Archive for the ‘少年事件’ Category

観護措置がとられたら

2019-07-18

観護措置がとられたら

~ケース~
兵庫県神戸市西区に住むAさん(16歳)は、地元の高校に進学するも、数か月で退学してしまいました。
その後、友人宅で寝泊まりすることが続き、家にもあまり帰らなくなりました。
心配した両親は、Aさんと連絡をとろうと試みますが、一向に応対がありません。
とうとう両親が兵庫県神戸西警察署に相談したところ、県外の警察署で保護されていることが分かりました。
家出中のAさんは、生活費や遊ぶ金欲しさに売春していたということでした。
その後、Aさんは虞犯少年として神戸家庭裁判所に送致されましたが、裁判所からは観護措置をとるとの連絡が入りました。
(フィクションです)

観護措置とは

少年法第17条1項は、以下のように規定しています。

第十七条 家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、決定をもつて、次に掲げる観護の措置をとることができる。
一 家庭裁判所調査官の観護に付すること。
二 少年鑑別所に送致すること。

家庭裁判所が、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りつつ、少年の身体を保護してその安全を図る措置を「観護措置」といいます。
観護措置には、上の規定にあるように、調査官の観護に付する「在宅観護」と、少年鑑別所に送致する「収容観護」とがあります。
実務上は、在宅観護はほとんどとられることはなく、単に「観護措置」という場合、収容観護を指すものとされます。

観護措置の目的及び機能は、大別すると以下の3つであると理解されます。
①少年の逃亡を防止し、調査・審判への出頭を確保するとともに、罪証隠滅を防ぐこと。
②本人自身又は周辺環境に問題がある少年について、保護処分等の終局決定による保護がなされるまでの間、暫定的に身柄を保全することで、その心情の安定・情操の保護を図り、非行性の深化を防止すること。
③少年の身柄を拘束した状態で、行動の観察、心身の鑑別を行うこと。

観護措置がとられる要件は、上記のように「審判を行うため必要があるとき」という抽象的な規定が定められているだけですが、実務上は次のような要件を満たす必要があるとされています。
1.事件の係属
2.審判条件の具備
3.審判に振るべき事由についての嫌疑の存在
4.審判を行う蓋然性
5.観護措置の必要性
上の5については、観護措置の目的・機能に対応し、以下のような要件が必要と理解されています。
(ア)審判・調査・法定執行のための身柄拘束が必要である。
(イ)少年が緊急の保護を要する状態にあること。
(ウ)少年を収容して鑑別をする必要があること。

上記ケースを検討すると、Aさんは虞犯少年として事件が神戸家庭裁判所に係属しています。
仮に観護措置の要件である1~4は既に満たしているとします。
そこで、家庭裁判所は観護措置の必要性について判断することになります。
(ア)Aさんは、警察に保護される前に家に寄りつかず家出をしていましたので、再度家出をする可能性も否定できず、逃亡のおそれという観点から、身柄拘束が必要であると判断されるでしょう。
(イ)家庭環境が劣悪、自傷自殺のおそれがある、反社会的集団の影響により審判までに非行性が進化するおそれがあると考えられる場合ですが、上記ケースではそこまでの緊急性はありません。
(ウ)少年の非行は、少年の資質的な問題のみならず、少年を取り巻く環境が複雑に絡み合って引き起こされたものであり、非行に及んだ少年の健全育成を期するためより適切な措置をとるには、その前提として、少年の心身の状態を可能な限り正確に把握する必要があります。
虞犯少年は、その要件として、保護者による保護が実効性を有していなかったり、環境的な要因が認められたり、少年の性格的問題性が存在していることが前提として、今後少年が犯罪に及ぶ蓋然性があるとされており、虞犯少年は要保護性が高い少年を対象とするものであるから、心身鑑別の必要性は高いと言えます。

ですので、Aさんのように、犯罪を起こしたわけではないが虞犯少年として家庭裁判所に送致された場合、その後観護措置がとられる可能性は高いのです。

観護措置がとられることにより、1か月ほど少年鑑別所に収容され、身体拘束を受けることになりますので、それによって少年が被る不利益もあります。
しかし、少年鑑別所でしっかりと専門家による心身鑑別を受けることにより、少年の更生に資することや、非行の要因になった環境から切り離された場にいることで、しっかりと自分を向き合うことができるといったメリットもあります。

少年の更生に向けて最善の方法を見つけるために、少年事件に精通する弁護士にご相談されてみてはいかがでしょう。
お子様が家庭裁判所に送致され、観護措置をとられた・とられそうだとお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件の捜査段階における弁護活動

