Archive for the ‘少年事件’ Category

少年事件における示談

2019-09-16

少年事件における示談

~ケース~
兵庫県養父市に住むAくん(15歳)は、市内の商業施設内のエスカレーターで女子高校のスカート内にスマホを差し入れ盗撮しました。
女子高生の隣にいた友人がAくんの盗撮に気づき、「あなた友達のスカートの中を盗撮してましたよね!?」と言って、腕を掴んできました。
Aくんは、そのまま警備員室に連れていかれ、兵庫県養父警察署から駆け付けた警察官に警察署に連れて行かれ、取調べを受けることになりました。
警察からAくんの両親に連絡が入り、その日の夜には両親が迎えに来て釈放となりました。
Aくんの両親は、被害者の方に謝罪と被害弁償をしたいと考えており、警察にもその意向は伝えています。
(フィクションです)

示談とは

示談は、加害者が被害者に対して謝罪や被害弁償を行うことにより、被害者と加害者間では今回の事件は解決したとする合意のことです。
刑事事件においては、被害者感情が重視される昨今、告訴がなければ公訴を提起することが出来ない親告罪の場合のみならず、被害者がいる事件において、検察官が起訴・不起訴を決める際に考慮される要素のひとつとなっています。
被害者との示談が成立したからといって、検察官は必ずしも不起訴にするわけではありませんが、当事者間で示談が成立している場合には、不起訴処分で事件を終了することが多くなっています。
勿論、法定刑が重い犯罪や、犯行が悪質であったり、比較的軽微な犯罪であっても件数が多い場合には、被害者との示談が成立していたとしても、検察官が起訴(略式起訴も含め)に踏み切ることは大いにあります。

少年事件における示談

先述のように、成人の刑事事件では、被害者との示談が成立しているか否かは、不起訴処分を獲得する上で重要なポイントとなります。
それでは、少年事件において示談はどのような効果があるのでしょうか。

結論から言うと、成人の刑事事件のように、被害者との示談の有無により最終的な処分が大きく違ってくるというわけではありません。

少年事件の手続には、不起訴処分といった処分はありません。
捜査機関による事件の捜査が終了すると、原則すべての少年事件は家庭裁判所に送致されることになっています。
これを「全件送致主義」といいます。

家庭裁判所に送致されると、調査・審判を経て終局処分が言い渡されます。
審判において審理されるのは、「非行事実」と「要保護性」です。
前者は、少年が何をしたかということですが、後者は、①犯罪的危険性(少年の性格や環境等に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること)、②矯正可能性(保護処分による矯正教育を施すことで当該少年の犯罪的危険性を除去できる可能性)、③保護相当性(保護処分による保護が当該少年に対して最も有効かつ適切な処遇・手段であること)から構成されてます。
少年が行った行為が重い罪に当たるものであっても、要保護性が低い又はないと判断されれば、少年院送致といった収容措置がとれらないこともあるのです。
この点、刑事事件と異なります。

さて、示談成立によって家庭裁判所が決定する終局処分が大きく変わるわけでないのであれば、少年事件において被害者と示談をする必要がないのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
少年が行った行為によって被害者がどれだけ苦しい思いをしたのかを理解させ、被害者に対する心からの謝罪をさせることを通じて、少年ははじめて内省を深めることができるのです。
この内省を深めるということが、少年の更生につながるので、要保護性の解消という点で重要なのです。
そこで、付添人である弁護士は、早期に被害者対応を行い、謝罪や被害弁償等をおこなうよう少年や保護者に働きかけを行います。
しかし、そこで留意する必要があるのは、単に示談金を支払い示談書を作成したということだけでは、要保護性の観点から評価されることにはつながらない、ということです。
重要なのは、少年や保護者が被害者の負った苦しみを理解し、いかに誠意をもって被害者に謝罪し被害者の被害回復に努めたかです。

少年事件の手続は、成人の刑事事件と異なります。
お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

観護措置の回避に向けた活動

2019-09-15

観護措置の回避に向けた活動

~ケース~
兵庫県伊丹市に住む中学生のAくん(15歳)は、通学中の電車内で盗撮行為を行ったとして、兵庫県伊丹警察署に迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
Aくんの両親が身元引受人となり、Aくんはその日の夜には釈放となりました。
Aくんには他にも複数の盗撮を行っており、ネットで知り合った相手に裸の画像を送らすなど児童ポルノ禁止法違反に該当するような行為をおこなっていたことが明らかになってきました。
Aくんの母親は、知り合いから「捜査段階で身体拘束を受けていなくても、家庭裁判所の裁判官と面談するということで家庭裁判所に行ったら、そのまま少年鑑別所に収容された子の話を聞いた。」と聞き、Aくんのお母さんは、Aくんも少年鑑別所に収容されることになるのか不安です。
(フィクションです)

観護措置とは

捜査機関による捜査が終了すると、原則として、すべての少年事件は家庭裁判所に送致されます。
被疑者段階で逮捕または勾留されている少年が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、裁判所に到着したときから24時間以内に「観護措置」をとるか否かを決定します。
観護措置」とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に、終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置です。
監護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置と少年鑑別所に送致する措置の2種類があります。
しかし、実務上、前者の措置はほとんどとられず、観護措置という場合には、後者を指します。

