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少年事件における被害者対応

2021-01-17

少年事件における被害者対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市灘区の路上を歩いていた女性の背後からいきなり抱き着き胸を服の上から触って逃走するという事件が起きました。
兵庫県灘警察署は、市内に住むAくん(高校1年生)を強制わいせつの疑いで逮捕しました。
Aくんは容疑を認めているとのことですが、Aくんの両親は被害女性への対応をどのようにすべきか分からず困っています。
(フィクションです)

被害者対応について

窃盗・詐欺・傷害・盗撮・痴漢などといった犯罪には、犯罪によって被害を被った被害者が存在します。
民事上の責任として、加害者は、自身の行為によって身体的・精神的・財産的損害を被った被害者に対して、損害賠償責任を負う可能性があります。

それでは、刑事事件においては、被害者対応の如何が最終的な処分やその後にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

被害者がいる事件では、被害弁償や示談が成立しているか否かといった点が最終的な処分に大きく影響します。
示談というのは、被害者との合意のことを意味しますが、通常は、加害者が被害者に対して慰謝料を含めた被害弁償を行う一方、被害者から許しを得、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことをいいます。
被害者のいる事件では、被害が金銭的に回復されたか否か、被害者が加害者に対してどのような感情を抱いているのか(厳しい処罰感情があるのか、処罰を求めていないのか)といった点が、処分を決めたり、宣告刑を決めるにあたって重要な意味を持ちます。
特に、被害者等の告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」に該当する罪を犯した場合には、被害者との示談が成立し、被害者からの許しを得ているのであれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分で事件を終了させることになります。
親告罪ではない場合でも、被害者との示談が成立していることが考慮され、不起訴処分となるケースは多くなっています。
起訴後であっても、被害弁償や示談は量刑上重要な要素となりますので、捜査段階で示談が成立していない場合でも、公判期日までに示談が成立するよう示談交渉に動くことは重要です。

以上のように、容疑を認めている場合には、被害弁償や示談成立に向けて活動することは、最終的な処分への影響という点で重要です。

また、刑事事件の段階で被害者と示談を成立させることにより、別途民事訴訟を起こされる危険性を回避することができます。

少年事件における被害者対応

刑事事件における被害者対応、つまり被害弁償や示談は、最終的な結果に大きく影響するという意味で重要であると言えますが、少年事件においても同様のことが言えるのでしょうか。

少年審判では、非行事実と要保護性の2点について審理されます。
非行事実は、成人の刑事事件でいう公訴事実です。
要保護性は、一般的に次の3要素から構成されるものと理解されます。
①再非行性
少年の現在の性格、環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効適切であること。
少年審判では、非行事実と要保護性が審理されるので、例え非行内容が重いものであっても、要保護性が解消されていると判断されれば、保護観察処分などの社会内処遇が言い渡される可能性があります。
逆に言えば、比較的軽い罪に当たる非行内容であったとしても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致などの重い処分となる可能性もあるということです。

このように、少年事件では、要保護性が最終的な処分に大きく影響します。
そして、この要保護性という観点からも、少年事件においても被害者対応が重要であると言えるのです。
少年事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響することはありません。
つまり、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立していることをもって事件を終了させることはありません。
しかし、家庭裁判所は、少年が、被害者への被害弁償や示談を通して、被害者の気持ちを考え、自分の行った行為を振り返り、その反省を深めることができたかどうかを見ており、その意味で、被害者対応が要保護性の減少につながり、処分にあたっても考慮される事情となります。
つまり、少年事件では、被害弁償や示談成立の有無それだけが考慮されるのではなく、例え示談が最終的には成立していなくとも、その過程で少年が被害者の気持ちを理解しようとし、事件と向き合い内省を深めたか否かも最終的な処分を決める際に考慮されることになるのです。

このように、成人の刑事事件における被害者対応と少年事件における被害者対応とでは、幾分か異なるところがあるため、少年事件でお困りであれば少年事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、被害者への対応にお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

特殊詐欺で少年院送致を回避

2020-12-06

特殊詐欺少年院送致を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
大学生のAさんは、特殊詐欺の受け子として、兵庫県小野市の民家で住人からキャッシュカードが入った封筒を受け取りに行きました。
封筒を受け取り家を出た瞬間に、Aさんは外で待機していた兵庫県小野警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも1件同様の特殊詐欺の受け子をしていましたが、暗証番号が間違っていたためATMで現金を引き下ろすことができませんでした。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、Aさんは少年院に入ることになるのではないかと心配でなりません。
(フィクションです)

少年が特殊詐欺に加担するケースは少なくありません。
「簡単に金が稼げる。」、「いいバイトがある。」などといった誘い文句に乗り、アルバイト感覚で犯行に加担してしまうのです。
特殊詐欺に誘い込む組織の人間は、現金やキャッシュカードなどを受け取りに行く役(いわゆる「受け子」)は逮捕されやすいため、外部の人間に担わせることが多いのです。
そこで、インターネットの掲示板やSNSを通じて受け子を募集し、応募してきた者に犯行を指示し実行させます。