2019-07-11

少年事件の捜査段階における弁護活動

~ケース~
兵庫県高砂市にある駅構内の階段で女子高生のスカート内を盗撮したとして、高校2年生のAくんは目撃者によって駅員室に連れて行かれました。
その後、通報を受けて駆け付けた兵庫県高砂警察署の警察官に、警察署に連れて行かれましたが、その日の夜にAくんの両親が迎えにきて釈放となりました。
警察からは「また連絡します。」と言われており、今後どのように対応すればよいか分からず、翌日少年事件に強い弁護士のもとに相談に訪れました。
(フィクションです)

少年が事件を起こしたら

20歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為を行った場合、少年法に基づいた手続に沿って事件が処理されることになります。
しかし、事件が家庭裁判所に送致される以前の捜査段階においては、成人の刑事事件とほぼ同様に刑事訴訟法に沿って進みます。
(ただし、14歳未満の者に対しては刑事責任は問われませんので、これらの者については異なります。)

警察官による職務質問や所持品検査、自動車検問、現行犯逮捕、自首、告訴、告発、被害届などを発端として警察などの捜査機関は捜査を開始します。
盗撮事件の場合には、現行犯逮捕や被害届により事件が警察に発覚することが多くなっています。

逮捕された場合

盗撮行為を行い逮捕されてしまった場合、警察は逮捕から48時間以内に被疑者を検察に送致するか、それとも釈放するかを決めます。
盗撮はスマートフォンで行われることが多く、スマートフォンを既に押収しており、被害者も容疑を認めており身元引受人もしっかりしている場合には、逃亡や罪証隠滅のおそれがないとして48時間以内に釈放となることが多いようです。
他方、容疑を否認している、余罪も多く疑われる、身元引受人がいないなどであれば、検察に送致される可能性も充分にあります。
検察に送致されると、検察官は少年を勾留する必要があると判断した際には、裁判所に対して勾留請求または勾留に代わる観護措置を請求します。
勾留に代わる観護措置は、少年法に規定されており、勾留場所を少年鑑別所とし、勾留期間も10日間と勾留と違って延長はできません。
検察官からの勾留請求または勾留に代わる観護措置の請求を受けた裁判官は、当該少年を勾留または勾留に代わる観護措置をとるか否かを判断します。
勾留が決定すれば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束となり、勾留に代わる観護措置がとられれば10日間の身体拘束を余儀なくされます。

捜査段階での弁護活動

逮捕される前であれば、相談において刑事処分の見通しや対処方法をアドバイスしたり、取調べ対応を指示する、出頭や取調べなどへ同行するなどします。
逮捕されてしまった場合には、少年との小まめに接見し取調べについて綿密に打ち合わせを行い、釈放に向けた活動を行います。
接見禁止が付いている場合には、ご家族との面会が可能となるよう一部解除に向けて動きます。
さらに、被害者がいる事件では、被害者との示談交渉を迅速に行うなど、事件の早期解決や後の審判でも有利に考慮されるよう努めます。
加えて、少年事件では要保護性の解消も審判の審理対象となりますので、少年の資質や事件内容に応じて適切な環境調整をご家族や学校・職場と協力して捜査段階から行います。

お子様が事件を起こし突然逮捕されてしまったら、お子様ご本人もご家族も今後の流れや最終的な処分について不安を抱かれることでしょう。
少年の場合には、成人の刑事事件とは異なる手続がとられることもあり、少年事件に特有の対応を迫られることもあります。
そんなときには、刑事事件にも少年事件にも精通する弁護士にご相談・ご依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
事務所設立以来、数多くの少年事件を取り扱ってまいりました。
その豊富な経験から得たノウハウと活かし、迅速かつ適切な弁護活動をご提供いたします。
お子様が事件を起こした、逮捕された、家庭裁判所に送致されたとご対応にお悩みの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
専門のスタッフが事件概要を伺った上で、無料法律相談もしくは初回接見サービスをご案内させていただきます。

少年と援助交際

2019-07-04

少年と援助交際

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住む中学生のAさん(15歳)の母親のもとに、兵庫県南あわじ警察署から連絡がありました。
「児童買春事件の件で、娘さんに話を聞きたい」と言われ、はじめてAさんの母親はAさんが援助交際をしていたことを知りました。
Aさんの母親は、Aさんが援助交際の件で今後逮捕されたりするのかと心配になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