観護措置は、少年法において「審判を行うため必要があるとき」にとられると定められているのみですが、次のような要件が必要であると解されています。

①事件の係属
事件が観護措置をとる家庭裁判所に係属していること。
②審判条件
審判条件が満たされていること。
③審判に付すべき事由があることの蓋然性
審判に付すべき事由(非行事実・ぐ犯事由等)が認められることの蓋然性がある。
④審判開始決定を行う蓋然性
審判開始が見込まれる事件であること。
⑤観護措置の必要性
次のいずれかが認められることが必要。
(ア)身柄確保の必要性
   住所不定または逃亡のおそれがあるなど、少年の出頭を確保する必要がある場合や、証拠隠滅のおそれがあり、証拠保全のためには必要である場合。
(イ)緊急保護のための暫定的身柄確保の必要性
   自殺や自傷のおそれがある場合、家族から虐待を受けている場合、暴力団などの反社会的活動を行う集団の悪影響から保護する必要がある場合など。
(ウ)収容鑑別を実施する必要性
   少年の心身の状況や性格傾向などを考慮し、継続的な行動観察や外界と遮断された環境で鑑別する必要がある場合。

以上のような要件を満たし、観護措置がとられた場合、原則2週間、実務上は4週間少年鑑別所に収容されることとなります。

観護措置を回避する活動

観護措置は長期間の収容となるため、少年は学校や職場を休まざるを得ず、後の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、付添人である弁護士は、家庭裁判所が観護措置を決定する前に、観護措置をとらなうよう意見書を提出したり、裁判官と面談するなどし、観護措置回避に向けて動きます。
逮捕・勾留により捜査段階から身体拘束を受けている場合には、事件が家庭裁判所に送致されたタイミングで、意見書を提出し、裁判官が少年と面談する前に少年が抱える事情を考慮してもらう必要があります。
また、捜査段階で身体拘束を受けていない場合でも、事件内容や少年の性格等から観護措置をとる必要があると判断されるケースもありますので、この場合も事件が家庭裁判所に送致された段階で、観護措置をとらないよう説得的に主張する必要があります。

先述しましたが、観護措置がとられると約1か月少年鑑別所に収容されることになるので、その間学校や職場に行くことができないという不利益が生じてしまうことになります。
しかし、観護措置をとることにより、少年を外界と切り離した環境に置くことで、少年が自分のしてしまった行為やその原因についてゆっくりと考えることができ、ひいては少年の真の反省、そして更生に資するといった面もあります。

お子様が事件を起こし、観護措置がとられるのではないかとご心配されているのであれば、少年事件に詳しい弁護士にご相談され、お子様の更生にとってどのような方法が適するのか、一緒に考えてみてはいかがでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
少年事件でお困りであれば、弊所までご連絡ください。

少年事件で保護観察処分

2019-09-11

少年事件で保護観察処分

~ケース~
兵庫県淡路市に住む高齢女性の自宅を訪れ、弁護士の秘書を装い、女性から現金100万円を騙し取ったとして、少年Aくん(17歳)が兵庫県淡路警察署に詐欺罪で逮捕されました。
Aくんは、逮捕・勾留後に家庭裁判所に送致され、少年審判を受けることになりました。
Aくんの両親は、審判で少年院送致が言い渡されるのではないかと不安でなりません。
(フィクションです)

少年と特殊詐欺事件

兵庫県警察によると、兵庫県における特殊詐欺の認知件数は、平成26年度以降増加しており、平成30年中には773件となっています。
交付形態は、振込型や現金送付型は減少する一方、現金手交型、キャッシュカード手交型、電子マネー型が増加しています。
増加している手交型のように、被害者に直接会いに行って現金やキャッシュカードなどを受領する役割は「受け子」と呼ばれており、受け子役は犯罪組織の内部の者ではなく、外部の者に担わせることが多くなっています。
ネットの掲示板などで「高額アルバイト募集」などと謳い外部から特殊詐欺に加担する者を募るわけですが、20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が受け子として事件に関与したケースは少なくありません。
少年は、「荷物を受け取るだけで数万稼げるなんて…」「友人や先輩から誘われたし…」と、安易な気持ちで特殊詐欺に加担してしまうケースが多く見受けられます。
このような特殊詐欺の裏には、犯罪組織が存在しており、最も警察に捕まりやすい「受け子」や「出し子」の役割を少年たちに担わせ、自分たちは足がつかないようにしているのです。
言葉巧みに少年たちを勧誘し、利用する大人たちが背後にいるのです。

特殊詐欺事件における処分傾向

少年(20歳未満の者)が犯罪行為を行った場合、原則、少年法に基づいた手続に従って処分が決定されます。
処分は、家庭裁判所の調査や審判を経て、少年の更生に適したものが下されることになります。
家庭裁判所が言い渡す終局処分には、次のようなものがあります。
①保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官送致
③不処分
④都道府県知事または児童相談所長送致
⑤審判不開始