特殊詐欺による被害額も大きく、社会的にも大きな問題となっています。
そのため、特殊詐欺事件を起こした場合には、厳しい処罰が科される傾向にあります。
これは、被疑者が少年であっても同様の傾向が見られ、初犯であってもいきなり少年院送致という厳しい処分が言い渡される可能性があります。

特殊詐欺事件で少年院送致を回避するために

特殊詐欺については重い処分が科される可能性があります。
成人の刑事事件では、事件内容にもよりますが、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。
少年の場合でも、いきなり少年院送致となる可能性はあります。

少年院送致は、再非行のおそれが強く、社会内での更生が困難な場合に、少年を少年院に収容して矯正教育を受けさせる処分です。
少年院は、保護処分の執行を受ける者及び少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者を収容し、これらの者に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。
家庭裁判所は、少年院送致を決定する場合、少年の年齢や心身の発達の程度に応じて、送致すべき少年院の種類を指定します。

少年院送致を回避するためには、裁判官に少年の社会内での更生が期待できると認めてもらう必要があります。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性についても審理されます。
要保護性というのは、一般的に、少年が将来再非行に至る危険性があり、保護処分により再非行が防止できることです。
具体的には、次の3つの要素から構成されます。
①犯罪的危険性:少年が、その性格、環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性:保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性:少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。

この要保護性は、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
そのため、付添人である弁護士は、要保護性の解消に向けた活動を行います。
この要保護性を解消するための活動を「環境調整」と呼びます。

特殊詐欺事件における環境調整

1.被害者対応

特殊詐欺事件では、財産的損害を被った被害者がいます。
そのため、被害者への被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響しますが、少年の場合には、示談が成立したことをもって最終的な処分が軽くなるというわけではありません。
しかしながら、被害者への対応を行う中で、少年が自身が行った行為の重さを理解し、事件と向き合い、少年の内省を促すことに繋がります。
その意味で、被害者対応を行うことが要保護性の解消に影響するため、重要な活動のひとつを言えます。

2.家庭環境・交友関係の改善

少年の更生には、少年の家族の協力が必要不可欠です。
少年が非行を犯した原因が家庭環境にあることも少なくありません。
弁護士は、少年や家族としっかりと話し合い、少年の更生に適した環境を整えるべく尽力します。
また、交友関係が非行の原因である場合には、少年の交友関係の改善を目指します。
少年に対して一方的に交友関係を断つよう求めるのではなく、非行の原因が何であったかを考え理解させ、交友関係を改める必要性について納得させることが重要です。

少年が社会に戻ったとしても、更生できる環境が整っていると判断されれば、少年院送致ではなく保護観察による社会内処遇が言い渡される可能性が高まります。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
お子様が特殊詐欺に加担し逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談だくさい。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

ぐ犯事件で家庭裁判所送致

2020-11-08

ぐ犯事件で家庭裁判所送致となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさん(16歳)は、深夜に兵庫県神戸市中央区の繁華街にいたところを兵庫県生田警察署の警察官に補導されました。
その際、Aさんが家出をしており、ネットで知り合った男性宅に居候していること、そして、生活費や遊ぶお金を稼ぐために売春行為をしていることが発覚しました。
生田警察署は、Aさんの保護者に連絡を取り、Aさんのことで話が聞きたいので署まで来るように言いました。
Aさんの母親が生田署に行き、警察官と話をしたところ、後々家庭裁判所で審判を受けることになるだろうと言われました。
今後、どのような流れになるのか不安になったAさんの母親は、すぐに少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

ぐ犯事件について

少年法は、その第1条において、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ことを目的して定めています。
少年法は、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来二度と犯罪・非行を行わないように少年を改善教育することを目的とするものです。
この目的には、少年が犯罪・非行に陥らないように予防するということも含まれています。
そのため、家庭裁判所が審判の対象とする少年には、
①犯罪少年:罪を犯した少年。
②触法少年:刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたけれど、行為時に14歳未満であるため、刑法上罪を犯したことにならない少年。
に加えて、
ぐ犯少年
も含まれます。

ぐ犯少年とは

ぐ犯少年」とは、一定の事由があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年のことをいいます。
具体的なぐ犯少年の要件は、①ぐ犯事由、および、②ぐ犯性、です。

①ぐ犯事由
少年法は、ぐ犯事由として次の4つを挙げています。(第3条1項3号)
イ.保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ.正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
ハ.犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
ニ.自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