子供が援助交際をしていたことが分かったら

一般的に、援助交際というのは、金銭等の経済的利益の代償として、性交を含めた性的な関係を提供することをいいます。
女子中学生や女子高生が援助交際を行うことも多く、児童買春として問題となっています。
児童買春をした者が、児童買春・児童ポルノ禁止法に違反し、刑事罰の対象となるのは多く知られたところですが、児童売春をした未成年者にはどのような処分が科され得るのでしょうか。

1.被害者として

児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)によって禁止されています。
ここでいう「児童買春」というのは、児童、児童に対する性交等の周旋をした者、または児童の保護者や児童をその支配下に置いている者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいいます。(児童買春・児童ポルノ禁止法第2条第2項)
児童買春をした者は、児童買春・児童ポルノ禁止法によって処罰の対象となります。(児童買春・児童ポルノ禁止法第4条)
児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童の権利を擁護することを目的とした法律ですので、同法において、児童買春の相手方となった児童は、児童買春によって心身に有害な影響を受けた児童買春の被害者として扱われることになります。
ですので、上記ケースのように、警察から児童買春事件の被害者として事情聴取を求められることがあります。

2.ぐ犯少年として

性交等を行う援助交際は売春行為であり、売春防止法に違反することとなります。(買春禁止法第3条)
しかしながら、単純な売春行為のみであれば、売春禁止法によって処罰されることはありません。
ただ、援助交際を繰り返している少年は、性の逸脱行為があるとして、補導の対象となります。
警察官は、街頭補導活動を中心とする補導活動を行っています。
街頭補導というのは、道路その他の公共の場所、駅その他の多数の客を来集する施設又は風俗営業の営業所その他の少年の非行が行われやすい場所において、非行少年、不良行為少年、被害少年、そして要保護少年を発見し、必要に応じその場で、次の措置をとることをいいます。
①非行少年については、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとる。
②不良行為少年については、当該不良行為についての注意、その後の非行を防止するための助言又は指導その他の補導を行い、必要に応じ保護者に連絡する。
③被害少年については、適切な助言を行う等必要な支援を実施する。
④要保護少年については、児童相談所への通告又は児童相談所長もしくは都道府県知事の委託を受けて行う一時保護の適切な実施のため、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他必要な措置をとる。

また、売春を行っていた少年は、「ぐ犯少年」として家庭裁判所に送致され、審判に付される可能性があります。
「ぐ犯少年」というのは、ぐ犯事由があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれのある20歳未満の少年のことです。
ぐ犯事由というのは、次に掲げる事由です。
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
②正当な理由なく家庭に寄りつかないこと。
③犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。
④自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
これらのぐ犯事由自体は犯罪には該当しないので、他に犯罪行為がない限り、家庭裁判所への送致に先立って逮捕・勾留等はなされません。
しかし、捜査機関においてぐ犯事由があると思料するときには、家庭裁判所に送致され、調査・審判を経て最終的な処分が決定することとなります。

このように、犯罪行為そのものを行っていない場合であっても、ぐ犯少年として家庭裁判所に送致され、調査・審判に付される可能性はあるのです。

お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて、その対応にお困りであれば、少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

受水槽で遊泳は浄水汚染罪!?

2019-06-27

受水槽で遊泳は浄水汚染罪!?

~ケース~
兵庫県小野市にあるマンションの受水槽でパンツ一丁で泳ぐ少年たちの動画がツイッターやインスタグラムから拡散しています。
マンションの管理会社は、兵庫県小野警察署に被害届を提出しました。
動画やマンションの防犯カメラから少年たちの身元が特定され、市内に住む少年Aくん(17歳)は浄水汚染の容疑で兵庫県小野警察署に逮捕されました。
他の少年も逮捕され、それぞれ異なる警察署に留置されています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

浄水汚染罪~飲料水に関する罪~

刑法には、飲料水に関する罪として、次の6つの罪について規定されています。
浄水汚染罪(刑法第142条)
・水道汚染罪(同143条)
・浄水毒物混入罪(同144条)
・浄水汚染等致死傷罪(同145条)
・水道毒物混入罪及び同致死罪(同146条)
・水道損壊及び閉塞罪(同147条)

あまり耳にしない罪名ですが、マンションの受水槽の中で泳ぐ行為については、「浄水汚染罪」が成立する可能性があります。
それでは、「浄水汚染罪」とはいったいどのような罪をいうのでしょうか。

第百四十二条 人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

浄水汚染罪の保護法益は、公衆の健康です。
飲料水は私たちの生活において欠かすことの出来ないものですので、それが汚染され使用できなくなってしまうと、多くの人の生活や健康に害を及ぼすことになってしまうからです。

