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不同意わいせつ罪で逮捕の少年 勾留に代わる観護措置を回避
たつの市の不同意わいせつ罪で逮捕された少年の事件を参考に「勾留に代わる観護措置」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
たつの市の不同意わいせつ事件で逮捕された少年
高校生(16歳)の少年A君は、ある日、兵庫県たつの市の路上において女子中学生に背後から抱き着き胸を触る不同意わいせつ事件を起こしました。
事件後逃走して、その後は日常生活を送っていたA君でしたが、事件を起こして1ヵ月ほど経過したある日の朝、自宅を訪ねてきた兵庫県たつの警察署の捜査員によって、不同意わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
そして逮捕の二日後、A君に『勾留に代わる観護措置』が決定し、A君は少年鑑別所に収容されました。
(フィクションです)
勾留に代わる観護措置とは
刑事事件で逮捕された場合、逮捕から48時間以内に身柄が検察に送られます。
被疑者の身柄を受けた検察官は、24時間以内に被疑者を勾留する理由・必要があるかどうかを判断し、勾留の必要があると判断した場合には、裁判所に対して拘留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受けて、裁判官は被疑者を勾留する理由・必要があるか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定すれば、検察官が勾留請求をした日から10日間(延長により最大20日間)身柄が拘束されることになります。
少年事件の場合には、「勾留に代わる観護措置」という制度が設けられています。
検察官は、勾留の要件を満たすと判断した場合でも、裁判官に対し、勾留に代わる観護措置の請求をすることができ、裁判官は当該措置をとることができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的には勾留に関する規定が準用されます。
ただし、以下の点で勾留とは異なります。
・少年鑑別所収容の観護措置の他に、家庭裁判所調査官による観護方法もとることができる。
・勾留に代わる観護措置の期間は、検察官の請求から10日であり、延長はできない。
・勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容されると、事件が家庭裁判所に送致された場合、当然に送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされる。
『勾留に代わる観護措置』を回避のために
弁護士は、検察官が勾留請求をする前に、当該事件が勾留要件を充たさない旨を検察官に主張し、勾留請求をしないよう働きかけることができます。
また検察官が勾留請求をした場合には裁判官に勾留の要件を満たさないことや勾留に伴う少年の具体的な不利益を裁判官に主張して、早期釈放を求めることもできます。
こういった早期釈放を求める活動を行うことで、『勾留に代わる観護措置』を回避できる可能性が高まりますので、まずは少年事件に強い弁護士にご相談ください。
少年事件に強い弁護士
兵庫県たつの市で、まだ未成年のお子様が逮捕されてしまった、『勾留に代わる観護措置』が決定されるかもしれないとご不安であれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談下さい。
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安心できない少年の在宅事件 観護措置によって身体拘束
警察に逮捕されずに在宅捜査を受けていたとしても安心できません。
と言いますのは、少年事件は家庭裁判所に送致後に、裁判官が観護措置を決定すると少年鑑別所に収容されて身体拘束を受けることがあります。
そこで本日のコラムでは、この観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
高校1年生のAさんは、学校の中で同級生の女子高生のスカート内を盗撮する事件を起こし、兵庫県伊丹警察署の在宅捜査を受けていました。
警察署で最後の取調べを受けたのはもう1ヶ月以上前で、Aさんも、Aさんの両親も手続きが終了したものと安心していたのですが、つい先日、神戸家庭裁判所尼崎支部から連絡があり、家庭裁判所に呼び出されたのです。
そして、そこで観護措置が決定した旨を告げられて、そのまま神戸少年鑑別所に収容されてしまいました。
(フィクションです。)
少年が身体拘束を受けるケース
何か刑事事件を起こした少年が、その手続きの中で身体拘束を受けるケースとしては大きく分けて2つのケースがあります。
まず一つが、逮捕や勾留によって身体拘束を受けるパターンです。
そしてもう一つが、警察等の犯罪捜査が終了し、家庭裁判所に送致後に、観護措置によって身体拘束を受けるパターンです。
前者の身体拘束は、警察等の捜査機関が犯罪捜査を行う中で身体拘束が必要だと認められた場合にとられる措置で、収容されるのは、警察署の留置場であることがほとんどですが、少年の年齢が低い場合などは、勾留決定後に少年鑑別所に収容される事もあります。
逮捕や、勾留によって身体拘束を受けている間は、警察等の捜査機関による取調べを受けることになり、その目的は、事件の真相を究明ことです。
そして後者の、観護措置による身体拘束は、警察等の犯罪捜査によって事件を起こしたことが明らかになった少年、もしくは事件を起こした疑いのある少年を更生させるために、どのような処分を下すのが妥当か判断するのに必要な調査をすることです。
これを心身鑑別と呼ばれており、少年事件の手続きにおいて心身鑑別は基本的に少年鑑別所に収容されて、身体拘束を受けた状態で行われます。(ごくまれに、身体拘束を受けずに心身鑑別が行われることもあります。)
