応すればよいか分からず、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

検察官送致とは

検察官送致」は、家庭裁判所が下す終局決定のうちのひとつです。
家庭裁判所が、少年に保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であると判断した場合に、検察官に送致する旨の決定を行います。
この決定を「検察官送致」決定といい、通常、「逆送」と呼ばれています。

検察官送致には、2種類あります。

(1)刑事処分相当を理由とする検察官送致

家庭裁判所は、「死刑、懲役または禁錮に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」は、検察官送致をすることができます。
これを「刑事処分相当逆送」と呼び、刑事処分相当での検察官送致の対象年齢は、14歳以上です。

刑事処分相当逆送の要件は、
①死刑、懲役又は禁錮に当たる罪であること。
②①の罪を犯した少年であること。
③その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときであること。
です。

③の刑事処分相当性については、保護処分によっては少年の矯正改善の見込みが場合の他に、事案の性質、社会感情、被害者感情などを考慮し、保護処分に付すことが社会的に許容されない場合も刑事処分相当であるとされます。

また、行為時に16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合は、検察官送致の決定をしなければなりません。
これを「原則逆送」事件と呼びます。
ただし、原則逆送事件であっても、「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格・年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は、検察官送致以外の処分をすることができます。

(2)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は審判を行うことができず、保護処分に付することもできません。
ですので、このような場合、家庭裁判所は検察官送致決定をしなければなりません。
これを「年齢超過逆送」といいます。

交通事件と検察官送致

検察官送致決定が付される保護事件には、交通関係事件が多くあります。
無免許運転や信号無視、速度超過なども検察官送致の対象となります。
特に、人身事故を起こした場合には、審判の結果、検察官送致に付されるケースが多くなっています。

検察官送致となった場合には、少年にとってメリット・デメリットがあります。
略式請求での罰金刑や公判請求されても執行猶予が見込まれる場合、裁判が終了すれば事件が終了し、保護観察処分などのように審判後も保護観察官や保護司に定期的に面談する等の必要がありません。
しかし、刑事処分になれば、有罪判決となり前科が付くことになりますので、再度事件を起こした場合には、初犯扱いされません。
一方、保護観察処分は前科扱いされません。

このように、検察官送致となる場合にはメリット・デメリットがありますので、検察官送致に付される可能性がある場合には、刑事事件・少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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少年事件で保護観察処分

2020-01-05

少年事件における終局決定の一つである保護観察処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市西区に住むAさん(16歳)は、ツイッターを利用してアイドルのコンサートチケットを詐取したとして、逮捕・勾留されました。
その後、神戸家庭裁判所に送致され、観護措置が取られました。
Aさんの両親は、少年事件に強い弁護士に付添人として活動してほしいと思い、少年事件に精通する弁護士を探しています。
(フィクションです)

少年事件における終局決定

非行事実が認められた場合、家庭裁判所は、要保護性の有無、程度を判断し、最終的な処分を決定します。
最終的な処分の決定(「終局決定」)には、次の5種類があります。
①審判不開始
②不処分
③知事・児童相談所長送致
④検察官送致
⑤保護処分

⑤の保護処分は、非行を行った少年に対し、性格の矯正及び環境の調整を目的として行われる少年法上の中心的処分です。
保護処分には、保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致の3種類があります。

保護観察処分

保護観察」は、少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の期間は、対象者が20歳に達するまでとされますが、保護観察が決定した時から20歳になるまで2年に満たない場合には、期間は2年となります。
保護観察期間中であっても、対象者の状態にお医事手、解除や一時解除が認められます。

保護観察も、その内容により、①一般保護観察、②一般短期保護観察、③交通保護観察、③交通短期保護観察、の4種類に分けられます。
ここでは、①一般保護観察、及び、②一般短期保護観察について概観します。

①一般保護観察
一般保護観察は、家庭裁判所で保護観察に付された少年のうち、一般短期保護観察対象者及び交通事件によって保護観察に付された者を除く者が対象となります。
内容は、保護観察官及び保護司による指導監督と補導援護です。
保護観察官は、保護観察が開始される際に処遇方針を示し、必要に応じて介入し保護司に助言指導を与える役割を担います。
保護司は、保護観察官の指示や連絡に従い、少年や家族と連絡を取り合い、処遇及び本人の状況等の経過を書面で定期的に報告し、再犯や所在不明といった少年の心情に重要なことが起こった場合にも報告をします。
保護司は、民間のボランティアで、様々な職種の方がいらっしゃいます。
一般保護観察の解除は、保護観察に付されてから概ね1年が経過した時に検討されます。