これらの要件の事由のいずれか1つに該当すれば足りますが、実際は複数のぐ犯事由に複合的に該当することが多くなっています。
ぐ犯事由は、いずれも一定期間にわたる行状、性癖でなかればならず、ある特定の時期のみ事由があるというだけでは足りません。

【イ.保護者の正当な監督に服しない性癖のあること】
少年が、保護者の監督を必要とするにもかかわらず、保護者の監督に従わない常習性があること。

【ロ.正当な理由がなく家庭に寄りつかない】
少年の性格・年齢・家庭の状況等を総合して、少年が家庭に戻らないことに正当な理由がない場合のこと。
家庭内で虐待を受けているため、少年が家を出たような場合は該当しません。

【ハ.犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること】
例えば、暴力団、暴走族などの非行を誘発するような反社会的集団に加入したり、不良仲間と交友したり、不健全な風俗営業や遊興施設などに出入りすること。

【ニ.自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること】
社会的・倫理的通年に反する行為を自ら行う、または他人にさせるような常習性があること。
例えば、風俗で働いたり、援助交際をする場合など。

②ぐ犯性
ぐ犯性」というのは、少年の性格や環境に照らして、将来、罪を犯したり、刑罰法令に触れる行為をするおそれがあることです。
このぐ犯性の有無については、将来における事実を予測するものであり、単なる推測だけでは不十分であり、経験則に基づく高度な蓋然性が必要とされます。

ぐ犯事件の流れ

警察などの捜査機関がぐ犯少年を認知した場合、ぐ犯は犯罪ではないため捜査をすることはできませんが、ぐ犯調査を行います。
ぐ犯調査は、少年や保護者、参考人を呼び出して質問をするなどして、事件の事実、原因や動機のほか、少年の性格・行状・経歴・教育程度・家庭や学校などの状況・交友関係などについての調査が行われます。
ぐ犯調査の結果、少年が14歳未満の場合は、児童相談所に通告し、14歳以上18歳未満の場合には、児童相談所に通告する、もしくは、家庭裁判所送致します。

14歳以上の少年が、犯罪少年として捜査の対象となったものの、捜査の結果、犯罪の嫌疑がないと判断された場合でも、ぐ犯が成立すると判断した場合は、捜査機関から家庭裁判所送致されます。

家庭裁判所送致された後の手続は、犯罪少年の場合と同様に、家庭裁判所の調査を行った上で、審判に付されて、最終的な処分が言い渡されます。

ぐ犯事件の場合、問題行為が繰り返し行われているなど、要保護性が高いことが多いため、要保護性の解消に向けた活動、特に環境調整が重要となります。
少年事件において、弁護士には、少年の手続き上の権利を擁護するということに加え、少年の更生に向けた環境調整を行うという重要な役割が期待されます。

ぐ犯事件でお困りの方は、少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件における弁護士の役割

2020-10-04

少年事件における弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県伊丹市の駅構内で、女子高生のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、兵庫県内に住む大学生のAさん(18歳)が迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕後、釈放されたAさんは、今後どのような手続きを踏み、如何なる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
Aさんは、Aさんの父親と共に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年事件の特色

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、罪を犯した場合、あるいは、刑罰法令に触れる行為を行ったり、将来おいてそのおそれがある場合、主に少年法に基づいた手続に付されることになります。

◇少年法の目的◇

少年法は、少年の健全な育成という観点から、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的としています。
つまり、少年法の目的は、少年の健全育成にあります。
それは、少年法が、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来二度と犯罪ないし非行を行わないよう、その少年の改善教育することを目的とするものだということを意味しています。

◇全件送致主義◇

少年事件では、犯罪の嫌疑があるすべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件においては、成人の刑事事件における起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、ぐ犯事件として家庭裁判所に送致されることがあります。

少年事件における弁護士の役割

少年は、成人と比べて、法的知識はもとより社会的知識が不足しており、表現力にも乏しいため、捜査機関などからの説明を誤解したり、自分の気持ちを上手く言葉にすることができない場合があります。
そのため、捜査官の誘導に乗ってしまい自己に不利な供述がとられてしまうことがあります。
そのようなことがないよう、弁護士は、少年の話をじっくりと聞いた上で、少年に対して少年が持つ権利を丁寧に説明し、取調べにおける対応方法についてアドバイスを行います。
少年が大人に対して不信感を持っていることも少なくないため、少年の話に耳を傾け、少年の気持ちを理解するよう努めることが弁護士に求められます。

また、少年事件では、逮捕・勾留・観護措置といった身体拘束の結果、退学や解雇となる可能性があり、少年の更生を大きく妨げてしまうことがあります。
そのため、弁護士は、事案に応じて、勾留や観護措置を回避するための活動を積極的に行います。

