Archive for the ‘少年事件’ Category

公衆トイレ放火で逮捕①

2019-05-21

公衆トイレ放火で逮捕①

~ケース~
兵庫県佐用郡佐用町にある公園で、公衆トイレから煙が出ていると、通行人から通報がありました。
兵庫県佐用警察署は、付近の防犯カメラの様子などから、市内に住む中学生のAくん(13歳)とBくん(14歳)による犯行であることを特定しました。
同署は、Bくんを非現住建造物等放火の疑いで逮捕しました。
(フィクションです)

放火の罪

放火の罪は、火力を不正に使用して、建造物等を焼損し、公共の生命・身体・財産に対して危険を生じさせ得る「公共危険罪」と呼ばれる犯罪です。

放火の罪には、主に次のものがあります。
・現住建造物等放火
・非現住建造物等放火
・建造物等以外放火

上記ケースでは、「非現住建造物等放火罪」に問われています。

第百九条 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

本罪の構成要件(犯罪類型)は、以下の通りです。
1項…①放火して
   ②他人の所有に属する
   ③現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱抗を
   ④焼損したこと。
2項…①放火して
   ②自己の所有に属する
   ③現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱抗を
   ④焼損し
   ⑤公共の危険を生じさせたこと。

まず、本罪の客体についてみていきましょう。
本罪の客体は、「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱抗」です。
「現に人が住居に使用せず」というのは、犯人以外の者が住居に使用していないことをいいます。
「現に人がいない」とは、現に共犯者を含む犯人以外の者が存在しないことを意味します。
そして、「建造物」は、「家屋その他これに類似する工作物であって、土地に定着し、人の起居出入に適する構造を有するもの」(大判大13・5・31)をいいます。
毀損しないで取り外せるものは「建造物」には当たらず(大判大8・5・3)、布団、畳、障子、襖、カーテン等を焼いただけでは放火既遂罪は成立しません。
「艦船」は、軍艦その他の船舶を、「鉱抗」とは、鉱物採取するための地下設備をいいます。

次に、行為である「放火」の意義についてみてみましょう。
放火」とは、故意に不正に火力を使用し、物件を焼損することをいいます。
この点、不作為による放火については、判例は、自己の過失により物件を燃焼させた者が、その既発の火力により建物が焼損せらるべきことを容認する意思をもって、あえて必要かつ容易な消化措置をとらないことは、不作為による放火行為といえるとして、不作為による放火を認めています(最判昭33・9・9)。

続いては、本罪の結果である「焼損」について解説します。
客体を焼損した時点で既遂となります。
この「焼損」の意義については、学説上争いがあります。
1.独立燃焼説(判例)
火が媒介物を離れ目的物に移り、独立して燃焼作用を継続し得る状態に達した時点を「損傷」とする立場です。
放火罪の公共危険犯的性質を重視し、その段階で公共の危険の発生を認め得ることを根拠とします。
2.燃え上がり説
目的物の重要な部分が燃焼を開始した時点を「焼損」とする立場です。
3.毀棄説
火力によって目的物が損壊の程度に達した時点を「焼損」とする立場です。
4.効用喪失説
火力により目的物の重要部分が消失し、その本来の効用を失う程度に毀損された時点を「焼損」とする立場です。
このように、どの程度燃焼した段階で既遂と認めるかについて争いがあります。

放火」行為と「焼損」との間には因果関係がなければなりません。

2項については、客体の燃焼に加えて、「公共の危険」の発生を必要とします。
「公共の危険」の発生とは、放火行為により一般不特定の多数人を、所定の目的物を延焼しその生命・身体・財産に対し危害を感ぜしめるにつき相当の理由がある状態をいいます(大判明44・4・24)。
必ずしも建造物等に対する延焼の危険のみに限られず、不特定または多数の人の生命・身体・財産に対する危険も含まれます(最決平15・4・14)。

更に、故意がなければ本罪は成立しません。
1項については、「他人の所有に属し、人の住居に使用されておらず、かつ人が現在していない建造物等であること、火を放って客体を焼損することの認識」が必要となります。
また、2項については、「自己の所有に属し、人の住居に使用されておらず、かつ人が現在していない建造物等であること、火を放って客体を焼損することの認識が必要です。
公共の危険の発生の認識が必要か否かについては争いがあります。