②一般短期保護観察
一般短期保護観察の対象者は、交通事件以外の非行により保護観察に付された少年のうち、一般短期保護観察相当の処遇勧告がなされた者です。
一般短期保護観察では、保護観察官が、改善更生のために重要な領域、例えば生活習慣、友人関係など、を一つ設定して、これについて具体的な課題を出し、少年にその履行状況についての報告を受け、それに対し必要な指導や助言を行います。
一般短期保護観察の実施期間は、6~7か月とされており、この期間内に解除されて終了します。

このように、審判において保護観察処分が言い渡されると、少年は家庭や職場に身を置いたまま、定期的に保護観察官や保護司と連絡をとり、現状について報告を行った上で、指導・助言を受けることになります。
収容されることなく社会内で生活を送ることができるため、社会と切り離されることがありません。

家庭裁判所が保護観察を終局決定とするには、裁判官が少年の更生には社会内処遇で足りると判断することが必要です。
逆に言えば、もし、裁判官が当該少年がきちんと更生するには矯正施設に入れる必要があると判断したのであれば、保護観察ではなく少年院や児童自立支援施設・児童養護施設への送致を選ぶ可能性があるのです。
ですので、裁判官に社会内処遇での更生が期待できると判断してもらえるよう、早い段階から適切な働きかけを行うことが重要です。

お子様が事件を起こし、対応にお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が、お子様の更生に向けて尽力致します。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル2020まで。

少年事件における示談の効果

2019-12-31

少年事件における示談の効果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県相生市の商業施設内で、女子中学生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、高校生のAくん(16歳)が逮捕されました。
兵庫県相生警察署からの連絡を受け、Aくんを迎えに来た両親は、すぐにでも被害者の方に謝罪と被害弁償をしたいと思っています。
(フィクションです)

示談とは

示談は、加害者が被害者に対して相応の被害弁償金を支払うことで、被害者は被害届を提出しないなど、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことです。
一言で「示談」といっても、その内容は、単に被害弁償を行ったとするものから、加害者を許し更正に期待するという文言(「宥恕条項」といいます。)が入ったものまで様々です。
告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪の場合であれば、被害者と示談を成立させ、告訴を取り下げる、もしくは告訴をしない約束をしてもらえれば、起訴されることはありません。
また、非親告罪の場合においても、告訴が起訴の前提条件とはなってはいませんが、示談を成立させ被害者から許しを得ている場合であれば、事件の最終的な処分として、起訴をしないとする処分(「不起訴処分」といいます。)として終了する可能性は高くなります。

このように、示談を成立させることで、刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができます。

少年事件において示談を成立させることの意義

成人の刑事事件においては、早期に被害者と示談を成立させ、事件を穏便に終了させることはできます。
それでは、少年事件においても同じことが言えるのでしょうか。

少年事件は、原則として、捜査機関が捜査を遂げた結果、少年が犯罪を行ったとの嫌疑がある場合、そして、犯罪の嫌疑は認められないけれども、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
ですので、少年事件においては、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立したからといって、そこで事件が終了することはないのです。

だからといって、被害者との示談をすることに意味がないということではありません。

被害者が事件に対してどのような感情を抱いているかは、審判において処遇を決定する際の一つの考慮要素とされています。
また、家庭裁判所では、少年の保護者が事件に対してどのように向き合い対応したかという部分を見ています。
少年の保護者が示談に消極的であった場合、保護者が十分に事件に向き合っていないと判断され、保護者の監督能力が否定されてしまう可能性があります。

そのため、少年事件であっても示談は重要だと言えるでしょう。

示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。
まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。
示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所の弁護士にお気軽にご相談ください。
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盗撮事件を起こしたら

2019-12-29

盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県高砂市にある駅構内において、Aさんの前に立っていた女性のスカート内にスマートフォンを差し向け盗撮した疑いで、兵庫県高砂警察署に逮捕されました。
逮捕の翌日にAさんは釈放されましたが、警察が押収したスマートフォンやパソコンからは他にも複数の盗撮画像が見つかっており、警察は余罪についても調べる方針です。
釈放されたAさんは、今後の処分について心配になり刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
Aさんは、常習的に盗撮を行っており、本件の事件現場である駅構内だけでなく、勤務先や商業施設などでも行っていたことを弁護士に話しています。
(フィクションです)