「飲料に供する」というのは、飲料として提供することを予定していることを意味します。
ですので、工業用水、灌漑用水、家畜用の飲み水などは、人の飲料に供することを予定していないので除かれます。
「浄水」とは、人の飲料に供し得る程度の水のことをいいます。
また、「汚染」については、水の清潔な状態を不潔にすることを意味し、その方法は物理的・科学的・心理的であるとを問いません。
不潔な状態が一時的か、或いは長時間続いているかといった点も問題となりません。
「使用することができないようにし」とは、飲料水として使用不能の程度に至らせることを意味します。
使用については、一時的であってもよく、使用できなくなった理由は、物理的・科学的・心理的であるかを問いません。

それでは、上記ケースのように、マンションの受水槽の中で泳ぐ行為について検討していきましょう。

受水槽」というのは、建築物内で使用する水を貯留する設備のことです。
問題となっているマンションの受水槽は飲料水を貯めていたということですので、「人の飲料に供する浄水」という部分は当てはまりますね。
それでは、受水槽の中で泳ぐ行為によって当該浄水が「汚染」され、その結果「使用することができないようにした」と言えるでしょうか。
前述のように、「使用することができない」というのは、飲料水として使用不能の程度に至らせることです。
過去の判例では、「通常人の感覚を基準として、物理的、生物的または心理的に使用に堪えない」ことをいうとされています(最判昭36・9・8)
一般的には、人が泳いだ後の水を飲む気にはなりませんので、心理的に当該浄水を飲料水として使用することはできないと言えるでしょう。

このように、受水槽の中で泳ぐ行為は犯罪に該当し刑事責任を問われる可能性があるのです。
いたずらや遊びのつもりでと軽い気持ちでやったとしても、それは言い訳にはなりません。
もし、あなたやあなたの家族が浄水汚染事件を含めた刑事事件の加害者となり、今後の流れや処分、捜査機関による取調べ対応、被害者への対応についてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けています。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

子供が事件を起こしたら学校に通報されるの?

2019-06-23

子供が事件を起こしたら学校に通報されるの?

~ケース~
兵庫県神戸市灘区にある商業施設内の店舗で商品を万引きしたとして、私立中学に通うAさん(15歳)は警備員に捕まってしまいました。
その後、Aさんは通報を受けて駆け付けた兵庫県灘警察署の警察官に警察署に連れて行かれ、取調べを受けました。
その日の夜、Aさんの両親が身元引受人となり、Aさんは釈放されました。
警察からは「また連絡します。」と言われており、警察から学校通報されるのではとAさんもAさんの両親も心配でたまりません。
翌日、少年事件に精通する弁護士のところに相談に行くことにしました。
(フィクションです)

子供が事件を起こしたら

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、刑罰法令に触れる行為をした場合、少年法に従った手続を踏むことになります。
14歳以上20歳未満の場合には、捜査段階では、ほぼ成人の刑事事件と同じ流れを踏むことになり、逮捕や勾留の要件を満たす場合には、逮捕・勾留され身体拘束を強いられることになります。
一方、少年が14歳未満の場合、刑事責任が問われませんので、罪を犯したことにはならず逮捕されることもありません。
原則、児童福祉法による処置が行われますが、都道府県知事または児童相所長から送致を受けた場合に限り、家庭裁判所の審判の対象になることがあります。
その場合、家庭裁判所は当該少年に対して保護処分を決定します。

少年が警察などの捜査機関から捜査(若しくは調査)を受けることになると、警察などから少年が通う学校事件のことが通知される可能性があります。
特に、公立の学校には、「警察・学校相互連絡制度」に基づき、警察などから学校側に事件について連絡がいくことになっています。
「警察・学校相互連絡制度」というのは、都道府県の警察本部と教育委員会が協定を結び、児童生徒の健全育成を目的として、警察と学校が連絡をとりあう制度です。
兵庫県においても、県や各市の教育委員会が兵庫県警察本部と協定を結び、本制度を運営しています。

例えば、神戸市では、神戸市教育委員会と兵庫県警察本部とが平成28年に協定を結んでいます。
この協定に基づき、以下の事項について警察から学校に連絡することになります。

・逮捕した犯罪少年に係る事件
・児童相談所に送致し、又は身柄を同行して児童相談所に通告した触法少年に係る事件
・身柄を同行して、家庭裁判所に送致し、又は児童相談所に通告したぐ犯少年に係る事件
・その他非行少年又は不良行為少年に係る事案であって、次に掲げるもの
 ①次のいずれかに該当し、かつ、学校との連携による継続的な対応が必要であると通報責任者が認めるもの
 (ア)学校内外において、粗暴行為等を敢行する非行集団の構成員であること
 (イ)非行や不良行為を繰り返し、保護者の正当な監護に服さないなどぐ犯性が強い者であること
 (ウ)周辺の児童生徒に影響が及ぶおそれがあること
 (エ)関係する児童生徒が複数であること
 ②その他その内容に鑑み、児童生徒に対する指導を促進するため、連絡責任者が、特に学校通報が必要であると認めるもの