警察等の捜査段階で、逮捕、勾留による身体拘束を受け、身体拘束を受けたまま家庭裁判所に送致された少年は、観護措置が決定しやすい傾向にあります。
他方、Aさんのように、警察による在宅捜査を受けている少年であっても、家庭裁判所に送致後に観護措置による身体拘束を受けることがあります。
観護措置を回避するには
弁護士が、観護措置を決定するかどうか判断する家庭裁判所の裁判官にはたらきかけることで、観護措置を回避できることがあります。
どういった場合に観護措置を回避出来るかはケースバイケースとしか言いようがありませんが、少年事件の弁護活動や付添人活動の経験豊富な少年事件の手続きをよく理解した弁護士であれば、観護措置を回避できる可能性は高くなるでしょう。
その点、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は少年事件を専門にしており、これまで数多くの少年の更生に立ち会ってきた実績がございます。
お子様の観護措置回避を希望されている親御様は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の 無料法律相談 や 初回接見サービス をご利用ください。
路上で女性に痴漢 不同意わいせつ罪で逮捕
路上で女性の体に触った痴漢事件で、不同意わいせつ罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
高校生のA君は、高校からの帰宅途中の路上で、歩いていた女性のお尻を触って逃げるといういわゆる痴漢行為を、数か月前から何度か繰り返していました。
そうしたところ、ある日の朝、自宅を訪ねてきた警察官に「不同意わいせつ罪」で逮捕されてしまったのです。
※実際の事件報道を参考にしたフィクションです。
路上痴漢事件
参考事件は、典型的な路上痴漢事件ですが、痴漢罪という法律はなく、痴漢行為は、迷惑防止条例違反や刑法で規定されている不同意わいせつ罪となります。
不同意わいせつ罪は、昨年に施行されたばかりの新しい法律で、それまでは「強制わいせつ罪」とされていましたが、成立要件、規制内容が大きく変わり、不同意わいせつ罪となって新たに施行されました。
A君のような少年の場合は、警察に逮捕されたとしても、警察や検察による犯罪捜査が終われば家庭裁判所に送致されて、少年法に則って手続きが進むので、刑事罰が科せられることはありません。(逆走された場合は刑事罰が科せられることもある。)
少年事件の終わり
成人の場合だと、刑事手続きは、何らかの刑事罰が確定するか、検察官が不起訴を決定したところで刑事手続きが終了しますが、少年事件の場合はどうでしょうか?
少年事件の手続きの終わりは、家庭裁判所の少年審判で処分が言い渡されることによって終了します。※少年審判が開かれない(審判不開始)の場合もある。
少年事件の処分
少年審判で決定する処分は以下のとおりです。
不処分
家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができないと認めた場合、または保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければならないとされており、この決定を、不処分決定といいます。
保護観察
保護観察とは、少年を施設に収容することなく、社会の中で生活させながら、保護観察所の指導監督及び補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的として行う保護処分のことをいいます。
児童自立支援施設等送致
児童自立支援施設送致が選択される少年は、少年院送致が選択される少年と比べると、非行性が進んでおらず、少年自身の素養よりも保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待していたりするなど家庭環境等に問題がある場合です。
少年院送致
少年院では、特別の場合以外は外出を許さず、非開放的な施設で生活させ、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対しては懲戒を行うなどして、少年に対して矯正教育を授ける施設です。
少年院送致は、少年の自由を拘束する点で保護処分のうち、最も厳しい決定といえます。
検察官送致(逆送)
家庭裁判所は
①少年が20歳以上であることが判明したとき
②犯行時の年齢が16歳以上で故意の犯罪行為によって被害者を死亡させる事件を起こしたとき
③特定少年(犯行時の年齢が18歳、19歳)が、死刑、無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件を起こしたとき
④調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるとき
は、事件を検察官に送致を決定しなければならないとされています。
少年事件に強い弁護士
少年事件の手続きは、成人の刑事手続きとは異なり、特殊ですので、少年の弁護活動や付添人活動については、少年法に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、これまで数多くの少年事件の手続きに携わってきた実績がございますので、少年事件にお困りの際はぜひ、ご相談ください。
少年事件の弁護人/付添人 弁護士の活動を紹介
少年事件の弁護人/付添人、弁護士の活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
民法では18歳以上が成人ですが、刑事事件においては、基本的に20歳未満が少年手続きの対象となり、少年法の適用を受けます。
少年にとって逮捕手続きにおいて、手錠をはめられたり、身柄を拘束されて留置場に収容されたりすることは、精神的にもかなりショックなことだと思います。
また、そのご家族にとっても同じことが言えるのではにでしょうか?