少年事件であっても、組織的な詐欺に関与したことが疑われる場合には、初犯であっても、逮捕・勾留される可能性が高く、家庭裁判所に送致された後も、そのまま少年鑑別所に収容される割合が高くなっています。
また、勾留と同時に、弁護士以外の者との面会等を禁止する接見禁止が付される可能性もあります。
また、少年に前歴や補導歴がないとしても、終局処分として少年院送致が言い渡される可能性があります。
そのような処分を回避するため、できるだけ早期に弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

保護観察処分

特殊詐欺の少年事件では、弁護士は、少年院送致を回避し保護観察処分となるよう弁護人・付添人として活動することになります。

保護観察処分は、少年が保護観察官や保護司の指導監督の下、社会内で更生できると判断された場合に付される保護処分です。
保護観察に付された場合、少年は決められた遵守事項を守りながら家庭等で生活し、保護観察官や保護司と定期的に面会し現状報告した上で、彼らから生活や交友関係などについて指導を受けることになります。

保護観察の期間は、原則として、少年が20歳に達するまでです。
ただし、決定時から少年が20歳になるまでの期間が2年に満たない場合は、2年となります。
また、少年の改善更正に役立つと判断される場合には、期間を定めて保護観察を一時的に解除することもあり、保護観察継続の必要性がなくなったと認められるときは、保護観察は解除されます。

少年事件では、付添人である弁護士が、少年が社会内での更生が期待できることを客観的な証拠を提示し、裁判官に説得的に主張するなどの付添人活動を行います。
具体的には、少年が自らの行為を反省しているなど少年自身の更生可能性や、家族や学校・職場の協力を得て少年の周囲の更生環境が整っていることを主張していきます。

お子様が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件・刑事事件を専門とする弁護士が無料法律相談初回接見を行います。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件における弁護人・付添人の選任

2019-09-04

少年事件における弁護人・付添人の選任

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む中学生のAくん(14歳)は、帰宅途中の女子児童のおしりを服の上から触ったとして、兵庫県加古川警察署に迷惑防止条例違反の疑い取調べを受けました。
逮捕されることはありませんでしたが、どうやらAくんには他にも同様の事件を起こしていたようで、警察からは「あと何度か警察で取調べをした後、検察に送致されて、その後家庭裁判所に事件が送られることになる。」と言われ、今後どのような手続を踏み、どんな処分が言い渡されることになるのか、AくんもAくんの両親も心配です。
Aくんの両親は、少年事件に詳しい弁護士に相談してみようかと話をしています。
(フィクションです)

少年事件の流れ

少年法は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合及び犯罪の嫌疑はなくとも家庭裁判所の審判に付すべく事由がある場合には、全ての事件を家庭裁判所に送致することを義務付けています。
これの趣旨は、たとえ非行事実が軽微なものであっても、その背後には様々な問題が存在する場合が多く、家庭裁判所に全ての事件を送致させ、そこで行われる少年に対する科学的調査を踏まえて保護処分と刑事処分のいずれかが相当であるかを判断させようとする点にあります。
家庭裁判所に送致される「少年」は、大きく次の3つに分けられます。
①罪を犯した少年(「犯罪少年」)
②14歳未満の者で刑罰法令に触れる行為をした少年(「触法少年」)
③次に掲げる事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年(「ぐ犯少年」)
 イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
 ロ 正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと
 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人との交際、又はいかがわしい場所に出入りすること
 二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

①の犯罪少年については、家庭裁判所送致前の捜査段階では、刑事訴訟法が適用されるので、成人の刑事事件の場合とほぼ同様の手続を踏むことになります。
ですので、「被疑者」として捜査の対象となれば、少年は「弁護人」を選任することもできます。
弁護人は、違法・不当な捜査活動がなされないよう監視したり、被害者がいる事件では被害者と示談交渉を行う等、被疑者である少年の権利や利益を擁護する役割を担っており、早期に弁護人を選任し弁護活動を行ってもらうことが重要です。
弁護人は、「国選弁護人」と「私選弁護人」とに分けられます。
ここでいう国選弁護人は、被疑者国選弁護制度を利用し国が選任した弁護人です。
被疑者に対して勾留状が発せられており、被疑者が貧困その他の事由によって弁護人を選任することができない場合に、裁判官に対して国選弁護人の選任を請求することができます。
しかし、被疑者国選弁護の対象事件は、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」に限れらますので、上記ケースにおいては被疑者国選弁護の対象事件には当たらないことになります。
一方、少年やその家族によって自由に選任する弁護人を「私選弁護人」といい、費用は自己負担ですが、身柄在宅にかかわらず、どの段階でも選任することが可能です。

先述しましたが、原則すべての少年事件は家庭裁判所に送致されます。
少年事件では、捜査段階の弁護人選任の効力が家庭裁判所に送致された時点で失われ、家庭裁判所送致後に改めて「付添人」として選任される必要があることに注意が必要です。
家庭裁判所送致後、少年の権利を擁護し、その代弁者としての性格と、少年保護事件の目的が適正に実現されるよう家庭裁判所に協力し援助するという役割を付添人は担っています。
この付添人にも、私選付添人と国選付添人とがあります。