この制度によって、少年や保護者が知らないうちに、警察から学校に連絡が入り、事件のことが学校側に発覚してしまう可能性があります。
私立の学校の場合には、このような協定を結んでいないことが多く、すぐには連絡がいかない場合もあります。

既に警察から事件のことが学校に連絡がいっている場合には、弁護士は、少年が退学させられないように学校側に働きかけることになりますが、まだ伝わっていない場合には、弁護士から警察に学校に連絡しないよう、連絡した場合に少年が被り得る不利益等を説明し、説得していくことになります。

また、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所の調査官が少年が所属する学校学校照会を行うことがあり、それによって学校側に事件が発覚してしまうおそれがあります。
そのような事態を避けるためにも、弁護士は、事件が家庭裁判所に送致されるタイミングを見計らい、調査官に学校照会をしないよう申し入れを行い、学校側への事件発覚を阻止できるよう働きかけます。

お子様が事件を起こしてしまい、容疑を認めている場合には、お子様がきちんと反省し更生するよう周囲と協力していく必要はあるでしょう。
しかし、学校事件について知ることによりお子様が被る不利益があまりにも大きく、更生への道に大きな影響を及ぼす可能性がある場合には、そのような事態を回避しなければならないでしょう。
お子様が事件を起こしてお困りであれば、まずは少年事件に精通する弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

子供が大麻所持で逮捕されてしまったら

2019-06-18

子供が大麻所持で逮捕されてしまったら

~ケース~
兵庫県神戸市中央区の繁華街の路上で、乾燥大麻を所持したとして大麻取締法違反違反(大麻所持)で市内に住む高校生のAくんら3人が兵庫県生田警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、予想だにしなかったことに頭が真っ白になりました。
Aくんに会えないか警察署に問い合わせましたが、現段階では会えないと言われ困ってしまいました。
藁にも縋る想いでネットで調べたところ、少年事件に精通する弁護士の存在を知り、すぐに相談の電話をしました。
(フィクションです)

大麻と少年

兵庫県警によると、2018年の大麻事件の摘発者数は269人と、2005年以降で最多となりました。
このうち未成年者は51人と、全国で3番目に多い結果となっています。
大麻は、ネットを通じて比較的容易に入手することができ、外国では合法とされていることから、少年は違法薬物であるという認識が薄く、安易に大麻に手を出してしまう傾向があります。
しかし、大麻使用により薬物への抵抗感が失われ、より依存性の高い覚せい剤に手を出してしまう人も多く、大麻使用は薬物中毒への入り口とも言われています。

大麻所持の罪

大麻取締法は、「大麻取扱者でなければ大麻所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」(3条1項)とし、以下の行為を禁止しています。
大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く)、
大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のために交付すること、
大麻から製造された医薬品の施用を受けること、
④医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。
これをうけて、罰則を次のように定めています。

第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻所持については、「大麻を、みだりに、所持し」た者に対して、5年以下の懲役を科すと規定されています。
所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」といい、大麻について所有権又は処分権を有していることまでも必要としません。
自ら保管・携帯している場合だけでなく、他人に保管させる場合、他人の依頼によって保管する場合、運搬する場合、隠匿する場合など社会通念上実力支配関係にあると認められるすべての場合が含まれます。

子供が逮捕されたら

逮捕から勾留までの48時間は、原則として、少年の家族であっても少年と面会することは出来ません。
警察から事件の詳細について教えてもらえることも少なく、逮捕後勾留前のこの段階は、逮捕された少年もその家族もこの先どうなるのかとても不安に感じていることでしょう。
そのような段階でも、弁護士であれば、いつでも少年と面会(接見)することができます。
弁護士との接見には、警察の立会いもなく、時間制限もありません。
少年から事件の詳細を聞き取った上で、今後の流れや処分見込み、取調べ対応についてのアドバイスを行うことができます。
また、少年から家族へ、家族から少年への伝言も弁護士を通して伝えることが可能です。

お子様が大麻所持逮捕されたとの連絡を受けてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
少年事件・刑事事件を専門とする弁護士が、最短当日に少年と接見する「初回接見サービス」をご案内させていただきます。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件で不処分獲得