1項の場合は、2年以上の有期懲役であり、未遂・予備も処罰されます。
2項の場合は、6月以上7年以下の懲役となっており、本罪の法定刑に罰金刑は設けられていません。

ご家族が、放火の罪で逮捕されてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年の交通事件

2019-05-17

少年の交通事件

~ケース~
高校3年生(17歳)のAくんは、運転免許証の交付を受けずに知人の車を運転していました。
ところが、一旦停止を怠り、兵庫県篠山警察署の警察官に車を停止させられ、運転免許証の提示を求められたことで、無免許運転が発覚しました。
Aくんは、そのまま警察署に連行され、調べを受けた後に、両親が身元引受人となり釈放されました。
警察から、いずれ家庭裁判所に送致することになると言われ、どのような処分が下されるのか不安になった両親は、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。

少年の交通事件

少年事件

20歳未満の者(「少年」という。)が刑罰法令に触れる行為を行った場合、少年法に基づく手続が適用されます。
少年法は、少年をできるかぎり教育して構成させようという教育的機能と、刑事司法制度の一部としての司法的機能の2つの機能を併せ持ったものだと言われます。
成人であれば、検察官が捜査結果等に基づいて被疑者の起訴・不起訴を決定し、検察官は被疑者を不起訴として事件を終了することがあります。
しかし、少年が事件を起こした場合、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます。
これを全件送致主義といいます。
家庭裁判所が扱う少年保護事件の対象は、「非行のある少年」であり、犯罪少年、触法少年、そしてぐ犯少年です。

犯罪少年:罪を犯した少年
触法少年:刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたが、行為時14歳未満であるため、刑法上罪を犯したことにはならない少年
ぐ犯少年:保護者の正当な監督に服しない、正当な理由がないのに家庭に寄り付かない、いかがわしい場所に出入りするなど、一定の事由があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年

上記ケースでは、17歳のAくんは、無免許運転をしており、道路交通法違反に当たると考えますので、「犯罪少年」として家庭裁判所に送致されるということになります。

少年の交通事件

警察・検察による捜査が終了し、家庭裁判所に事件が送致され、家庭裁判所は少年事件を受理します。
家庭裁判所が受理する少年事件は、交通事件とそれ以外の一般事件とに分けられます。
交通事件には、道路交通法違反(無免許運転、速度違反、安全運転義務違反など)、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件、車両運転に起因する致死事件(過失運転致死傷、危険運転致死傷など)などがあります。

交通事件では、集団審判が行われることが多くなっています。
少年保護事件は、原則個別処理されるのですが、交通事件では自動車運転に関する非行が問題とされ、一般事件とは異なる交通要保護性に着目した教育的措置や処遇が必要となります。
また、同種の事件が大量に繰り返し係属するので、処理の合理化・迅速化を図る必要があることから、交通事件に関しては一般事件と異なる取り扱いがなされます。
交通事件の処遇も、一般事件と同様に、不処分決定、保護処分、検察官送致などです。
交通事件における保護観察には、交通事件を対象としたものがあります。
交通保護観察と交通短期保護観察です。

交通短期保護観察:原則、保護観察官が直接集団処遇を行い、少年に毎月その生活状況を報告させるもので、実施期間は原則として3か月以上4か月以内とされます。

交通保護観察:交通法規や運転技術等に関するテキスト等を用いた個別処遇を行うことが多いようです。

少年交通事件は、一般事件とは異なる手続・処遇となることがあります。
お子様が交通事件を起こしお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年鑑別所ってどんなところ?

2019-05-12

少年鑑別所ってどんなところ?

~ケース~
兵庫県伊丹市に住む高校生のAくん(16歳)は、同市にある住宅の敷地内に侵入し、外に干してあった女性ものの下着を盗もうとしたところ、住人に見つかってしまいました。
住人は急いで、兵庫県伊丹警察署に通報し、警察官が付近を巡回していたところ、犯人らしき人物を見つけ、警察官がAくんに職務質問をしたところ容疑を認めたので、Aくんを逮捕しました。
Aくんは、警察から「少年鑑別所に入ることになる」と言われましたが、一体どのような場所なのか不安になり、接見にやってきた弁護士に相談しました。
(フィクションです)