少年事件における弁護士の役割の中でも重要なものに、環境調整があります。
少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少させる弁護士の活動を「環境調整活動」といいます。
環境調整活動には、主に、少年自身に対するもの、保護者・学校・友人に対するものがあります。
少年自身に対しては、内省を促し、事件や少年自身が抱える問題と向き合い、事件の原因及び結果や被害者の心情・状況について考える機会を提供し、少年の内省を深めるよう支援します。
事件の背景には、少年の家庭環境や人間関係にあることが多く、保護者や学校、職場、友人等との関係を改善し、少年が更生に向けて進んでいけるよう周囲と協力し環境を調整します。
身柄の少年事件の場合、家庭裁判所に送致されてから3~4週間ほどで審判が開かれるのが通常となっており、捜査段階から審判を見据えて、早期に環境調整活動に着手する必要があります。

このように、少年事件において弁護士が果たす役割は大きく、最終的な処分にも影響を与え得ると言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件における処分

2020-08-30

少年事件における処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県姫路警察署は、特殊詐欺に関与したとして、県外に住むAくん(18歳)を詐欺および窃盗の容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、今後のどのような手続になるのか、最終的な処分はどうなるのか心配でたまりません。
ネットで検索し、すぐに対応してくれる少年事件専門弁護士を見つけました。
(フィクションです)

少年事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所の調査官による調査が行われ、審判が開かれます。
審判では、非行事実の有無・内容、および要保護性の有無・程度が審理の対象となります。
非行事実に争いのない事件では、通常は1回の審判期日で決定の言渡しまで行われます。

家庭裁判所による決定には、最終的な処分を決定する終局決定と、終局決定前の中間的な措置としてなされる中間決定とがあります。

(1)中間決定

中間決定には、「試験観察」というものがあります。
試験観察とは、保護処分を決定するために必要があると認めるときに、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付するとする家庭裁判所の決定のことです。
この試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間留保し、その期間の少年の行動等を調査官の観察に付するために行われるものです。

試験観察には、以下の2種類があります。

①在宅試験観察
少年は、在宅のまま、定期的に調査官と面談し、指導・観察を受けます。

②補導委託
調査官による観察に加えて、適当な施設、団体または個人に補導を委託します。
少年は、補導委託先に居住し、そこでの生活や仕事を経験しながら、定期的に調査官と面談し、指導・観察を受けます。

(2)終局決定

終局決定には、①審判不開始、②不処分、③保護処分、④、検察官送致、⑤都道府県知事または児童相談所長送致の5種類があります。

①審判不開始
調査官による調査の結果、そもそも非行事実がないことが明らかで審判に付すことができない場合、そして、少年の要保護性が解消している、事案が軽微であるなどといった場合で審判に付するのが相当ではないと認める場合には、審判不開始の判断がなされます。

②不処分
審判の結果、非行事実がないなど保護処分に付することができない場合や、非行事実は認められるが、少年の要保護性が解消されている、事案が軽微であるなどといった場合に保護処分に付するまでの必要がないと認められる場合には、不処分が決定されます。

③保護処分
保護処分には、3種類あります。

(a)保護観察
少年を施設に収容することなく、社会内での生活を送らせながら、保護観察所の市道監督および補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的として行われる保護処分を「保護観察」といいます。
保護観察の最大の特徴は、他の保護処分と異なり、少年を施設に収容せずに社会内で処遇することにあります。
保護観察の期間は、原則として少年が20歳に達するまでです。
しかし、決定のときから20歳に達するまでの期間が2年に満たないときは、2年とされます。
ただ、少年の改善更生に資すると認められるときには、期間を定めて保護観察を一時的に解除することや、保護観察を継続する必要がなくなったと認められるときには、保護観察は解除されます。

(b)少年院送致
少年を少年院に収容する保護処分を「少年院送致」といいます。
少年院は、保護処分の執行を受ける者および少年院において懲役または禁錮の刑の執行を受ける者を収容し、これらの者に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。

(c)児童自立支援施設・児童養護施設送致
児童自立支援施設は、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童等を入所させ、または保護者の下から通所させて指導を行う施設です。
児童養護施設は、保護者のない児童、虐待を受けている児童等を入所させ養護する施設です。
これらの施設は、本来児童福祉法上の要保護児童を収容するための福祉施設であり、矯正施設である少年院とは本質的に異なります。
これらの施設へ送致されるのは、年少少年である場合や、少年自身の非行性は強くないけれど、家庭環境などに問題がある場合などです。

④検察官送致
家庭裁判所は、(i)調査あるいは審判の結果、本人が20歳以上であることが判明したとき、および、(ii)死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質および情状に照らして刑事処分が相当と認めるときは、事件を検察官に送致する決定をしなければなりません。
事件が検察官に送致されると、成人の場合と同様に刑事事件として処理されます。