2019-06-14

少年事件で不処分獲得

~ケース~
兵庫県西脇市に住む高校生のAくん(16歳)は、SNSを通じて知り合った少女Vさん(15歳)から、Vさんの陰部等を撮影した動画をAくんの携帯に送らせていました。
Vさんの両親がVさんの携帯を見たことで事件が発覚し、Vさんの両親は警察に相談しました。
Aくんは、警察から事件のことで詳しく聞きたいということで、何度か呼ばれました。
Aくんの両親は、今後の処分がどうなるのか心配になり、少年事件に詳しい弁護士に弁護を依頼しました。
その後、神戸家庭裁判所姫路支部に送致されましたが、審判では不処分が言い渡されました。
(フィクションです)

少年に対する処分

20歳未満の者(「少年」という。)が刑罰法令に触れる行為を行った場合、少年法に基づく手続が適用されます。
少年法は、少年をできるかぎり教育して構成させようという教育的機能と、刑事司法制度の一部としての司法的機能の2つの機能を併せ持ったものだと言われます。
成人であれば、検察官が捜査結果等に基づいて被疑者の起訴・不起訴を決定し、検察官は被疑者を不起訴として事件を終了することがあります。
しかし、少年が事件を起こした場合、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます。
これを全件送致主義といいます。
家庭裁判所が扱う少年保護事件の対象は、「非行のある少年」であり、犯罪少年、触法少年、そしてぐ犯少年です。

犯罪少年:罪を犯した少年。
触法少年:刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたが、行為時14歳未満であるため、刑法上罪を犯したことにはならない少年。
ぐ犯少年:保護者の正当な監督に服しない、正当な理由がないのに家庭に寄り付かない、いかがわしい場所に出入りするなど、一定の事由があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年。

上記ケースでは、16歳のAくんは、相手児童に陰部等の動画をとりAくんに送らせており、児童ポルノ製造罪に当たると考えますので、「犯罪少年」として家庭裁判所に送致されるということになります。

家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所の調査・審判を経て、終局処分が言い渡されます。
終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
不処分
⑤審判不開始

不処分

不処分決定とは、審判の結果、①保護処分に付することができないとき、または、②保護処分に付する必要がないと認められるときになされるもので、少年を保護処分や検察官送致などの処分に付さなくとも,少年の更生が十分に期待できる場合に出される決定を言います。
不処分獲得のために、弁護士は、家庭裁判所に対して疑いをかけられている非行事実が実際には存在しないこと、あるいは、非行事実があったとしてもそれが軽微なもので少年の性格や周りの環境に鑑みれば、再び非行に走る危険性は低いこと等を主張し、説得していきます。
非行事実を認める場合、少年が二度と同じ過ちを繰り返さないような環境を作り出すことが非常に重要です。
この「環境調整」は付添人である弁護士の重要な活動のひとつです。
まずは、少年自身が自身の行った行為と向き合い、当該非行を行った原因を見出し、その原因を解消する方法について考え、答えを出す必要があります。
これは少年ひとりでできるものではありません。
付添人は、少年と一緒に考え、その答えを見つけることができるよう指導していきます。
更に、少年を取り巻く周囲の環境を整えることも重要です。
これには家庭や学校・職場の協力が不可欠です。
少年だけでなく、その家族を中心に、学校の先生や職場の上司など、多方面と密に連携し、どのようにすれば少年が更生することができるかを話し合い、解決策を見出していかなければなりません。
このように、付添人は、法律の専門家というだけでなく、少年やその家族などの関係者、家庭裁判所との仲介人のような役割も担います。
ですので、付添人には、少年事件に精通した弁護士を選ばれるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応のお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

痴漢事件で逮捕されたら

2019-06-10

痴漢事件で逮捕されたら

~ケース~
兵庫県西宮市にある学校に通う高校生のAくんは、通学で利用する電車で女子高生の臀部を触ったとして、兵庫県西宮警察署に迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
電車を降りようとした際に、女子高生に「お尻触りましたよね」と言われ、怖くなったAくんは、そのまま足早にホームから改札口に向かって逃げました。
被害者の証言や防犯カメラの映像から身元が特定されたようです。
Aくんの両親は、Aくんの早期身柄解放を希望しており、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

迷惑防止条例違反の痴漢事件

兵庫県の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(通称、迷惑防止条例)は、ダフ屋行為、ショバ屋行為、景品買い行為、粗暴行為、押売行為、不当客引き行為、かたり行為、行楽地等の危険行為などの他に、痴漢行為や盗撮行為、ストーカー規制法では処罰できないつきまとい行為などを取り締まりの対象としています。