少年法は、国選付添人の場合を除き、付添人の資格について特に設けていません。
少年及び保護者は、私選付添人を家庭裁判所に事件が係属した後はいつでも選任することができます。
国選付添人には、次の2つがあります。
①裁量的国選付添人
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪に該当する非行に及んだ者について、観護措置がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合には、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付すことができます。
②必要的国選付添人
家庭裁判所は、前述した裁量的国選付添人対象事件のうち、非行事実を認定するための審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは、決定をもって、審判に検察官を出席させることができ、この決定をした場合において、家庭裁判所は少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなけらばなりません。

このように、被疑者国選弁護人と同様に、国選付添人対象事件は一定の重大事件に限られており、上記ケースは該当せず、国選付添人を選任することはできません。

少年審判においては、非行事実のみならず要保護性も審理対象となり、非行自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断されれば、身体拘束を伴う保護処分が言い渡される可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早期の段階から刑事事件・少年事件に精通する弁護士を弁護人付添人として選任するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。

盗撮目的でのカメラの設置

2019-08-27

盗撮目的でのカメラの設置・差し向け

~ケース~
兵庫県小野市にある施設内の女子トイレに盗撮目的で侵入したAくん(16歳)は、利用中の個室トイレの上から持っていたスマートフォンを差し入れ盗撮しようと試みました。
ところが、個室トイレに入っていた女性Vさんに見つかり大声をあげられ、Aくんは慌ててその場から逃げ出しました。
その後、防犯カメラの映像等からAくんが特定され、事件から数か月後に兵庫県小野警察署に建造物侵入と迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

迷惑防止条例で禁止される盗撮行為

兵庫県の迷惑防止条例は、第3条の2において盗撮行為を禁止しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

上の規定は、平成28年7月1日から施行されたもので、改正条例では、盗撮を禁止する場所が拡大され、盗撮の目的でカメラなどの撮影機器を設置する行為、差し向ける行為が新たに禁止されました。

本条例が禁止している行為は、次の3つです。

カメラ等を用いて撮影する行為。
撮影する目的で、カメラ等を設置する行為。
撮影する目的で、カメラ等を差し向ける行為。

①が典型的な盗撮行為で、スマートフォンを用いて盗撮する行為はこれに当たります。
②は、盗撮しようとしてトイレや更衣室などにカメラ設置する行為です。
そして、③は、盗撮する目的でスマートフォンを差し向ける、つまり、被写体へ向ける行為を意味します。
上記ケースは、③の行為に当たるでしょう。
②や③に関しては、実際に盗撮に成功していなくとも既遂となります。

また、盗撮行為や、正当な理由なく盗撮目的カメラ等撮影機器を差し向ける設置する行為は以下の場所で禁止されます。

①公共の場所・公共の乗物
②学校の教室・集会所・事務所・タクシー内、貸し切りバス内など
③浴場・更衣室・便所など

改正前は、電車や駅などでの盗撮は「公共の場所・乗物」における盗撮行為として迷惑防止条例違反が成立したものの、トイレなどは「公共の場所・乗物」に該当しないとして本条例が適用できないという状況にありました。
しかし、改正により、トイレ内の盗撮等の行為も禁止対象となり、迷惑防止条例違反が成立し得るようになりました。

このように、盗撮目的でスマートフォンを差し向けたAくんの行為は、兵庫県の迷惑防止条例違反に当たると考えられます。
また、盗撮目的で女子トイレに入った行為については、建造物侵入罪が成立するでしょう。

少年であっても逮捕される可能性はあります。
お子様が盗撮事件を起こし逮捕されてしまったのであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所は、刑事事件・少年事件を専門とした法律事務所です。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件における環境調整②~環境調整の重要性~

2019-08-22

少年事件における環境調整②~環境調整の重要性~

前回の続き

少年審判の審理対象~非行事実と要保護性~

「非行事実」は、刑事裁判における「公訴事実」に該当するものです。
「要保護性」というのは、以下の3つの要素により構成されるものと理解されます。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行を犯す可能性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を取り除くことができる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な措置であること。

審判では、上の「非行事実」と「要保護性」の両方が審理されます。
そのため、少年事件では、犯罪行為の軽重が直接量刑に影響する成人の刑事事件と異なり、非行事実が軽微であっても、要保護性が高い場合には、少年院送致といった身体拘束を伴う処分が選択されることがあります。
他方、非行事実は重い罪名の付くものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために適切であると判断されれば、保護観察といった社会内処遇が選択されることもあります。
そのため、「要保護性の解消」は少年事件においては非常に重要な要素となるのです。

少年事件における環境調整の重要性

上述のように、要保護性が低ければ低いほど、少年を身体拘束して更正する必要がなくなるというわけですが、要保護性の解放に向けては「環境調整」がとても重要な役割を果たします。

環境調整」というのは、保護者の関係の調整、就業先の開拓、帰住先の確保等、少年の社会復帰を円滑にするために少年をとりまく環境を調整することをです。
つまり、少年が更生に向けて生活するために必要な環境を整えることです。
この環境調整は、少年本人への働きかけ、家庭や学校、職場などへの働きかけ、交遊関係の調整、被害者への対応といった多岐に渡る活動を含みます。