⑤都道府県知事・児童相談所長送致
家庭裁判所は、調査の結果、児童福祉法の規定による措置を相当と認めるときは、決定をもって、事件を権限を有する都道府県知事または児童相談所長に送致しなければなりません。
当該決定の対象となるのは、18歳未満の児童です。
その中でも、児童福祉法の規定による措置は、「要保護児童」、つまり、保護者のない児童や保護者に監護させるのが不適当であると認められる児童が対象となっています。

家庭裁判所は、送致された事件の少年に対して、上のいずれかの決定を言い渡します。

特殊詐欺事件については、初犯であっても厳しい処分を科す傾向にあり、少年院送致となる可能性もあります。
しかし、要保護性の解消により、試験観察を経て保護観察となる余地もありますので、早い段階から弁護士に相談し、要保護性解消に向けた活動を行うのが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が特殊詐欺事件に関与したとして逮捕されてお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。

少年鑑別所収容の回避

2020-07-19

少年鑑別所収容の回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住む中学生3年生のAさんは、友人Bさんと共謀し、知人のVさんに暴行を加え、所持金3000円を奪ったとして、兵庫県垂水警察署に逮捕されました。
逮捕後、10日間の勾留となったAさんですが、もうすぐ定期試験が控えています。
高校受験を控えたAさんは、家庭裁判所送致後に観護措置がとられ少年鑑別所に収容されれば、定期試験が受けられなくなり、成績に影響するのではないかと心配しています。
(フィクションです。)

少年鑑別所とはどんなところ?

少年鑑別所は、以下のことを行う施設です。
(1)鑑別対象者の鑑別
(2)観護措置等によって収容される者らに対する必要な観護処遇
(3)非行及び犯罪の防止に関する援助

(1)鑑別

少年鑑別所が行う「鑑別」というのは、「医学、心理学、社会学その他の専門的知識及び技術に基づき、鑑別対象者について、その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」のことです。
少年鑑別所は、様々な観点から、少年がなぜ犯罪・非行に手を染めてしまったのか、その原因について明らかにし、どうすれば再び犯罪・非行に走ることなく更生することができるのかについて見解を示します。

鑑別のために調査すべき事項は、「その者の性格、経歴、心身の状況及び発達の程度、非行の状況、家庭環境並びに交友関係、在所中の生活及び行動の状況」等に関するものです。

少年鑑別所の観護対象者となるのは、以下の者です。
①家庭裁判所、地方更生保護委員会、保護観察所の長、児童自立支援施設の長、児童養護施設の長、少年院の長又は刑事施設の長から鑑別を求められた次の者。
・保護処分または少年法18条2項の措置に係る事件の調査または審判を受ける者。
・保護処分の執行を受ける者。
・懲役または禁錮の刑の執行を受ける20歳未満の者。
②家庭裁判所から次の決定を受けた者
・少年院送致の保護処分。
・少年院仮退院者であって少年院に戻して収容する旨の決定。

(2)観護処遇

少年鑑別所は、観護措置が執られて少年鑑別所に収容される者その他法令の規定により少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容し、これらの者に対し必要な観護処遇を行います。

観護措置は、家庭裁判所が少年の調査、審判を行うために、当該少年の心情の安定を図りながら、少年の心身を保護してその安全を図る措置です。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者はほとんどとられておらず、観護措置という場合は後者を指すものとされています。

観護措置の要件について、少年法では「審判を行うため必要があるとき」との規定があるのみですが、一般的には、以下の要件を満たす必要があるとされます。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること。
③審判を行う蓋然性があること。
④観護措置の必要性が認めあれること。

④の観護措置の必要性については、具体的には、以下のいずれかの事由があるときに認められます。
(a)調査、審判および決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
(b)緊急的に少年の保護が必要であること。
(c)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることはできず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされていますが、実務上はほとんどの事件で更新がなされているので、通常は4週間となります。

また、家庭裁判所送致前である少年の被疑事件において、検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し観護措置の請求をすることができます。
これを「勾留に代わる観護措置」といいます。
この措置がとられた場合、請求の日から10日間、少年鑑別所に収容されます。
その後、家庭裁判所に送致され、通常はそのまま観護措置がとられ、更に1か月ほど少年鑑別所に収容されることとなります。

少年鑑別所の収容を避けるためには

観護措置がとられると、1か月ほど少年鑑別所に収容されることになります。
その間、少年は学校や職場に行くことはできませんので、少年の社会復帰を妨げてしまうことにもなりかねません。
そこで、観護措置の必要性がない場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置を避けるための活動を行う必要があります。

家庭裁判所は、事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、捜査段階から逮捕・勾留されている少年の場合、家庭裁判所に少年が到着してから24時間以内に観護措置をとらなければならないため、送致された日に観護措置がとられることがあります。