弊所に相談に来られる方で、最も多い相談内容のひとつが「痴漢行為」です。
痴漢行為は、その態様により、刑法上の強制わいせつ罪に問われることもあり得ますが、ほとんどの場合は、わいせつとまではいえないケースで、迷惑防止条例違反として処理されます。

兵庫県の迷惑防止条例では、「卑わいな行為等の禁止」と題して、以下のように規定されています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

痴漢行為が問題となるのは、「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」です。
「不安を覚えさせるような」とは、卑わいな言動によって身体に対する危険を感じさせ、あるいは心理的圧迫を与えることをいい、脅迫に至らないものをいいます。
行為者の言動が、客観的に、他人を不安を覚えさせるようなもので足り、現実に他人に不安を覚えさせることは必要となりません。
「卑わいな言動」というのは、一般人の性的道義観念に反し、他人に性的羞恥心、嫌悪を覚えさせ、又は不安を覚えさせるようないやらしくみだらな言語、動作をいいます。
この「卑わいな言動」の中には、刑法第174条の「わいせつな行為」も含まれ、「卑わいな言動」は「わいせつな行為」よりも広いと解されます。
また、迷惑防止条例は、このような「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」は、「公共の場所又は公共の乗物」において行われることを規制対象としています。
「公共の場所」とは、不特定かつ多数が自由に利用し、又は出入りすることができる場所をいいます。
道路、公園、広場、駅、桟橋、ふ頭、デパート、飲食店、興行場なども公共の場所に含まれます。
「公共の乗物」は、電車や乗り合いバス、船舶、航空機その他不特定多数の者が利用するための乗物を指します。

痴漢事件で逮捕されたら

痴漢逮捕されると、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、それとも被疑者の身柄を検察に送るかを判断します。
警察から検察に送致された場合、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放するか、あるいは裁判官に対して勾留請求を行うかを決めます。
被疑者を勾留する必要があるとし、裁判官に対して勾留請求を行うと、勾留請求を受けた裁判官は、被疑者を勾留するか、それとも釈放するかを決定します。
勾留決定がなされると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長されれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。
被疑者が少年の場合には、基本的に成人の刑事事件と同じ流れとなりますが、勾留に代わる観護措置がとられる場合があります。
勾留に代わる観護措置は、留置場所が警察署から少年鑑別所になり、期間も10日と延長はありません。
しかし、勾留に代わる観護措置がとられた場合、その後家庭裁判所に送致されると、当然に観護措置がとられ、逮捕から審判終了までの約1か月半もの間身柄が拘束されることになる点に注意が必要です。

このように、逮捕されるとあっという間に勾留となり長期間の身体拘束を余儀なくされてしまう可能性があります。
刑事事件は、迅速に対応する必要がありますので、身柄解放をお望みであれば、できる限り早い段階から弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

お子様が痴漢逮捕されてしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
いますぐ、フリーダイヤル0120-631-881までお電話を!

保護観察中の再非行~付添人の活動~

2019-06-04

保護観察中の再非行~付添人の活動~

~ケース~
兵庫県明石市に住む少年Aくん(16歳)は、半年前に地元のグループで集団暴走したとして、兵庫県明石警察署に逮捕されました。
グループのうち、運転した者はすべて逮捕されています。
Aくんは、中学生の時に夜中に学校に侵入し、窓ガラスを数枚割ったことがあり、神戸家庭裁判所保護観察処分が言い渡されていました。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、保護観察中の再非行ということで、今度は少年院送致になるのではと心配しており、付添人として活動してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

保護観察中の再非行

保護観察とは

少年事件は、原則すべての事件が捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査・審判を経て最終処分が言い渡されます。
その最終処分は、次の通りです。
・保護処分決定
・検察官送致
・不処分
・都道府県知事又は児童相談所長送致
・審判不開始

更に、保護処分決定には、①保護観察、②少年院送致、③児童自立支援施設等送致の3種類があります。
①の保護観察とは、少年を家庭や職場等に置いたまま、保護観察官による指導監督という社会内処遇によって、少年の更生を目指す処分をいいます。
保護観察に付される期間は、原則として、少年が20歳に達するまでです。