そんなとき、弁護人、付添人は少年にどんなことができるのでしょうか?
本日のコラムでは、弁護士が逮捕された少年のためにできる活動を紹介していきたいと思います。
弁護人の弁護活動
今回は、家庭裁判所送致前、つまり、弁護人の弁護活動についてご紹介いたします。
ただし、ここでご紹介する弁護活動はあくまで一般的なもので、その内容は個別事案により異なってきますことを予めご了承ください。
接見
まずは、少年との面会(接見)が基本の活動となります。
精神的にまだまだ未熟な少年にとっては弁護士の存在は心強いでしょう。
接見では、事件の認否によって具体的なアドバイスをさせていただくことができます。
取調べへの対応方法のアドバイス、事件の見通しなどをお伝えすることも可能です。
また、少年が学生・生徒であれば、学校との橋渡し役を務めることも可能です。
釈放に向けた活動
どのタイミングで弁護活動を開始できるかにより異なりますが、勾留決定前であれば、検察官、裁判官に釈放するよう、また勾留の理由、必要がないことを意見書などにまとめて訴えることによって早期釈放を促します。
また、勾留決定後、または観護措置決定後であれば、その決定に不服申し立てを行うなどして早期釈放に努めます。
示談交渉
示談交渉は弁護士にお任せください。
示談交渉をはじめるには、捜査機関(警察、検察)から被害者の氏名、連絡先、住所などの個人情報を取得する必要がありますが、個人情報を取得できるのは弁護士しかいません。また、示談交渉にあたっては相手方を条件を詰めていく必要がありますが、それには知識や経験が必要となります。示談が成立すれば早期釈放に繋がることもあります。
家庭裁判所への意見書の提出
勾留決定後は最大20日間、身柄拘束されます。そして、家裁送致後は家庭裁判所の観護措置という決定が出れば、今度は少年鑑別所に収容されてしまいます。そこで、弁護人としては家庭裁判所に対し、観護措置は必要でない旨の意見書を提出するなどして早期釈放に努めます。
少年事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
少年事件にも国選弁護人(付添人)はあるの?
少年事件にも国選はあるのか
少年事件の国選付添人について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
お子さんが逮捕された場合には、すぐにフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
国選弁護人という言葉はみなさんお聞きになったことがあるかと思います。
しかし、国選付添人を知っているでしょうか。
今回は少年事件における国選付添人について解説します。
~国選付添人~
少年事件は成人事件とは異なった流れで事件が進行していくことになり、その規定は少年法で定められています。
しかし、家庭裁判所に送致されるまでの被疑者の段階では刑事訴訟法の規定が準用されることになり、概ね成人と同じ流れで進行していくことになります。
そのため、国選弁護人の規定については成人と変わらず、勾留状が発せられ、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき、国選弁護人が選任されることになります。(刑事訴訟法37条の2)
そして、少年事件の場合、その後は基本的に事件が検察から家庭裁判所に送致されることになります。
そうなると弁護人としての活動は終了し、弁護士が選任される場合、付添人という立場で活動していくことになります。
この付添人についても国選付添人という制度があるのです。
しかし、国選弁護人と国選付添人では選任される要件が異なってきます。
少年法では、以下の場合に国選付添人を必要的又は裁量的に選任することができると定めています。
1 必要的に国選付添人が選任される場合
・検察官関与決定がなされた事件(少年法22条の3第1項)
・被害者等による少年審判の傍聴を許そうとする場合(少年法22条の5第2項)
2 裁量的に国選付添人が選任される場合
犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪」に該当する非行に及んだものについて、観護措置がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無等を考慮し、審判の手続に弁護士の付添人が関与する必要があると家庭裁判所が認める場合(少年法第22条の3第2項)
このように国選弁護人と国選付添人では選任される要件が異なっていますので、国選弁護人が付いていたからといって当然に国選付添人が選任されるわけではありませんし、選任されたとしても、被疑者段階での弁護士と同じ弁護士が付添人に選任されるとも限りません。
例えば、A君(18歳)が、窃盗罪で逮捕され、その後勾留が決定されてしまったとします。
勾留が決定されていますので、国選弁護人が付くことになるでしょう。
その後、家庭裁判所に送致されることになれば、観護措置がとられることになります。(少年法第17条第7項)