(1)少年本人への働きかけ

少年本人が真に事件、そして自分自身と向き合うことができなければ、どんなに外部的環境調整に尽力したとしても、要保護性を解消することは難しく、少年の更生にはつながりません。
自分が何故今回の事件を起こしてしまったのか、それにより誰を傷つけてしまったのか、二度と同じ過ちを繰り返さないためにはどうすべきなのか等、しっかりと考えていかなければなりません。
勿論、このようなことを考え、答えを見つけることは、少年のみでは容易ではありません。
少年の家族や、学校の先生方、家庭裁判所の調査官など、協力してくれる大人はいます。
また、弁護士は弁護人・付添人として、少年が事件や自分自身の問題と向き合いあえるよう支援し、解決策を見出せるよう共に考えていきます。

(2)家庭への働きかけ

家庭は少年にとって最も身近な環境であり、家庭内の問題が非行の背景にあることが多く、家庭への働きかけは環境調整をする上でも重要であると言えるでしょう。
弁護士は、少年と保護者との間に入り仲介役的な役割を担うこともあれば、両者に対して問題点を指摘したり改善のアドバイスをしたり学校の先生のような役割を担うこともあります。
勿論、これらは弁護士から一方的に行うものではなく、少年や保護者との話し合いを重ね、ともに考える中で行うものです。

(3)学校や職場への働きかけ

学校に在籍している少年の場合、今後も在籍できるか、学校側が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考えるうえで重要な事項です。
公立の学校は、警察・学校相互連絡制度によって警察から学校に逮捕の連絡がいってることがあります。
学校に知られている場合には、学校側に少年事件の手続や少年が真摯に反省し更生に向けて努力している点などを報告し、少年を積極的に受け入れてくれるよう協力を求めます。
学校が事件について把握していない場合、私立学校のように事件を起こしたことを知れば退学処分とするようなところもあるため、学校に知られないように働きかける必要もあるでしょう。
働いている少年についても、学校と同様、少年が職場で働き続けることができるよう職場の上司などに協力を求めていきます。

(4)交遊関係の調整

少年の交遊関係が事件の背景にある場合もそう少なくありません。
ケース②のように薬物事件では、恋人や友人から勧められて薬物に手を出すといったケースも多く、薬物を断つためにはこのような関係を解消する必要があります。
ケース②では、Aさんは交際相手の勧めで大麻に手をだしているわけですので、この交際相手との関係を終わらせることはもとより、大麻の入手先を知っている場合には、入手先とも一切連絡をとれなくするなど、薬物に関連する関係を一切断ち切る必要があるでしょう。

(5)被害者への対応

成人の刑事事件のように、被害者との示談成立により、不起訴処分で事件終了というわけにはいきませんが、被害者への謝罪・被害弁償、示談が成立していることにより、少年が事件を真摯に反省し、被害者にも配慮していると判断される要素にはなります。
勿論、少年が反省せず、単に形式上被害弁償をしたという事実だけでは、要保護性を解消させる要素となり得ません。
ケース①の盗撮事件のように、被害者がいる事件では、一刻も早く被害者に被害弁償を!と急がれる場合がありますが、形だけの被害弁償を急ぐのではなく、少年自身が真に反省し、被害者に対してきちんと謝罪する気持ちを持つことができてから、それに基づいて被害者対応を行うことが、要保護性の解消につながるでしょう。

このように、少年事件においては、成人の刑事事件とは異なる視点で対応しなければならないことも多くあります。
そのため、少年事件については、少年事件に精通する弁護士に相談されることをお勧めします。

お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件における環境調整①~少年事件の流れ~

2019-08-21

少年事件における環境調整①~少年事件の流れ~

~ケース①~
兵庫県内に住む中学生のAくん(15歳)は、駅構内のエスカレーターにおいて女子高生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、目撃者の男性に身柄確保されました。
Aくんは兵庫県垂水警察署で取調べを受けた後、両親が身元引受人となり夜に釈放となりました。
「余罪もあるようなので、また何回か取調べを受けてもらうことになる。捜査機関の捜査が終了したら、家庭裁判所が事件を担当することになる。」と警察官から簡単な説明を受けたAくんと両親は、少年事件の流れや最終的な処分について分からず心配になってきました。
(フィクションです)

~ケース②~
大学生のAさん(18歳)は、交際相手から大麻を勧められ、大麻を使用するようになりました。
交際相手の自宅に居た際に、兵庫県垂水警察署がやってきて、家宅捜索後に、Aさんと交際相手を大麻取締法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、すぐに弁護士に接見を依頼し、事件について報告を受けることができました。
逮捕後に勾留が付く可能性が高いことや薬物事件では接見禁止となる可能性もあることを弁護士から聞き、Aさんの更生を第一にと弁護士に弁護を依頼することにしました。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

20歳未満の者(「少年」といいます。)が刑罰法令に反する行為を行った場合、少年法に基づく手続に従って処分を受けることになります。
少年の年齢や非行内容により少年事件の流れは異なりますが、ここでは14歳以上20歳未満の犯罪行為を行った少年(「犯罪少年」といいます。)の少年事件の流れについて説明しましょう。