少年鑑別所とは

少年鑑別所は、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識に基づき、少年の資質の鑑別を行う法務省管轄の施設です。
少年の資質の鑑別は、少年の素質・経歴・環境・人格や、それらの相互関係を明らかにし、少年の矯正に関して最も適した方針を立てることを目的として行われます。
鑑別のための調査は、主に次のことについて行われます。
・近親者及び保護者
・成育歴、教育歴、職業歴
・身体状況、精神状況
・不良行為歴、本事件の行為
・入所後の動静
・その他参考事項
このような資質鑑別と、鑑別所内での行動観察の結果を踏まえて、鑑別所としての鑑別結果の判定が行われます。
鑑別結果の判定は、主に以下の事項について行われます。
・保護処分決定の資料となるべき事項
・保護処遇の方針に関する事項
・少年院の処遇、指導、訓練に関する勧告事項
・その他将来の保護方針に関する勧告事項
判定結果は、鑑別結果通知書にまとめられ、家庭裁判所に提出されます。
この通知書は、社会記録に綴られますので、付添人である弁護士も閲覧することができます。

少年鑑別所では、少年の性別、性格、経歴、入所度数、年令、共犯関係、審判の進行状況等を考慮し、少年を別の部屋に収容します。
少年鑑別所では、警察署の留置場とは異なり、テレビを見ることができます。
少年鑑別所での面会は、近親者、保護者、付添人、その他必要と認める者に限って許可されます。
付添人との面会以外は、職員が面会に立会います。

少年鑑別所に収容される場合

少年鑑別所に収容されるのは、以下の措置がとられた場合です。

観護措置

家庭裁判所が、調査・審判を行うため、少年の心情の安定を図りつつ、少年の身体を保護してその安全を図る措置を「観護措置」といいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護がありますが、前者がとられることはあまりなく、観護措置は後者を指すのが通例です。
観護措置は、事件が家庭裁判所に係属している間、いつでもとることができます。
逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられることがほとんどです。
捜査段階では在宅捜査であったとしても、家庭裁判所送致後に、観護措置がとられることもあります。

勾留に代わる観護措置

検察官は、刑事訴訟法上の交流の要件を満たすと判断した場合であっても、裁判官に対し、勾留に代わる観護措置を請求することができ、裁判官は、勾留に代わる観護措置をとることができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的には勾留に関する規定が準用されますが、次の点で勾留とは異なります。
少年鑑別所収容の観護措置の他に、調査官による観護の方法をとることもできる。
・勾留に代わる観護措置の期間は、10日であり、延長できない。
・勾留に代わる観護措置として少年鑑別所収容がとられた事件が家庭裁判所に送致されると、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされる。
勾留に代わる観護措置で少年鑑別所に収容された場合、先述した鑑別は行われません。
留置先が警察署の留置場から少年鑑別所に変わることになるので、少年鑑別所で取調べを受けることになります。

以上、少年鑑別所の役割や少年鑑別所に収容される場合について概観しました。
少年鑑別所に収容されると、収容期間中、学校や職場に行くことができませんので、少年の更生に不利益をもたらし得ることも考えられます。
一方、観護措置は、少年の心情の安定に配慮しつつ、少年の身体の安全を確保する措置でもあるので、様々な検査や鑑別を通じて、少年の更生に資するという側面も有しています。
少年や事件内容によって、観護措置がもたらし得る影響は異なると言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、少年鑑別所に収容されるかもしれないと心配されているのであれば、一度少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

児童ポルノ禁止法違反事件で逮捕

2019-05-03

児童ポルノ禁止法違反事件で逮捕

~ケース~
兵庫県に住む高校生のAくん(16歳)は、兵庫県加東警察署児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されました。
Aくんは、SNSで知り合った女子中学生に胸を露出した画像を撮影させ、自分のスマートフォンに送らせた疑いが持たれています。
逮捕されたAくんは、取調べ対応に困っています。
Aくんの両親は、急いで少年事件に強い弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)

児童の裸を自撮りさせ、画像を送らせたら児童ポルノ禁止法違反!

裸の「自撮り画像」を送らされるという児童ポルノ禁止法違反事件が後を絶ちません。
画像を送ってしまった子供のほとんどは、交流サイトを通じて知り合った面識がない相手に、悩みを相談したら、「ばらす」と脅されて自撮りの画像を送ったり、裸の写真を交換しようなどとそそのかされて送ってしまった事例が多いようです。

児童ポルノ禁止法は、児童ポルノの所持・保管・提供・製造・輸出入・公然と陳列といった行為を禁止しています。
「児童ポルノ」の定義については、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の者であって、
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの。
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は茂樹するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
としています。

平成27年5月に、児童ボルノ禁止法が一部改正され、児童ボルノの単純所持・保管でも処罰の対象となりましたが、自己の性的好奇心を満たす目的を有する場合が対象とされています。
自己の性的好奇心を満たす目的での児童ボルノの所持・保管の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