この保護観察中再度非行を行ってしまった場合、少年はどのような処分を受けることになるのでしょうか。

保護観察処分となった保護事件では、社会内処遇での少年の更生が期待されて開廷裁判所は保護観察処分を決定したわけですが、少年が再度非行に及んでしまった事実だけをみると、保護観察処分という枠組みでは少年の更生がうまくいかなかったと判断され、より重い保護処分が検討される可能性は高いと言えるでしょう。
再非行の非行内容にもよりますが、保護観察中に再度非行を起こしてしまうと、今度は少年院送致となる可能性はあります。
調査や審判では、今回の事件についてだけでなく、前回の事件からこれまでの経緯も詳しく聞かれることになるでしょう。
例えば、少年が再非行に及んだ原因、家庭・学校・職場などの監督能力については調査官や裁判官から強く問われることでしょう。
その結果、保護観察処分では少年の更生は期待できないと判断されると、少年院送致が決定されることになります。
しかし、逆に言えば、少年が再非行を起こしたけれども、少年院送致ではなく保護観察処分の枠組み内で少年の更生が期待できると判断してもらえれば、別件保護観中での不処分や、一旦試験観察となり最終的に保護観察処分が言い渡される可能性もあるというわけです。
上記ケースを例に挙げて考えてみると、地元グループから縁を切るために遠方へ引っ越したり、住み込みで働き上司の監督の下生活するなど、前回の事件以上に環境調整に力を入れる必要はあるでしょう。
また、少年自身が今回の出来事をどのように受け止めているかも重要な審理ポイントです。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に依頼されるのがよいでしょう。
少年事件では、少年法に基づいた手続がとられ、成人の刑事事件とは異なる点も多くあります。
少年事件の対応には、少年事件専門の弁護士にお任せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、逮捕されてお困りの方、保護観察中の再非行で少年院送致となるのではとご心配の方、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで!
お子様が逮捕されている場合には、弊所の弁護士が留置先に赴き接見を行う「初回接見サービス」をご案内させていただきます。

試験観察を経て保護観察に

2019-06-01

試験観察を経て保護観察に

~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住むAくん(17歳)は、大学入試を控えており、睡眠時間を削って必死に勉強していました。
しかし、思ったように成績も上がらず、徐々にストレスも積もっていきました。
そんなある夜、ストレス発散にと思い、深夜に自宅付近をジョギングすることにしました。
ジョギングしていると、前方に千鳥足の若い女性を確認しました。
酔っ払ってるんだろうと思ったAくんは、ふとその女性に声をかけました。
その女性はかなり酔っていたようで、Aくんのほうにもたれかかってきたので、Aくんはムラムラし、女性の服の下から手を入れ、胸を鷲掴みにしました。
嫌がる女性に対して、Aくんは自分の陰部を触らせるなど、行動はエスカレートしていきました。
我に返ったAくんは、女性を押し倒し、その場から急いで走り去りました。
数か月たった頃、兵庫県福崎警察署の警察官がAくんの自宅を早朝に訪れ、強制わいせつ致傷の容疑でAくんを逮捕しました。
Aくんの両親は、すぐに少年事件に強い弁護士に弁護を依頼しました。
Aくんは、少年院送致の可能性もありましたが、逮捕・勾留後に神戸家庭裁判所姫路支部に送致され、審判で試験観察が言い渡され、最終的には保護観察処分となりました。
(フィクションです)

強制わいせつ致傷保護事件

電車内での痴漢行為がエスカレートして下着の中にまで手を入れ、相手の胸や陰部を触るケースや、路上で女性に抱きついて押し倒して胸や陰部などを触るケースで強制わいせつや強制わいせつ致傷に問われる事件が多くみられます。
少年事件においては、性的欲求のコントロールがうまくできず、自分よりも幼い子に対して行うことも少なくありません。
強制わいせつ罪や強制わいせつ致傷罪には懲役刑のみが規定されており、その意味で刑法犯の中でも重い罪と言えるでしょう。
そのため、少年事件においても、最終的な処分が少年院送致となる可能性も十分にありますので、できるだけ早い段階から弁護士を付けることをお勧めします。
少年審判では、非行事実だけでなく、要保護性も審理対象となります。
少年の環境調整を行い、再び少年が非行を犯すことがないことをしっかりと主張することが重要です。

試験観察を経て保護観察処分に

少年院送致の可能性がある保護事件の場合には、弁護士は、最初の審判で試験観察獲得を目指します。

少年事件は、家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。

終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
④不処分
⑤審判不開始

一方、中間処分として「試験観察」という処分があります。
家庭裁判所は保護処分を決定するために必要があると認めるときに、相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。

強制わいせつ致傷保護事件の様な少年院送致の可能性がある場合、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。

お子様が強制わいせつ致傷事件を起こし、少年院送致のような重い処分になるのではないかと心配されているのであれば、まずは少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お子様の更生にとって適した処分となるよう少年事件に精通する弁護士が尽力します。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。

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