そこで、弁護士は、家庭裁判所に送致されるタイミングを見計らい、開廷裁判所に付添人届を提出し、少年について観護措置の要件・必要性がないことや、観護措置を避けるべき事情があることを述べた意見書を提出します。
裁判官や調査官との面談を行い、観護措置の要件・必要性がないこと、観護措置を避けるべき理由を提出した意見書を補充する形でしっかりと主張します。
そうすることで、家庭裁判所に送られてくる書類からでは分からない少年の事情を裁判官や調査官に伝えることができ、観護措置をとるべきか否かを判断する際に考慮してもらえる可能性があります。

捜査段階で身体拘束を受けていない少年が、家庭裁判所に送致された後に観護措置がとられることもあります。
そのため、家庭裁判所に送致される時に、観護措置をとらないよう家庭裁判所に働きかけることも必要でしょう。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が家庭裁判所に送致され、少年鑑別所に収容されるのではとお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

ぐ犯少年にも対応する弁護士

2020-07-05

ぐ犯少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県揖保郡太子町に住むAさん(16歳)は、地元の高校に進学しましたが、学校に馴染むことが出来ず、2か月で退学してしまいました。
その後、家族とも言い争うことが多くなり、Aさんは実家を出て、知り合いの家で生活するようになりました。
生活費を稼ぐために風俗店でアルバイトしたり、援助交際をしていました。
ある夜、繁華街でうろついていたAさんを兵庫県生田警察署が補導し、ぐ犯少年として神戸家庭裁判所に送致されました。
(フィクションです。)

ぐ犯少年とは

家庭裁判所の審判の対象となる少年は、3種類に分けられます。

(1)犯罪少年
14歳以上20歳未満で罪を犯した少年。

(2)触法少年
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年。

(3)ぐ犯少年
ぐ犯事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。
ぐ犯事由には、次の4つがあります。

①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
少年が、保護者の正当な監督を必要とする行状があるにもかかわらず、法律上及び社会通念上保護者の正当な監督に服しない行動傾向があることです。

②正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと。
少年の性格、年齢、家庭の状況等を総合して、少年が家庭に戻らないことに正当な理由がない場合をいいます。
家庭内で少年が身体的・精神的虐待を受けている場合や、少年が職を求めて家庭を飛び出した場合などは、正当な理由なく家庭に寄り付かないことには当たりません。

③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
犯罪を犯すきっかけとなるような好ましくない交際をし、または教育上子供を立ち入らせるべきではない場所に出入りすることです。
例えば、暴力団や暴走族などの反社会的集団に所属したり、不良仲間と交際したりすることや、不健全な風俗営業や遊行施設などに出入りすることなどです。

④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
性的に悪い習慣があったり、人格を損なうみだらな行為などといった社会的・倫理的観念に反する降雨意を自ら行い、または他人にさせるような行動傾向があることをいいます。
具体例としては、風俗店で働く、援助交際をするなどです。

これらのぐ犯事由のいずれかに該当すれば足りますが、いずれも一定期間にわたる行状、性癖であることが求められます。
ぐ犯は、犯罪には至っておらず、成人であれば処罰の対象となりません。
しかし、少年法は、今だ犯罪行為まで至っていない不良な行為をしている少年を早期に発見し、適切な保護を加えることにより、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防ごうとしていることから、ぐ犯少年を審判の対象としています。

家庭裁判所に送致された後は、犯罪少年の場合と同様の手続がとられます。
観護措置の必要があれば観護措置がとられますし、調査官による調査が行われ、審判が開かれ決定が言い渡されます。
犯罪ではなく、犯罪行為の前段階と評価されることから、軽い処分で済むと思われることが多いのですが、事案によっては要保護性が高いことも多く、観護措置がとられる可能性もあります。
また、終局処分についても犯罪少年の場合と同様ですので、要保護性が高い場合には少年院送致のような重い処分が決定することもあります。
そのため、ぐ犯事件の付添人活動においても、犯罪少年と同様に、要保護性を解消するために十分な活動を行う必要があります。

ぐ犯少年についても少年事件に強い弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて対応にお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

少年鑑別所収容を回避

2020-05-06

少年鑑別所収容を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住む高校生のAくん(15歳)は、盗撮の容疑で兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕された日の夜に、Aくんは釈放されましたが、余罪もあるようで、警察からその後も取調べで出頭してほしいと言われています。
釈放となり一安心したAくんとAくんの両親でしたが、ネットで調べたところ少年鑑別所に収容される可能性があることを知り、Aくんも収容されるのか心配になり、すぐに少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年鑑別所とは

少年鑑別所」は、文字通り、「少年」を「鑑別」するところです。
具体的にいうと、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な監護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。

少年鑑別所での鑑別は、「医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識・技術に基づき、鑑別対象者について、その非行・犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」とされています。
つまり、非行行為や罪を犯した少年が審判を受けるにあたって、様々な専門的見地から、少年が非行行為や罪を犯すに至った原因を明らかにし、再び過ちを繰り返さないよう少年の更生に適した処分を決めるための指針を示す目的で、少年の鑑別が行われるのです。