窃盗罪の罰則は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、「長期3年を超える懲役の罪」に該当し、上記2のケースとなります。
しかし、これはあくまで「国選付添人を付すことができる場合」ですので、家庭裁判所が弁護士である付添人が関与する必要がないと判断すると、国選付添人は付かないことになってしまいます。
国選付添人が選任されなかった場合は、私選で弁護士に依頼しなければ、弁護士が付かずに審判を受けることになってしまいます。
やはり、少年の更生を目指していくためには、家庭裁判所に送致されてしまう前から、同じ弁護士が少年の更生に向けた環境調整等を行っていくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では少年事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
ひき逃げ事件で家裁送致 少年事件の流れ
ひき逃げ事件を起こして家裁送致された少年事件の解決までの流れを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件の概要
18歳のAさん(専門学生)は、3ヶ月ほど前に自動車の運転免許を取得しました。
それ以来、父親名義の車を時々運転しているのですが、ある日、兵庫県姫路市の信号のある交差点を黄色信号で通過しようとしたところ、飛び出してきた自転車と接触する交通事故を起こしてしまいました。
接触によって自転車が転倒したのを見たAさんは、怖くなって、そのまま車を停止させることなく逃走しました。
帰宅したAさんは、この事を父親に相談して、事故を起こしたその日の夜に父親と一緒に兵庫県姫路警察署に出頭しました。
そして不拘束による捜査(取調べ)を受けたAさんは、ひき逃げ(過失運転致傷罪と道路交通法違反)の容疑で家庭裁判所に送致され、その後の少年審判で保護観察処分となりました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
ひき逃げ
ひき逃げとは、自動車やバイクなどの運転中に人身事故・死亡事故を起こした場合に、負傷者の救護義務や危険防止措置義務を怠って事故現場から離れることで成立する道路交通法違反の犯罪行為です。
交通事故について自分の無過失が明らかな場合でも、負傷者を救助しないことや危険防止措置を取らないことは許されず、ひき逃げとして処罰されます。
ひき逃げ事件では、事故現場からいったん立ち去った犯人について、そのままでは逃亡するおそれがあるなどとして逮捕・勾留によって身体を拘束される可能性がありますが、今回の事件でAさんは、自ら警察に出頭していたことから身体拘束を受けることなく捜査が進められました。
家庭裁判所に送致(少年事件の流れ)
少年事件は、警察の捜査を終えると一旦検察庁に送致され、その後家庭裁判に送致されます。(検察庁への送致を経ることなく警察から直接家庭裁判所に送致されることもある。)
家庭裁判所に送致されると、必要が認められると、それまで拘束されていなかった少年が、観護措置によって少年鑑別所に拘束されることもありますが、Aさんは、観護措置の決定がなされなかったので、少年審判に向けて行われる家庭裁判所の調査を在宅で受けました。
こうして迎えた少年審判でAさんは、保護観察処分となり、一度も身体拘束を受けることなく手続きを終了することができたのですが、保護観察期間中は定期的に保護司と面談する等して更生に向けて取組んだようです。
少年事件手続きの流れについては こちら をご確認ください。
このコラムをご覧の方で少年事件や、ひき逃げ等の交通事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の無料法律相談をご利用ください。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)
にて承っております。
また弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、すでに警察に逮捕された方に弁護士を派遣する初回接見サービスを提供していますので、初回接見サービスをご利用の方は こちら をご覧ください。
中学生の子供が同級生に暴行 傷害事件で在宅捜査
中学校で同級生に暴行した子供が傷害罪で取調べを受けている事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説いたします。
子供が中学校で同級生に暴行(傷害罪)
Aさんには、加古川市内の公立中学校に通う15歳の子供(男性)がいます。
先日、この子供が中学校で同級生と口論になり、暴行したようです。
中学校から呼び出しを受けて先生から事情を聞いたAさんは、同級生の自宅に行って謝罪しようとしましたが、相手の同級生は鼻を骨折しており、両親は激怒して兵庫県加古川警察署に被害届を提出したようでした。
しばらくして警察署から呼び出された子供は、任意で取調べを受けていますが、Aさんは、今後の手続きが不安で少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
「傷害罪」とは
傷害罪とは、その文字通り人の身体を傷害する犯罪です。