(1)捜査段階

警察に事件が発覚すると、捜査が開始されます。
捜査段階では、成人の刑事事件とほとんど同様の手続がとられます。

ケース①

Aくんは盗撮をし、目撃者によって私人逮捕されています。
容疑を認めており、前歴・補導歴もないこと、スマートフォン内のデータ等の証拠を押収していること、そして身元引受人がいること等から、逮捕に引き続き身柄を拘束する必要がないと警察が判断したものと考えられます。
こうして、Aくんは逮捕の日に釈放され、余罪の件も含めてあと何回か警察に出頭し取調べを受けることになりました。
身柄を拘束せずに捜査を行う事件を「在宅事件」と呼びます。
警察での捜査が終わると、事件は検察に送致されます。
法定刑が罰金以下の比較的軽微な犯罪を犯した疑いがある場合は、警察から直接家庭裁判所に送致されます。
Aくんの場合は、迷惑防止条例違反に問われていると考えられますので、警察での捜査が終了すると、次は検察が事件を担当することになり、検察官から呼び出しがあります。
検察官は捜査を終えると、事件の記録を管轄の家庭裁判所に送致します。

ケース②

身柄を拘束する必要がある場合には、少年であっても逮捕されます。
逮捕から48時間以内に警察から検察官に事件が送致され、被疑者である少年の身柄を受けた検察官は24時間以内に少年を釈放するか勾留請求を行うかを決めます。
検察官が勾留請求した場合、裁判官は少年と面談した上で、勾留するか否かを判断します。
勾留となれば、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長が認められれば最長で20日間、警察署の留置場で身柄が拘束されることになります。
ここまでは成人の刑事事件の流れと同じですが、少年事件の場合には、「勾留に代わる観護措置」がとられる点が成人の刑事事件とは異なります。
少年事件の場合には、検察官は裁判官に「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
当該措置がとられると、収容場所が少年鑑別所となります。
収容期間も10日で、延長は認められません。

(2)家庭裁判所送致後

警察や検察での捜査を終えると、事件が家庭裁判所に送られます。

家庭裁判所は、事件が係属している期間中いつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」は、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護しその安全を図る措置で、そのほとんどが少年鑑別所に送致する措置がとられています。
捜査段階で「勾留に代わる観護措置」がとられていた場合、家庭裁判所に事件が送致されると当然に「観護措置」とみなされます。
逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所は送致された時に観護措置をとることがほとんどです。
ケース②の場合、薬物事件ということもあり、逮捕後勾留されることがほとんどです。
そのため、送致後に観護措置がとられる可能性は高いでしょう。

一方、ケース①のように在宅事件であっても、観護措置をとる必要があると判断されることもありますので、在宅事件だからと安心していると、家庭裁判所送致後に観護措置がとられ少年鑑別所に収容となることもあります。

家庭裁判所は事件を受理すると、家庭裁判所の調査官による調査、及び審判を経て最終的な処分が決定されます。

最終的な処分は、次の通りです。
①保護処分決定
 (a)保護観察
 (b)少年院送致
 (c)児童自立支援施設等送致
②検察官送致
③不処分
④都道府県知事又は児童相談所長送致
⑤審判不開始
中間的な処分として、試験観察があります。

以上、少年事件の流れを見てきましたが、少年であっても身柄がとられる可能性もあります。
長期の身体拘束により退学や解雇といった不利益を被るおそれもありますので、お子様が逮捕・勾留されお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

薬物事件で少年審判

2019-08-13

薬物事件で少年審判

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区に住む学生のAさんは、交際相手を通じて大麻を勧められ、大麻を使用するようになりました。
ある日、交際相手が大麻取締法違反で逮捕され、Aさんも同罪で逮捕されることとなりました。
逮捕・勾留後に、神戸家庭裁判所に送致され、少年審判が開かれることになりました。
Aさんは、どのような処分を受けるのかとても心配です。
(フィクションです)

少年事件の流れ

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が刑罰法令に触れる行為をした場合、成人の刑事事件と同様に捜査機関により逮捕されることがあります。
ただし、14歳未満の者(「触法少年」といいます。)の場合、刑事責任に問われることはないので、警察は処罰を目的とした捜査をすることはできず、任意捜査の範囲内で捜査を行い、その後、児童相談所に通告することになります。
ですので、少年といっても事件を起こした少年の年齢によって、その後の手続が変わってきます。

14歳以上20歳未満の少年を「犯罪少年」といい、刑事責任能力が生じ、事件を起こせば、警察に逮捕される可能性があります。
逮捕された後は、成人の刑事事件とおおよそ同じ手続きがとられますので、逮捕後に勾留された場合には逮捕から13日、延長されると最大で23日もの間、身柄が拘束されることになります。
ただ、少年の場合は、勾留に代わる観護措置がとられることもあるので、その場合には、留置場所が少年鑑別所になり、期間も10日となります。

捜査機関による捜査が終れば、少年事件について、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになっています。(これを「全件送致主義」といいます。)
家庭裁判所が事件を受理すると、家庭裁判所は、調査・審判を経て、少年の更生に適した処分を決定します。
家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置がとられると、少年少年鑑別所に原則2週間、最大で8週間収容されることになり、少年鑑別所において、少年の非行原因や今後の更生の可能性について調査・分析されることになります。