盗撮行為で問われ得る罪とは

みなさんご存知の通り、「盗撮」は「犯罪」です。
しかし、日本の法律には、「盗撮罪」なるものはありません。
それでは、盗撮行為を行うとどのような犯罪が成立し得るのでしょうか。

迷惑防止条例違反

各都道府県は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、住民生活の平穏を保持することを目的とした条例を制定しています。
兵庫県は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」を制定しており、盗撮行為を禁止しています。

(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

盗撮行為は、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たります。
条例における「卑わいな言動」の意義について、北海道の迷惑防止条例についてではありますが、最高裁は、「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言動又は動作」をいうとし、衣服の上から女性の臀部を盗撮する行為が「卑わいな言動」に当たるとしています。

兵庫県の迷惑防止条例は、盗撮行為だけでなく、盗撮目的でのカメラの設置やカメラを向ける行為も禁止しています。
例えば、盗撮するために動画撮影モードにしたスマートフォンを女性のスカート内に差し入れたが撮影に失敗した場合や、女性社員の着替えを撮影するために会社の更衣室にカメラを設置した場合も、本条例の規制行為に当たります。

兵庫県の迷惑防止条例は、場所的規制対象を公共の場所・乗物における盗撮等に限定しているわけではありません。
駅構内での盗撮等であれば、①に当たります。
また、学校の教室や会社の事務所で盗撮等をおこなえば②に、学校や会社のトイレや更衣室、そして住居やホテルの部屋での盗撮等は③に当たり、迷惑防止条例違反に問われることになるでしょう。

まとめると、
①公共の場所・乗物における盗撮および盗撮目的でのカメラの設置行為。
②不特定多数の者が利用する場所における盗撮盗撮目的でのカメラの設置並びにカメラを向ける行為。
③人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所での盗撮盗撮目的でのカメラの設置並びにカメラを向ける行為。
について禁止しており、これらの違反について罰則が設けられています。

このように、兵庫県の迷惑防止条例は広範囲にわたる盗撮行為を規制しており、ほとんどの盗撮事件では本条例が適用されます。

盗撮事件を起こしてしまった場合、事件を穏便に解決するためには、何よりも被害者との示談を成立させることが重要です。
被害者への謝罪・被害弁償を行った上で、示談を成立させることができれば、不起訴で事件を終える可能性は高まるでしょう。
しかし、被害者が複数いる場合は、それだけ示談交渉を行う相手方がいるということですので、交渉が難航することや示談金額が高くなることも考えられます。
また、被害者が特定されず設置行為や差し向け行為で検挙された場合であれば、示談をする相手方がいないため、示談交渉を行うことはできません。
事件の内容によって対応も異なりますので、盗撮事件を起こしお困りの方は、一度刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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事後強盗事件で少年が逮捕

2019-12-27

少年事後強盗事件を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古川市の家電量販店で、Amazonギフト券(2万円分)を万引きしたとして、市内に住むAくん(16歳)は店の出口付近で店員に声をかけられました。
驚いたAくんは、自分の腕を掴んでいた店員の手を振りほどき、そのまま全速力で店外へと逃亡しました。
しかし、数日後、兵庫県加古川警察署の警察官が、早朝にAくん宅を訪れ、事後強盗の容疑でAくんを逮捕しました。
突然の逮捕に驚いたAくんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士はいないかとネットで検索しました。
(フィクションです)

事後強盗とは

上のケースでは、Aくんは商品の代金を支払わずに商品を店外へ持ち去ろうとしています。
このような行為を、「万引き」といいます。
みなさんも一度は耳にされた言葉だと思います。
通常、万引き行為を行った場合、「窃盗罪」が適用されることになります。
しかし、上記のケースでは、Aくんは「事後強盗罪」に問われていますね。
それでは、事後強盗罪とはどのような犯罪なのでしょうか。

事後強盗罪は、刑法第238条に規定されています。

第二百三十八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪の成立要件は、次のとおりです。
①窃盗が、
②財物を得てこれを取り返されるのを防ぎ、逮捕を免れ、または罪責を隠滅するために、
③暴行または脅迫をしたこと。