人を殴り、怪我を負わせる行為などが傷害罪の典型例といえます。
Aさんの子供は、同級生に暴行し、鼻骨骨折の傷害を負わせているので、その行為が傷害罪となることは間違いないでしょう。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。
しかし、この法定刑は「刑罰」なので、原則として少年であるAさんの子供が今回の事件で、この刑罰を受けることはありません。
Aさんの子供は、警察や警察庁の捜査が終わると家庭裁判所に送致されて、少年法に則って手続きが進むのです。
少年保護事件
少年保護事件においては、必要に応じて、少年に「保護処分」が言い渡されることになります。
「保護処分」には、大きく分けて
①少年院送致
②保護観察処分
③児童自立支援施設又は児童養護施設送致
があります。
保護観察処分は、在宅で少年の改善更正を図る処分です。
身体拘束を伴う少年院送致と比べると、少年の負担は軽くなるので、Aさんの子供のような事件では、審判不開始や不処分を目標に、最低でも保護観察処分の獲得が主な目標になるでしょう。
少年審判について
家庭裁判所へ送致された後は、まず観護措置をとるか否かが決められます。
観護措置がとられると、鑑別所に収容された上で調査を受けることになります。
家裁送致前は在宅で手続きが進行していたが、送致後に観護措置がとられ、鑑別所に収容されてしまうケースもあるので注意が必要です。
観護措置がとられなかったとしても、家庭裁判所の調査を受ける事には変わりありません。
そして家庭裁判所の調査が終了すれば、少年審判を受けることになります。
(※調査の結果次第では少年審判がない場合もある。)
少年審判が開始されれば、家庭裁判所の調査で得られた結果などをもとに、少年に対する処分が決められます。
少年事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が傷害事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
少年が強盗致傷罪で逮捕 早期釈放のための弁護活動~②~
~昨日からの続き~
昨日のコラムでは、強盗致傷罪で逮捕されてからの流れについて解説しました。
本日は、逮捕による身体拘束を少しでも短くするため、早期釈放のための弁護活動について解説します。
勾留に対する準抗告
裁判官が勾留の裁判(決定)を行うと、長期間の身体拘束を余儀なくされます。
このような長期身体拘束を回避する方法として「勾留に対する準抗告」が挙げられます。
「準抗告」というのは、裁判官や捜査機関が行った一定の処分について、裁判所に対して取消や変更を求める不服申し立ての手続のことをいいます。
裁判官が行った勾留裁判に対して、準抗告の申立てを行い、申立て先の裁判所が勾留裁判を取消し、検察官が行った勾留請求を却下するよう働きかけます。
「勾留」には満たさなければならない要件があります。
申立てには、それらの要件には該当せず被疑者を勾留した原裁判は違法であるためそれを取消し、検察官の勾留請求を却下すべきである旨を主張します。
勾留の要件
ここで重要になるので、勾留の要件です。
勾留の要件とは、「犯罪の嫌疑」、「勾留の理由」および「勾留の必要性」です。
(1)犯罪の嫌疑
被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がなければなりません。
身体拘束をする上で、犯罪を行ったことを裏付ける事実が必要となります。
しかし、勾留段階では、すべての証拠がそろっていることはなく、ここで要求されている嫌疑の程度は、それほど高いものではありません。
(2)勾留の理由
以下のうち、どれか一つに該当している必要があります。
①定まった住所を有しないとき。
②罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
③逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
(3)勾留の必要性
嫌疑及び勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより生ずる不利益とを比較し、権衡を失するときは、被疑者を勾留することは許されません。
弁護人の主張
今回の事件で弁護人の主張として考えられるのは、犯行後の少年の態度や証拠品が既に捜査機関によって押収されているため今更証拠隠滅を図ることは困難であること、また、少年に前歴がないことや保護者と生活をともにしていること、少年の保護者による監督が期待できることから逃亡すると疑うに足りる相当の理由が認められないこと、更には、長期の欠席により留年や退学のおそれがあることを考慮すると、勾留の必要性までは認められないということを客観的かつ具体的に主張することで、裁判所が勾留の裁判を取消し、勾留請求を却下する裁判をするよう働きかけます。
少年事件に強い弁護士