少年審判について

少年に対する最終的な処分を言い渡すために設けられた期日において、裁判官による審理および決定の過程を「少年審判」といいます。

少年審判では、少年の犯した「非行事実」、並びに、少年の「要保護性」について審理されます。
要保護性とは、以下の3つの要素により構成されると考えられています。

1.再非行の危険性
少年の性格や置かれている環境に照らして、将来再び非行を犯す危険性があること。
2.矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことにより、再非行の危険性を除去できる可能性があること。
3.保護相当性
保護処分による保護が最も有効であり、かつ、適切な処遇であること。

ここでいう保護処分というのは、家庭裁判所に送致された少年を更生させることを目的とし、家庭裁判所が下す終局処分であって、①保護観察、②少年院送致、③児童自立支援施設等送致の3種類があります。

少年審判では、少年の非行事実のみならず、要保護性が審理されるため、少年事件では、非行事実が軽微であっても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致といった処分が選択されることもあります。
逆に言うと、非行事実は重い犯罪に該当するものであっても、要保護性が解消されたと認められれば、保護観察のような社会内処遇が選択されることもあるのです。
ですので、要保護性の解消に向けた活動が少年事件においては重要となります。

その意味で、少年事件における弁護士の活動の中でも、「環境調整」に重きが置かれます。
環境調整は、少年と保護者・学校との関係調整、専門的な治療が必要な場合にはそのような治療を受けれるよう専門機関の協力を求めるなど、少年の社会復帰を円滑にするために少年を取り巻く環境を調整することをいいます。
加えて、少年が事件や自身が持つ問題を理解し、解決していけるように指導したり、被害者への被害弁償や示談交渉なども、少年事件において弁護士が行う重要な活動です。
薬物事件であれば、薬物を絶つことが非常に重要なポイントとなりますので、薬物を使用するようになった経緯や入手経路をしっかりと把握し、その関係性を断ち、二度と薬物に手を出さない環境を作り出す必要があります。
上記のケースであれば、交際相手とのつながりで薬物に手を出したことを踏まえ、その相手との関係性を完全に断つこと、そして必要であれば専門機関で治療を受けることが重要な環境調整となるでしょう。
もちろん、少年の家族による更生への支援も必要不可欠です。

少年事件では、少年だけでなく、家族や学校・職場といった周囲と協力し、少年の更生に向けて動いていかなければなりません。

お子様が薬物事件で逮捕された、家庭裁判所に送致され少年審判を受けることになり対応にお困りであれば、少年事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件で初回接見

2019-08-05

少年事件で初回接見

~ケース~
兵庫県神戸市北区に住む少年Aくん(18歳)は、ネットで麻薬と覚せい剤を染み込ませた紙を購入し、密輸したとして兵庫県神戸北警察署に逮捕されました。
Aくんは、「興味本位でやった」と容疑を認めています。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

少年が逮捕されたら

20歳未満の少年が刑罰法令に反する行為をした場合、成人の場合と同様に警察に逮捕される可能性があります。
14歳未満の少年の場合は、刑法で刑事責任に問えない旨が規定されていますので、犯罪とならず逮捕されることはありません。(ただし、事件の内容や少年の状況によっては、児童相談所で身柄を保護されることもあります。)
少年であっても、家庭裁判所に送致されるまでは、基本的に成人の刑事事件と同じ手続が適用されます。
逮捕されると、少年は警察署で警察からの取調べを受けます。
警察は、逮捕から48時間以内に、少年を検察に送致するか若しくは釈放するかを決めます。
警察が検察に事件を送致すると、少年は検察官からの取調べを受けます。
検察官は、少年の身柄を受けてから24時間以内に、裁判官に勾留請求をするか若しくは少年を釈放するかを決定します。
検察官が少年を勾留する必要があると判断した場合、裁判官に対して勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、少年と面談を行い、少年を勾留するべきか否かを判断します。
裁判官が勾留すべきと判断すると、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。
勾留の場合留置先は警察署の留置場となりますが、少年の場合、この「勾留」に代わって「勾留に代わる観護措置」がとられる場合があります。
この「勾留に代わる観護措置」がとられると、留置先は少年鑑別所となり、期間も10日間と定められており、延長は認められません。
ただし、勾留に代わる観護措置がとられると、家庭裁判所に事件が送致された際、当然に観護措置がとられることとなり、更に1か月ほど少年鑑別所に収容されることとなります。

成人の刑事事件では、検察官が不起訴処分で事件を終了することがありますが、少年の場合、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになるので、この点成人の刑事事件とは異なります。
事件を受理した家庭裁判所は、調査・審判を経て、少年の最終的な処分を決定します。