①主体:窃盗
「窃盗」というのは、「窃盗犯人」のことです。
未遂犯であると既遂犯であるとを問いません。

②目的:財物を得てこれを取り返されるのを防ぎ、逮捕を免れ、または罪責を隠滅するため
「財物を得てこれを取り返されることを防ぐ」目的というのは、他人の占有を侵奪して事実上自己の占有下にある財物を被害者側に取り返されるのを阻止しようとする意図をいいます。
「逮捕を免れる」目的は、窃盗未遂・既遂の行為者が、被害者などから取り押さえられて身柄を拘束されるのを阻止しようとする意図です。
そして、「罪責を隠滅する」目的とは、窃盗犯人が後日窃盗犯人として捜査官に検挙され、処罰されることとなると認められる罪責を無にする意図をいいます。

③行為:暴行・脅迫
ここでいう「暴行又は脅迫」というのは、相手方に対する有形力の不法な行使(暴行)、そして、害悪の告知(脅迫)をいいます。
暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りるものであることが必要となります。
この暴行・脅迫の相手方は、窃盗の被害者に限定されません。
また、暴行・脅迫は「窃盗の機会」、つまり、窃盗の現場およびその継続的延長とみられる場所で行われることが必要とされます。
「窃盗の機会」についての判断は、窃盗行為と暴行・脅迫行為との場所的・時間的な近接等を基礎に行われます。

上のケースでは、家電量販店内で窃盗行為を行ったAくんが、店の出口付近で万引きに気づいた店員に声を掛けられ、Aくんの腕を掴んでいた店員の手を振り払うという「暴行」と加えて、逃走しています。
ですので、窃盗犯人であるAくんが、万引きした商品を取り返されるのを防ぎため、もしくは店員に捕まらないために、腕を掴んでいた店員の手を振り払うという暴行を加えていますので、Aくんに対して事後強盗罪が成立するものと考えられます。

窃盗罪の法定刑が10年以下の懲役または50万円以下の罰金であるのに対して、事後強盗罪は強盗と同様に、5年以上の有期懲役と、重くなっています。

少年が事件を起こした場合、原則として、捜査機関の捜査終了後に、事件は家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所は、調査・審判を行い、最終的な処分を決定します。
少年事件は、罪名が重いからといって必ずしも少年院送致のような厳しい保護処分を決定するわけではありません。
逆に言えば、比較的軽微な犯罪であっても、少年の更生には少年院送致が適していると判断されることもあるのです。
家庭裁判所の審判は、非行事実と要保護性を審理対象としています。
非行事実は、成人の刑事裁判でいう公訴事実です。
一方、要保護性とは、概して、①再非行性の危険性、②矯正可能性、③保護相当性の3要素で構成されている概念です。
つまり、①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があるか、②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があるか、③保護処分に寄る保護がもっとも有効でかつ適切な処遇であるか、の3点が考慮されて要保護性の有無が判断されるのです。
事後強盗という重い罪名であったとしても、少年自身が真摯に反省しており、家庭や学校の協力も積極的に期待でき、被害者への謝罪・被害弁償等も済んでいるなど、要保護性が高くはないと判断されれば、最終的な処分が保護観察処分となる可能性はあります。

このように、少年事件の場合には、成人の刑事事件とは手続も異なりますので、お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、少年事件に精通する弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで今すぐご連絡を。

窃盗事件で不処分

2019-12-18

少年が窃盗事件を起こし不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県三木市に住む中学生のAくん(14歳)は、市内の書店で漫画本を数冊万引きしたとして、店員に取り押さえられました。
その後、兵庫県三木警察署で取り調べを受けましたが、夕方にはAくんの両親が迎えに来て釈放となりました。
Aくんは、以前にも同じ書店で漫画本を万引きしたことがあり、警察にもそのことを正直に話しています。
翌日、AくんとAくんの両親は、少年事件に強い弁護士に事件について相談しました。
(フィクションです)

窃盗事件:少年による万引き

当たり前のことですが、商品を得るためには代金を支払わなければなりません。
後払いの約束をしていた場合を除いて、代金を支払わずに商品を持って帰る行為は「万引き」であり、「窃盗罪」に当たる犯罪行為です。

兵庫県警察によれば、平成30年中の兵庫県内の少年の非行について、刑法犯少年の中では窃盗犯が最も多く、初発型非行の中では万引きが最も多くなっています。
少年は、「ちょっとだけならバレないだろう。」「少しぐらいパクるぐらい、どうってことない。」などと軽い気持ちで、商品を万引きしてしまう傾向にあります。