また、児童ポルノを他人に提供した、又は提供目的で製造・所持・運搬・輸出入・保管した、若しくは提供目的なく児童ポルノを製造した、盗撮して児童ポルノを製造した場合の法定刑は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。

更に、児童ポルノを不特定多数に提供・公然と陳列された場合には、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
児童ポルノを不特定多数に提供する目的での製造・所持・運搬・輸出入・保管の法定刑も同様です。

このように、未成年者自身が自身の裸の自撮り画像を相手に送った場合、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。
児童ポルノ禁止法第7条4項は、
前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
とあり、他人に提供する目的を伴わないものであっても、児童に本法第2条3項各号に掲げる姿態をとらせた上、これを写真等によって描写し、よって当該児童に係る児童ポルノを製造することを処罰の対象としています。
「姿態をとらせ」とは、行為者の言動等により、当該児童が当該姿態をとるに至ったことをいい、強制によることは必要ではありません。
描写される児童が当該製造について同意していたことも必要ではありません。
しかし、自撮り写真を送った未成年者も、児童ポルノ禁止法では描写された児童は「被害者」として扱われることや被疑者扱いすると捜査の端緒が得られないなどの理由で、警察が児童自身を検挙することは稀であると言われています。

児童ポルノ禁止法違反逮捕されると、その後勾留され、長期の身体拘束となる可能性があるでしょう。
お子様が逮捕されたら、すぐに少年事件に強い弁護士にご相談ください。
逮捕から勾留までは、ご家族であっても逮捕された少年と会うことはできません。
しかし、弁護士であれば、いつでも少年と接見することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の少年事件専門の弁護士は、接見の依頼を受け直ちに少年のもとに赴き、接見を行います。
初回接見サービス」についてのお問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

傷害事件で少年審判

2019-05-01

傷害事件で少年審判

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む少年Aくん(17歳)は、知人Bさんと交際女性を巡って口論となり、カッとなりBさんの顔面を殴る等、全治2週間の怪我を負わせてしまいました。
Bさんは、兵庫県加古川警察署に被害届を出してことで、事件が発覚しました。
幸い、Aくんは逮捕されることはありませんでしたが、取調べに応じた警察官から、警察や検察での取調べが終われば、神戸家庭裁判所姫路支部に送致され少年審判を受けることになると言われました。
どのように対処すればよいか分からず、Aくんと両親は少年事件に精通する弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです)

少年審判について

少年審判」というのは、一般的には、家庭裁判所が少年の非行事実および要保護性について審理・判断を行う手続のことをいいます。
刑事事件の公判期日にあたる概念と考えられるでしょう。
少年審判は、以下の点で刑事裁判と大きく異なります。
①職権主義的質問構造
少年審判では、刑事裁判のような当事者主義的訴訟構造をとっておらず、職権主義的質問構造がとられています。
つまり、家庭裁判所が自ら審判手続を主導し、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡すのが少年審判であり、検察官と被告人・弁護人が対立して攻撃防御を尽くし、当事者が訴訟を主体的に追行していく刑事裁判の構造とは大きく異なるのです。
②証拠に関する規則
余談排除原則や伝聞法則の適用が少年審判にはありません。裁判官が審判期日の前からあらゆる証拠に触れる点で、刑事裁判とは異なります。
また、少年審判は原則として非公開です。

少年審判の審理対象は「非行事実」および「要保護性」です。

非行事実

非行事実とは、刑事裁判における公訴事実に該当するものです。

要保護性

要保護性は、その用語が多義的に用いられることがありますが、概ね次の3つの要素により更正されるものと考えられています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らし、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことにより、少年が再非行におよぶ危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

少年審判に向けた付添人の活動

家庭裁判所が事件を受理すると、書記官や裁判官が、審判条件や非行事実の存否について事件記録に基づいて法的調査を行います。
法的調査の結果、非行事実が存在することについて裁判官が蓋然的心証を得た場合、調査官に要保護性を判断するための社会調査を命じます。
社会調査が終了すると、調査官は、少年鑑別所の鑑別結果通知書などとともに裁判官に調査結果を提出し、裁判官は、証拠書類などの法律記録と併せて検討します。
その結果、家庭裁判所が、審判に付することができない、または審判に付するのが相当でないと認めるときには、審判不開始決定をします。
一方、少年が非行事実を行った蓋然性があり、調査官による教育的措置を経た上でもなお少年に要保護性が認められる場合には、審判開始決定が行われます。
先述しましたが、少年審判の審理対象は、非行事実と要保護性の2要素となります。
非行事実に争いのない場合には、要保護性の解消が、少年審判に向けた付添人の重要な活動になります。
少年が事件と向き合い、事件を起こしてしまった原因に気づき、今後同じ過ちを繰り返さないためにはどのようにすればよいのかをしっかり考えることができるよう、付添人は少年を支援します。
また、被害者への謝罪や被害弁償を含めた示談交渉も行います。
そのうえで、少年の更生に適した環境を整えるべく、少年の家族や学校・職場と連携して活動します。
このような活動を、調査官や裁判官に適時報告し、少年の要保護性が解消されたと判断してもらうべく働きかけます。