鑑別のために調査すべき事項は、少年の性格、経歴、心身の状態、発達の程度、非行の状況、家庭環境や交友関係、所在中の生活や行動の状況などです。

少年鑑別所に収容される場合とは

少年鑑別所に収容される場合は、主に、①捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合、そして、②家庭裁判所送致後に観護措置がとられた場合、です。

①勾留に代わる観護措置

警察に逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放する、あるいは、勾留請求を行います。
この際、被疑者が少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
「勾留に代わる観護措置」がとられた場合、勾留先は警察署の留置場ではなく、通常、少年鑑別所となります。
勾留の場合、勾留期間は原則10日で、勾留延長が認められれば、最大で20日となるのに対し、勾留に代わる観護措置については、その期間の延長は認められないため、勾留期間は10日です。

勾留に代わる観護措置で少年鑑別所に収容されている間、あくまで「勾留」の代わりで少年鑑別所に収容されているため、当該少年は鑑別されるのではなく、引き続き捜査機関からの取調べを受けることになります。

②観護措置

捜査機関の捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」とは、家庭裁判所が、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図るながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者がとられることはほとんどありません。

観護措置の期間は、法律上は、2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされています。
しかし、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は、通常4週間となります。

先述のように、家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられることがほとんどです。
また、捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、観護措置が必要と判断されて観護措置がとられることもあります。

少年鑑別所収容を回避する活動

上で述べたように、少年鑑別所に収容される場合には、勾留に代わる観護措置がとられる場合と家庭裁判所送致後に観護措置がとられる場合とがあることを説明しました。
収容措置がとられると、長期間通常の生活をすることができませんので、その後の少年の生活に支障をきたしていまい、少年の更生の障害となってしまう可能性もあります。

そのような事態を回避するためには、それぞれの措置がとられる前に、当該措置をとる必要がないことを主張し、関係機関に働きかけることが重要です。
捜査段階では、勾留に代わる観護措置はもとより、勾留されることがないよう、勾留する理由および必要性がない旨を、客観的な証拠に基づいて、検察官および裁判官に主張することが求められます。
また、家庭裁判所に事件が送致された段階で、観護措置の必要性がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置の要件・必要性がないことや観護措置を避けるべき事情があることについて、意見書の提出や裁判官との面談を通じて説得的に主張する必要があります。

このように、適時に対応する必要がありますので、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件における示談

2020-04-28

少年事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区に住むAくんは、市内の商業施設で盗撮行為を行ったとして、兵庫県東灘警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
その日の夜に釈放されたAくんですが、Aくんの両親は被害者の方にきちんと謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
しかし、どのようにすればよいのか分からず、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

示談とは

示談」というのは、加害者が被害者に対して、相応の賠償を行う代わりに、被害者は被害届の提出を行わないなど、今回の事件については当事者間では解決したとする約束のことです。
多くの場合、被害者に対する賠償は金銭的なものとなります。

示談が成立している場合には、起訴・不起訴の判断をする検察官は、不起訴とする可能性が高いと言えます。
告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」においては、被害者との示談が成立し、被害者から告訴されていなければ、検察官は起訴することはできませんので、この場合不起訴となります。
非親告罪においては、検察官は、被害者との示談が成立している場合であっても、起訴することはできます。
しかし、起訴・不起訴を判断する際に、被害者との示談成立の有無は考慮される要素のひとつですので、他の考慮要素と併せて検討した上で、不起訴とするケースは少なくありません。

また、起訴された場合であっても、被害者との示談成立は、被告人に有利な事情として裁判で主張することができ、量刑にも反映するものとなります。

このように、刑事事件において、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、最終的な処分にも大きく影響することになりますので、非常に重要だと言えるでしょう。

少年事件における示談の効果

さて、成人の刑事事件における示談の効果について先述しましたが、少年事件の場合も同様の効果をもつのでしょうか。

少年事件においては、示談が成立したことが直ちに少年の処分に影響するということではありません。
しかしながら、被害者に誠実に対応し、被害者に謝罪・被害弁償を行うという経験が、少年自身の内省を深めるという場合があります。
この点、少年の更生に有利であることはもちろん、審判での審理対象でもある少年の要保護性の解消にもつながり、ひいては処分を決める際にも考慮される要素となります。
その意味で、少年事件においても、示談は重要であると言えるでしょう。
また、被害者感情が重要視される昨今では、家庭裁判所も被害弁償の有無や経緯には大きな関心を持っています。
そのため、早い段階から積極的に被害者との示談や被害弁償を試みる必要があるでしょう。

示談交渉は、一般的に、弁護士を介して行われます。
捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、事件で被害にあった被害者が加害者と直接連絡をとりたくないケースも少なくありません。
ですので、弁護士を通して示談交渉を行うほうが、交渉が円滑に進む場合が多いのです。