初回接見のメリット

先述したように、少年であっても逮捕される可能性はあります。
成人であっても、外部との接触が途絶えた状況で連日取調べを受けることは身体的・精神的に厳しいものです。
とかく、心身ともに発展途上の少年であれば、少年の心身に与える影響は大きいでしょう。
逮捕から勾留までの間は、原則として家族であっても逮捕された方と面会することはできません。
突然の逮捕で家族との接触も絶たれ、警察からの取調べにどう対応したらよいか分からない状況では、自己に不利な供述が取られたり、やってもないことまで認めてしまうこともあります。
そのような事態を回避するためにも、早い段階から弁護士との面会(接見)を行うことが重要です。
弁護士であれば、逮捕から勾留までの間であっても逮捕された方との接見は可能です。
弁護士は接見において、逮捕された方から事件の詳細を伺った上で、今後の流れや見込まれる処分、取調べ対応についての的確なアドバイスをするなどします。
また、ご家族からの伝言を逮捕された方に伝え、逮捕された方からご家族への伝言を伝えることもできます。
弁護士による接見は、専門家からの助言を受けることで逮捕された方の精神的な負担を軽減することにもつながります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
弊所では、刑事事件専門の弁護士が留置施設に出張し、逮捕・勾留されている方と接見をする「初回接見サービス」をご用意しております。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年の勾留と勾留に対する準抗告

2019-07-31

少年の勾留と勾留に対する準抗告

~ケース~
高校生のAくん(16歳)は、友人2人とともに、兵庫県多可郡多可町内に止めてあった原動機付自転車2台を盗みました。
後日、兵庫県西脇警察署の警察官がAくん宅を訪れ、窃盗の容疑でAくんを逮捕しました。
Aくんは、翌日神戸地方検察庁姫路支部に送致され、姫路簡易裁判所は検察官からの勾留請求を受け、Aくんに対する勾留決定を出しました。
Aくんの両親は、高校の定期試験があり、これを受けないと留年の可能性が高くなることや、長期間欠席が続けば退学のおそれもあるため、Aくんをすぐに釈放してくれないかと悩んでいます。
(フィクションです)

少年が逮捕されたら

20歳未満の少年が事件を起こし、逮捕されてしまった場合、基本的には成人の刑事事件を同様に刑事訴訟法が適用されます。
つまり、逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致されると、検察官による取調べが行われ、それを受けて検察官はAくんを勾留する必要があるかどうか判断します。
検察官が勾留する必要があると判断すると、裁判官に対して勾留請求を行います。
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、Aくんと面談した上で、勾留の要件に該当するかを検討し、勾留決定をするか、勾留請求を却下しAくんを釈放するかを決定します。
裁判官がAくんの勾留を決めると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められると最大で20日間の身体拘束となります。
長期間学校や職場に行くことができなくなれば、事件のことが学校や職場に発覚し、最悪の場合には退学や懲戒解雇となる可能性もあります。
そうなれば、少年の社会復帰にも影響し、更生の障害と成り得るでしょう。

ですので、お子様が事件を起こし、逮捕・勾留されたら弁護士に相談し、勾留に対する準抗告を行うなど早期身柄解放に向けて動くことが重要です。

勾留に対する準抗告について

先述のように裁判官が勾留の裁判(決定)を行うと、長期間の身体拘束を余儀なくされます。
このような長期身体拘束を回避する方法として「勾留に対する準抗告」が挙げられます。
準抗告」というのは、裁判官や捜査機関が行った一定の処分について、裁判所に対して取消や変更を求める不服申し立ての手続のことをいいます。
裁判官が行った勾留裁判に対して、準抗告の申立てを行い、申立て先の裁判所が勾留裁判を取消し、検察官が行った勾留請求を却下するよう働きかけます。
勾留」には満たさなければならない要件があります。
申立てには、それらの要件には該当せず被疑者を勾留した原裁判は違法であるためそれを取消し、検察官の勾留請求を却下すべきである旨を主張します。
ここで重要になるので、勾留の要件です。
勾留の要件とは、「犯罪の嫌疑」、「勾留の理由」および「勾留の必要性」です。

(1)犯罪の嫌疑
被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がなければなりません。
身体拘束をする上で、犯罪を行ったことを裏付ける事実が必要となります。
しかし、勾留段階では、すべての証拠がそろっていることはなく、ここで要求されている嫌疑の程度は、それほど高いものではありません。
(2)勾留の理由
以下のうち、どれか一つに該当している必要があります。
①定まった住所を有しないとき。
②罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
③逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
(3)勾留の必要性
嫌疑及び勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより生ずる不利益とを比較し、権衡を失するときは、被疑者を勾留することは許されません。

上記ケースでは、手元にある証拠から、被疑者である少年が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由が認められ、釈放した場合には、証拠品を処分したり、共犯者と口裏合わせをするなどして証拠隠滅を図るおそれがあると判断され、勾留となったと考えられます。
しかし、弁護人は、犯行後の少年の態度や証拠品が既に捜査機関によって押収されているため今更証拠隠滅を図ることは困難であること、また、少年に前歴がないことや保護者と生活をともにしていること、少年の保護者による監督が期待できることから逃亡すると疑うに足りる相当の理由が認められないこと、更には、少年が定期試験を控えており、長期の欠席により留年や退学のおそれがあることを考慮すると、勾留の必要性までは認められないということを客観的かつ具体的に主張することで、裁判所が勾留の裁判を取消し、勾留請求を却下する裁判をするよう働きかけます。

お子様が逮捕・勾留されてお困りであれば、刑事事件・少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881にご連絡ください。
専門スタッフが、無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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