以上の活動は、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

少年事件と環境調整

2019-04-25

少年事件と環境調整

~ケース~
兵庫県洲本市に住む高校生のAさん(16歳)は、親の勧めで私立の進学校を受験し入学しましたが、あまり学校に馴染めずにいました。
そのようなことから、地元の友人らとつるむことが多くなりました。
地元の友人らは、集まると大麻を吸うことがあり、最初はAさんは断っていましたが、結局Aさんも一緒に吸うようになりました。
ある日、地元の友人の一人が大麻取締法違反違反(所持)で逮捕されました。
その後、兵庫県洲本警察署の警察官がAさん宅を訪れ、「大麻のことで話を聞かせてほしい」と警察署までAさんを連れて行きました。
Aさんは大麻取締法違反違反で逮捕され、Aさんの両親は慌てて少年事件に強い弁護士に連絡を入れました。
(フィクションです)

少年事件における環境調整の重要性

環境調整とは、少年を取り巻く人的および物的条件、周辺環境を、少年の立ち直りと今後の成長に資するよう調整し、「要保護性」を解消することを目的とする活動をいいます。
ここで「要保護性」という聞きなれない言葉が出てきましたが、これは少年審判の審理の対象となる非常に重要なものです。
事件が捜査機関から家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査・少年審判を経て、少年の更生に資する処分を決定します。
この少年審判で審理されるのは、非行事実と要保護性の2つです。
犯罪行為の軽重がストレートに量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、少年事件では、非行事実自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断された場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
他方、非行事実が重い犯罪に該当するものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断された場合には、社会内処遇が選択されることもあるのです。
ですので、少年事件においては、環境調整は非常に重要な活動であり、環境調整少年事件の付添人に期待されるもっとも大きな役割の1つだとも言えます。

(1)少年本人への働きかけ

少年の心が、事件と向き合い、自身の更生に向けて前に進む準備が整っていなければ、家庭や学校、職場、交友関係等の外部環境の調整を行うことはできません。
まずは、少年自身が、事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにし、なぜ事件を起こしてしまったのか、再び事件を起こさないためにはどのように対処すればよいのか、自身が抱える問題点や解決策を自分なりに考えられるよう支援していきます。

(2)家庭

少年にとって、家庭は一番身近な環境であり、少年に最も影響を与えるものです。
家庭の問題が非行の原因となっていることも少なくありません。
一件問題がなさそうなごく普通の家庭に見えても、非行の背景を探るにつれて、実は家庭の問題に行きつくことは多いのです。
付添人は、少年の保護者にもなぜ少年が非行を起こしてしまったのか、その原因を考えてもらい、今後の対応を一緒に話し合っていきます。
当事者である家族だからこそ、家庭内の問題に気づきにくいこともあり、付添人が間に入って、改めて家庭環境を見直す機会を持つことで、その問題に気づき、家族関係が修復されることもあります。
その中で、家庭にしっかりと少年の居場所を作り、家族間のコミュニケーションを活発にするよう少年や家族と一緒になって家庭の環境調整に取り組みます。

(3)学校

少年が学校に通っている場合には、今後も少年が学校に通うことができるのか、学校が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考える上で重要です。
しかし、学校によっては、事件を起こして逮捕されたということにより退学とする場合もありますので、学校の状況や学校の先生との関係等を考慮し、適切なアプローチをすることになります。

(4)交際関係

非行の背景に不良交友関係がある場合には、そうした関係をいかに解消するかが重要です。
大人からみれば不良交友関係であっても、少年からすれば、自身の居場所であると感じていることもあるので、単に交際関係を断つよう少年に求めることは逆効果になることもあります。
そのような場合には、付添人は、少年と一緒に非行の原因がなんであったのかを考え、少年が交際関係に問題があったことに気づくことで、問題解決に至るよう手助けをします。

以上のような環境調整を行い、その成果を担当調査官や裁判官に報告し、少年の要保護性が解消されたことを主張し、最終的に社会内処遇となるよう努めます。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応にお困りの場合は、弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、0120-631-881までお電話ください。