被害者との話し合いの状況や示談成立の見込みなどについては、随時、弁護士から裁判官に報告し、示談が成立した場合には速やかに示談書を提出し、示談成立の報告を行います。
そして、少年の反省の度合いや意識の変化、保護者の関与の度合い、示談に向けた努力の程度などについても報告し、少年の要保護性の解消につながる事情をしっかりと伝えます。
示談が成立しなかった場合であっても、被害者に対応するなかで、少年が内省を深めたことなどを伝えることが重要です。
このように、少年事件においては、単に示談が成立したか否かが重要なのではなく、被害者に対応する中で、如何に少年が事件や自身の問題を向き合い、被害者の気持ちを考え、自身の行為について反省することができたかが重要となります。

お子様が事件を起こしお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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準強制性交等罪で逮捕されたら

2020-04-24

準強制性交等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県灘警察署準強制性交等の疑いで逮捕されました。
Aさんは、出会い系サイトで知り合った女性Vさんと食事をした後、ホテルでVさんと性交したのですが、Vさんは当時とても酔っており、性交に同意してはいなかったと言っているそうです。
Aさんとしては、Vさんが酔っていたのは分かっていたが、性交をする際にも、明確に抵抗されなかったので、同意があったものと思っており、今回の逮捕に非常に驚いています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる刑事事件専門弁護士に連絡しました。
(フィクションです)

準強制性交等罪とは

準強制性交等罪は、平成29年の改正刑法により「準強姦罪」から改正された罪です。
準強制性交等罪は、暴行・脅迫の手段を用いずに、被害者の抵抗困難な状態を利用して、性交等を行う場合を処罰することとしています。

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

刑法178条1項は、準強制わいせつ罪について規定しており、同上2項が準強制性交等罪について規定しています。

準強制性交等罪は、
(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、
(2)性交等をする
罪です。

(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて

①心神喪失

「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害により正常な判断能力を欠く場合をいいます。
例えば、睡眠、酩酊、高度の精神病または精神遅滞により被害者が行為の意味を理解できない場合が「心神喪失」に当たります。
ここでいう「心神喪失」は、責任能力における心身喪失とは異なり、重度の精神薄弱者は、責任能力としての心身喪失状態にあったとしても、性交等の意味を理解している場合には、準強制性交等罪における「心神喪失」には当たらないことになります。

②抗拒不能

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態にあることをいいます。
「抗拒不能」に当たる場合としては、行為自体は認識していたが、医療行為だと誤信していた場合や畏怖状態に陥っている場合などが挙げられます。

心神喪失・抗拒不能の程度については、完全に不可能であることまでは求められず、犯行が著しく困難であればよいとされています。

心身喪失・抗拒不能に「乗じ」とは、既に被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることを利用することを指します。
例えば、泥酔している被害者に対して、性交等を行う場合です。

また、心神喪失・抗拒不能に「させ」とは、犯人が暴行・脅迫以外の手段で抗拒不能の状態を作り出す場合や、暴行・脅迫時には性交等の故意がなかった場合をいいます。
典型例としては、被害者に睡眠薬を飲ませて、眠り込んだ被害者と性交等を行う場合があります。

加えて、準強制性交等罪の成立には、被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることの認識が必要となります。
被害者が情婦であると誤信したため抗拒不能状態にあることの認識がなかった場合は、準強制性交等罪は成立しません。
また、被害者の同意があるものと誤信していた場合も、故意がないことから、準強制性交等罪は成立しないこととなります。

準強制性交等罪で逮捕されたら

準強制性交等罪で逮捕された場合、逮捕後勾留される可能性は高いと言えます。
事件の重大性や、被害者との接触可能性、逃亡のおそれなど、様々な要素が考慮され、例え、被疑者が身体拘束されることにより被り得る損害を考慮したとしても、なお、勾留することの必要性が認められる場合が多いからです。
しかし、勾留請求を行う検察官や勾留の判断を行う裁判官は、その判断を行う時点では被害者に有利な事情を知らないということもあります。
そのため、逮捕されたら、できるだけ早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、迅速に被害者に有利な事情を収集し、勾留が決定する前に、被疑者を勾留する必要がないことを客観的な証拠に基づき、検察官や裁判官に説得的に主張することを通じて、早期に釈放となるよう働きかけます。

また、容疑を認める場合には、すぐに被害者との示談交渉に着手するよう努めます。
被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際や、裁判官が言い渡す刑罰を決める際にも考慮されますので、非常に重要です。
示談に応じてもらえるかどうかは、被害者の意思に寄るところですが、交渉窓口となる弁護士の交渉手腕にも問われると言えるでしょう。

ご家族が準強制性交等罪で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

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