お子様が逮捕・勾留されてお困りであれば、刑事事件・少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部に今すぐご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、フリーダイヤル0120-631-881にて、無料法律相談や初回接見サービスのご予約を24時間受け付けております。
少年が強盗致傷罪で逮捕 早期釈放のための弁護活動~①~
事後強盗罪で逮捕された少年の、早期釈放のための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
兵庫県加古川市に住む高校生のAくん(16歳)は、自宅近所にあるコンビニで、おにぎりなど500円相当の商品を万引きしました。
そして、万引きした商品を持っていたカバンに隠してコンビニを出たところ、コンビニの店員に腕を掴まれたAくんは、逃げるのに必死で、店員の腕を引き払おうとして、店員を転倒させてしまったのです。
その後、逃げ切れないと諦めたAくんは、その後、店員の通報によって駆け付けた兵庫県加古川警察署の警察官に強盗致傷罪で逮捕されました。
店員は、転倒した際に、腕を擦りむく傷害を負っていたようです。
(フィクションです)
強盗致傷罪で少年が逮捕されたら(逮捕後の流れ)
20歳未満の少年が事件を起こし、逮捕されてしまった場合、基本的には成人の刑事事件と同様に刑事訴訟法が適用されます。
つまり、逮捕から48時間以内に、警察はAくんを釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致されると、検察官による取調べが行われ、それを受けて検察官はAくんを勾留する必要があるかどうか判断します。
検察官が勾留する必要があると判断すると、裁判官に対して勾留請求を行います。
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、Aくんと面談した上で、勾留の要件に該当するかを検討し、勾留決定をするか、勾留請求を却下しAくんを釈放するかを決定します。
そして、裁判官がAくんの勾留を決めると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められると最大で20日間の身体拘束となります。
勾留が決定すれば長期の欠席が余儀なくされるので、退学になれば、少年の社会復帰にも影響し、更生の障害と成り得るでしょう。
ですので、お子様が事件を起こし、逮捕・勾留されたら弁護士に相談し、勾留に対する準抗告を行うなど早期釈放に向けて動くことが重要です。
~明日に続く~
【少年事件】原付バイクで集団暴走 共同危険行為で警察に逮捕されますか?②
【少年事件】昨日に引き続き、原付バイクで集団暴走した少年が、共同危険行為で逮捕されるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部支部が解説します。
逮捕後はどうなるの
少年事件であっても、捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるので、成人と同じように逮捕・勾留といった刑事手続きが進められます。
逮捕後に勾留の必要があると認められるときは、逮捕から48時間以内に検察に送致されます。
そして検察官は、送致を受けてから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に勾留を請求するか釈放するかを決めることになります。
また逮捕・勾留といった刑事手続きが終了すると、その後は家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、裁判官と会い、「観護措置」をとるかどうかについて検討されることになります。
観護措置が決定されると、少年鑑別所に収容され2週間、更新されると最長4週間、さらに更新できる場合には最長8週間身体拘束を受けることになります。
少年鑑別所では、Aくんの社会調査の他、行動観察などの鑑別が行われます。
少年審判
最終的に少年の処分は少年審判で決定します。
少年審判が開かれると、保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設又は児童養護施設送致)、不処分などの決定がなされます。
少年審判は、処分が決定するという点では刑事裁判と同じ意味合いがありあますが、決定する処分については、犯した犯罪の大きさだけではなく、更生の見込みが大きくその処分に影響を及ぼします。
また、直ちに何らかの決定を行うことが適切でないと判断された場合は、中間的に、少年を相当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付する「試験観察処分」が行われることも考えられます。
兵庫県内の少年事件に強い弁護士
姫路市の少年事件でお困りの方、お子様が共同危険行為で警察に逮捕される可能性のある方は、兵庫県の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律神戸支部にご相談ください。
フリーダイヤル0120-631-881で24時間365日、初回接見サービス、無料法律相談のご予約を承っておりますのでお気軽に電話ください。