少年事件と示談交渉

2019-04-20

少年事件と示談交渉

~ケース~
兵庫県神戸市長田区に住むA君(17歳)は、高校からの帰り道、通学に利用する駅構内で、自分と同じように制服を着た女子高生に背後から近寄り、スカート内を持っていたスマートフォンで盗撮しました。
女子高生は、盗撮に直ぐ気付き、周囲の人に助けを求めたため、Aさんは直ぐに取り押さえられ、そのまま兵庫県長田警察署に連れて行かれました。
幸いAさんは逮捕されませんでしたが、引き続き警察署での取り調べを受けることとなりました。

少年事件と示談交渉

Aさんは17歳ですから、法律上は少年として扱われ、警察での捜査が終了した後は、刑事訴訟法に基づく裁判などではなく、少年法に基づいて家庭裁判所で審判を受けることになります。
少年法が適用される場合、成人とは異なる点がいくつかありますが、その1つが起訴猶予という制度についてです。

成人の場合、仮に犯罪が成立する場合であっても、検察官は事情により起訴をしないことができます。
このような場合に不起訴にされた場合を、一般に起訴猶予と呼んでいます。
本件のような盗撮事件の場合、事情にもよりますが、初犯ということであれば、被害者と示談をすることにより、起訴猶予になる可能性も十分にあります。
これに対し、少年には起訴猶予という制度はありません。
少年が犯人ではなかったとか、そもそも犯罪が成立しないというような場合でない限り、検察官は必ず事件を家庭裁判所に送らなければならないと決められています。
そのため、Aさんの場合には、被害者と示談をしたとしても、事件が家庭裁判所に送られるということになります。

それでは、Aさんの事件では示談は不要なのでしょうか。
すでに述べた通り、仮にAさんの事件で示談をしたとしても、事件は家庭裁判所に送致されますし、家庭裁判所で審判を受ける可能性は非常に高いです。
しかし、被害者が事件に対してどのような感情を抱いているかは、審判の中で処遇を決定する際の一つの考慮要素とされています。
また、家庭裁判所では、少年の保護者が事件に対してどのように向き合い、対応したかという部分を見られているのですが、少年の保護者が示談に消極的であった場合には、保護者が十分に事件に向き合っていないと判断され、保護者の監督能力が否定されてしまう可能性があります。
そのため、少年事件であっても示談交渉は必要になります。

示談交渉の仕方

Aさんは、たまたま駅にいた女子高生を盗撮しましたので、相手の氏名や連絡先を知りません。
また、示談というのは法律上「契約」に分類されますから、2019年現在では20歳以上しか行うことができません。
そのため、女子高生である被害者とは直接示談交渉をすることはできず、その保護者と示談交渉をしなければなりません。
そうすると、被害者の保護者の連絡先は一層分からないことになります。

このような場合、警察や検察庁、家庭裁判所といった機関が、加害者やその家族に、被害者やその保護者の連絡先を教えるということは通常ありません。
被害者としても、加害者と直接交渉することは恐怖を感じることでもありますし、被害届を出していることを知られると逆恨みされるのではないかと感じるようで、直接連絡を取り合うことには相当抵抗があるようです。
そのため、被害者のいる事件で、被害者と示談交渉をする場合には、まず相手方の連絡先を知るためにも、第三者である弁護士を付ける必要性が高いです。
弁護士は、法律上守秘義務を負っていますので、仮に警察等から被害者の連絡先を聞いたとしても、それを依頼者等に伝えてはいけないと決められています。
このような義務があるからこそ、被害者側も、弁護士限りという形で連絡先の開示に応じてくれることがあり、最終的に示談を成立させることも可能になります。

お子様が盗撮事件を起こしてしまいお困りの方、被害者との示談交渉にお悩みの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
初回の法律相談無料です。
お問い合わせ、法律相談のご予約は、フリーダイアル0120-631-881まで。

強制わいせつ保護事件で試験観察

2019-04-18

強制わいせつ保護事件で試験観察

~ケース~
ある夜、勉強のストレスを発散させようと近所をジョギングしようと思い立った中学3年生のAくん。
Aくんは、兵庫県豊岡市の路上をジョギングしていると、前方に帰宅途中の若い女性が目に入りました。
Aくんは、女性の背後から抱きつき、女性の胸を鷲掴みにしたところ、女性が大声で叫んで抵抗したので、我に返りその場から急いで走り去りました。
事件から数か月経ったある日のこと、兵庫県豊岡南警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんを強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、慌てて少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼しました。
Aくんは、家庭裁判所豊岡支部に送致された後、第一回の審判で、試験観察処分が言い渡されました。
(フィクションです)