万引きは犯罪ですので、場合によっては逮捕されることもあるのです。

少年による万引きが発覚した場合、店によっては被害弁償を行えば警察には通報しないとすることもありますが、万引き犯を見つけたら警察に通報することが決まっている店も多く、発覚後に警察署で被疑者として取調べを受ける可能性も大いにあります。

捜査機関での捜査の結果、犯罪の嫌疑がある場合、または犯罪の嫌疑はないが家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料する場合は、捜査機関は事件を家庭裁判所に送致します。
家庭裁判所に送致された場合、調査・審判を経て、少年に対する処分が決定されます。
その処分の中に「不処分決定」というものがあります。

不処分について

家庭裁判所が下す処分には、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致、不処分、審判不開始があります。
不処分」とは、少年を保護処分や検察官逆送などの処分に付さずとも、少年の更生が十分に期待できる場合、少年を保護処分に付さないことをいいます。

裁判官や調査官による訓戒・指導など教育的な働きかけを行い、少年・保護者がどのように受け止めたかを見た上で、裁判官は不処分とするのが適切か否か判断します。

不処分決定の場合は、審判自体は開かれます。
不処分が決定される多くは、保護処分に付するまでの必要がないと判断される場合です。
少年審判までに少年が更生し、要保護性がなくなった場合などです。
それに向けて、付添人である弁護士は、少年審判までに少年に対して教育的な働きかけを行い、少年が事件に対して深く反省するように努め、生活環境を整えていく等の活動を行います。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が窃盗事件を起こし、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件における不送致処分

2019-12-12

少年事件における不送致処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県尼崎市の駅ホームで、女性客に痴漢行為を行ったとして、大学生のAくん(18歳)が兵庫県尼崎東警察署に逮捕されました。
しかし、Aくんは一貫して容疑を否認しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに少年事件に強い弁護士に弁護を依頼しました。
Aくんは逮捕後勾留となりましたが、最終的に家庭裁判所不送致の処分となりました。
(フィクションです)

少年が事件を起こした場合

少年が事件を起こした場合、成人の刑事事件における場合と同様に、主に刑事訴訟法に基づいた手続がとられることになります。

しかし、刑法は、14歳未満の者については刑事責任を問わないこととしていますので、14歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為を行った場合、刑事処分を受けることはありません。
刑事責任が問われませんので、被疑者として逮捕・勾留といった身体拘束を受けることはありません。
ただし、児童相談所で一時保護される可能性はあります。

このように、捜査段階、つまり、家庭裁判所に送致される前の段階では、事件を起こした少年の年齢によってとられる手続が異なります。
ここでは、14歳以上の少年の場合についてみていくことにします。

先述のように、14歳以上の少年が事件を起こした場合、逮捕・勾留などの身体拘束が伴う強制処分がなされることがあります。
身体拘束を受けている事件を「身柄事件」、身体拘束を受けていない事件を「在宅事件」と呼びますが、どちらであっても被疑者として捜査機関による捜査の対象となれば、取調官から取調べを受けたり、現場検証を行ったりと捜査を受けることになります。
その捜査を遂げた結果、少年が犯罪を行ったとの嫌疑がある場合、および、犯罪の嫌疑が認められないけれども、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これは、少年法に以下にように規定されています。

第四十一条 司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

第四十二条 検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
2 前項の場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく裁判官による被疑者についての弁護人の選任は、その効力を失う。

このように、捜査機関は原則、以下の場合には、事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
①司法警察員からの送致
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、原則として事件を検察官に送致することになっていますが、少年の被疑事件において、罰金以下の刑にあたる犯罪については、検察官に送致せず、直接事件を家庭裁判所に送致します。
②検察官からの送致
検察官は、警察が捜査を行い検察官に送致してきた事件の他に、検察官が自ら捜査した事件について、家庭裁判所に送致します。

しかし、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がない、および、家庭裁判所の審判に付すべき事由もないと考えられた場合には、捜査機関は事件を家庭裁判所に送致しない処分を決定します。
この処分を「不送致処分」といいます。

事件を家庭裁判所に送致しないため、その後家庭裁判所から調査や審判のために呼び出しを受けることはありません。

少年事件において不送致となるためには、捜査段階の早期から適切な弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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