試験観察とは

少年事件は、原則、すべての事件が、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。

終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
④不処分
⑤審判不開始

一方、中間処分として「試験観察」という処分があります。
家庭裁判所は保護処分を決定するために必要があると認めるときに、相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。
試験観察制度の趣旨については、次の2点がいわれています。
(1)十分な調査を尽くす趣旨
保護処分は、身体拘束等、少年の権利を制約するものであるので、少年審判においては、少年の要保護性に関する資料を十分に調査し、少年の行動等の観察も尽くして、慎重かつ適切な判断がされなければなりません。
そのため、少年にとって適切な処分を慎重に見極めるために、十分な調査を尽くさせるという趣旨があります。
(2)プロベーション機能を期待する趣旨
プロベーションとは、犯罪者に対し、矯正施設への収容を猶予し、社会内で指導監督や援助を加え、その経過が悪い場合には矯正施設に収容するという心理強制によって改善と社会復帰を図る制度のことをいいます。
試験観察では、終局処分をいったん保留することで、試験期間中の少年に心理的な影響を与え、更生を促す効果を期待するという側面が期待されます。

試験観察の要件について、少年法25条1項は、「保護処分を決定するために必要があると認めるとき」とのみ規定しています。
しかし、一般的には、以下の要件を満たす必要があるといわれています。
・保護処分に付する蓋然性があること。
・ただちに保護処分に付することができない、或いは付すのが相当でない事情があること。
・調査官の観察活動が必要であり、かつ、その結果、適切な終局決定ができる見込みがあること。
・相当期間内に観察目的を達成する見込みのあること。

試験観察の期間は、通常3か月から半年ほどです。

強制わいせつ保護事件の様な少年院送致の可能性がある場合、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。

お子様が強制わいせつ事件を起こし、少年院送致のような重い処分になるのではないかと心配されているのであれば、まずは少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お子様の更生にとって適した処分となるよう少年事件に精通する弁護士が尽力します。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。

少年逮捕で弁護士が接見

2019-04-12

少年逮捕で弁護士が接見

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住む高校生のAさんは、大麻を所持していたとして兵庫県垂水警察署に大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、Aさんとの面会を警察に求めましたが、逮捕段階では面会できないと言われました。
事件の詳細も分からず、Aさんのことも心配でならない両親は、藁にも縋る想いでネットで少年事件に強い弁護士を探し、接見を依頼しました。
(フィクションです)

少年が逮捕されたら

少年逮捕された後の流れは、基本的に成人の刑事事件と同じです。
逮捕されてから48時間以内に、警察は少年を釈放するか検察に送致するかを判断します。
検察に送致する場合、検察官は少年から話を聞いた上で、検察官は少年の身柄を受けてから24時間以内に少年を釈放するか勾留請求をするかを決定します。
検察官が勾留請求すると、今度は裁判官が少年と面談し、少年を釈放するか勾留するかを決めます。
勾留決定がなされると、検察官が勾留請求した日から10日間、勾留延長がなされると最大で20日間身柄が拘束されることになります。

少年の場合、長期の身体拘束は、少年の心身に過度に負担を強いるものであり、退学や解雇となると少年の更生に大きな不利益を及ぼすおそれがあります。
そのため、少年法も、少年の勾留については、①勾留についての特則や、②勾留に代わる観護措置の制度を設けています。

①勾留に関する特則(勾留の要件、勾留場所、勾留の裁判をする裁判所)
少年を勾留するときには、成人と同様の勾留要件を満たしていることに加え、「やむを得ない場合」でなければ勾留をすることができないと定められています。(少年法43条3項、48条)
勾留場所については、少年鑑別所とすることもできますし、少年を警察留置施設で勾留する場合であっても、少年を成人と同じ留置施設に勾留することには様々な悪影響があるため、成人とは分離されます。
少年を勾留する要件に「やむを得ない場合」が設けられていますが、実務上はこれは非常に緩やかに解釈されており、多くのケースで少年の勾留が認められています。

②勾留に代わる観護措置
少年の場合には、勾留に代わる観護措置の制度が設けられており、検察官は、刑事訴訟法上の勾留要件を満たすと判断した場合であっても、裁判官に対して勾留に代わる観護措置を請求することができます。
勾留に代わる観護措置は、以下の3つの点で勾留とは異なります。
少年鑑別所収容の観護措置の他に、家庭裁判所の調査官による観護の方法もとることができます。
・勾留は延長することができますが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官が請求した日から10日間で、延長することはできません。
・勾留に代わる観護措置がとして少年鑑別所収容がとられた事件が家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされます。

弁護士との接見

少年は、心身共に未発達であるため、逮捕により身体拘束を受けることで、心身両面への大きな負担となることも多いと言えます。
また、取調べに対しても、取調官の誘導にのったり、少年の意に反した供述調書が作成されてしまいやすいでしょう。
ですので、弁護士接見し、少年の意に反した供述調書が作成されないように、取調べ対応について適切なアドバイスをもらうことは重要です。
加えて、弁護士から手続の流れや処分見通しなどを詳しく丁寧な説明を受けることで、精神的にも安心することができるでしょう。
特に、逮捕から勾留までの間は、原則として少年の家族であっても少年と面会することはできませんので、早期の段階で弁護士接見を依頼することをお勧めします。
接見を依頼する弁護士は、刑事事件だけでなく少年事件にも精通した弁護士がよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
少年事件・刑事事件を専門とする弁護士が、留置先に赴き接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。
兵庫県垂水警察署までの初回接見費用:37,800円)

窃盗事件で審判不開始

2019-04-06

窃盗事件で審判不開始

~ケース~
兵庫県宍粟市に住むAさん(15歳)は、市内のコンビニさんで商品を万引きしたとして、店員に呼び止められました。
Aさんは、通報を受けて兵庫県宍粟警察署から駆け付けた警察官に現行犯逮捕されました。
警察で取調べを受けたAさんは、両親が身元引受人となり、釈放されました。
後日、今後どのような処分を受けることになるのか不安になり、少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼することになりました。
(フィクションです)

終局決定の種類

家庭裁判所が少年保護事件について行う決定には、事件自体について判断し、最終的な少年の処分を決定する終局決定と、終局決定前の中間的な措置としてなされる中間決定とがあります。
終局決定としては、次の5種類があります。

審判不開始
②不処分
③保護処分
 (ア)保護観察
 (イ)児童自立支援施設又は児童養護施設送致
 (ウ)少年印送致
④検察官送致
⑤知事又は児童相談所長送致

審判不開始

家庭裁判所は、調査を行った結果、審判に付することができず、又は審判に付することが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければなりません。
この決定を「審判不開始決定」といいます。
審判不開始決定は、調査の結果に基づいてなされる決定であり、その要件は、審判に付することができないとき、及び審判に付するのが相当でないときです。
(1)審判に付するのが相当でないとき
審判に付するべき事由はあるけれども、少年に要保護性の存在する蓋然性が認めらず、裁判官による直接の審理を必要としないため、審判を行う必要性がない場合をいいます。
つまり、上の②~⑤のいすれの処分も必要がない場合に限られます。
(2)審判に付することができないとき
法律上または事実上、審判を行うことができない場合をいいます。
これは、次の3つに分けられます。
・非行なし
 非行事実の存在の蓋然性が認められないときで、これは、少年の行為が非行構成要件に該当せず 、非行として成立しない場合と、証拠上、非行事実の存在の蓋然性すら認められない場合を指し ます。
・所在不明等
 調査・審判を行うことが法律上又は事実上不可能であると認められる場合で、少年の心神喪失、 死亡、所在不明、疾病、海外居住等の場合です。
・その他

審判不開始をめざす活動

審判不開始を目指す場合、付添人である弁護士は、捜査段階から弁護人として活動していたのであれば、それまでの弁護活動の成果を早期に裁判所に伝え、審判不開始を求める意見書を提出するなどの活動を行います。
例えば、事件後すぐに、被害者に謝罪と被害弁償、示談ができていることや、少年が自身の行為を振り返りしっかりと反省できていること、保護者や学校の監督が期待でき、カウンセリング等を受けており更生に向けた環境が整っていることなど、少年に要保護性がないことを主張します。
家庭裁判所の調査や付添人である弁護士の活動の結果、少年への教育的な働きかけにより、要保護性が解消された場合、あえて審判を行う必要はなく、審判不開始となる可能性があります。

このような活動を依頼するのは、少年事件に精通した弁護士がよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
少年の更生のため、少年一人ひとりに適した弁護活動、付添人活動を行えるよう尽力します。

お子様が事件を起こしてしまった、家庭裁判所に送致されたがどのような処分を受けるのか不安だ、とお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

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